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ホーム勝負の明暗シンザン記念 2022【回顧】上位勢の今後は?気になる馬たちを解説

シンザン記念 2022【回顧】上位勢の今後は?気になる馬たちを解説

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】シンザン記念 2022 における勝負の明暗

2022年 1月 9日(日) 1回中京3日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第56回日刊スポーツ賞シンザン記念
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1600m 15頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
6 10 マテンロウオリオン 牡3 56 横山典弘 1.34.1    03-04-03 34.9 4 10.2 486 0 (栗)昆貢
2 3 ソリタリオ 牡3 56 C.デム 1.34.1 クビ  07-06-06 34.7 2 5.1 482 +4 (栗)西村真幸
5 9 レッドベルアーム 牡3 56 川田将雅 1.34.4 1 3/4  08-09-09 34.7 3 6.2 512 -2 (栗)藤原英昭
1 1 ビーアストニッシド 牡3 56 岩田康誠 1.34.4 ハナ  05-07-06 34.9 5 12.2 466 0 (栗)飯田雄三
6 11 デルマグレムリン 牡3 56 武豊 1.34.4 クビ  12-12-12 34.5 9 58.6 438 -2 (栗)五十嵐忠
8 14 モズゴールドバレル 牝3 54 坂井瑠星 1.34.6 1  03-03-03 35.4 8 32.9 438 -6 (栗)藤岡健一
2 2 ラスール 牝3 54 ルメール 1.34.7  1/2  08-07-06 35.2 1 1.8 478 +4 (美)藤沢和雄
4 6 カワキタレブリー 牡3 56 松山弘平 1.35.0 2  11-12-13 35.0 7 27.9 432 +2 (栗)杉山佳明
5 8 ウナギノボリ 牡3 56 吉田隼人 1.35.2 1 1/4  14-15-15 35.0 6 25.2 464 0 (栗)音無秀孝
10 3 5 アールチャレンジ 牡3 56 団野大成 1.35.2 クビ  12-11-09 35.5 15 353.7 476 +12 (栗)千田輝彦
11 8 15 セルバーグ 牡3 56 和田竜二 1.35.5 1 3/4  05-04-03 36.3 11 92.7 436 +8 (栗)鈴木孝志
12 7 13 ショウナンアメリア 牝3 54 池添謙一 1.35.7 1 1/4  08-09-09 36.0 10 73.3 458 -4 (美)奥村武
13 7 12 ジャスティンヴェル 牡3 56 西村淳也 1.35.7 クビ  02-02-02 36.7 13 132.9 474 -4 (栗)安田隆行
14 4 7 シーズザデイ 牡3 56 鮫島克駿 1.36.2 3  01-01-01 37.2 12 96.9 496 0 (栗)川村禎彦
15 3 4 ジャカランダ 牡3 56 幸英明 1.36.3  3/4  15-14-13 36.2 14 296.7 576 -2 (栗)河内洋

 

注目の出世レース

【シンザン記念】といえば、誰もが認める出世レースではないだろうか。

ジェンティルドンナ、そしてアーモンドアイという2頭の3冠牝馬が、ここでの勝利をキッカケとして大きく羽ばたいた。

また、昨年の優勝馬ピクシーナイトも、その後、古馬を相手にG1勝ちを果たしている。(スプリンターズS)

それだけに、今年の場合も

未来の主役候補はいたのか?

という点を考える必要があるだろう。

ということで回顧に移りたいが、普段であれば、このコラムはレースの全体像を振り返ることで「明日の夢馬券獲得に向けての糧とする」ことを目的としている。

だが、シンザン記念の場合は、上でも記したように、注目すべき最大のポイントが「出世レース」という部分だ。

そこで今回は特別に、気になった4頭をピックアップし、個々の馬を順番に解説。その中で、今後の期待、展望についてお話してみたい。

 

1着マテンロウオリオン⇒スケールの大きさを感じる

まずはもちろん、優勝したマテンロウオリオンから。初重賞制覇おめでとう!

そんなマテンロウオリオンを導いたのは、横山典弘騎手だ。

息子である武史騎手は、昨年G1を5勝を挙げるなど、今や日本競馬界でもNo1ジョッキーの一人。

そんな息子に押されてすっかり影が薄くなっていた印象の父親だが、、、

今年の重賞初勝利は息子よりも早かった!

恐らく、内心は相当燃えていたに違いない。親父の意地に乾杯だ(笑)
次は息子が燃える番!?

さて、レースをご覧の方ならおわかりの通り、名手に導かれ、非常に良いレース運びをしていた。
前&内が有利の馬場状態を活かした、また若さの残る気性面を抑えつつの、見事な好位抜け出し。

それだけに

「鞍上が上手かったし、条件も向いたのでは?」

と思われる方も出てくるのではないだろうか。

確かに、それもないとは言わないが、私の率直な感想は「思っていた以上に大物感のある馬」

 

自分の形を構築する時期のはずが

もちろん、重賞勝ちを収めたという時点で、それ相応の実力の持ち主であるという点を前提に、何と言っても驚かされたのは、引き出しの広さ。

実はこの馬、前走の【万両賞】(阪神芝1400M)では、4角11番手から、上がり最速となる33秒4の脚を繰り出して、差し切りを決めている。

素晴らしい瞬発力だけに、今回もその形でのレースをイメージした人が多かったはず。

だが、一転して好位追走からの抜け出し。
まるでお父さんのダイワメジャーを見ているかのような安定した取り口だった。
(念の為、2走前の新馬戦で2着に敗れた際も、今回のような形をとっていた。だが、相手のレベルが当時と今回とではまるで違うので、あまり参考材料にはならない)

経験の浅い2歳馬や3歳前半の馬というのは、まずレースに慣れる時期であり、同時に「自分の形を構築する時期」でもあると言われる。
その段階の馬が、全く違う2つの形で1勝クラスと重賞を連勝しているのだ!

この引き出しの広さ、あるいは競馬センスに、大物感を覚えずにはいられないのだ!

ビッグレースになればなるほど、何が起こるかわからない。予期せぬ展開が待っていることもあるだろう。そんな時に、前からでも後ろからでも戦える脚を備えている点は、非常に大きなアドバンテージだと思う。

恐らく気性面からクラシックを狙う馬ではないと思うが、マイル路線ならG1勝ちまで!

今後を楽しみに追いかけてみたい。

 

2着ソリタリオ⇒何気なく強い馬

ソリタリオに対する私の印象を一言で表すなら「何気なく強い馬」

今回がデビュー以来5走目になるが、今回を含め、上がり3ハロンで33秒台の脚を使ったことは一度もない。

瞬発力がないことはないが、決して爆発力があるタイプではなさそう。

それでも、結果としてパーフェクト連対を継続中。いつの間にか、確実に上位を確保しているような雰囲気だ。

私の長年の経験上、意外にこういったタイプは今後が楽しみかも!

というのも、派手な脚がないにもかかわらず、安定した結果を残せるのは

心身両面におけるハイレベルな安定感の証明

だからだ。

今後が楽しみ

大きな舞台になればなるほど、僅かなミスさえ許されなくなる。その点、この馬のように心身両面において安定感があれば「確実に力を出し切れる=好走の可能性が高まる」ということ。

マテンロウオリオンと共に、ひょっとしたら3歳マイル路線を引っ張る立場になるかも。

楽しみじゃないか!

未来の主役にはこの馬を指名しておきたい。

 

4着ビーアストニッシド⇒名手の心意気を信じて

今回の結果だけをみれば、非常にもったいなかったなと感じる。

元々前向きな気性の持ち主、ましてやロスなく運べる最内の1枠。

前にいった馬が残りやすい馬場状態を鑑みても、気持ちよく好位で運ばせておけば、ラストの粘りが違ったのではないだろうか。

だが、中団で溜める競馬を鞍上は選択。

このあたりについて、管理する飯田調教師は

「内枠で溜めすぎたというか、手応えはあって余裕がありましたが、リズムを崩したりするところもあったかもしれません。テンションの面では落ち着いていました。(枠が)真ん中より外の方がスムーズに動けたかもしれません」

惜しかった、という思いを隠そうとはしなかった。

 

とはいえ、百戦錬磨の鞍上・岩田康騎手が、そんなことを考えないはずはない。全てを理解した上で、溜める競馬を選択したのだろう。

理由は簡単で「可能性のある馬だからこそ、今後を考えてチャレンジした」これに他ならない。

現状、G1での勝ち負けというイメージまでは浮かばないが、名手の心意気を信じるのなら、今後、重賞勝ちのチャンスくらいは十分にあるのでは?注目したい。

 

7着ラスール⇒簡単な戦いにはならないと思ったが

「ここを勝った牝馬は大成する」

それを証明しているのが、後の3冠牝馬ジェンティルドンナとアーモンドアイ。

一方で、昨年は1番人気の牝馬ククナが4着に敗れている。イメージほどは、牝馬にとっては楽ではないレースなのだ。

ラスールはどうだ!?と注目していたが、まさかククナ以下の7着に敗れた。

「新しいグランアレグリア」とまで絶賛していたルメール騎手も、レース後には

「スタートはあまり良くなかったですね。それで(道中)かかりましたし、その分最後は疲れてしまいました」

と無念そうに語っている。

 

では、そんなラスールをどう考えるべきなのか?

見方は様々あるだろうが、、、
スタートがあまり良くなかったり、道中でスムーズさを欠いた部分もあるにせよ、それでも7着というのは決定的な敗戦。これが私の見解。

力の差を感じたからこそ、ルメール騎手も、前向きなことを言えなかったのではないだろうか。

現状ではG1を見据えるのは容易ではないと思う。

とはいえ、今振り返ってみても、新馬戦のレースぶりはインパクトのあるものだった。翌日の【フェアリーS】を制したライラックのように、牡馬相手の重賞での苦戦が糧となる可能性もあるし、いずれにせよ、必ずどこかで浮上してくる素材だろう。

この春というより、もう少し長いスパンで追いかけてみたい。

参考⇒フェアリーS 2022 回顧

 

レースを見逃した方はこちら

 

【シンザン記念 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 マテンロウオリオン(横山典弘騎手)
「最後はよくしのいでくれました。前走は気持ちもゆっくりしていて、後ろで上手く折り合っていましたが、今日は3回目で返し馬から抑えるのが難しいと思ったので、ギリギリのところで、スタートも良かったので、ギリギリ引っ張り殺さないような一番良い位置で折り合って良かったです。今日のポジションは馬本位です。それこそ落ち着てくれれば、どちらかというと切れ味勝負の馬でしたが、今日はそれどころではなかったですね。まだ3戦目ですからよくあるパターンなのですが、競馬を覚えっちゃって、やる気満々になったというのか、今日は最小限に引っ張り殺さない位置があそこだったということです。今年初勝利が重賞勝ちで、(勝負服が)ピンクの星で良かったです」

2着 ソリタリオ(C.デムーロ騎手)
「スタートがあまり速くなくて中団からになりましたが、最後は良い瞬発力を見せてくれました。今日は勝った馬(の進路)が内が開いて、ラッキーな面がありましたが、この馬も最後までしっかり走ってくれました。今後は1ハロン距離を延ばしても良いのかなというところもあります。素質が高く楽しみな馬です」

3着 レッドベルアーム(川田将雅騎手)
「道中リズム良く、我慢して走ることができ、その分終いもしっかり動けましたし、現状できる競馬はしっかりしてくれました」

4着 ビーアストニッシド(飯田雄三調教師)
「内枠で溜めすぎたというか、手応えはあって余裕がありましたが、リズムを崩したりするところもあったかもしれません。テンションの面では落ち着いていました。(枠が)真ん中より外の方がスムーズに動けたかもしれません」

5着 デルマグレムリン(武豊騎手)
「ゲートは出ましたが、まだ不器用な感じです。ラストはすごく良い脚を見せてくれて、力はありそうです」

7着 ラスール(C.ルメール騎手)
「スタートはあまり良くなかったですね。それで(道中)かかりましたし、その分最後は疲れてしまいました」

(via ラジオNIKKEI 

 

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