素晴らしい希少価値

➡ではまず、彼女が新馬戦で見せてくれた、衝撃的な【後半数値】と【能力の高さ】を改めて解説させていただこう。まず、この新馬戦で特徴的だったのが、外回りの1600ｍではなく！直線の短い内回りの1600ｍを経験してきた事が非常に大きい！

12.8 – 11.6 – 12.0 – 12.4 – 11.8 – 11.7 – 11.0 – 11.0【後半45.5秒】

これがもし、直線の長いコースだと…！新馬戦特有の超ドスローからの上がり勝負という展開になってしまうので、時計的な価値は全く無くなってしまうのだが！彼女の場合にはしっかりと、内回りの３コーナー入口から後半４ハロン(800ｍ)のロングスパートへと突入し！

その長いラストスパート勝負の中で（11.8 – 11.7 – 11.0 – 11.0）という加速ラップの中を、自身は10.7秒という決め手を記録して、勝ちパターンに持ち込んでいた馬を差し切っていたので！あれだけ長く続いた速いロングスパート勝負の中を、最後までバテずに加速し続けながら勝ち切っているのなら、時計的な価値としては非常に意味があると評価していた！

過去の名馬と比較しても

➡事実、その内回りコースで記録して来た【ロングスパートの後半数値】とは、一体どれほど凄い物だったのか？を改めて解説すると・・・！この様に【長い距離で誰よりも長く速く走り続けられた実績】という観点で振り返った時に、今年の２歳世代で過去の名馬たちと肩を並べる後半数値を記録出来ている馬は、かなり絞り込める。

【1400ｍ以上の後半800ｍで45.5秒より速い】
➡ディープインパクト、ワグネリアン、、サリオス、リバティアイランドなどなど
（現２歳の該当馬：ダノンエアズロック・タガノエルピーダ・チェルヴィニア・ボンドガール）

【1600ｍ以上の後半1000ｍで57秒台より速い】
➡イクイノックス、グランアレグリア、セリフォス、コントレイルなどなど
（現２歳の該当馬：エコロブルーム・ダノンエズロック・ジュンゴールド・タガノエルピーダ・チェルヴィニア・ボンドガール）

特にその中でも、これらの時計を既に【２歳の新馬戦】で記録できている馬は、根本的に積んでいるエンジンが違うと判断できると思っており！事実、上記両方の項目に合致している馬の中からはダノンエアズロックが２歳王者のレガレイラを撃破！チェルヴィニアはアルテミスSを完勝するなど！既に世代の筆頭格が出現しているので、この【タガノエルピーダ】にも引き続き注目すべきだと私は思っている！

乱ペースに逆らいながら

➡実際に、昨年の【G1朝日杯FS】では、マーカンド騎手がシュトラウスのスピードを押さえ切れず、暴走気味に捲って来た乱ペースに巻き込まれてしまい・・・！強風が吹き荒れる中【前半58.4秒】というHペースを早め３番手で追いかけてしまっては、体力的に相当厳しかったと思う。

実際に、勝ち馬の【ジャンタルマンタル】は後方のインコースでジッと脚を溜め。２着の【エコロヴァルツ】に至っては最後方から大外一気の追い込みで上がって来ていた様に！レースとしては完全に前崩れの差し有利な展開だったことは明々白々！

そんな苦しい展開の中を唯一無二、あのHペースを前で受け止めて！しかも外からは、ジューンテイクが凄い勢いで差して来たのにも関わらず！そんな外からのプレッシャーも弾き飛ばし、そのまま３着に粘って見せたタガノエルピーダの総合力には、本当に舌を巻いた！

しかも忘れちゃいけないのは、新馬戦からイキナリ挑んだG1で、しかも対戦相手は全て男馬が相手だった中を、あの前崩れなHペースを３番手から粘って受け止めたのだから・・・！途轍もない内容で走っていたこと改めて御認識いただきたい。

進化した最終追い

➡本来、この【阪神1600ｍ】という舞台で行われる朝日杯や桜花賞などのG1レースでは、厳しい前傾ラップになりやすく・・・！このタガノエルピーダの様に、馬体重の小さい小柄な牝馬には体力的に厳しいとされるコースレイアウトなのだが・・・！にも関わらず、あの乱ペースを前で走り続け、最後の急坂でも止まらなかったのだから、やはり持って生まれた才能が途轍もないことを感じさせる！

故に、本来は今回のチューリップ賞の様に、前半が遅いペース配分のレースの方が走りやすいタイプだと考えられるので！新馬戦で見せてくれたような、一気のギアチェンジからのロングスパート勝負を、早め３番手付近から発動してくれたら、今の阪神競馬場は馬場の内前が相当有利なので！後方からの追い上げをあざ笑うかのような抜け出しを期待したいと思う！

【前回】52.4-38.5-25.3-12.9（13.9-13.2-12.4-12.9）
【今回】51.3-37.9-24.8-12.4（13.4-13.1-12.4-12.4）

また追切に関しても、最終追い切りの坂路で自己ベストを更新するなど非常に順調で！しかも、以前に栗東坂路で自己ベストを更新した時には、終盤で大きく失速していたのに対し！今回は51.3秒という、今までとは別次元の時計を記録したのにも関わらず、最後の最後まで速い時計を記録しながら、１回も失速ラップになることなく走り切っていたので！内容としては、物凄く価値が高いと判断している！

以上の推奨理由から、前走の【G1朝日杯FS】より引き続き、彼女を２戦連続で◎本命指名したいと考えている！