こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】セントウルステークス 2021 における勝負の明暗
【11R】 第35回産経賞セントウルS
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1200m 17頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 8 | レシステンシア | 牝4 | 54 | ルメール | 1.07.2 | 02-02 | 34.0 | 1 | 1.9 | 508 | +4 | (栗)松下武士 | |
2 | 8 | 15 | ピクシーナイト | 牡3 | 54 | 福永祐一 | 1.07.2 | クビ | 06-06 | 33.3 | 2 | 4.6 | 536 | +8 | (栗)音無秀孝 |
3 | 7 | 14 | クリノガウディー | 牡5 | 56 | 岩田康誠 | 1.07.4 | 1 1/4 | 04-04 | 33.8 | 4 | 10.3 | 488 | 0 | (栗)藤沢則雄 |
4 | B5 | 10 | ジャンダルム | 牡6 | 56 | 浜中俊 | 1.07.4 | ハナ | 15-13 | 32.6 | 6 | 15.1 | 508 | -2 | (栗)池江泰寿 |
5 | 6 | 11 | カレンモエ | 牝5 | 54 | 松山弘平 | 1.07.6 | 3/4 | 04-04 | 34.0 | 3 | 7.0 | 470 | +8 | (栗)安田隆行 |
6 | 1 | 2 | シャインガーネット | 牝4 | 54 | 鮫島克駿 | 1.07.7 | 3/4 | 08-08 | 33.5 | 8 | 36.7 | 482 | +6 | (美)栗田徹 |
7 | 3 | 5 | タイセイビジョン | 牡4 | 56 | 石橋脩 | 1.07.7 | ハナ | 15-15 | 32.7 | 7 | 29.1 | 470 | -12 | (栗)西村真幸 |
8 | 8 | 16 | ラヴィングアンサー | 牡7 | 56 | 岩田望来 | 1.07.8 | クビ | 12-12 | 33.1 | 14 | 195.4 | 498 | -2 | (栗)石坂公一 |
9 | 4 | 7 | ベストアクター | セ7 | 56 | 富田暁 | 1.07.8 | クビ | 11-10 | 33.2 | 16 | 249.9 | 450 | 0 | (美)鹿戸雄一 |
10 | 7 | 13 | ナランフレグ | 牡5 | 56 | 丸田恭介 | 1.08.0 | 1 | 15-15 | 33.0 | 11 | 65.2 | 486 | -6 | (美)宗像義忠 |
11 | 8 | 17 | シゲルピンクルビー | 牝3 | 52 | 和田竜二 | 1.08.0 | クビ | 10-10 | 33.5 | 9 | 52.4 | 466 | +4 | (栗)渡辺薫彦 |
12 | 1 | 1 | ボンボヤージ | 牝4 | 54 | 川須栄彦 | 1.08.1 | クビ | 14-15 | 33.1 | 12 | 107.5 | 444 | -2 | (栗)梅田智之 |
13 | 2 | 3 | ラウダシオン | 牡4 | 57 | M.デム | 1.08.2 | 3/4 | 06-06 | 34.3 | 5 | 14.6 | 518 | +2 | (栗)斉藤崇史 |
14 | B2 | 4 | レッドアンシェル | 牡7 | 56 | 武豊 | 1.08.3 | 1/2 | 12-13 | 33.5 | 10 | 53.8 | 472 | 0 | (栗)庄野靖志 |
15 | 6 | 12 | メイショウチタン | 牡4 | 56 | 幸英明 | 1.08.4 | 3/4 | 09-08 | 34.2 | 13 | 188.0 | 460 | -8 | (栗)本田優 |
16 | 5 | 9 | ジャスティン | 牡5 | 57 | 菱田裕二 | 1.08.4 | クビ | 02-02 | 35.2 | 15 | 207.9 | 490 | -7 | (栗)矢作芳人 |
17 | 3 | 6 | シャンデリアムーン | 牝5 | 54 | 斎藤新 | 1.08.6 | 3/4 | 01-01 | 35.7 | 17 | 277.0 | 474 | +2 | (美)斎藤誠 |
3月の高松宮記念はハイレベル
早速で恐縮だが、レース前の段階でご紹介していた「セントウルSの狙い」の記事において、私は以下のような内容を記した。
ひょっとしたらご覧下さった方もおられるだろうが、転載してみたい。
【セントウルS】の話題の前に、まずは春のスプリント路線を振り返ってみよう。
大一番【高松宮記念】では、上位人気3頭が、順番の違いこそあれど、そのまま上位を占めた。率直に言って、各馬の追い比べはハイレベル。
それだけに「怪我や不調さえなければ、当分は彼らの時代が続くかな」という、穴党としては少々寂しい思いもあったのだ。
ハイレベルな高松宮記念の上位勢。
その中から、2着だったレシステンシアが出走してきたのだ。
強いことは承知で
レシステンシアが別格の実績を残してきたことは十分に承知している。
それでも、私たちは穴のキングスポーツだ。攻めたい。
ましてや、今回のレシステンシアは休み明けの叩き台でもあるのだ。それだけに
「(叩き台とはいえ)別格のレシステンシアを退けられる馬がいれば、今後のスプリント路線が面白くなる」
そんな思いを抱きながら勝負に臨んだ。
結果として、軸馬に指名したのは、3歳馬ピクシーナイト!
上位人気になることはわかっていたが、今回のレースは「レシステンシアを退けられる馬がいるか否か」が最大のポイント。
人気どうこうは抜きに、シンプルに買いたい馬に期待することにした。
参考⇒ピクシーナイトを公開したYoutube
やはり壁は厚かったが
そして結果は、皆様もご存知の通り、1着レシステンシア、2着ピクシーナイト。
人気通りで、同タイムでのクビ差決着ということになった。
では、この結果をどう考えるべきなのか?
現時点での率直な感想をご紹介してみようと思う。
まず、1着だったレシステンシアに関しては
ということになるだろう。
本番では優勝候補の筆頭になるかも
レース後、鞍上のルメール騎手が
と語る通り、2着ピクシーナイトとは同タイムクビ差の接戦。
それでも、休み明けで余力を残した仕上げだった点を考慮すれば、完勝に近いだろう。
レース内容に関しても、文句のつけようがない。
スタートが抜群に速く、楽な手応えで好位追走。
やや重さも感じさせつつも、直線でもしっかりと脚を伸ばしていた。
高松宮記念の王者・ダノンスマッシュが4月の香港遠征からの直行となる分、本番【スプリンターズS】での優勝候補筆頭と言えるかもしれない。
一方で、ピクシーナイトには、想像したよりは物足りなさを感じた。
ピクシーナイトはもっとやれる!
ピクシーナイトは、惜しい競馬ではあったが、指名していた身としては
という気がする。
それは、ケチをつけたいわけではなく、まだ「ノビシロがある」という期待の裏返し。
さて、レース後、鞍上の福永騎手は次のように語っている。
これはどういうことだろうか?
実戦の難しさ
福永騎手が語る「アジャストしていない」
恐らく、グングン進化している走力は進化しているが、それ以上のスピードで馬体が大きくなっているため、絞りきれていないということなのだろう。
確かに、調教を見ていても馬体は大きくなっているように感じた。
それでも、走力も進化しているので、十分に対応できるだろうと見ていた。
特に最終追いのラスト1ハロンなど、本当によく伸びていた。
だが、やはり調教と実戦は違うということかもしれない。
あと一歩伸びきれなかったのは、強力ライバルと激突する中では、心身両面が完璧(アジャスト)している必要があるということなのだろう。
それでも、鞍上は
とも断言した。恐らく、来年の【高松宮記念】では、この馬が中心のレースになるのでは?今、そんなことを考えている。
出遅れも競馬のうちだが
ここまで、上位2頭の話をしてきたが、最後に1頭だけ、3着から惜しくもハナ差4着だったジャンダルムについてお伝えしておきたい。
ご存知の通り、スタートで致命的な出遅れ。
だが、前でレースをした馬が上位を占める中、4角13番手から、上がり3ハロン最速となる32秒6の脚で追い込んだ。
ちなみに、この上がりのタイムは、優勝したレシステンシアより1秒4も速い。
もちろん、出遅れも含めて「実力」
あくまでも、今日の時点でのジャンダルムの実力は「メンバー中で4番目」だということだろう。
それを承知の上で、いくら位置取りが後ろだったにせよ、今日のジャンダルムほどの脚を今回のライバルたちが使うシーンは想像できない。
恐らく、まともにスタートしていたら、勝ち負けしていただろう。
だからこそレース後、浜中騎手は
と言い切ったのだ。そして、私も同感だ。
賞金の都合もあるし【スプリンターズS】に出られるのかはわからない。
だが、ぜひ、どこか大きいところでみたい。ゲートが上達することを祈りつつ、未来の主役に指名しておきたい。
【セントウルステークス 2021】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 レシステンシア(C.ルメール騎手)
「ギリギリセーフでした。すごく速いスタートで、すぐに前のポジションを取ることができました。良かったです。ちょうどいいポジションでしたし、3,4コーナーでは逃げる馬の後ろで息を入れることができました。そして直線では一度外に出して、すごく良い脚を使ってくれました。決勝線の少し前で彼(ピクシーナイト)を見ましたが、左手でムチを使ってもう一度伸びてくれました。ゴールではクビ差で勝つことができました。だんだん加速しましたし、ずっと反応してくれて、能力で勝つことができました。休み明けでしたが、GIでも改めて良い結果を出すことができると思います。また応援してください」
2着 ピクシーナイト(福永祐一騎手)
「開幕週の大外枠という条件で、よく差し込んできてくれました。勝って賞金を大きく加算したかったです。強い馬を相手に健闘しています。馬体が大きくなって、アジャストしていないところがある中、よく走っています。来年は強い馬になると思います。堅実に走っています」
3着 クリノガウディー(藤沢則雄調教師)
「あの外枠から、内にうまく入り込んでくれました。ジョッキーがうまく乗ってくれましたね。2着なら賞金を加算できたのですが、スプリンターズSには出られるのでしょうか」
4着 ジャンダルム(浜中俊騎手)
「枠入りして、後ろの扉にモタれて座ってしまいました。スタートが全てです。すごい脚を使いました。五分のスタートが切れていれば、勝っていたと思います。GIを勝てる能力のある馬です」
5着 カレンモエ(松山弘平騎手)
「スタートが良くて、良いところで競馬ができました。GIIでメンバーが強かったです。それでも一瞬は、やれるかなというところを見せてくれました。馬も頑張ってくれたと思います」
6着 シャインガーネット(鮫島克駿騎手)
「いつも通りの競馬ですと、この時計ですし勝つのは難しいと思って、勝てる位置を取りにいってどこまで折り合わせられるかと思っていました。自分のやりたい競馬はできました。GIIやGIで戦っているメンバーの中、女の子で精一杯の競馬はしてくれたと思います。勝ちにいく競馬でこういう結果になり、悔しいです」
(via ラジオNIKKEI )
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