こちらのコラムでは「結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
スプリンターズS(2017)の回顧
見誤った大局観
まずは、私がスタート地点で目指す方向を見誤ったことを猛省しなければなりません。
会員の皆様に以下のようにお知らせしました。
突然だが、会員の皆様に質問させて頂きたい。 「今年のスプリンターズSの出現する3連単の配当は、5万馬券以上?それとも5万馬券以下?」 私の答えは、新聞広告などでも示させて頂いたように「10万馬券以上が出るような波乱になると睨んでいる」 確かに今年のような誰が勝っても驚けない混戦の時ほど、意外にも上位人気馬同士の決着になることも承知している。正直に申せば、私も予告の☆穴馬16番ダンスディレクターと人気上位で信頼できる8番レッドファルクスのどちらを軸にすべきか、直前まで迷ったのは事実だ。 しかし、私が月曜日にこの出走メンバーを見た時の所感、いや長年培ってきた直感が「ここは荒れるぞ!」と駆り立てるのだ。 さあ、この決断が合っているかどうかは、レース結果が物語る。電撃の6ハロン、刹那のゴールの向こうに会員様の満面の笑顔があると私は確信している。
結果論ですが、2着・3着馬共に相手の馬として指名していただけに、レッドファルクスから勝負していれば、会員様にG1スプリンターズSの勝利をお届けできただけに悔やまれます。当然のことながら競馬に「たら、れば」は禁物です。攻めた結果ですので、真摯に結果を受け入れ、次に進みたいと思います。
レッドファルクス⇒サクラバクシンオー、ロードカナロアと並ぶ偉業は、王者の証
勝ったレッドファルクスは、混迷を極めた短距離界に自ら終止符を打った内容でしょう。
絶妙なペースでワンスインナムーン(石橋脩)が逃げたことで先行有利となり、それを絶好のポジションで構えたレッツゴードンキ(岩田)。鞍上が得意とする決め技「イン差し」で勝負あり!!というところ、外から残りの100Mだけで差しきった内容は、真の短距離王だからこそなせる脚。
レッドファルクスとほぼ同じ位置取りにいた軸馬⑯ダンスディレクターとは次元の違う脚だったことからも完敗です。
スプリンターズSの連覇は、あのサクラバクシンオー、ロードカナロアに次ぐ3頭目の偉業。それに相応しい名馬です。
またデムーロ騎手も、強い馬に跨がっているだけでなく、実に冷静。闇雲に外に出すことはせずに、彼とレッドだけの「ウイニングロード」が見えているかのよう。勝利への飢えという情熱を持ち合わせながらも判断は冷静。
これは一体どこから生まれくるのだろう?と思います。その源泉のヒントは勝利ジョッキーインタビューにありました。
「この馬は僕と一緒。負けたくない負けたくないと走ってくれる」というコメント。デムーロ騎手は大舞台になればなるほど、勝利への欲求が貪欲。それが故に、たとえ人気馬でなくとも勝つための策は何かあるはずだと考えています。これは日本人騎手だけではなく、私たちも含め、大いに見習うべき姿勢ではないでしょうか。
スプリンターズS 2017 レース後のコメント
1着 レッドファルクス(M.デムーロ騎手)
「とても気持ちいいです。パドックから具合が良いと思っていました。長く休みを取っても変わらない馬です。賢いです。僕と一緒で負けたくない気持ちのある馬です。スタートしてしばらくは反応が遅いのですが、手応えはずっと良かったです。速い馬場でしたが、手前が替わってからの伸びは素晴らしいです」
(尾関知人調教師)
「言うことのない枠順で、騎手が結果を出してくれると思っていました。道中は正直言って後ろすぎると思いました。届かないと思いましたが、すごい馬です。GIを勝って色々経験して、身につけていると思います。この後は高松宮記念で負けた悔しさもありますが、GIに全力投球でしたし、オーナーサイドと相談したいと思います」
2着 レッツゴードンキ(岩田騎手)
「スタートが良かったですし、内枠を生かしていい位置でレースが出来ました。最内のギリギリを狙って抜け出したのですが…」
3着 ワンスインナムーン(石橋脩騎手)
「行こうと思っていましたし、自分が思い描いていたレースは出来ました。馬は本当に強くなっていますし、馬に感謝です」
(斎藤誠調教師)
「これまでは初速の速さを抑えていましたが、GIということもあって出して行きました。3~4コーナーで後ろを離すのは騎手の計算にあったようです。いい逃げだったと思います。1200mでこういうレースが出来るのはいいことです。力をつけています。もう少しでした。放牧に出して一息入れます。暮れの阪神カップをメドに、京阪杯も視野に入れたいと思いますが、放牧してから考えます」
4着 スノードラゴン(大野騎手)
「馬の状態は良かったですし、うまく脚をためられれば脚を使う馬です。今日は内で脚をためられたことが良かったです」
5着 ブリザード(G.モッセ騎手)
「スタートで少し遅れてしまい、外の馬が出ていたので進路を失ってしまい、ロスしてしまいました。その後はよく折り合い、指示通り進出していき、直線もよく伸びてくれました。悔しいレースでした」
(P.イウ調教師)
「スタートで狭くなり、他馬とぶつかるアクシデントがありましたが、道中はいいポジションで最後もよく伸びてくれました。でも、今日は勝ち馬が強かったと思います」
6着 ビッグアーサー(福永騎手)
「いいスタートからリズム良く運べました。直線の半ばまでは、これならと思える手応えで踏ん張っていました。レース間隔が空いていたことを思えば、本当によく頑張ってくれたと思います」
7着 メラグラーナ(戸崎騎手)
「馬の感じはすごく良かったです。もう少し流れると思ったのですが…」
9着 フィドゥーシア(三浦騎手)
「追い切りのイメージで乗り、馬は応えてくれましたが、さすがにGIのメンバーですし、坂もありますからね。これで競馬の幅が広がり、良かったと思います」
11着 セイウンコウセイ(幸騎手)
「揉まれる経験がなく、それだけを心配していました。内外、タイトな感じでしたが、直線、外に持ち出すことが出来、これならと思ったのですが…。揉まれたことが影響したのかもしれません」
13着 ラインミーティア(西田騎手)
「抜群のスタートでしたが、その後、トモをすべらせてしまい、後方の位置取りになってしまいました。GIでこれでは厳しいですね」
14着 モンドキャンノ(池添騎手)
「ためて行く指示がありましたから、抑えて行きました。ムキになるところもありませんでしたし、4コーナー手前から仕掛けて行きましたが、反応がありませんでした。馬が止めているような感じです」
15着 ダイアナヘイロー(武豊騎手)
「好スタートから、したいレースは出来たのですが…」
16着 ネロ(勝浦騎手)
「出来れば行きたかったのですが、行けませんでした。外から早めに動かされた分、厳しくなってしまいました」
(via)ラジオNIKKEI
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8レッドファルクス
2レッツゴードンキ
6ワンスインナムーン#スプリンターズS#2017G1 pic.twitter.com/dQ1WuJCl8v— ぶるみど (@bluemidorin) 2017年10月1日