チャンピオンズカップ 2019【名馬列伝】二桁の軌跡。

 

ここに、前人未到の10個のチャンピオンベルトを守り続けた一人のファイターの軌跡がある。

だがそれはあの皇帝と呼ばれたシンボリルドルフ、日本競馬の結晶ディープインパクト、そして今のアーモンドアイを産み出した、新種牡馬の筆頭格世界のロードカナロア。

 

彼らの様な華麗なレースで歴史に名を刻んたのとは、少し違う。

 

彼が唯一無二の存在たる所以。それは、36戦17勝。この数字にある。彼はG1で最も勝った馬であるのと同時に、最も負けた馬でもあるからだ。

 

１回の負けでそれきりになる馬もいる。
１回の勝ちでそれきりになる馬もいる。

 

10回の勝利で満足せず、何度苦汁を味わっても彼は負けを恥じることなく「まだやるのか？」と周囲に言わせるまで、何度も何度も立ち上がった。

その姿勢はまるでかの偉大なボクサー、モハメド・アリのボクシングと似ている。

 

決して華麗な一撃だけでの勝利ではなく。文字通り「泥臭く」泥に塗れながらも、何発ものジャブを歯を食いしばりながら、誰よりも多く打ち続けた。

「人間が困難に立ち向かう時、恐怖を抱くのは信頼が欠如しているからだ。私は私を信じる。」

 

真のチャンピオン達は今日も、己の強さを信じ、弱さに打ち勝ち、次の一歩の踏み出していく。

 

（作：真田 幸太郎）

▼2014年 チャンピオンズカップ ホッコータルマエ

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