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ホーム勝負の明暗富士ステークス 2020【回顧】目覚めた「サンデー系の血」&次走への一言メモも

富士ステークス 2020【回顧】目覚めた「サンデー系の血」&次走への一言メモも

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】富士ステークス 2020 における勝負の明暗

2020年10月24日(土) 4回東京5日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1600m 12頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
5 5 ヴァンドギャルド 牡4 56 福永祐一 1.33.4      06-08 34.6 5 6.2 468 -6 (栗)藤原英昭
8 11 ラウダシオン 牡3 56 M.デム 1.33.6 1 1/4    03-03 35.2 3 6.2 510 +16 (栗)斉藤崇史
7 9 ケイアイノーテック 牡5 57 津村明秀 1.33.8 1 1/4    11-11 34.7 6 10.3 472 0 (栗)平田修
7 10 ペルシアンナイト 牡6 57 大野拓弥 1.33.9 クビ    08-06 35.2 9 13.1 490 -10 *(栗)池江泰寿
2 2 タイセイビジョン 牡3 54 石橋脩 1.34.0  3/4    05-04 35.4 4 6.2 468 0 (栗)西村真幸
B3 3 モズダディー 牡5 56 内田博幸 1.34.2 1 1/4    04-04 35.6 11 91.7 504 +4 (栗)藤岡健一
5 6 レイエンダ 牡5 56 池添謙一 1.34.3 クビ    09-09 35.4 10 26.4 494 +6 (美)藤沢和雄
8 12 ワーケア 牡3 54 ルメール 1.34.3    06-06 35.6 8 12.5 492 0 (美)手塚貴久
4 4 サトノアーサー 牡6 56 戸崎圭太 1.34.3 クビ    10-09 35.4 1 5.0 480 -4 *(栗)池江泰寿
10 6 7 スマイルカナ 牝3 52 柴田大知 1.34.6 1 3/4    02-01 37.2 2 5.8 424 0 (美)高橋祥泰
11 1 1 ブラックバゴ 牡8 56 笹川翼 1.35.0 2 1/2    12-12 35.8 12 300.8 532 +5 [地]佐野謙二
12 6 8 シーズンズギフト 牝3 52 横山典弘 1.36.5 9    01-02 39.0 7 10.4 490 +10 (美)黒岩陽一

 

まずは何より、優勝したヴァンドギャルド&関係者の皆様に対して、心からの祝福をお伝えしたい。

上がり最速の脚を繰り出し、4角8番手から豪快に、そして余裕たっぷりに突き抜けた姿は強烈。

3歳G1馬など、力のある馬が揃っていたが、率直に言ってここでは「別格」に見えた。

 

新馬戦を単勝2.1倍の1番人気で快勝した実績などにより、早い段階から素質馬と評価されてきた。

また、3走前にはハイレベルな重賞【マイラーズC】において、上がり3ハロン最速の脚を繰り出して3着に激走している。

そういった実績を持ちながら、意外にも今回がオープンクラス&重賞での初勝利だ。

出世を阻んできた大きな要因のひとつは精神面、気性面の幼さに尽きる。

実は、今回のレースを勝利した後、鞍上の福永騎手は次のような話をして、気性面の難しさを示唆している。

イレ込みなどは以前よりマシになっています。

 

気性の荒さを爆発力へ

レース中のイレ込みはマシだった。

だが、馬場入場の段階から汗びっしょりだったように、決して課題が改善されたとはいえない。

とはいえ!忘れてはいけないのは

「気性が荒くてもG1を勝ってきた馬はたくさんいる」

という事実。

それこそ、サンデーサイレンス産駒の全盛時代は、そういったタイプの馬ばかりだった。

 

そして、その気性の荒さを「爆発力」へとかえてきたのも、またサンデーサイレンス産駒。

その代表格がヴァンドギャルドの父ディープインパクトであることは言うまでもない。

 

父を彷彿とさせる爆発力で

今回のヴァンドギャルドの直線での動きは、まさに父を思わせる爆発力だった。

年齢や経験を重ねる中で

彼の中に眠っていたサンデーの血が目覚めつつあるのかもしれない。

これまで、気性面からヴァンドギャルドを敬遠されていた方も、今後は見方を変えるべきだろう。

 

自然体!福永祐一

もう一つ、見逃したくないのは、鞍上の福永祐一騎手。

レースをご覧になっていた方ならおわかりの通り

位置取り、仕掛けどころなど、文句のつけようがない騎乗だった

 

改めて申し上げるまでもなく、翌日には3冠がかかったG1【菊花賞】が控える。

普通なら、翌日に一世一代の大仕事が控える身であれば、冷静さや落ち着きを失う場面があっても不思議ではない。

だが、福永騎手から漂う雰囲気は、全くいつもと変わらない。

富士ステークス以外も含め、自然体で堂々としていた。

 

今思い出す、2005年10月22日(土)

そんな彼を見ていて思い出したのが、今から15年前。

ディープインパクトが3冠を達成した【菊花賞】前日の(土)における武豊騎手。

あの日の武騎手も、やはり自然体だった。

当たり前のように1日3勝!(1R、8R、9R)

当時、私は

これこそ、日本No1ジョッキーだ!

と感心したものだが、それと極めて近い雰囲気だったのが今回の福永騎手なのだ。

 

確信!超一流へ!

注目度の高さゆえ、残してきた結果に比べると、競馬ファンからの評価が低いように思う。

だが、冷静に見れば、彼ほど安定して長い期間、高いレベルの成績を維持している日本人騎手は、武豊騎手と彼以外には見当たらない。

ましてや、今回の振る舞いを見て確信した。

福永騎手が超一流であることを!

 

【菊花賞】の結果にかかわらず(先入観が入るのが嫌なので、このコラムは敢えて菊花賞前に記している)これから先も、超一流の彼の手綱さばきを楽しみにしたい。

 

キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」

ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。

今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。

せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。

 

勝ち馬以外に面白いなと感じた馬が2頭いた。

数行程度の解説にはなるが、どこかで皆様のお役に立てる内容だと思う。

頭に入れておいてほしい。

 

3着・ケイアイノーテック

かつてはダート挑戦も経験しているパワーのある馬。

それだけに、良馬場発表ながら前日の雨の影響などにより、やや力のいる馬場状態が向いた面はあっただろう。

だが、その点を考慮したとしても、約3ヶ月ぶりの実戦による仕上がり途上の中、4角11番手から3着まで追い込んでくるのだから、さすがはかつてのG1ウイナーと言うしかない。

以前は、能力の高さとは裏腹に、少々走りにムラがあった。

だが、今回の好走により、3走前【安田記念】5着から3戦連続での馬券圏内

年齢を重ねて精神的にも落ち着いてきたということかもしれない。

 

次走はどこになるか。

仮に【マイルCS】に出走するとして、どうしても差し一手という極端な脚質のため、G1での勝利という点では容易ではないかもしれない。

だが、先日のG1【スプリンターズS】3着のアウィルアウェイのように、開き直って自分のスタイルに徹すれば、流れ次第で3着なら!

注意しておきたい。

 

5着・タイセイビジョン

元々、行きたがる面のある馬。

だが、今回はやや流れが速くなった面はあったにせよ、落ち着いているように見えた。

ひと夏を越しての成長だとすれば、今後が非常に楽しみだ。

折り合った分、余力があるように見えた直線で意外に伸びなかったのは、外と比べたら伸びの悪い内側の芝を選択してしまったことが原因だろう。

やや不運だったかもしれない。

とはいえ、成長していることはハッキリ確認できた。

元々、世代ではトップクラスのマイラーでもあるだけに、もう少し経験を重ねれば

来年以降はG1での上位争いも望めるとみた!

もちろん、未来の主役に指名しておきたい。

 

【富士ステークス 2020】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 ヴァンドギャルド(福永祐一騎手)
「気にしていたスタートも上手く出てくれましたし、良いポジションで流れに乗っていましたので、手応え通り伸びてくれれば勝てるのではないかと思っていました。先週の調教で久しぶりに跨った時は、感触は十分とは言えませんでした。そこから厩舎側が良い状態に持ってきてくれました。イレ込みなどは以前よりマシになっています。今回GIIを勝つことができたので、この先はGIに向かうことになると思いますが、これから楽しみです」

2着 ラウダシオン(M.デムーロ騎手)
「馬場の真ん中に持ち出して、フラフラとしていました。NHKマイルカップの時もそうでしたが、この馬はラチを頼った方が真面目に走ります。他の馬が来てからは、もうひと伸びしました。ゲートでジッとしていましたし、久々の分を考えれば、良い競馬でした」

3着 ケイアイノーテック(津村明秀騎手)
「休み明けの分、返し馬から良い時の走りではありませんでした。3コーナーから内にモタれて、最後も苦しそうでした。それでも3着に来ているので、力のあるところは見せられました。使って次は良くなると思います」

4着 ペルシアンナイト(大野拓弥騎手)
「状態は良いと聞いていましたが、返し馬からもそれが伝わってきました。道中もリズム良く走れて、この次のGIに向けて良いスタートが切れました」

5着 タイセイビジョン(石橋脩騎手)
「陣営からは『折り合いを大事に』と指示があって、返し馬の雰囲気では、前走よりは、まとまりそうな感じでした。スタートを出てジッとして馬と呼吸を合わせ、ペースが流れてくれたので、おさまってくれました。馬場が乾いてきたので、ロスのないように内を選択しましたが、最後は外の馬が伸びていたので、内と外の差もあったと思います」

7着 レイエンダ(池添謙一騎手)
「道中の追走に余裕がなく、他の馬とは手応えが違いました。道中に脚を使わされた分、ジリジリという伸びでした」

(via ラジオNIKKEI 

 

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