＜目次＞

◆イキナリ結論へ！

◆連覇した馬がいない理由

夢を届ける穴馬として！

斤量の重さを
物ともせずに
波乱を起こす重戦車

注ドゥラエレーデ

（10～12人気・Bムルザバエフ）

➡まず結論から言うと、彼に関しては、元から「ダート戦で先行させたら面白いのでは？」と思っていたので、個人的にはここへの参戦は納得している。加えて、鞍上のムルザバエフ騎手も込みで評価するなら、今年の東海ステークスを逃げ切った【プロミストウォリア】に近いイメージを持っている。

あの馬も、520キロを超える重戦車でありながらスタートからトップスピードに乗れるスピードと先行力を持っており！その走法は、この中京コースとは非常に相性が良い走り方なので！そんな彼と同様に、３歳馬ながら【524キロ】という恵まれた馬格を既に持っているこのドゥラエレーデにも、コース適性は十二分に感じている。

特に今年からは、ルール変更により！斤量の重さが従来までの【57キロ】➡【58キロ】へと重たくなっており！

３歳馬も、従来までの【56キロ】➡【57キロ】へと増やされているので！まだまだフィジカルが発展途上な３歳馬にとって、古馬と戦うダートのG1での【１キロ増】というのは、相当過酷な戦いになる事が想定されるので・・・！

まずはこの「背負い荷物の重さ」に耐えられるだけの【斤量への経験値】であったり、【重たい荷物を苦にしない馬体重の大きさ】このどちらかを満たしていることは明確な武器になる年だと考えている。

 

あの経験値は価値がある！

➡その点で行くと彼の場合は、524キロという豊富な馬格を持っているだけじゃなく！昨年の暮れに行われた【G1・ホープフルS】を優勝している様に！タフな馬場質や、直線に急坂があって上がりのスピードが遅くなる舞台でこそ、持ち味の【馬力】を発揮できる、まさに重戦車タイプなので！

⚠斤量が増えることによってスピードが落ち、尚且つ上がりも掛かるタフな戦いになる中京のダート1800ｍとは、相性が良いだろうと予想している！

そもそも、今年の【UAEダービー】の走破タイムが非常に優秀で！コース形態の違いや、砂質も全然違うので、時計其の物をそのまま鵜呑みにすることはできないが・・・！ただそうは言っても1900ｍのレースの中で、ドゥラエレーデ自身が1800ｍ地点を【1:50.5秒】で走破しているので！この時計を３歳春の時点で熟せているのは評価したい。

結果的に、UAEの砂質は軽すぎて・・・！日本でいう【稍重のダート】みたいに、かなりスピードが出やすい馬場だったので、持ち味である馬力を活かし難かったとは思うが！逆に言えば、メイダンのダートが軽すぎてスピードが足りなかったという事は・・・！

 

父＆母父の血が活きる！

➡過去には「ホッコータルマエ」などがそうであった様に！やはりパワーがいる砂の深い日本のダートコースの方が相性は良いと思われる！

故に、そうした環境下の中で、後にダートの本場【ブリーダーズカップ】で２着に大健闘するデルマソトガケに食らいついてはいたのだから、内容は評価すべき一戦だったと思っている！

加えて、このチャンピオンズカップというレース其の物が！ダートの頂上決戦であるのにも関わらず・・・！昨年は、父も母父もダービー馬だった「ジュンライトボルト」が優勝！

３着に入った３歳馬の「ハピ」も、父はダービー馬のキズナだった様に！実は芝の中距離～長距離のG1でも通用する血統が多くの活躍馬を輩出している様に！少し特殊なレースとなっている。

 

道中からのスピードも重要

➡やはりそれと言うのも、このコース形態が生み出す独特なリズムが強く影響しているようで！この中京ダート1800ｍというコースは、「向こう正面」～「４コーナーの立ち上がりまで」の間に【約600ｍ】もの長い下り坂がずっと続いてしまうので・・・！

普通であれば「道中で一旦休んで」呼吸を整えたい場所である筈の向こう正面でも…！ず～っと速いテンポのままで、走り続けなければ成らないタフなスピードコースになっている！

故に、まずは【道中からしっかりと流れに乗れること】が非常に重要であり！道中からのHペースに、食らいついていけなければ「振るい落とされる舞台」であり！

速いペースを追いかける事に慣れている事や！それをゴールまで持続できるだけの【強靭なスタミナ】を持っていないと生き残れないレースである！

 

旬のスピードが命

➡なので、超極端な表現をさせていただければ【向こう正面で勝負が決まる！】と言っても過言ではない！また、この「道中からの追走スピードが命」というテーマの重大性を、逆説的に証明しているのが！未だに、この舞台で行われているチャンピオンズカップを【２連覇した馬がいない！】という事実だ！

ホッコータルマエ　（１着）➡（５着）
サウンドトゥルー　（１着）➡（11着）
クリソベリル　　　（１着）➡（４着）
チュウワウィザード（１着）➡（２着）
テーオーケインズ 　（１着）➡（４着）

（※）あの「ホッコータルマエ」や、最近では「クリソベリル」も、昨年の「チュウワウィザード」でも２連覇の夢は叶わなかった様に・・・！

やはり競走馬とは、その馬にとってのピークを過ぎてしまうと、まず真っ先に「スピード」が低下し始めるので！向正面からの追走力が「肝」になるこのコース形態でのチャンピオンズカップでは、２年連続で優勝することが難しい舞台となっている！

 

道中での余裕が大事

➡この様に、道中のHペースをしっかりと追走できる事によって生まれる「余裕」こそが、最後の爆発力に繋がって来るコースレイアウトなので！まさしく【旬のスピード】が物を言う、そんな舞台設定なのである！

だからこそ、直近のキャリア実績でも、如何にこの「道中からの速い展開に、余裕を持って追走し、そのまま最後まで好走する事ができていたか？」ここの見極めがものすごく重要で！

道中からずっと速いテンポのままで走り続ける事に「体が慣れていないと戦えない」タフなコースなので！だからこそ余計に、今年のＵＡＥダービーで経験した【1:50.5秒】というペース配分は良い経験になっていると思う。

また、馬体についても前走が+18キロだった事もあり！この中間では手加減せずに、豊富な追い切りをすることが出来ていて！最終追い切りに至っては、序盤から鞍上が抑えるのに苦労するほどの強い前進気勢を見せており！その上で尚、最後の最後でGOサインを出すと「ビュイっ!!」と加速して併せ馬を置き去りにするなど！非常に活気溢れる仕草を見せていたので！ここは休み明けの”鉄砲”ならぬ、重戦車の”大砲”に、夢を託したいと思っている。