こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】京都新聞杯 2021 における勝負の明暗
【11R】 第69回京都新聞杯
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝 2200m 11頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
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1 | 8 | 10 | レッドジェネシス | 牡3 | 56 | 川田将雅 | 2.11.2 | 08-08-08-05 | 35.3 | 3 | 4.3 | 488 | 0 | *(栗)友道康夫 | |
2 | 4 | 4 | ルペルカーリア | 牡3 | 56 | 福永祐一 | 2.11.3 | 3/4 | 01-01-01-01 | 36.2 | 1 | 2.7 | 502 | +2 | *(栗)友道康夫 |
3 | 7 | 8 | マカオンドール | 牡3 | 56 | 浜中俊 | 2.11.5 | 3/4 | 09-09-08-07 | 35.4 | 2 | 3.3 | 480 | -4 | (栗)今野貞一 |
4 | 6 | 6 | トーホウバロン | 牡3 | 56 | 和田竜二 | 2.11.9 | 2 1/2 | 06-05-06-05 | 36.1 | 11 | 130.5 | 476 | -2 | (栗)石坂公一 |
5 | 2 | 2 | ヴェローチェオロ | 牡3 | 56 | 西村淳也 | 2.12.0 | クビ | 03-03-04-03 | 36.4 | 6 | 14.6 | 460 | -4 | (栗)須貝尚介 |
6 | 8 | 11 | ハートオブアシティ | 牡3 | 56 | 泉谷楓真 | 2.12.6 | 3 1/2 | 10-10-10-09 | 36.3 | 10 | 80.1 | 430 | -6 | (栗)森田直行 |
7 | 3 | 3 | サイモンメガライズ | 牡3 | 56 | 武豊 | 2.12.8 | 1 1/4 | 10-10-10-09 | 36.6 | 9 | 73.9 | 486 | -6 | (栗)小林真也 |
8 | 1 | 1 | ワイドエンペラー | 牡3 | 56 | 藤岡佑介 | 2.13.1 | 2 | 05-05-06-09 | 36.8 | 4 | 8.9 | 490 | -4 | (栗)藤岡健一 |
9 | 7 | 9 | ゲヴィナー | 牡3 | 56 | 岩田望来 | 2.13.5 | 2 | 06-07-03-03 | 37.9 | 5 | 11.1 | 512 | +2 | (栗)藤原英昭 |
10 | 5 | 5 | ブレークアップ | 牡3 | 56 | 団野大成 | 2.14.0 | 3 1/2 | 02-02-02-02 | 38.8 | 7 | 32.5 | 486 | -6 | (美)黒岩陽一 |
11 | 6 | 7 | エスコバル | 牡3 | 56 | 藤岡康太 | 2.14.7 | 4 | 03-03-05-07 | 38.6 | 8 | 44.3 | 506 | +10 | (美)堀宣行 |
改めて申し上げるまでもないが【京都新聞杯】は「ダービーの最終便」と呼ばれている。
その異名の通り、近年は数々のダービー活躍馬を輩出してきた。
2013年のキズナの華やかなレースぶりは、鞍上・武豊騎手の存在と共に、今でも色褪せることがない。
また2019年ロジャーバローズは令和初のダービー馬として長く語り継がれるだろう。
こうした背景があるだけに【京都新聞杯】に出走する馬というのは
そんじょそこらの素材ではない!
出走させる側としても、中途半端に出せるレースではないと考えているはず。
だからこそ、出走頭数も少ないのだ。
明日のスター候補はいたか?
だから、レースをチェックする際の視点は極めてシンプル。
明日のスター候補はいたか?
これだけで良いのではないだろうか。
幸い、今年の場合は戦前から評価の高かった3頭が、そのまま上位を独占してくれた。
「人気を集める=マークされる立場」にいながら、ハイレベルな重賞で結果を残すのは「本物」の証。
それだけに、彼ら3頭は、間違いなくスター候補と言えるはずだ。
もちろん、各馬の今後のローテーションはまだハッキリとはわからない。
だから、ひとまずダービー云々は抜きにして、彼ら3頭に対する今後の期待を記すことで「レース回顧」とさせていただきたい。
3頭はいずれも素晴らしかったが
さて、本当なら1着馬から順番に書いていくべきだろう。
だが、今回は敢えて2着馬ルペルカーリアを先にご紹介したい。
もちろん、上位3頭にはそれぞれ十分に魅力を感じている。
だが、ルペルカーリアには特に大きな将来性を感じるのだ!
ということで、早速いってみよう。
2着ルペルカーリア⇒感じた大器の片鱗
早速だが、レース後の福永騎手のコメントをご紹介したい。
物凄く夢のある馬だということが、ハッキリわかるコメントではないだろうか。
エキサイトしたり、もたれたり。決して良い内容のレースではなかった。
この後ご紹介する2着レッドジェネシスは、ほぼ完璧なレース運びだったから、対照的と言ってよいだろう。
それでも重賞で2着にまとめるのだ!
私も見ていて、直線でもたれた時にはズルズル後退していくのかと思ったが、そこで踏ん張った。
ここに大器の片鱗を感じずにはいられない。さすがは母シーザリオの良血馬。
少し時間はかかるかもしれないが
さて、福永騎手が「体が対応しきれていない感じだった」と語った点について。
具体的にどういった部分のことを差しているのかはコメントだけでは分かりかねるが、ただ私たちなりに調教を見ていて
と感じたことはあった。
良血ならではの鋭い動き全てを走りに反映させるには、まだ馬体が絞りきれていないのかもしれない。
もちろんそれは、ノビシロをたっぷり残していることの裏返しでもある。
馬体の進化はすぐにとはいかないかもしれないが、名門・友道厩舎ならきっとやるだろう。
秋、あるいは来年、エフフォーリアに最大のライバルは、同じキャロットファームのこの馬になっているかも?
今後の成長を楽しみに注目していきたい。未来の主役に指名!
1着レッドジェネシス⇒ダービーでの活躍ならこの馬
デビュー7戦目に重賞初勝利、おめでとう!
鞍上の川田騎手も、この勝利でJRA通算1600勝を達成!
決して忘れられない1日になっただろう。
レッドジェネシスに対する印象を一言で表すなら
ということになるだろう。
前走で1勝クラスを勝つまでに少々時間を要したが、実は掲示板を外したのはわずか一度だけ。殆どのレースで、相手なりに確実に走れていた。
レース後、川田騎手が
と語っていたが、全くその通りだと思う。
爆発力を身に着けて
完成度の高いレッドジェネシスだが、ここにきて「爆発力」が加わってきた印象!
今回、直線で見せた追われてからの反応の速さ、末脚の迫力は文句なし!
今後の大きな活躍を予感させるものではないだろうか。
仮に【ダービー】出走なら!多頭数でごちゃつきやすい舞台だけに、様々な形で走れる完成度の高さは大きな武器となるはずだし、末脚に力のついてきた今なら、3着争いまでならチャンスありとみる。
そういえば、父ディープインパクト✕母父ストームキャットに組み合わせは、あのキズナと全く同じなのだ。
何だか、大仕事の予感が漂い始めたぞ!楽しみにしている。
3着マカオンドール⇒力負けではない
2着ルペルカーリアから3/4差の3着。
だが、決して力負けしたわけではない。
レース後の浜中騎手のコメントを確認しておきたい。
決して浜中騎手の言い訳ではない。客観的に見ていて同感だ。
ただ、そういった点を差し引いても、この馬自身、やはり2200Mという中距離で重賞を勝ち切るには、少々動きが重厚な感もある。
父ゴールドシップの血統背景からも、やはり距離は長い方が良いかも!
それでも3着にまとめるあたり、やはり大した素材だ。
夏の北海道あたりの長距離で賞金を稼いで【菊花賞】へ!
仮にそうなった時は、ぜひ、押さえてみたい!
【京都新聞杯 2021】のレース後の関係者のコメント
1着 レッドジェネシス(川田将雅騎手)
「ゲートを出たところから、他の馬たちが速かったですし、この馬自身は自分のリズムをキープしながら、この流れなら追いかけなくてもいいという思いで1コーナーを回りました。道中のリズムもよく、直線に入った時は届くなと思うくらい雰囲気も良かったです。あとはルペルカーリアをつかまえるだけという思いで直線を向きました。距離が長い方がこの馬にとっては競馬はしやすくなります。いろんな形の競馬をしてきましたが、いろんな形で結果を出してくれているのがとても偉いと思います。1600勝という区切りを大きなところで迎えることができ、非常にありがたく思います」
(友道康夫調教師)
「新馬の時から素質は感じていました。しかし精神的にも身体も緩くて、なかなか結果を出せなかったのですが、川田騎手に乗り替わってから一戦一戦競馬も教えてくれて、それに応えて馬も成長してくれました。良くここまで来てくれました。ルペルカーリアが引っ張った分、この馬の競馬、前走のようにじっと後ろで我慢して自分のペースでという競馬になったと思います。この後はダービーという話になると思います」
2着 ルペルカーリア(友道康夫調教師)
「理想を言えば一頭置いて後ろで我慢するような競馬が理想でしたが、ゲートを出て、少し行ったところで内の馬と接触するような形でエキサイトしたようなところがありました。それでも最後まで頑張っています。能力は示してくれました。スタミナは充分あります。身体がバテたわけではありません。精神的にしんどくなりました。この後は一息入れて秋に備えます」
3着 マカオンドール(浜中俊騎手)
「返し馬から雰囲気が良くて落ち着いていました。内と前が有利な馬場で、ポジションを取りに行きたかったのですが、勝ち馬にその位置を取られてしまいました。位置取りの差が出ました。今日はスタートから50m、100mで決まってしまった感じです。申し訳ないです」
5着 ヴェローチェオロ(西村淳也騎手)
「良い位置でしたが最後は止まってしまいました。現状はよく頑張っています」
6着 ハートオブアシティ(泉谷楓真騎手)
「ゲートをゆっくり出てしまって、折り合い重視で行ったこともあって、あの位置になりました。終いも頑張っていますが、差を詰める程度でした」
(via ラジオNIKKEI )
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