こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】ユニコーンステークス 2018 における勝負の明暗
着 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | ルヴァンスレーヴ | 牡3 | 56 | M.デム | 1.35.0 | 08-04 | 35.2 | 1 | |
2 | 5 | グレートタイム | 牡3 | 56 | ルメール | 1.35.6 | 3 1/2 | 11-09 | 35.6 | 3 |
3 | 12 | エングローサー | 牡3 | 56 | 田中勝春 | 1.35.6 | 頭 | 14-13 | 35.2 | 7 |
4 | 6 | ホウショウナウ | 牡3 | 56 | 柴田大知 | 1.35.8 | 1 1/4 | 02-02 | 36.3 | 10 |
5 | 1 | セイウンクールガイ | 牡3 | 56 | 江田照男 | 1.35.8 | クビ | 01-01 | 36.4 | 16 |
6 | 4 | トキノパイレーツ | 牡3 | 56 | 津村明秀 | 1.35.9 | クビ | 07-08 | 36.0 | 13 |
7 | 13 | リョーノテソーロ | 牡3 | 56 | 吉田隼人 | 1.36.0 | 1/2 | 08-11 | 35.9 | 6 |
8 | 9 | コマビショウ | 牡3 | 56 | 武士沢友 | 1.36.1 | 1/2 | 11-11 | 35.9 | 5 |
9 | 7 | グリム | 牡3 | 56 | 川田将雅 | 1.36.2 | 1/2 | 05-04 | 36.4 | 2 |
10 | 3 | プロスパラスデイズ | 牡3 | 56 | 太宰啓介 | 1.36.8 | 3 1/2 | 08-09 | 36.8 | 8 |
11 | 16 | ミックベンハー | 牡3 | 56 | 藤田菜七 | 1.36.8 | 頭 | 13-14 | 36.3 | 14 |
12 | 15 | ダンケシェーン | 牡3 | 56 | 横山典弘 | 1.36.8 | ハナ | 16-16 | 36.0 | 11 |
13 | 8 | ハーベストムーン | 牡3 | 56 | 戸崎圭太 | 1.36.8 | クビ | 03-03 | 37.2 | 4 |
14 | 10 | バイラ | 牡3 | 56 | 和田竜二 | 1.36.9 | 1/2 | 05-04 | 37.1 | 9 |
15 | 2 | タイセイアベニール | 牡3 | 56 | 大野拓弥 | 1.37.2 | 1 3/4 | 03-04 | 37.5 | 15 |
16 | 11 | ベストマイウェイ | 牡3 | 56 | 内田博幸 | 1.39.4 | 大差 | 14-15 | 38.8 | 12 |
率直に言って、勝ち馬ルヴァンスレーヴは強い!
3角過ぎから捲り気味に上がり、4角で4番手という好位置を確保した鞍上デムーロの巧みな手綱捌きという追い風があったにせよ、ダート路線における世代屈指の素質馬が揃った中で、2着馬に3馬身半もの大差をつけた(しかも、上がり3ハロンの最速タイムをマークしている)のだから、文句なし!
私は「ユニコーンステークスの狙い」において、以下のように記した。一部抜粋の形でご紹介する。
直近3年の勝ち馬、ノンコノユメ、ゴールドドリーム、サンライズノヴァに目を奪われる。 多くの方がご存知の通り、彼らは、今年2月のG1【フェブラリーステークス】における1着、2着、4着馬!要するに、現在の日本ダート界は、この【ユニコーンステークス】が作ってきたと言っても過言ではないのだ! つまり、今回の【ユニコーンステークス】の勝ち馬は「明日のダート界の主役」だ!
もちろん、ルヴァンスレーヴは「明日のダート界の主役」を狙える存在だ。
この馬の最大の魅力は、今回のレースでも披露した通り「自在性の脚質がありながら、爆発的な末脚も使える」という点だと思う。
現在のダート界のトップクラスの面々は「脚質の決まっている馬」が多い。例えばノンコノユメなら、後方待機から、末脚を爆発させるという形が殆どだ。だが、それは「展開が嵌らなかった時に、苦しい戦いを強いられる可能性がある」ということの裏返しでもある。
一方、ルヴァンスレーヴには展開に合わせられる自在性の脚質があるだけに、そういった不安が感じられない。
輝かしい未来が待っている馬。それだけに、どうか怪我だけはしてほしくない。順調にいけば、シンボリクリスエス産駒の先輩にあたるサクセスブロッケンのように、ダートG1を複数勝つことも可能!
穴のキングスポーツとしては、今後なかなかこの馬を軸にすることはないと思うが(笑)馬券的なこととは別に、応援したくなる大器だ。
2着馬&3着馬の未来もかなり明るいぞ!
あここまで、優勝馬のことをほめ捲くってきたが、実は2着馬エングローサー&3着馬グレートタイムの未来も非常に明るい!
位置取りの差もあり、敗れはしたが、共に直線では鋭く伸びていたし、勝ち馬との能力差は着差ほどはない!これが私の考え方だ。
中でも評価しているのが3着のエングローサー。今回のキングスポーツの☆穴馬でもあったので、実際の解説文を一部抜粋の形でご紹介しておこう。
▼月曜からの予告☆穴馬! ━━━━━━━━━━ ノンコノユメのように 12番☆エングローサー ━━━━━━━━━━ ダート2戦目となった前走は一変!休み明けにもかかわらず、前半から落ち着いた雰囲気で道中を進むと、直線で鋭伸!上がり最速タイムで差し切った脚は、大袈裟ではなく、火を吹くような勢いであり、3歳時のノンコノユメを見ているかのようだった。稀に見る脚と、叩かれ2戦目のピークの状態を信じて狙い撃ち!
私たちの読み通り、素晴らしい脚(勝ち馬と同じく上がり3ハロン最速タイムをマーク)を使ってくれたが、何より評価したいのは、内の狭いところをこじ開けるように伸びてきた点だ。
どんなに「走力」における素質があろうとも、3歳馬の場合、他馬に揉まれたり狭いところに入ると、委縮したり、集中力を欠いたりして、力を出せずに終わるケース少なくない。経験の浅さ故だろう。
だが、エングローサーは、いとも簡単に狭いところから伸びてきた。この精神力は、ハッキリ言って3歳馬離れしているし、唯一無二とさえ言えるだろう。
走力&精神力は証明した。こんな馬が、もしもこの先、経験を重ね、あらゆる展開にも対応できるような面を身につけられたらどうだろう?楽しみで仕方ない。
彼らの激走の一方、有力視されたグリム(9着)、ハーベストムーン(13着)あたりは惨敗に終わった。だが、全く心配する事はない。力を出し切っていないからだ。
例えばグリムの川田将雅騎手はレース後「直線で前の馬たちがゴチャゴチャになり、その後ろにいたためスペースが無くなりました。馬は良くなっていただけにとても残念です」と語っている。
これまでのレースぶりからも素質は間違いないだけに、逆襲を楽しみに待ちたい。
【ユニコーンステークス 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【みんなのKEIBA 次回6月24日(日) 午後3時 宝塚記念】
ユニコーンS・GⅢは1番人気⑭ルヴァンスレーヴが快勝!ダート王への登竜門で見事結果を出しました!2着は3番人気⑤グレートタイム。3着は7番人気⑫エングローサーでした。 pic.twitter.com/vyTEYzcQ5C— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) June 17, 2018
【ユニコーンステークス 2018】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 ルヴァンスレーヴ(M.デムーロ騎手)
「スタートはあまり良くない馬ですが、二の脚が速く、良いポジションでずっと良い手応えでレースができました。直線では馬なりで先頭に立つことが出来ました。勝ちに行こうという気持ちの強い馬です」
(萩原清調教師)
「これまでとあまり変わりなく良い勝ち方でした。今後は馬の様子を見ながらですが、大井のジャパンダートダービーを目標に考えています。これから先、距離が延びても大丈夫でしょう」
2着 グレートタイム(C.ルメール騎手)
「距離が短かったですが、良い競馬をしてくれました。ペースが速くなかったので楽に流れに乗れて、最後も良い脚を使ってくれました。勝った馬は強かったですが、この馬も力のある馬です」
3着 エングローサー(田中勝春騎手)
「テンションは落ち着いていて、うまく運べたのですが、2着まであと少しでした。あそこまで行ったら2着が欲しかったです」
4着 ホウショウナウ(柴田大知騎手)
「素直で乗りやすい馬です。1400mを使っていたことで先行できて、最後ももうひと踏ん張りしてくれました。まだ3戦ですから、今後が楽しみです」
9着 グリム(川田将雅騎手)
「直線で前の馬たちがゴチャゴチャになり、その後ろにいたためスペースが無くなりました。馬は良くなっていただけにとても残念です」
11着 ミックベンハー(藤田菜七子騎手)
「ゲートはポンと出ましたが、そこから物見をしてしまい、思っていたより後ろからになりました。それでも最後ジワジワと伸びて頑張ってくれました」
16着 ベストマイウェイ(内田博幸騎手)
「スタートよく出てくれましたが、両脚の蹄鉄が外れてしまいました。この馬場ですから滑ってしまい、かわいそうでした」
(via ラジオNIKKEI )
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