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共同通信杯 2022【回顧】スーパースター候補の誕生!ダービー向きに見えるが皐月賞も

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】共同通信杯 2022 における勝負の明暗

2022年 2月13日(日) 1回東京6日 天候 : 雨  馬場状態 : 稍重
【11R】 第56回共同通信杯
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1800m 11頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
8 10 ダノンベルーガ 牡3 56 松山弘平 1.47.9    06-06-05 33.7 3 3.9 502 +4 (美)堀宣行
5 5 ジオグリフ 牡3 57 ルメール 1.48.1 1 1/2  02-04-05 34.0 1 3.4 498 +2 (美)木村哲也
7 8 ビーアストニッシド 牡3 56 岩田康誠 1.48.3 1 1/2  01-01-01 34.7 8 29.8 470 +4 (栗)飯田雄三
7 9 ジュンブロッサム 牡3 56 武豊 1.48.5  3/4  02-04-03 34.5 6 20.2 474 +18 (栗)友道康夫
2 2 アサヒ 牡3 56 田辺裕信 1.48.7 1 1/4  11-11-11 33.8 2 3.5 510 +12 (美)金成貴史
6 7 レッドモンレーヴ 牡3 56 戸崎圭太 1.48.7  02-02-02 34.8 7 22.9 490 -4 (美)藤沢和雄
8 11 ダノンスコーピオン 牡3 56 川田将雅 1.48.8  3/4  08-08-07 34.3 4 5.3 458 0 (栗)安田隆行
3 3 アバンチュリエ 牡3 56 横山武史 1.49.1 2  02-02-03 35.1 9 41.4 464 -2 (美)大竹正博
6 6 アケルナルスター 牡3 56 柴田大知 1.49.2  1/2  10-10-09 34.5 5 16.2 454 0 (美)清水英克
10 1 1 サンストックトン 牡3 56 松岡正海 1.49.3  3/4  09-09-09 34.6 10 55.1 464 +6 (美)鹿戸雄一
11 4 4 エイシンシュトルム 牡3 56 石川裕紀 1.49.5 1 1/4  06-06-07 35.1 11 165.5 492 +5 (美)勢司和浩

 

ひとつの時代は終わったが

実はここ最近、何度からレース回顧などのコラムにおいて、私は次のような旨の話を記してきた。

昨年末をもって、一つの時代が終わった

ひとつの時代というのは、もちろん「牝馬の時代」のこと。

2019年に引退したリスグラシュー、2020年に引退したアーモンドに続いて、ここ数年の、牝馬勢のレベルの高さを象徴する存在だった「クロノジェネシスなど最強5歳(当時)牝馬3頭」も現役を退いた。

当然、寂しい気持ちは大きい。
だが、一方で次のようにも記した。

オグリキャップが引退した翌年のクラシックにトウカイテイオーが出現したように!
ディープインパクトが引退した翌年、ウオッカ&ダイワスカーレットが台頭したように!
時代の終わりと共に、必ず新しいスターが生まれるのが競馬の世界なのだ

そんなことを思いながら、このところの競馬を見ていたが、、、

速くも、明日のスーパースター候補が出現した!

 

牡牝共に1戦1勝馬が重賞勝ち!

何と、春クラシックへ向けての最高レベルのステップである先週の2つの重賞において、いずれも「1戦1勝馬が優勝」という衝撃的な展開が待っていた。

まず(土)【クイーンC】制したのはプレサージュリフト。

過去20年【クイーンC】を1戦1勝馬が制したことは一度もなかった。
しかしプレサージュリフトはやってのけた!まさに偉業であり、クラシック候補誕生の予感!

尚【クイーンC】に関しての詳細は、以下のコラムをご覧いただきたい。

参考⇒クイーンC 2022 回顧

 

そんな中で迎えた(日)【共同通信杯】を制したのは3番人気のダノンベルーガだった。

こちらも、直近20年における「1戦1勝」からの優勝馬は、2015年のリアルスティールのみ。

また、グレード制が採用された1984年以降で「無敗」の優勝馬は以下の面々だ。

1984 ビゼンニシキ
1985 サクラユタカオー
1998 エルコンドルパサー
2007 フサイチホウオー
2015 リアルスティール
2019 ダノンキングリー
2021 エフフォーリア

エルコンドルパサーやエフフォーリアなど、いずれも日本競馬史に名前を残す豪華な馬たちの中にダノンベルーガは加わったのだ!

だから!

スーパースター候補

なのだ!

 

伝説よ、再び

少々余談めいた話になってきてしまうが、、、

先日、北京五輪のスキージャンプノーマルヒルで、小林陵侑選手が金メダルを獲得した。

実は、日本人選手がジャンプ個人で金メダルを獲得したのは、98年長野五輪での船木和喜選手以来24年ぶりだったそうだ。

それほど、小林選手の勝利は大偉業だった訳だが、その時、私の頭の中には「98年の共同通信杯を勝った馬って誰だったっけ」という思いが真っ先に浮かんだ。

答えは、上の「無敗」の面々の中にも名前があるエルコンドルパサーなのだ。

「ひょっとしたら、スキーだけではなく、競馬の世界でも98年に匹敵するスーパースターの誕生があるか?」

若干、こじつけに近い思いを抱いていたのだが(笑)
本当にスーパースター候補が誕生するのだから、嬉しい限り。

 

単に勝っただけじゃない

レースをご覧の方ならおわかりの通り、ダノンベルーガは、単に無敗で【共同通信杯】を制したというレベルの馬ではない。

何より「内容」つまり「レースぶり」が素晴らしかった。

最もわかりやすいのは、やはりレース後の松山騎手のコメントだろう。

「重い馬場でしたが、良い脚を使って強い競馬でした。道中は人気馬を見ながら進むことが出来ましたし、しっかりと溜めも利いていました。追ってからは良い反応で突き抜けてくれました(中略)乗り味が良く、良い馬だと思いました。凄いものを持っています。良馬場だともっと良いパフォーマンスが出来ると思います。」

初めての重賞挑戦とは思えないような落ち着いた道中の追走から、上がり3ハロン最速となる切れ味抜群の末脚を繰り出した。そして、馬場も問わないこともわかった。

率直に言って、現状、スキらしいスキが見当たらない!
もっと言えば「負けそうなイメージがわかない」のだ。

実は、昨年の【共同通信杯】をエフフォーリアが圧勝した時も「この馬を負かすにはどうすればよいのだろう?」などと考えたが、それに近い感覚。

 

ダービー向きだろうが、意外に皐月賞でも

経験の浅い馬ではあるが、現段階の雰囲気では、【クイーンC】勝ちのプレサージュリフトと比べると、精神的にも逞しさを感じる。

恐らく、大一番に直行しても、体調さえ問題がなければ、自分の力を発揮する可能性が高い。

昨年11月の【東スポ杯2歳S】を制したイクイノックスらと共に、世代最強を争っていくことになるだろう。

イクイノックスも強い

父ハーツクライの血統背景からも、恐らく最大の目標は【ダービー】になるはず。

ただ、個人的には、意外に【皐月賞】も面白そうな気がするのだ。

松山騎手が「乗り味が良い」と語っている。それは恐らく「操縦性が高い」という意味だろう。

トリッキーな中山で活躍できるのは、まさにそうしたタイプではないだろうか。

いずれにしても、今年のクラシック路線が本当に楽しみになってきた!

もちろん、穴のキングスポーツとしては、ダノンに匹敵するような伏兵の発掘に挑んでいくつもりだから、楽しみにしていてほしい。

 

最後に!勝ち馬以外に気になる1頭

ダノンベルーガはもちろん素晴らしいが

5着アサヒ(田辺)

も決して見限りたくはない

率直に言って、あまりにも出遅れが大きすぎた。

競馬にタラレバが禁物であることを承知の上で、スムーズに出られていれば、勝ち馬とゴール前で争う形になっていたと思う。

それだけ、前走【東スポ杯2歳S】2着から、ここにかけて大幅に成長していた。

特に、唯一の課題のように思えた、追われてからの反応が格段によくなっていたのだ。

私たちにとっては、軸馬であり好調教馬だったのが、穴のキングスポーツが、敢えて上位人気馬を軸馬に指名した点に、この馬の評価の高さを感じてほしい。

必ず逆襲できる馬!もちろん未来の主役に指名して、逆襲の瞬間を心待ちにしたい。

個人的にはダービーでは少々距離が長い気がするので【皐月賞】で勇姿を見せてほしい。

 

レースを見逃した方はコチラ

 

【共同通信杯 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 ダノンベルーガ(松山弘平騎手)
「重い馬場でしたが、良い脚を使って強い競馬でした。道中は人気馬を見ながら進むことが出来ましたし、しっかりと溜めも利いていました。追ってからは良い反応で突き抜けてくれました。デビュー戦で石橋脩騎手がレースを教えてくれていて、乗りやすかったです。返し馬の雰囲気も良かったですし、乗り味が良く、良い馬だと思いました。凄いものを持っています。良馬場だともっと良いパフォーマンスが出来ると思います。これからまだまだ成長できる馬です。大きい舞台に行っても楽しみです」

2着 ジオグリフ(C.ルメール騎手)
「良いスタートを切ってくれました。4番手になってから冷静に走れていました。ずっと良い感じでしたし、直線では良い脚を使ってくれました。こういう馬場でも良い反応でしたし、前の方に行ったので、良い経験になったと思います。能力はあるので今後も楽しみです。2000mに伸びても大丈夫です」

3着 ビーアストニッシド(飯田助手)
「積極的に乗ってくれました。手応えがないかなと思っていましたが、追い出してからしっかりとしていました。ジョッキーも止まっていないと言っていました。瞬発力を見せてくれましたし、よく頑張ってくれました」

4着 ジュンブロッサム(武豊騎手)
「間隔が空きましたが、成長して良くなっています。良い競馬が出来ました。まだまだ良くなってくると思います」

5着 アサヒ(田辺裕信騎手)
「スタートがうまくいきませんでした。未勝利戦でも出なかったことがありました。今日は出る感じではありませんでした。結構致命的な遅れを取ってしまいました。調教の雰囲気は良かったので、楽しみにしていたのですが……」

6着 レッドモンレーヴ(戸崎圭太騎手)
「返し馬で良い馬だと感じていました。スタートセンスの良い馬です。壁を作りたかったのですが、前々で気持ちが入って、リラックス出来ていない感じでした。最後は苦しくなってしまいました」

8着 アバンチュリエ(横山武史騎手)
「明らかに1800mは長かったです。スタートに課題はありますが、一番速かったぐらいで、改善されたのは良かったです。1600m、1400mと徐々に縮めていくと良いのかもしれません」

9着 アケルナルスター(柴田大知騎手)
「さすがに一線級のメンバーが揃っていましたが、頑張ってくれました。馬場もこなしてくれましたが、ここまででした。今回が良い経験になると思いますし、さらに力をつけてくれると思います」

10着 サンストックトン(松岡正海騎手)
「馬場が向きませんでした。緩い馬場はダメですね」

11着 エイシンシュトルム(石川裕紀人騎手)
「食らいついていました。口向きが難しいかもしれないと聞いていましたが、その通りでした。その中でも我慢して走っていました。自己条件からですね」

(via ラジオNIKKEI

 

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