こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】カペラステークス 2020 における勝負の明暗
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1200m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 13 | ジャスティン | 牡4 | 58 | 坂井瑠星 | 1.09.8 | 03-02 | 36.3 | 4 | 7.8 | 488 | +5 | (栗)矢作芳人 | |
2 | 6 | 12 | レッドルゼル | 牡4 | 56 | 川田将雅 | 1.09.8 | クビ | 10-10 | 35.4 | 1 | 3.0 | 492 | 0 | *(栗)安田隆行 |
3 | 5 | 9 | ダンシングプリンス | 牡4 | 56 | 三浦皇成 | 1.09.9 | クビ | 02-02 | 36.5 | 2 | 3.4 | 524 | +16 | (美)宮田敬介 |
4 | 4 | 7 | ダイメイフジ | 牡6 | 56 | 横山和生 | 1.10.2 | 1 3/4 | 11-10 | 35.5 | 13 | 94.9 | 506 | 0 | (栗)森田直行 |
5 | 1 | 1 | スズカコーズライン | 牡6 | 56 | 北村宏司 | 1.10.4 | 1 1/2 | 03-04 | 36.9 | 8 | 24.1 | 522 | +6 | (栗)木原一良 |
6 | 3 | 5 | ロンドンテソーロ | 牡4 | 56 | 大野拓弥 | 1.10.5 | クビ | 05-05 | 36.7 | 10 | 35.8 | 516 | +6 | (美)栗田徹 |
7 | 2 | 4 | シュウジ | 牡7 | 57 | 津村明秀 | 1.10.5 | クビ | 09-08 | 36.3 | 7 | 22.2 | 502 | -2 | (栗)須貝尚介 |
8 | B5 | 10 | サブノジュニア | 牡6 | 59 | 矢野貴之 | 1.10.6 | クビ | 11-12 | 35.9 | 5 | 16.6 | 532 | -4 | [地]堀千亜樹 |
9 | 8 | 16 | イダペガサス | 牡5 | 56 | 内田博幸 | 1.10.6 | クビ | 13-12 | 35.7 | 15 | 190.0 | 508 | +6 | [地]田中淳司 |
10 | 6 | 11 | テーオージーニアス | 牡5 | 56 | 丸山元気 | 1.10.7 | クビ | 15-15 | 35.1 | 3 | 5.6 | 506 | +6 | (栗)梅田智之 |
11 | 8 | 15 | デュープロセス | 牡4 | 57 | 斎藤新 | 1.10.7 | クビ | 16-15 | 35.0 | 11 | 41.5 | 480 | +6 | *(栗)安田隆行 |
12 | B1 | 2 | ヒロシゲゴールド | 牡5 | 56 | 亀田温心 | 1.11.0 | 1 3/4 | 01-01 | 37.8 | 9 | 34.9 | 472 | +6 | (栗)北出成人 |
13 | 4 | 8 | サイタスリーレッド | 牡7 | 56 | 石川裕紀 | 1.11.3 | 1 1/2 | 14-14 | 36.2 | 16 | 498.2 | 498 | +7 | [地]佐宗応和 |
14 | 2 | 3 | ノーフィアー | 牡6 | 56 | 江田照男 | 1.11.4 | 3/4 | 07-07 | 37.4 | 14 | 169.5 | 498 | 0 | (美)佐藤吉勝 |
15 | B7 | 14 | フォーテ | 牡3 | 55 | 戸崎圭太 | 1.11.9 | 3 | 07-08 | 37.9 | 6 | 17.1 | 496 | 0 | (栗)藤原英昭 |
16 | 3 | 6 | ジョーカナチャン | 牝5 | 55 | 石橋脩 | 1.11.9 | クビ | 05-05 | 38.2 | 12 | 49.7 | 458 | -8 | (栗)松下武士 |
今回のレースを振り返る前に、ひとつ皆様に質問をしてみたい。
2020年に入ってから、ダート1200MのOP特別以上のレース(会場問わず)は9レースあった。
その9レースにおける
3連単の平均配当はいくらか?
皆様はおわかりになるだろうか。
では、答えを発表しよう。なんと!
そう、非常に荒れているのだ。
不確定要素が多いだけに
そもそも、スプリント戦は荒れやすい。
荒れる理由のひとつが「ミスを犯すと取り返す時間がない」ということだろう。
例えばスタートの出遅れ。
中距離以上のレースなら、道中で動いて位置取りを挽回することも可能だが、息を入れる暇もないスプリント戦ではそうもいかない。
ましてやダート戦は、その他にも砂を被るなどの不確定要素が多い。
すんなり決まってくれという方が、無理な注文なのだろう。
だから、当然のように【カペラS】も荒れるかと思いきや・・・
何と3連単は1万円台の決着!
荒れるどころか、まれに見る堅い配当だった。
どうして堅い決着に?
ここで、当然気になってくるのは
どうしてカペラステークスは堅い決着だったのか?
という点ではないだろうか。
実は答えは簡単。
これに尽きるだろう。
いくら難解な条件と言えでも、それを超越するだけの力の持ち主が出走すれば、荒れる余地がない。
素直に高く評価すべきだ。
中でも、勝ち馬のジャスティンは素晴らしい!
大器の予感!ジャスティン
今年に入ってから、既に交流重賞を2勝!
また、前走のG1【JBCスプリント】では1番人気に推されながら8着に敗れたが、これも敗因は明らか。
レース後、当時の鞍上・戸崎騎手が
と語っていたように、慣れない脚質でG1を戦うのが難しかっただけ。
本来の好位抜け出しの脚質に戻した今回は、58キロの斤量をものともせずに、交流重賞ウイナーの力を見せつけた格好だ。
前半での行きっぷりの良さから直線での動きまで一級品であり、この先、いくつも重賞を勝つだろう。
だが、それにはひとつだけ条件がある。
主戦・坂井瑠星騎手が乗り続けること!
驚かされた鞍上のコメント
前走で8着に敗れた馬が、重賞を制したのだ。
普通に考えれば、鞍上の心境は「嬉しい」ではないだろうか。
だが、坂井瑠星騎手は違う。
近2走こそ乗っていなかったものの、元々の主戦であり、自厩舎の馬でもある。
それだけに、誰よりもジャスティンの強さをわかっていた。
だからこそ「(勝って当然の馬だから)ホッとした」というコメントが出たに違いない。
そして、強さを知っているということは
強い勝ち方・スタイルも知っている
ということにもなると思う。
レースぶりに全く迷いが感じられなかったのも、そういった背景があったからに違いない。
主戦が跨り続けている馬は見逃すな!
近年、力のある馬が出現すると「すぐに乗り替わり」そんなケースは少なくない。
決して、それが悪いとは思わない。それでも!
知っていることの強み
は必ずあるはずだ。
どういったレースであろうとも、主戦騎手が跨り続けているような馬は、無条件で注目してほしい。
キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」
ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。
今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。
せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。
今回は、特に気になった3着馬ダンシングプリンス1頭にしぼりたい。
数行程度の解説にはなるが、どこかで皆様のお役に立てる内容だと思う。
頭に入れておいてほしい。
3着ダンシングプリンス
率直に申し上げよう。
ここは、ダンシングプリンスにとっては厳しいレースになるのではないかと予想していた。
地方時代から6連勝していたが、全て逃げ切り勝ち。
一方、今回は前に行きたい馬が多く、逃げられるとは思えなかった。(事実、好位追走の形)
逃げられなかった時どうなのか?なかなかイメージが湧きにくかったが・・・
結果、好位からでも渋太く脚を伸ばし、勝ち馬から0.1秒差。
単に走力の高さだけではなく、脚質の幅広さも証明した!
想像以上の大器かもしれない。
この先、同じ4歳のジャスティンと共に、ダート短距離路線の先頭を走ることになるだろう。
もちろん、未来の主役に指名したい。
【カペラステークス 2020】のレース後の関係者のコメント
1着 ジャスティン(坂井瑠星騎手)
「中間に調教に乗って馬の具合の良さを分かっていたので、自信をもってレースに臨みました。前へ行く馬が多く外枠も良かったと思います。ダンシングプリンスを前に見ながら良い手応えでレースを進めることができました。外からレッドルゼルが追い上げて来た時も、この馬が反応良く伸びていたので凌いでくれると思いました。58キロの斤量で勝ち切ってくれましたし、まだ4歳で底を見せていないと思います。来年も活躍してくれると思います」
2着 レッドルゼル(川田将雅騎手)
「安全に外を回してしっかりと脚を使う自分の競馬に徹しました。とてもいいリズムで頑張ってくれました。これが次につながってくればと思います」
3着 ダンシングプリンス(三浦皇成騎手)
「いきなりの重賞でしたがよく頑張ってくれました。ハナに立たないこの形でも走れると思っていました。このメンバーでやり合えたのは大きいですね。成長力もありそうなので逆転のチャンスもあります。ただ負けたことは悔しいです」
4着 ダイメイフジ(横山和生騎手)
「作戦通りでした。これまでのレースを見て、前に行ける脚力を後ろから使ってみたらどうかと思っていましたが、ピッタリでした。このクラスでこの競馬ができれば幅が広がりますし、今後が面白いです」
(via ラジオNIKKEI )
勝負の明暗バックナンバーは下記をクリック