こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】新潟大賞典 2019 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | B8 | 15 | メールドグラース | 牡4 | 54 | レーン | 1.58.6 | 08-08 | 33.0 | 7 | (栗)清水久詞 | |
2 | 1 | 1 | ミッキースワロー | 牡5 | 57.5 | 横山典弘 | 1.58.7 | 3/4 | 13-12 | 32.9 | 3 | (美)菊沢隆徳 |
3 | 3 | 6 | ロシュフォール | 牡4 | 55 | ルメール | 1.58.7 | ハナ | 15-15 | 32.8 | 1 | *(美)木村哲也 |
4 | 8 | 16 | ルックトゥワイス | 牡6 | 55 | 北村友一 | 1.58.8 | 1/2 | 11-09 | 33.2 | 2 | (栗)藤原英昭 |
5 | B4 | 8 | ブラックスピネル | 牡6 | 57 | 三浦皇成 | 1.59.0 | 1 1/4 | 01-01 | 34.1 | 9 | (栗)音無秀孝 |
6 | 7 | 13 | クリノヤマトノオー | 牡5 | 55 | 和田竜二 | 1.59.2 | 1 1/2 | 12-12 | 33.4 | 8 | (栗)高橋義忠 |
7 | 5 | 10 | エアアンセム | 牡8 | 57 | 吉田隼人 | 1.59.3 | クビ | 04-04 | 34.0 | 10 | (栗)吉村圭司 |
8 | 6 | 11 | ダッシングブレイズ | 牡7 | 56 | 浜中俊 | 1.59.3 | クビ | 13-12 | 33.4 | 14 | (栗)斉藤崇史 |
9 | 3 | 5 | メートルダール | 牡6 | 57 | 福永祐一 | 1.59.4 | 1/2 | 08-09 | 33.7 | 4 | (美)戸田博文 |
10 | B1 | 2 | ショウナンバッハ | 牡8 | 54 | 田辺裕信 | 1.59.5 | 1/2 | 15-15 | 33.5 | 13 | (美)上原博之 |
11 | 2 | 4 | スズカデヴィアス | 牡8 | 57 | 藤岡康太 | 1.59.5 | クビ | 08-09 | 33.9 | 12 | (栗)橋田満 |
12 | 4 | 7 | アストラエンブレム | セ6 | 57 | 池添謙一 | 1.59.6 | クビ | 03-03 | 34.4 | 5 | *(美)小島茂之 |
13 | 7 | 14 | ドレッドノータス | セ6 | 56 | 坂井瑠星 | 1.59.8 | 1 1/4 | 02-02 | 34.8 | 16 | (栗)矢作芳人 |
14 | 6 | 12 | アウトライアーズ | 牡5 | 54 | 丸田恭介 | 1.59.9 | 1/2 | 06-05 | 34.5 | 15 | *(美)小島茂之 |
15 | 5 | 9 | サンデーウィザード | 牡7 | 56 | 津村明秀 | 2.00.1 | 1 1/2 | 06-05 | 34.6 | 11 | (栗)大久保龍 |
16 | 2 | 3 | ランガディア | 牡5 | 54 | 戸崎圭太 | 2.00.4 | 1 3/4 | 04-05 | 35.0 | 6 | *(美)木村哲也 |
平成最後のJRA競馬が終了した。
このコラムを書いているのは、4月29日の夜。平成は、残すところあと1日。
いくら競馬ファンのあなたでも、さすがに今夜と明日、明後日くらいは、競馬のことを忘れて去りゆく平成、訪れる新時代に思いを馳せるのではないか。
それだけに、今回のレース回顧は、いつもほどはじっくり読んでもらえないだろう。
その点を想定し、なるべくコンパクトに、要点を絞って書くつもりだ。その要点を頭の片隅にでも入れていただけたら幸いだ。
新潟大賞典における鉄板の展開だった
個々の馬の能力については、新聞紙上、ネット等の記事でさんざん紹介されていると思うので、全体的な話をしたい。
実は、レース前の段階で公開していた「新潟大賞典のコラム」において、以下のような内容を記した。
新潟コースは1週の距離、直線の長さともに日本最長。
【新潟大賞典】の条件も芝2000Mという長めの距離だから「スタミナが求められる」と考える方が多いのではないか。
もちろん、スタミナはあるに越したことはない。だが、それよりも重要なのは
速い上がりを使えるか否か
上でご紹介した直近5年の勝ち馬のデータを改めて確認してみよう。
新潟大賞典 直近5年の勝ち馬データ
日付 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 馬番 | 人気 | 着順 | 距離S | 馬場状態 | 調教師 | 走破タイム | 上り3F |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018. 5. 6 | スズカデヴィアス | 牡7 | 三浦皇成 | 1 | 5 | 1 | 芝2000 | 良 | (栗)橋田満 | 2000 | 32.8 |
2017. 5. 7 | サンデーウィザード | 牡5 | 石橋脩 | 2 | 3 | 1 | 芝2000 | 稍 | (栗)大久保龍 | 1586 | 34.1 |
2016. 5. 8 | パッションダンス | 牡8 | 津村明秀 | 9 | 10 | 1 | 芝2000 | 良 | (栗)友道康夫 | 1578 | 34.5 |
2015. 5.10 | ダコール | 牡7 | 小牧太 | 6 | 5 | 1 | 芝2000 | 良 | (栗)中竹和也 | 1596 | 32.9 |
2014. 5.11 | ユールシンギング | 牡4 | 吉田隼人 | 10 | 3 | 1 | 芝2000 | 良 | *(美)勢司和浩 | 1592 | 33.1 |
何と、直近5年の勝ち馬のうち、2頭が32秒台!稍重だった一昨年でさえ、34秒1というまずまずのタイムがでている。
皆が恐れるコースだからこそ
何故、これだけの極端な速い上がりの勝負になるのか?
結局のところ、皆が長い直線を恐れているということ。
直線でバテるのが怖いから、前半から飛ばすことができない。必然的にスローペースとなる。
それに加えて、3コーナーから4コーナーにかけて下り坂になっている点も見逃せない。スピードが乗った状態のまま直線に入るのだから、当然、上がりは速くなる。
当然、今年もこれまでと同様の展開になるだろう。では、今年の出走予定馬の中で、最も速い上がりを使える馬は誰なのか?
上位人気候補の中ではミッキースワローあたりがそういったタイプだと思うが、実はそれ以上に魅力的な伏兵が、、、
結果は、予想通りだった。
上がり最速が32秒台の決着となり、更に上がりタイムが3番目までの馬が、上位3頭を占めた。
名前を挙げていたミッキースワローも、重いハンデをものともせずに2着に入っている。
来年も確実に同じ展開になる
過去の傾向からも
スローからの瞬発力勝負になる
ことは誰もがわかっているはず。それでも、流れを変えようとするジョッキーがいない(それだけ新潟の直線が怖い)のだから、来年以降も変わることはないだろう。
ということで、改めて、皆様には思えておいてほしい。
新潟大賞典は速い上がりを使える馬を優先すればOK!
レーン騎手は只者ではない
最後に、今週から短期免許で来日、伏兵・メールドグラースを勝利に導いたレーン騎手について。
上の記事からもわかるように、日本でも活躍したウィリアムズ騎手を師とあおぐ、豪州の若手トップジョッキー。今回の結果を別にしても、将来的にはかなりのレベルにまで到達しそうな気がする。
一流ジョッキーにとって最大の要素は
体内時計
だと言われる。
時計が正確、つまりペース判断が正確だから、位置取り&仕掛けどころにミスがない。自然と結果は出る。ちなみに、全盛時代の武豊騎手などはその象徴ともいえる存在だった。武豊騎手とエアグルーヴでコンビを組んだ伊藤雄二元調教師なども絶賛いていた。
レーン騎手のこの3日間の騎乗ぶりを見ていると、まさにかつての武豊を見ているかのようで驚かされた。ぜひ、皆様も彼のこれからに注目してほしい。
次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!
今回の「未来の主役」としてご紹介するのは
3着のロシュフォール
1番人気を裏切る形になったとはいえ、昇級初戦&いきなりの重賞挑戦だった点を考慮すれば、全く悲観することはないだろう。
今回のレースで、6戦連続で上がり最速をマークすることになった。素晴らしいが、決して単なる上がりだけの馬ではない。
レース後、ルメール騎手が「スタートからゆっくりなのはいつものことで、3~4コーナーから加速する馬」と語っていたように、息の長い脚を使えるタイプであり、コース次第ではまくっていけるような自在性も備えている印象。
競走馬としての「器の大きさ」を感じる。
いずれは、G1でも上位争いが可能なレベルにまでいくと思う。要注目!
【新潟大賞典 2019】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 メールドグラース(D.レーン騎手)
「良いスタートを切れました。流れもスムーズで、直線ではとても良い手応えでした。反応もとても良く、しっかりと伸びてくれました。これからがさらに楽しみです」
2着 ミッキースワロー(菊沢隆徳調教師)
「トップハンデでもありましたが、力のあるところを見せてくれました。枠が違っていたらとも思います」
3着 ロシュフォール(C.ルメール騎手)
「スタートを切ってからゆっくりと進めて、3~4コーナーから加速させていきました。一所懸命頑張っていますが、ラストの100m~50mで疲れました」
4着 ルックトゥワイス(北村友一騎手)
「スタート五分で、リズム良く行けました。勝負どころの反応が鈍いのはいつものことですが、エンジンがかかりだした時に内からぶつけられて、トモを落としてしまいました。ちょっとしたことですが、これが響きました」
5着 ブラックスピネル(三浦皇成騎手)
「絡まれずに自分のペースで行けましたし、よく頑張っています。ここに来て馬が良くなってきています」
(via ラジオNIKKEI )
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