こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】平安ステークス 2020 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 5 | オメガパフューム | 牡5 | 59 | 北村友一 | 1.56.0 | 06-06-07-07 | 35.5 | 3 | 5.3 | 460 | +9 | (栗)安田翔伍 | |
2 | 7 | 11 | ヴェンジェンス | 牡7 | 57 | 幸英明 | 1.56.2 | 1 1/4 | 03-03-02-03 | 36.1 | 5 | 8.6 | 496 | 0 | (栗)大根田裕 |
3 | 5 | 7 | ゴールドドリーム | 牡7 | 58 | 藤岡佑介 | 1.56.5 | 2 | 04-04-04-04 | 36.2 | 2 | 4.3 | 530 | (栗)平田修 | |
4 | 3 | 3 | ヒストリーメイカー | 牡6 | 56 | 畑端省吾 | 1.56.8 | 1 1/2 | 09-09-08-08 | 36.2 | 10 | 64.2 | 526 | -20 | (栗)新谷功一 |
5 | 6 | 10 | スワーヴアラミス | 牡5 | 57 | 松田大作 | 1.56.9 | 1/2 | 02-02-02-01 | 36.9 | 4 | 5.4 | 488 | 0 | (栗)須貝尚介 |
6 | 7 | 12 | マグナレガーロ | 牡5 | 56 | 北村宏司 | 1.57.0 | 1/2 | 06-06-04-04 | 36.7 | 6 | 12.0 | 498 | +4 | (栗)角居勝彦 |
7 | 8 | 14 | ダンツゴウユウ | 牡6 | 56 | 酒井学 | 1.57.0 | ハナ | 08-08-08-09 | 36.2 | 9 | 59.7 | 472 | +4 | (栗)谷潔 |
8 | 1 | 1 | アシャカトブ | 牡4 | 56 | 武藤雅 | 1.57.2 | 1 1/2 | 04-04-04-04 | 37.0 | 8 | 58.5 | 500 | -2 | (美)小笠倫弘 |
9 | 4 | 6 | ヒロブレイブ | 牡7 | 56 | 国分恭介 | 1.57.3 | クビ | 14-13-11-11 | 36.4 | 14 | 364.1 | 486 | 0 | (栗)川村禎彦 |
10 | 2 | 2 | ロードレガリス | 牡5 | 56 | 池添謙一 | 1.57.4 | 1/2 | 11-11-14-14 | 35.9 | 1 | 3.0 | 526 | +6 | (栗)野中賢二 |
11 | 6 | 9 | ミツバ | 牡8 | 58 | 松若風馬 | 1.57.7 | 1 3/4 | 10-10-11-12 | 36.6 | 13 | 176.4 | 484 | +10 | (栗)加用正 |
12 | 3 | 4 | ハヤヤッコ | 牡4 | 57 | 斎藤新 | 1.57.8 | 1/2 | 11-11-10-09 | 36.9 | 11 | 76.0 | 474 | -6 | (美)国枝栄 |
13 | 8 | 13 | アッシェンプッテル | 牝4 | 54 | 太宰啓介 | 1.58.3 | 3 | 13-13-11-12 | 37.2 | 12 | 168.3 | 512 | 0 | (栗)奥村豊 |
14 | 5 | 8 | スマハマ | 牡5 | 56 | 坂井瑠星 | 2.01.5 | 大差 | 01-01-01-02 | 41.6 | 7 | 23.1 | 524 | -10 | (栗)中内田充 |
レース回顧の前に、今年ここまでの主なダート戦を振り返ってみたい。
まずは2月のG1【フェブラリーステークス】。
優勝馬こそ1番人気のモズアスコットだったが、2着には何と最下位人気のケイティブレイブが突っ込んだ!
3連単では特大46万馬券!驚かれた方も多いだろう。
もうひとつ、忘れてはいけないのが今月頭に行われた交流G1【かしわ記念】
G1ウイナー・モズアスコット、更に久々ながら実績十分のルヴァンスレーヴが出走するということもあり、彼らに人気が集まったが、、、なんと共に馬券圏外。
優勝したのは6番人気の伏兵・ワイドファラオだった。
2つの大一番が一筋縄ではいかなかった事実は
現在のダート界の混戦ぶり
をはっきりと証明するものだ。
やはり今回もスンナリとは決まらず
当然、今回も1~3番人気で簡単に決まることはないだろうと考えた。
そこで、キングSは5番人気の11番ヴェンジェンスから勝負!
おかげさまで、馬連2100円を射止めることができた。
見事2着に激走してくれたし、Youtubeチャンネルでもヴェンジェンスの激走を断言していただけに、喜んで下さった方も多かっただろう。
的中の喜び、そして1番人気ロードレガリスが10着に敗れたことで「やはりスンナリとはいかなかったか」といった思いもあるが、それよりも!
やはりレース全体を振り返る中で最も強く感じたのは
勝ち馬のオメガパフュームの圧倒的な強さ
に他ならない。
もちろん、改めて語るまでもなくオメガパフュームは素晴らしい馬だ。
これまでに交流G1を3勝!(東京大賞典2勝&帝王賞1勝)
ハマった時の強さはもちろんだが、同時の安定感も抜群。
前走までの段階で、デビュー以来15戦中、何と12戦で馬券圏内に絡んでいるのだ。
それほどの馬にもかかわらず、3番人気にとどまったのは「斤量59キロ」が原因だろう。
同じ斤量を背負った昨年の【平安S】では3着に終わった。
また、京都ダート1900Mという舞台は、オメガパフュームのような小柄な馬(今回は460キロ)たちが苦戦してきた歴史がある。
京都ダ1900M 馬体重別の成績(近10年・OP以上20レース)
馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
420~439kg | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
440~459kg | 0- 1- 0- 4/ 5 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
460~479kg | 3- 0- 0- 40/ 43 | 7.0% | 7.0% | 7.0% |
480~499kg | 4- 6- 8- 70/ 88 | 4.5% | 11.4% | 20.5% |
500~519kg | 7- 8- 8- 63/ 86 | 8.1% | 17.4% | 26.7% |
520~539kg | 6- 4- 4- 51/ 65 | 9.2% | 15.4% | 21.5% |
540~ | 0- 1- 0- 17/ 18 | 0.0% | 5.6% | 5.6% |
だが、今年のオメガパフュームにとっては、そういった歴史は全く問題ではなかった。
率直に言って
昨年までとは比べ物にならないほど力をつけている!
どこをとってもスキがない
とにかく、スタートからゴールまで
あたかもひとつの作品
であるかのように、全くスキが見られなかった
好スタートから中団を確保したかと思えば、余裕たっぷりの手応えで追走。
余力たっぷり、抑えきれないほどの手応えで直線に入ったかと思えば、案の定鋭く伸びた。
もちろん、上がり3ハロンで最速タイムをマークしての先頭ゴールだ。
これまでのオメガパフュームを思い出すと、位置取りだったり折り合いだったり、どこかしらに僅かなマイナス要素が見られた。
そんな馬からスキがなくなれば、完璧な走りをして当然かもしれない。
ちなみに、管理する安田翔調教師は、次のように語っている。
5歳にして、陣営も認める本格化というところだろう。
今年の主役は決まりか!?
恐らく、これまでのオメガパフュームを見る限りベストは2000M付近。
だが、それはあくまでも「これまで」の話。
本格化した今の強さなら、距離の守備範囲も広がっている可能性が高い。
それだけに!これから年末まで、いや年明け2月の【フェブラリーステークス】までの「ダート路線」は
のではないだろうか。
まだ5歳だし、場合によっては長期政権も!注目していこうじゃないか。
4着・ヒストリーメイカー
10番人気の低評価ながら4着ということでフロック視される方もいるかもしれないが、結論からいえば
間違いなく本物
その理由は「折り合い面の進化」にある。
レース後、鞍上の畑端騎手が次のようにコメントしている。
このように、最大の弱点が折り合い面だった。
陣営もそのあたりを考慮し、様々な取り組みをしていたようだし、実際に調教では折り合いの不安が随分に解消されたように見えていたのだ。
前走でオープンクラス快勝するほど走力のある馬が、弱点解消となれば、前進は当然。
だから、フロックではなく「本物」なのだ。
今回は、G3とはいえ相手のレベルが高かった。
もう少し戦いやすい相手関係なら!重賞勝ちの可能性も十分にあるだろう。
【平安ステークス 2020】のレース後の関係者のコメント
1着 オメガパフューム(北村友一騎手)
「一週前と当該週に追い切りに乗せて頂きました。一週前より今週の方が動きも良く、良い意味でピリッとしていたので良かったのかなと思います。基本、前が止まらない流れを考えていたので、59kgを背負っているので、下げるより、良い所につけていきたいと考えていました。予想以上にスタートが良く、いい位置で運べたと思います。追い切りに乗った時と同じで反応良く長くいい脚を使ってくれました。59kgでこのパフォーマンスですから、力のある馬ということを感じました。この後も頑張ってもらいたいですね」
2着 ヴェンジェンス(幸英明騎手)
「位置としては、思っていたよりも前になりましたが、力のある内容でしたし、次が楽しみです」
(大根田裕之調教師)
「スローでしたし、普通に行ったら3番手だったという感じです。最後まで踏ん張っていましたし、よく走っていると思います。この後は、様子を見て考えます」
3着 ゴールドドリーム(藤岡佑介騎手)
「調教の時は、物足りないと思いましたが、レースではさすがの走りに変わっていました。勝ち切れなかったのは残念ですが、ここを使って、更に良くなると思います」
(平田修調教師)
「完調には一歩手前もいう感じでした。色々ありましたが、次に向けて、もっと伸びるかと思いましたが、良い競馬をしていたと思います」
4着 ヒストリーメイカー(畑端省吾騎手)
「いつもより折り合いもついて、その分良い脚できてくれました。調教で色々工夫をして、今日は折り合い面で進展があり、右にもたれる面も、いくらかマシになっていました。通用しそうな感じですし、このまま行ければと思います」
6着 マグナレガーロ(北村宏司騎手)
「厩舎から、緩さがあるかもと聞いており、その通りの印象がありました。重賞でも踏ん張ってくれ、まだ良くなる余地があると思いました。もっと上でもやれると思いました」
7着 ダンツゴウユウ(酒井学騎手)
「外枠で嫌な枠だなと思っていましたが、ポンと出てくれました。ただこのメンバーで勢い良く行っても...と思って、我慢させるレースをしたかったです。息が入ってからはスッと抜けてくれていました。3コーナー手前で勝ち馬が動く前に行きたかったのですが、3、4コーナーでモタついてしまいました。そこから詰めてくれていますが...今後もこういったメンバーでしっかりやれるようになって欲しいと思います」
8着 アシャカトブ(武藤雅騎手)
「上出来だと思いますし、慣れてくれば、全然やれると思います。」
10着 ロードレガリス(池添謙一騎手)
「ゲートを出て、耳をしぼって、全然進んで行きませんでした。最後、もたれて内にしか行けませんでした。ずっと嫌々走っていて、集中させられませんでした」
(via ラジオNIKKEI )
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