こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】エリザベス女王杯 2021 における勝負の明暗
【11R】 第46回エリザベス女王杯
3歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝・内 2200m 17頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 16 | アカイイト | 牝4 | 56 | 幸英明 | 2.12.1 | 13-13-13-07 | 35.7 | 10 | 64.9 | 514 | 0 | (栗)中竹和也 | |
2 | 3 | 5 | ステラリア | 牝3 | 54 | 松山弘平 | 2.12.4 | 2 | 07-08-08-09 | 36.1 | 7 | 25.1 | 490 | 0 | *(栗)斉藤崇史 |
3 | 1 | 2 | クラヴェル | 牝4 | 56 | 横山典弘 | 2.12.5 | クビ | 14-14-13-12 | 36.1 | 9 | 46.9 | 456 | -4 | (栗)安田翔伍 |
4 | 6 | 11 | ソフトフルート | 牝4 | 56 | 岩田望来 | 2.12.5 | クビ | 15-15-15-12 | 36.0 | 11 | 74.2 | 488 | 0 | *(栗)斉藤崇史 |
5 | 2 | 4 | イズジョーノキセキ | 牝4 | 56 | 和田竜二 | 2.12.5 | ハナ | 07-07-05-07 | 36.5 | 12 | 118.3 | 462 | +2 | (栗)石坂公一 |
6 | 1 | 1 | レイパパレ | 牝4 | 56 | ルメール | 2.12.6 | クビ | 04-04-03-02 | 36.9 | 1 | 2.9 | 442 | 0 | (栗)高野友和 |
7 | 2 | 3 | アカイトリノムスメ | 牝3 | 54 | 戸崎圭太 | 2.12.6 | クビ | 05-04-05-03 | 36.7 | 2 | 3.4 | 452 | +4 | (美)国枝栄 |
8 | 6 | 12 | デゼル | 牝4 | 56 | 武豊 | 2.12.7 | クビ | 11-11-12-12 | 36.3 | 8 | 40.4 | 484 | +2 | *(栗)友道康夫 |
9 | 3 | 6 | ランブリングアレー | 牝5 | 56 | 吉田隼人 | 2.12.8 | 1 | 09-09-05-03 | 36.9 | 6 | 12.3 | 478 | +4 | *(栗)友道康夫 |
10 | 8 | 15 | ウインキートス | 牝4 | 56 | 丹内祐次 | 2.12.8 | 頭 | 09-10-08-09 | 36.6 | 5 | 9.7 | 470 | -2 | (美)宗像義忠 |
11 | 4 | 8 | テルツェット | 牝4 | 56 | M.デム | 2.13.0 | 3/4 | 12-11-08-09 | 36.8 | 4 | 9.6 | 424 | -2 | (美)和田正一 |
12 | 5 | 10 | ムジカ | 牝4 | 56 | 秋山真一 | 2.13.0 | 1/2 | 15-15-15-15 | 36.4 | 15 | 208.7 | 450 | -2 | (栗)鈴木孝志 |
13 | 8 | 17 | コトブキテティス | 牝4 | 56 | 柴田善臣 | 2.13.2 | 1 | 15-17-15-15 | 36.6 | 16 | 229.6 | 440 | -4 | (美)田島俊明 |
14 | 7 | 13 | リュヌルージュ | 牝6 | 56 | 富田暁 | 2.14.5 | 8 | 05-04-11-15 | 38.0 | 17 | 372.1 | 474 | -2 | (栗)四位洋文 |
15 | 4 | 7 | シャムロックヒル | 牝4 | 56 | 団野大成 | 2.14.5 | ハナ | 01-01-01-01 | 38.9 | 13 | 127.7 | 502 | +10 | (栗)佐々木晶 |
16 | 5 | 9 | ウインマリリン | 牝4 | 56 | 横山武史 | 2.14.7 | 1 1/2 | 03-03-03-03 | 38.9 | 3 | 5.5 | 472 | -4 | (美)手塚貴久 |
17 | 7 | 14 | ロザムール | 牝5 | 56 | 池添謙一 | 2.16.7 | 大差 | 02-02-02-03 | 41.0 | 14 | 137.7 | 494 | -8 | (美)上原博之 |
筋書きのないドラマをありがとう
「やっぱり競馬っていいな」
今回の【エリザベス女王杯】の結果を受けて、このように感じた方は多いのではないだろうか。
まずは、何と言っても、優勝した幸騎手と、アカイイトの岡オーナーとのストーリー。
既に皆様もご存知だろうから、改めて詳しくは書かないが、ヨカヨカで重賞勝ちを果たしたコンビで、引退を余儀なくされた彼女の分までG1勝ち!
レース後、岡オーナーが残したコメント
「今回、幸騎手が空いていたのは、馬名じゃないですけど赤い糸で結ばれていたのかなと思います。競馬は筋書きのないドラマと言いますが筋書きはあるのかなという気持ちです」
これらが、全てを物語っているように思う。
アカイイトにばかり目がいくが、キングスポーツの軸馬だった9番人気の伏兵☆クラヴェルの存在も忘れてはいけない。
鞍上は、ご存知横山典弘騎手。このところ、息子たちの背中を見せられるケースが多く、悔しさを内に秘めていたことは間違いない。
直線で必死に追って3着にまで追い込んだ姿には、偉大な父親の意地が感じられて痺れた。
馬券の的中はもちろん大事だ。
だが、競馬は、それと同じくらいの、時にはそれ以上のドラマを必ず私たちに用意してくれる。
だから、長年、予想家として競馬に携わっている私も、改めて思った。
「やっぱり競馬っていいな」
悔しいが「見えていた」
では、ここからは馬券や予想の話を振り返っていきたい。
結論から申し上げよう。
上でも記したように、9番人気ながら3着に激走した軸馬☆クラヴェルを1週前からご会員様やYouTubeの番組でも予告した。
また、優勝したアカイイトも、弊社スタッフが「穴のイチオシ」として公開したが、もちろんキングスポーツとしてもしっかりと買い目に入れた。
だが、2着馬が抜けて馬券は逃してしまった。
参考⇒クラヴェルとアカイイトを公開した各番組
3連複勝負でも高配当がついていただけに悔しい。
だが、その悔しさと結果への猛省を前提に申し上げれば、結果的に凡走した人気3強を軸に据えなかった点も含め、方向性としては間違っていなかったように思う。
では、私たちはどういった考え方で、今回の予想に挑んだのか?
予想において、非常に大事になること
さて【エリザベス女王杯】は牝馬の最高峰。
そんな大一番を戦った精鋭たちに対して「あの馬はここが良かった悪かった」などと、個々に言及するのは失礼だと判断。
そんなこともあって、今回は特別に
私たちが予想に挑む上で(特にビッグレース)特に大事にしていることのひとつ
を皆様にご紹介してみようと思う。
もちろん、予想においては、各馬の状態だとか、展開だとか、コース適性だとか、諸々の諸条件についてはしっかり考える。
だが、それ以前の部分だ。
まずはじめに、レースの全体像を必ずイメージするようにしている。
大事にしている大局観
では、今回の【エリザベス女王杯】に向けてはどんなことを考えていたか?
簡単にまとめると、以下の通りだ。
3強の中から軸を選ぶイメージもしたが、しっくりとこなかった。どんなG1レースの上位馬であっても長短があるのは当然だが、今回は、人気ならコレというのを出せなかった。
最終的にエ女王杯というのは「荒れるときは荒れるレース」という部分を強く思った。
ましてや舞台となる阪神芝2200Mは、宝塚記念でキタサンブラックが惨敗したこともあるような難解なコース。それが波乱に拍車をかける!
荒れるならやはりキングスポーツは、穴馬で勝負してこそ。
これが大局観。
こうしたイメージを前提として、人気3強の前に行きたい脚質などを鑑みて、最終的に「後ろから勝負できる馬、あるいは後ろから捲れる馬にチャンス」だと判断。
クラヴェルの軸指名であったり、アカイイトのヒモ指名に繋がったのだ。
もちろん裏目に出ることもあるが
誤解のないように、ひとつ申し上げておきたい。
今、大局観についてお話したのは、ズバリあたったことを自慢しようという目的では決してない。
同時に、大局観を考えれば、必ず馬券が当たるというものでもない。
それどころか、裏目に出て痛い目に遭ったこともある。
それでも!長年の経験から、大局観を考えることのメリットは極めて大きいと確信する。
細かくいえば本当に色々とあるのだが、わかりやすいところを申し上げるなら、1つは、予想における「覚悟と方向性」がハッキリと決まるということだ。
方向性が決まれば、必然的に指名すべき馬が限られてくる。
そうすることで、いわゆる「ヒモ抜け」可能性が少なくなる。
立ち返ることができる
もう1つは、仮に負けた場合でも「立ち返ることができる」ということ。
この考え方にミスがあったから負けた、そうしたことがわかれば反省材料をして、次に活かすことができる。
競馬は1週で終わりではない。
だから、長きに渡って馬券で勝ち続けたいと思ったら、絶対に、負けを負けのままで終わらせてはいけない。
そのためにも、大局観は大事になってくるのだと確信している。
最後にひとつ反省を
では、大局観ついでに、最後に今回のレースにおける、明日の勝利へ向けて「反省」をひとつ。
反省を晒すのは少々恥ずかしいが、この際いいだろう(笑)
上でご紹介した大局観のところにも書いたが、阪神芝2200Mは非常に難解な舞台。
それだけに、実際にこの舞台で好走している経験を持つ馬だったり、舞台を知っている陣営はチャンスだろうという考えが浮かんだ。
舞台を知っている陣営という意味では「斉藤崇厩舎」だ。
何と言っても、あのクロノジェネシスで【宝塚記念】を2連覇している。ジョッキーに対するアドバイスにも、説得力が出てくる。
そこで、私たちはヒモで、11番人気の大穴ながら4着でゴールしたソフトフルートを指名。
彼女もよく頑張ってくれたが、一方で同じ斉藤崇厩舎の2着ステラリアを買うことができなかった。
これは本当に私たちのミスだ。
ただ、改めて、今回の結果からも、阪神芝2200Mにおいて「舞台を知っている陣営の重要性」を確信した。
ビッグレースに限らず、当地でのレースを予想するケースはこれからもいくらでもあるだろう。
皆様もぜひ、私たちの反省を自分のものにして、予想に挑んでほしい。
レースを見逃した方はコチラ
【みんなのKEIBA 次回11月21日(日)午後3時】
「エリザベス女王杯・GⅠ」は
10番人気の⑯アカイイトが直線力強く脚を伸ばし波乱の決着に。
GⅠ初挑戦で堂々秋の女王の座に輝きました。2着に7番人気の⑤ステラリア
3着に9番人気の②クラヴェル3連単はなんと339万3960円の払い戻し pic.twitter.com/rgejr0bpFC
— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) November 14, 2021
【エリザベス女王杯 2021】のレース後の関係者のコメント
1着 アカイイト(幸英明騎手)
「嬉しいです。今回初コンビでしたが調教に乗って少しムキになるところがあったので折り合いに気をつけて乗るようにしました。スタートでは上手くゲートを出せなかったのですが、向正面ではイメージ通りの位置を取ることが出来ました。内回りコースということもあり、早目早目に上がって行きました。最後は伸びてくれると信じていましたから、直線では思ったよりも早く前を捕まえてしまい、必死に追いました。最後は後ろの馬との差が分かりませんでした。今日GIを勝ったことでこれからますます頑張ってくれると思います」
2着 ステラリア(松山弘平騎手)
「スタート良く良い形で脚を溜めることが出来ました。ラストも本当に良い脚で伸びてくれました。馬も一戦毎に成長していることを感じます。能力のある馬です。4コーナーで狭くなるところがありながらよく来てくれました」
3着 クラヴェル(横山典弘騎手)
「今までで一番の仕上がりでした。皆さんが思っているより難しい特殊な馬を、よくスタッフが作ってくれました。すごい脚を使っているように見えますが、一歩間違えれば掲示板もないような馬です。スタッフが良く持って来てくれたことがありがたいです」
4着 ソフトフルート(岩田望来騎手)
「ペースも速く雰囲気よく走れましたし、4コーナーから勝負どころもスムーズに行けたと思います。この馬の走りは出来たと思います。1度使って馬も良くなっていました」
5着 イズジョーノキセキ(和田竜二騎手)
「ゲートも上手に出て理想のポジションでした。4コーナーでゴチャついて踏み遅れました。距離は大丈夫です。力のある馬です。来年が楽しみです」
6着 レイパパレ(C.ルメール騎手)
「折り合いを欠いて冷静さがありませんでした。その分動くのが早くなってラストストライドで止まってしまいました。やはり距離が長いかもしれません。コントロールが難しかったです」
7着 アカイトリノムスメ(戸崎圭太騎手)
「結果前がかりのレースになりました。前に行った馬が苦しくなりましたね。(レイパパレを)マークするような感じで馬もリズム良く走っていますがプレッシャーがあったのか最後は外から来られた時に反応が出来ませんでした」
9着 ランブリングアレー(吉田隼人騎手)
「狙ったところでかからずスムーズに運べました。これならと思いましたが追って伸びなかったのは距離でしょうか」
16着 ウインマリリン(横山武史騎手)
「状態面が良くなかったかもしれません。今日は本来のウインマリリンではありませんでした。返し馬で落ち着いていたのですが、その反面元気の無さも感じました。本来はうるさいぐらいの馬ですからね。かかるぐらいの馬がそういう面もありませんでした」
(via ラジオNIKKEI )
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