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ホーム勝負の明暗鳴尾記念 2022【回顧】改めて感じる「池江厩舎の底力」

鳴尾記念 2022【回顧】改めて感じる「池江厩舎の底力」

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】鳴尾記念 2022 における勝負の明暗

2022年 6月 4日(土) 4回中京1日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第75回鳴尾記念
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 2000m 10頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
2 2 ヴェルトライゼンデ 牡5 56 レーン 1.57.7   05-06-05-05 33.7 2 4.9 496 +2 (栗)池江泰寿
8 9 ジェラルディーナ 牝4 54 福永祐一 1.57.8  1/2 07-07-07-07 33.6 4 5.4 452 +2 (栗)斉藤崇史
3 3 サンレイポケット 牡7 56 鮫島克駿 1.57.8 07-07-07-07 33.6 3 5.1 480 0 (栗)高橋義忠
5 5 ギベオン 牡7 56 西村淳也 1.57.9  1/2 03-03-03-03 34.3 7 12.8 508 +4 (栗)藤原英昭
4 4 キングオブドラゴン 牡5 56 岩田望来 1.58.0 1 01-01-01-01 34.6 5 6.2 500 -4 (栗)矢作芳人
7 8 カイザーバローズ 牡4 56 川田将雅 1.58.1 クビ 05-05-05-05 34.2 1 4.1 444 -8 (栗)中内田充
7 7 ショウナンバルディ 牡6 56 坂井瑠星 1.58.5 2 1/2 02-02-02-02 35.0 6 9.6 456 +4 (栗)松下武士
1 1 パトリック 牡6 56 松山弘平 1.58.9 2 1/2 10-10-10-09 34.4 9 43.1 476 -2 (栗)岡田稲男
8 10 ヤシャマル 牡5 56 松田大作 1.59.0  3/4 03-03-03-03 35.3 8 18.3 508 -4 (美)尾形和幸
10 6 6 アドマイヤジャスタ 牡6 56 吉田隼人 1.59.4 2 1/2 09-09-09-09 34.9 10 116.6 508 -12 (栗)石坂公一

 

例年以上の豪華メンバーが集結

【鳴尾記念】といえば、やはり昨年の優勝馬ユニコーンライオンが印象的だ。

ここでの勝利の勢いに乗って、中2週で出走したG1【宝塚記念】において見事に2着に激走!

私たちキングスポーツにとっても、馬連2,780円の的中を届けてくれた功労馬。今でも感謝している。

(参考までに、ユニコーンライオンは【宝塚記念】以来、脚部不安による長期の休養に入っていたが、7月10日に小倉競馬場で行われるダート重賞【プロキオンステークス】に出走するそうだ。まずは、無事にレースを終えられることを心から祈っている)
昨年の勝ち馬

そして、こういった「出世馬」が1頭でも現れると

「次はウチの馬も」

と考える関係者が多く現れるのだろうか!?

今年の【鳴尾記念】には、レース史上でも屈指と言えるほどの豪華メンバーが集結したのだ。

そして、そんな1戦を制したのは、まるで昨年の優勝馬を勇気づけるかのように、脚部不安(屈腱炎)からの1年5ヶ月ぶりの復帰戦となったヴェルトライゼンデだった!

 

お見事!ヴェルトライゼンデ

ということで、まずは優勝したヴェルトライゼンデに対して、心から祝福を申し上げたい。

確かに、実績自体はメンバー中で屈指と言って良いだろう。

【日本ダービー】の3着馬であり、また休養前の前走【AJCC】でも、ハイレベルな面々を相手に2着に好走していた。

とはいえ、1年5ヶ月ぶりはやはり長い。

レースのレベルに違いはあれど、先日のG1【ヴィクトリアマイル】に出走した、同じく長期休養明けのデアリングタクトが5着に敗れたこともあり、半信半疑だった競馬ファンは少なくないだろう。

だが、ヴェルトライゼンデは勝った!

これは、単に走力が素晴らしいだけではなく、ブランク明けでもしっかり集中してレースに入り込める精神的なレベルの高さも併せて証明するものだと思う。

改めて、素晴らしい馬なのだと感じずにはいられない。

 

池江厩舎に密かな異変が起きていた

そんなヴェルトライゼンデを管理するのが、栗東の池江泰寿厩舎だ。

さて、突然で恐縮だが、ここで皆様に質問をしてみたい。

「昨年(2021年)、池江厩舎は重賞をいくつ勝ったか?」

恐らく、大半の方が、正確な数字はわからないまでも、漠然と

「池江厩舎だけに3つ〜4つくらいは勝ってるんじゃないの?」

とイメージされるのではないだろうか。

だが、皆様には衝撃の答えが待っているぞ!何と結果は「0勝」だったのだ。

もちろん、池江師が初めて重賞を勝った2006年(朝日杯FS/ドリームジャーニー)以降、ひとつも重賞を獲れなかったのは昨年だけだ。

そんな昨年は、かつてはトップ争いが当たり前だった全国リーディングでも12位。

密かに、苦しんでいたのだ。

 

改めて感じた、池江厩舎の底力

昨今は、従来からのトップ厩舎だけではなく、様々な若手世代の調教師が台頭している。

池江厩舎といえば、ドリームジャーニーやオルフェーヴル

翌日の【安田記念】をソングラインで制した林調教師も、初出走以来、今年が5年目の若い調教師だ。(ちなみに、池添騎手と同じ1979年生まれだ)

そんなこともあって「池江調教師の時代は終わったのか、、、?」と思われた方もいるかもしれない。

だが!今年に入ると、あっさりと「定位置」に復帰!

6月5日現在、全国リーディングは断然の1位だし、重賞も早くも4つ勝っている。

しかも、単なる数字以上に「中身」に価値を感じる。

今回のヴェルトライゼンデの、長期休養明けのいきなり重賞勝ちもそのひとつ。

もちろん、仕上げは故郷のノーザンファームによる部分も大きいだろうが、最終的なマネジメントの部分の担当が池江厩舎であることは事実だ。

 

ソウルラッシュの連勝劇も見逃せない

個人的に、それ以上に印象に残るのは、今年4月の【マイラーズカップ】において「4連勝で初重賞勝ち」を達成したソウルラッシュについて。

今でこそ【安田記念】にも出走したトップマイラーだが、元々は長い距離を走っていた。

デビューから、芝を走った5戦全てが2000M以上だった。

ソウルラッシュにも驚かされた

しかし、新馬勝ち以降は一度も馬券に絡めず、、、

さすが、牡馬3冠を獲っている池江厩舎らしく、王道路線への熱い思いに抗えなかったか?笑

だが、一転、ソウルラッシュはマイルへ距離短縮した途端、怒涛の4連勝を達成した。

このように、自身の熱い信念は持ちつつも、一方で、目の前の自体に対して柔軟に対応していける点も、池江師の強みだと思う。

※尚、ソウルラッシュの【安田記念】の13着敗戦については、色々な見方があると思うが、私は4連勝時に全てコンビを組んできた鞍上・浜中騎手の「直線では前が壁になった。自分が上手く誘導できなかった」という思いを素直に受け止めたい。また、次に期待しよう!

 

そういえばオーシャンステークスもそうだった

そういえば、今年の重賞初勝利(久しぶりの重賞勝ち)となった3月の【オーシャンステークス】でも似たようなことを感じた。

勝ったジャンダルム(荻野極の重賞初勝利でもあった)は2番人気。つまりレース前の段階から「久々に重賞を勝てるかも、、、」という思いはあったのではないか。

それだけに、鞍上をトップジョッキーへと変更する選択肢もあったはず。

ジョッキーに関してはオーナーの意向が強かったようだが、前走(シルクロードS)は二桁着順に負けていたし、それを理由に話し合うこともできただろう。

だが、池江師は以下のコメント

「荻野騎手が乗るとゲートを出ます。荻野騎手も、競馬に乗らないときでも練習に付き合ってくれたり、一所懸命に取り組んでくれています。

騎手のこれまでの実績よりも、馬の相性や、騎手の姿勢を鑑みて対応。

そして、しっかりと結果を出したのだ。

 

常識が通用しない時代だけに

改めて申し上げるまでもないが、昨今の競馬界はこれまでの常識が通用しない時代に入っている。

G1では1番人気馬が当たり前のように負け続けている。

また、最低18番人気が2週連続で好走したなんてこともあった。

だからこそ、今こそ池江調教師のような、過去にとわられずに、目の前の自体に対応していく、柔軟な姿勢が必要なのだろうと思う。

そう考えると、昨年結果が出なかったのは、たまたまだったのだろう。

人間誰しも、波に乗れない時があるもの。それが池江師にとっては昨年だったのかも。「それでも全国リーディング12位に踏みとどまった」というのが正解なのかもしれない。

それだけに、今回の【鳴尾記念】に限らず

「この先の池江厩舎は大きく弾ける可能性大」

このように言わせてほしい。ぜひ、池江厩舎の馬が出走の際は、条件を問わずにご注目いただきたい!

 

【鳴尾記念 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 ヴェルトライゼンデ(D.レーン騎手)
「久々のレースでしたが、スイッチも入って、返し馬でも良い感じで、状態の良さを感じました。直線での手応えも良く、スペースができてからは非常に良い脚を使いました。瞬発力があります。このレースを使ってさらに良くなると思います」

2着 ジェラルディーナ(福永祐一騎手)
「スタートはゲート練習の成果で五分に出ました。ただそこから二の脚が乗りませんでした。馬場傾向からできれば前々でと考えていましたが、押していってもあの位置しか取れませんでした。勝負どころで手応えが悪く、左回りの影響か体が流れ気味で、加速していきませんでした。それでも最後はジリジリと来ていてよく走ってくれています。やりたい競馬ができた訳ではありませんが、地力強化の結果、2着に来てくれました。距離は2000m以上あった方が良いです」

3着 サンレイポケット(鮫島克駿騎手)
「高速馬場で(前が)止まりづらいというのは分かっていました。インコースを通れる枠でしたし、もう1、2個前のポジションがベストというのは分かっていましたが、思っていたより2列くらい後ろになりました。時計が示す通りでしたし、もう少しタフな流れになった方が持ち味が生きます。ポジショニングを含めて色々と対策していきたいと思います」

4着 ギベオン(西村淳也騎手)
「頑張ってくれました。理想の、思い描いた通りの競馬ができました」

5着 キングオブドラゴン(岩田望来騎手)
「良い形で競馬ができました。もう少し距離があって展開が向けば、もっとやれると思います」

6着 カイザーバローズ(川田将雅騎手)
「返し馬から良い走りができておらず、レース中もそうでした。もう一度作り直して次へ向かわないと、という感じです」

7着 ショウナンバルディ(坂井瑠星騎手)
「イメージ通りの競馬ができました。力は出し切れたと思います」

(via ラジオNIKKEI

 

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