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京成杯 2020【回顧】大器の予感!クリスタルブラック

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】京成杯 2020 における勝負の明暗

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
1 1 クリスタルブラック 牡3 56 吉田豊 2.02.1   08-11-10-10 35.4 7 20.9 476 +4 (美)高橋文雅
8 12 スカイグルーヴ 牝3 54 ルメール 2.02.2  1/2 02-02-02-01 36.2 1 2.1 444 +4 (美)木村哲也
6 7 ディアスティマ 牡3 56 シュタル 2.02.6 2 1/2 04-04-04-04 36.4 6 13.0 480 0 (栗)高野友和
7 10 ビターエンダー 牡3 56 津村明秀 2.02.6 クビ 08-08-07-07 36.2 4 8.3 470 +12 (美)相沢郁
5 5 キングオブドラゴン 牡3 56 田辺裕信 2.02.8 1 1/2 04-04-04-04 36.6 8 30.8 498 0 (栗)矢作芳人
2 2 リメンバーメモリー 牡3 56 大野拓弥 2.02.9 クビ 12-12-12-11 35.9 11 92.2 466 0 (栗)佐々木晶
4 4 ロールオブサンダー 牡3 56 松山弘平 2.03.0  1/2 01-01-01-02 37.1 5 8.8 506 0 (栗)橋口慎介
8 11 ヴィアメント 牡3 56 M.デム 2.03.3 2 08-08-07-07 36.9 9 35.5 488 +6 (美)鹿戸雄一
5 6 ゼノヴァース 牡3 56 マーフィ 2.03.5  3/4 07-07-07-04 37.1 3 6.0 450 -12 (美)藤沢和雄
10 6 8 ヒュッゲ 牡3 56 和田竜二 2.03.8 2 02-02-02-03 37.8 2 5.6 464 -8 (栗)友道康夫
11 7 9 キムケンドリーム 牝3 54 石橋脩 2.03.9  1/2 04-06-04-07 37.7 10 67.5 436 -12 (栗)西村真幸
12 3 3 チュウワジョーダン 牡3 56 丸山元気 2.05.8 大差 08-08-10-12 39.2 12 295.0 458 +14 (美)林徹

 

優勝したのは、7番人気の伏兵・クリスタルブラックだった。

実は、レース前の段階で公開した「レースの狙い」において「京成杯における人気馬と伏兵の関係」のいついて書かせていただいた。

該当部分を転載してみたい。

ここで、直近5年の馬券圏内馬15頭を確認してみよう。

日付 馬名 騎手 人気 着順 調教師
2019. 1.14 ラストドラフト ルメール 4 (美)戸田博文
2019. 1.14 ランフォザローゼス マーフィ 2 (美)藤沢和雄
2019. 1.14 ヒンドゥタイムズ 中谷雄太 7 (栗)斉藤崇史
2018. 1.14 ジェネラーレウーノ 田辺裕信 1 (美)矢野英一
2018. 1.14 コズミックフォース 戸崎圭太 2 (美)国枝栄
2018. 1.14 イェッツト 蛯名正義 6 (美)金成貴史
2017. 1.15 コマノインパルス 田辺裕信 1 (美)菊川正達
2017. 1.15 ガンサリュート 北村友一 7 (栗)安田隆行
2017. 1.15 マイネルスフェーン 柴田大知 3 (美)手塚貴久
2016. 1.17 プロフェット フォーリ 5 (栗)池江泰寿
2016. 1.17 ケルフロイデ 石橋脩 7 (美)加藤征弘
2016. 1.17 メートルダール 戸崎圭太 2 (美)戸田博文
2015. 1.18 ベルーフ 川田将雅 3 (栗)池江泰寿
2015. 1.18 ブラックバゴ 蛯名正義 1 (美)斎藤誠
2015. 1.18 クルーガー 内田博幸 6 (栗)高野友和

 

ご注目いただきたいのは、各馬の単勝人気。

実は全ての年で「単勝1or2番人気の有力馬と、単勝6番人気以下の伏兵が同時に馬券に絡んでいる」のだ。

 

まさしく、その通りの決着となった訳だ。(1着7人気、2着1人気、3着6人気)

こういった時「少しでもコラムを読んでくださった方に有益なお話を届けられたかな」という思いでほっとすることもあるのだが、今回に関してはそういった心境からはほど遠かった。

私の頭を支配したのは

優勝馬クリスタルブラックの強さのみ

だったのだ。

 

鞍上の振る舞いに強さが表れている

今回のクリスタルブラックは

上がり3ハロン最速タイムをマーク&好位組が粘る中で4角10番手から差し切り

字面だけを見ても素晴らしい勝利といえるだろう。

だが、本当の強さは鞍上・吉田豊騎手に振る舞いに表れている。

厳しい位置取りだったにもかかわらず、4角手前あたりまでガッツリ追ってはいない

のだ。前に馬がいて追いにくい面もあっただろうが、本当にギリギリだと思えば強引にでも仕掛けただろう(以下のリンク先でレースが見られるようなので、見ていないという方は確認してほしい)

 

レースを見逃した方はコチラから

 

改めて語るまでもないだろうが、鞍上は、近年は怪我の影響で苦しんでいたとはいえ、通算1200勝以上を挙げているベテランだ。

数々の名馬とコンビを組んできただけに、本当に強い馬の背中を知っているだけに

ギリギリまで追わなくても十分に差しきれる力の持ち主

だと確信していたのかもしれない。

 

レース後、鞍上は

脚を使えるかなと思ったけど、外に出した感じが新馬戦と同じ感触。ただ、まさか届くとは…

というコメントを残していたが、レースぶりを見る限り、謙遜、もしくはライバル陣営に対する配慮のコメントとしか思えないね。笑

 

東京でも対応可能だとみる

さて、気になるのは今後だ。

同じ舞台で行われる【皐月賞】がひとまずの大目標になるだろうが、父キズナの血統背景から【ダービー】での活躍を期待する競馬ファンも多いだろう。

新馬戦&今回がいずれも中山だけに、東京での走りを想像するのは難しい部分もあるが、私の感覚では対応できる可能性は高いとみる。

 

ゴール前で鋭く差しただけに、瞬発力が目立ってしまったが、直線全体の走りみれば、むしろ「追えば追うだけ伸びる」息の長い脚を使えるタイプではないか。

長い直線で、さらなる力を発揮する瞬間を楽しみにしている。

 

1番人気スカイグルーヴは?

それに対して、2着に敗れたのがスカイグルーヴ。

惜しいレースだったとはいえ1番人気を裏切った形になるから、がっかりされたファンは多いかもしれない。

だが、結果はともかく、今後が楽しみになるようなレースぶりだったと思う。

ということで「未来の主役」として、簡単に解説しておきたい。

今回こそ敗退するも未来で期待が持てる穴馬は必ず埋もれている!!近い将来に高確率で爆走するだろう穴馬をお知らせしています。

この馬の内容を高く評価した理由については、レース後のルメール騎手のコメントを紹介するのが最善だと思う。

「リラックスしていたし、マイペースで冷静に走っていた。ずっといい感じで行けたし、手前も替えた。ただ、(最後は抜け出して)1頭になってさみしかったようだ。勝った馬は突然来たし…。まだ良くなりそうだし、あとは経験だけ」

完全に同意だ。

結果2着に負けただけで、ほぼ完璧なレースをしていたように思う。

経験の浅い3歳馬が、完璧なレースをするだけでも難しいのに、ましてや牡馬相手だったのだから、素晴らしい。

牝馬限定なら、どんな条件だろうと好走する可能性が高い。

クラシックの最有力候補の1頭として、期待しようと思う。

 

【京成杯 2020】のレース後の関係者のコメント

~レース後のコメント~
1着 クリスタルブラック(吉田豊騎手)
「新馬戦で外からいい脚を使いましたから、今日は1番枠でしたが最後は外に出したいと考えていました。道中は気合いが乗りすぎて引っ掛かっていたのでどうかと思いましたが、今日も外に出すと伸びてくれました。乗り味のいい馬ですが、テンションが上がりすぎるところがあるので、そのあたりが良くなればと思います」

(高橋文雅調教師)
「まだ体も全体的に緩いですし、今日はゲートでソワソワしたり1コーナーで前の馬にぶつかりそうになるなどヒヤヒヤしました。無事に回ってくればと思って見ていましたが、想像を超える走りをしてくれました。走りたくてしょうがないという感じで、まだコントロールできない馬ですから、今日のようなレースしかできないと思います。そういう感じなのでレースをそんなに使えないと思いますので、今日賞金を加算できたのは大きいと思います。その分、伸びしろは大きい馬です。どう育てようか悩みどころです。今日は初めての重賞を吉田豊騎手で勝てたのが一番嬉しいです」

2着 スカイグルーヴ(C.ルメール騎手)
「手前も替えてリラックスしてずっといい感じで走っていました。最後一頭になって見えないところから急に勝ち馬に来られてしまいました。重賞のレベルで経験もないので、まだ良くなると思います。とにかく経験を積んでいけばと思います」

3着 ディアスティマ(A.シュタルケ騎手)
「4コーナーを回ってトモを滑らせていましたが、またそこから盛り返していました。まだ成長途上の馬だと思います」

4着 ビターエンダー(津村明秀騎手)
「よく頑張っています。だいぶメンバーも強くなってこれからの馬なので仕方ないです。上位2頭とは決め手の差がありました」

7着 ロールオブサンダー(松山弘平騎手)
「ハナにはこだわらず行く馬もいなかったので前へ行きました。もう少し頑張れると思ったのですが……」

10着 ヒュッゲ(和田竜二騎手)
「やりたいレースはできましたが、最後は抵抗できませんでした。まだこれからの馬です」

(via ラジオNIKKEI 

 

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