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スワンステークス 2021【回顧】今回の結果は「現代日本競馬の象徴」だ!

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】スワンステークス 2021 における勝負の明暗

2021年10月30日(土) 4回阪神7日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第64回MBS賞スワンS
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝・内 1400m 18頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
5 9 ダノンファンタジー 牝5 55 川田将雅 1.20.7      07-09 34.5 1 3.7 478 +6 (栗)中内田充
1 2 サウンドキアラ 牝6 54 松若風馬 1.20.8  3/4    07-10 34.5 5 9.8 466 +8 (栗)安達昭夫
3 6 ホウオウアマゾン 牡3 54 坂井瑠星 1.20.9  1/2    01-01 35.3 3 6.7 508 +22 (栗)矢作芳人
2 3 ルークズネスト 牡3 54 幸英明 1.20.9 ハナ    07-12 34.5 2 3.9 512 +4 (栗)浜田多実
7 14 ステルヴィオ 牡6 57 和田竜二 1.21.0 クビ    12-10 34.7 6 12.6 488 -12 (美)岩戸孝樹
8 16 ファーストフォリオ 牝4 54 藤岡康太 1.21.0    16-14 34.3 14 74.0 432 -2 *(栗)須貝尚介
1 1 リレーションシップ 牡4 56 松田大作 1.21.0    07-06 34.8 8 25.2 500 -2 *(栗)須貝尚介
6 12 アイラブテーラー 牝5 54 藤岡佑介 1.21.1  1/2    18-17 34.2 10 33.8 460 +2 (栗)河内洋
3 5 セイウンコウセイ 牡8 57 勝浦正樹 1.21.2 クビ    04-03 35.3 13 52.3 500 -14 (美)上原博之
10 8 17 マイスタイル 牡7 56 横山典弘 1.21.2 クビ    02-02 35.6 12 46.8 466 +4 (栗)昆貢
11 4 8 ギルデッドミラー 牝4 54 団野大成 1.21.2    15-14 34.6 7 20.5 488 -2 (栗)松永幹夫
12 7 13 ガゼボ 牡6 56 川又賢治 1.21.4 1 1/4    12-14 34.8 17 104.5 536 -2 (栗)石坂公一
13 2 4 ルフトシュトローム 牡4 56 岩田望来 1.21.6  3/4    16-17 34.8 15 75.8 498 +6 (美)堀宣行
14 8 18 タイムフライヤー 牡6 56 池添謙一 1.21.6 ハナ    07-06 35.5 11 45.9 474 -10 (栗)橋口慎介
15 5 10 クリノガウディー 牡5 56 岩田康誠 1.21.8 1 1/2    12-12 35.3 4 7.3 490 +2 (栗)藤沢則雄
16 6 11 フィアーノロマーノ 牡7 56 鮫島克駿 1.22.1 1 3/4    04-03 36.2 9 32.4 552 -8 (栗)高野友和
17 7 15 ビッククインバイオ 牝4 54 秋山真一 1.22.6 3    03-03 36.7 18 114.8 490 -8 (栗)新谷功一
18 4 7 カツジ 牡6 57 浜中俊 1.22.6 クビ    04-06 36.5 16 83.8 496 +10 (栗)池添兼雄

 

マイルCSのへの前哨戦だが

【スワンステークス】といえば、時期的に考えれば、G1【マイルチャンピオンシップ】への前哨戦ということになるだろう。

だが、近年の好走馬をチェックすると、意外に大一番へは繋がっていないようだ。

例えば、昨年の優勝馬カツジなどは【マイルチャンピオンシップ】では17着に惨敗。

そうした背景もあってか、いわゆる「前哨戦らしい仕上がり(余裕残しの仕上げ)」といった雰囲気の馬はほぼいなかった。

「まずはここをきっちりと勝つ」という馬たちの戦いになったのだ。

そして、皆がきっちりと仕上げているなら、やはり実力通りの結果になる。

優勝した1番人気ダノンファンタジーはもちろんだが、掲示板圏内を占めたのは、上位人気再度の馬たちだった。

上位勢の走りは、素直に高く評価すべきだろう。

 

結果を受けて思うこと

ただし!知りを高く評価するというのは、あくまでも

阪神芝1400Mという舞台での話

だという点を強調しておきたい。

今回の結果を受けて、実は強く思ったことがひとつある。

それは、今回の【スワンステークス】の結果は

現代の日本競馬の象徴

ではないかということだ。特に優勝したダノンファンタジーに対して、そのように思う。

いったいどういうことなのか。詳しくお話していきたい。

 

ダノンファンタジーは阪神芝1400Mベストの馬

皆様もご存知の通り、ダノンファンタジーはデビュー直後から世代のトップクラスとして戦ってきた。

2018年の【阪神JF】を快勝し、現5歳世代の2歳女王になった。

また、その後はG1こそ勝ててはいないが、重賞で勝利や好走を重ねてきた。

間違いなく、一流馬と言ってよいだろう。

この条件がドンピシャ

だが、若い頃は潜在能力の高さで勝負をしても、牡馬も相手にしなくてはならない古馬になると「適性」が見えてくる。

過去の戦績を振り返る限り、彼女は阪神芝1400Mがベスト。それも圧倒的に。

それくらい、昨年12月の【阪神カップ】の内容が良かった。

レース前半からスムーズに道中を追走したかと思えば、直線でも楽に伸びた。
一言で表すなら「完璧なレース」ということになるだろう。
そして、その時以来、再び阪神芝1400Mで戦った今回、やはりスムーズなレースぶりでの完勝。

恐らく、今日の舞台で今日の走りをダノンにされたら、国内の馬で互角に戦える馬はそう多くはないだろう。

だが、その一方で、他の舞台で戦った直近3走は弾けきれないレースが続いていた。

これはいったいどういうことなのか?

 

能力拮抗の時代だからこそ

さて、ここまで長々とダノンファンタジーの話をしてきた。

要するに何が言いたいのか?それは

「能力拮抗の現代の日本競馬界、条件問わずにオールマイティーで走れる馬はほぼいない」

ということ。

上でも書いたように、ダノンファンタジーは阪神芝1400Mなら超一流馬!

一方、その他の舞台では普通の一流馬ということになるだろう。

だが、これは仕方がないのだ。

一昔前のように「サンデーサイレンス産駒が圧倒的」という時代ではない。

サンデー全盛時代は、トップレベルの馬と、それ以外の馬たちとの間にはレベルの差があった。だから、条件を問わずに(たとえ不得手な舞台でも)それなりに走れたのだと思う。

だが、今はサンデーの子供世代の種牡馬が大勢いて、しかも皆レベルが高い!
そこにロードカナロアらの子供たちも絡んでくるのだ。

 

アーモンドアイさえ惨敗した

種牡馬が幅広くハイレベルになれば、同じように産駒達も幅広くハイレベルに。

そうなれば、力があると言われる馬でも、条件が合わなければ惨敗したっておかしくはない。

近年でわかりやすい例を挙げればアーモンドアイだろう。

アーモンドアイも惨敗した

体調面の不安があっただろうが、明らかに合わなそうな荒れ馬場の暮れの中山で【有馬記念】を戦ったことで9着に惨敗した。

でも、そういう時代だから、気にすることはないのだ。
今は、例え条件つきでも、トップホースはトップホース!

そういった点から、実は先日の【神戸新聞杯】のレース後の評判が凄く気になった。

 

一度や二度の結果で評価を変動させすぎないこと

御存知の通り【ダービー】優勝のシャフリヤールが断然の1番人気に支持された。

しかし、不良馬場で思うようなレースができずに4着に終わった。

レース後、競馬ファンの間には「ダービー馬なのに情けない」とか「弱いダービー馬」といったような評価が飛び交ったそうだ。

だが、私にいわせれば、たった一度や二度の結果で評価を変動させたり、逆に定めすぎることの方がどうかと思う。

繰り返すが、今の時代、例え条件つきでもトップホースはトップホース。

良馬場で【ダービー】を勝った価値は十分にある。別に弱いダービー馬ではない。
単に不良馬場が合わない馬だと思えばいいのだ。

逆に【神戸新聞杯】の上位2頭は、【菊花賞】では馬券圏内に入れなかったじゃないか。

そんなものなのだ。各馬に合う条件を見つけて勝負すればよいのだ!

 

京都と阪神の違いにも気をつけてほしい

最後に、この秋(来年も)でいえば、やはり例年は京都で行われるレースが【阪神開催】になっている点にも気をつけてほしい。

京都と阪神は、コース形状も芝の具合も全く異なる。

同じなのは、関西にあるという点だけかな。笑

間違いなく、京都はダメだけど阪神なら走れる馬はいる。もちろんその逆も!

 

さて、今日は個々の馬については、ほぼ解説しなかったが、、、

いつも同じパターンではこちらもあきてしまうので、少々違うテイストにさせてもらった。

たまには、ということでご容赦いただきたい!

 

【スワンステークス 2021】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 ダノンファンタジー(川田将雅騎手)
「タイミング良くスタートを切ることができました。他馬が行きたがって速い流れになりそうでしたが、この馬のリズムを大事にしながら良い雰囲気で追走できました。とても良い内容で回ってきて、手応えも残っていたので、これなら勝ち切ってくれると思いました。阪神1400mはこの馬に適していますし、ここを目標にしていましたから勝ててなによりです」

2着 サウンドキアラ(松若風馬騎手)
「スタートは決まりましたが、ポジション争いでゴチャついてしまいました。もうひとつ前が理想の位置だったのですが、並びが悪くなってしまいました。最後も差を詰めて、力のある馬ですが、私がうまく流れに乗って競馬をしていたら良かったです。能力で差を詰めてくれました」

4着 ルークズネスト(幸英明騎手)
「ゲートの中で珍しくうるさくて、後手を踏んでしまいました。3コーナーで狭くなって引いてしまったのですが、そこでポジションを下げた分だと思います」

5着 ステルヴィオ(和田竜二騎手)
「ゲートは少しうるさい面がありながら、普通に出てくれました。でも1400mで周りも速く、少し遅れましたね。外々を回る形で、直線はのみこむ勢いで来ましたが、坂で止まってしまいました。もう少し良い枠が欲しかったです」

6着 ファーストフォリオ(藤岡康太騎手)
「内に潜り込みたかったのですが、流れ的にも、レースの格的にも外を回らされてしまいました。その中の重賞のこのメンバーで、脚を使ってくれました」

7着 リレーションシップ(松田大作騎手)
「よく頑張ってくれています。そのうち良い競馬ができそうな感じです」

8着 アイラブテーラー(藤岡佑介騎手)
「良い脚を使っていますが、スタートが遅れるので中団を取れていれば良かったです」

10着 マイスタイル(横山典弘騎手)
「馬はよく頑張ってくれました」

14着 タイムフライヤー(池添謙一騎手)
「4コーナー手前で余裕がなくなって内に張り出して、直線も内にモタれてしまいました」

15着 クリノガウディー(藤沢則雄調教師)
「右回りだと行けませんね。ペースが落ちつくとかかりますし、左回りで改めてですね」

16着 フィアーノロマーノ(鮫島克駿騎手)
「動きは良かったのですが、大型馬の休み明けでレース勘というか、若い時とは比較できませんが、頑張ってくれているとは思います」

(via ラジオNIKKEI 

 

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