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ホーム勝負の明暗函館記念 2022【回顧】本当に「巧者」で片付けていいのか?

函館記念 2022【回顧】本当に「巧者」で片付けていいのか?

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】函館記念 2022 における勝負の明暗

2022年 7月17日(日) 1回函館12日 天候 : 雨  馬場状態 : 重
【11R】 第58回農林水産省賞典函館記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 2000m 16頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
B1 1 ハヤヤッコ 牡6 57 浜中俊 2.03.6   06-06-04-02 37.8 7 (美)国枝栄
3 5 マイネルウィルトス 牡6 56 M.デム 2.03.8  3/4 16-16-10-03 37.3 1 (栗)宮徹
4 8 スカーフェイス 牡6 55 岩田康誠 2.04.3 3 14-13-13-11 37.7 4 (栗)橋田満
B5 10 ウインイクシード 牡8 56 藤岡佑介 2.04.4 1 12-12-10-06 37.9 12 (美)鈴木伸尋
B6 12 サンレイポケット 牡7 57.5 鮫島克駿 2.04.6 1 10-11-06-03 38.4 3 (栗)高橋義忠
5 9 アラタ 牡5 56 横山武史 2.04.7  3/4 06-08-06-06 38.5 2 (美)和田勇介
B3 6 タイセイモンストル 牡5 54 高倉稜 2.04.8  1/2 03-03-02-01 39.2 9 (栗)矢作芳人
B4 7 スマイル 牡6 54 坂井瑠星 2.06.0 7 09-09-06-10 39.7 5 (美)堀宣行
8 16 ランフォザローゼス セ6 54 柴山雄一 2.06.3 1 3/4 14-15-16-13 39.1 14 (美)蛯名正義
10 2 4 アイスバブル 牡7 54 水口優也 2.06.4  1/2 10-09-06-11 40.2 11 *(栗)池江泰寿
11 B7 14 サトノクロニクル 牡8 56 斎藤新 2.06.5  3/4 13-14-15-13 39.6 10 *(栗)池江泰寿
12 2 3 フェアリーポルカ 牝6 55 武豊 2.08.1 10 06-06-05-08 42.0 8 (栗)西村真幸
13 B1 2 ジェネラーレウーノ 牡7 54 丹内祐次 2.08.3 1 1/2 02-02-02-03 42.8 13 (美)矢野英一
14 B6 11 レッドライデン 牡5 54 丸山元気 2.09.1 5 01-01-01-08 43.8 15 (美)鹿戸雄一
15 8 15 アドマイヤジャスタ 牡6 55 吉田隼人 2.10.2 7 05-05-14-15 43.4 16 (栗)石坂公一
16 7 13 ギベオン 牡7 57 池添謙一 2.16.9 大差 03-03-10-15 50.4 6 (栗)藤原英昭

印象的なコメントがあった

早速だが一つ、レース後の騎手コメントをご紹介したい。

2番人気ながら6着で終わったアラタの横山武史騎手がこんなことを言っている。

「馬場がイレギュラーすぎました。この馬にはかわいそうでした」

ひょっとしたら、このコメントを「言い訳」ととらえる人もいるだろう。

考え方は様々あって当然なのだが、私は違う。

確かにアラタは走りにくそうに見えたし、そもそもこれまでのコメントを聞く限り横山武騎手はありのままを正直に語る男。言い訳するタイプではない。

そんな彼が「イレギュラーすぎ」とまで評したのだから、重馬場発表ながら、体感的には不良馬場に近かったのかもしれない。

 

巧者が上位にきたが

そして、まさにそういった馬場を得意にしているのが上位2頭だと思う。

優勝したハヤヤッコは、3年半ぶりの芝出走&芝重賞初出走だった2走前のG2【日経賞】(稍重)において、0.4秒差5着ながら上がり最速をマーク!

その際に見せた、道中での驚くほど軽快なフットワークから、道悪適性の高さを感じずにはいられなかった。

また、2着マイネルウィルトスに関しては、改めて申し上げるまでもないだろう。

昨年4月の【福島民報杯】では、不良馬場の中で衝撃の大差勝ち!競馬ファンの度肝を向いた。

ちなみに、マイネルの場合、上位人気を承知で好調教馬に指名するほど出来が良かったが、馬場が悪くなればなるほどプラスだと考えていたことは申し上げるまでもない。

参考→マイネルウィルトスを好調教馬に指名したYouTube

 

だが!「好走理由=巧者」ということだけにしてしまって、本当に良いのだろうか?

 

ハヤヤッコ→札幌記念へ!

例えばハヤヤッコだ。

実はレース終了後、早くもこんな話が出ているようだ!

参考→ハヤヤッコの次走について

上の記事から、一部引用させていただく。

 国枝調教師「前回は天皇賞・春ということもあって相手が強かった。そこから順調に回復して馬も涼しい函館で体も回復し、いい状態で臨めた。内枠ということもあって浜中くんがうまく誘導してくれていい結果を出してくれました。特殊な馬場だったけど馬は気にせず頑張ってくれました。他の馬よりも馬場を気にしなかった。このレースを勝てたことで選択肢が広がりました。おそらく札幌記念(8月21日、札幌)の方になると思う。白毛だし、金子(真人)オーナーのパワーだよ。ジャパンダートダービー(ノットゥルノ)も勝ったしね」(スポーツ報知)

札幌記念ということは、同じ金子真人オーナーの所有馬である「ソダシ」と激突するということだ!

 

エンターテイナーだが「厳しい競馬人」でもある

ちなみにソダシとハヤヤッコは、共にシラユキヒメを祖母に持つ白毛一族でもある。

こうしたバックボーンもあり【札幌記念】は大いに盛り上がるだろう。

ソダシとの激突は見ものだ!

国枝師や金子真人オーナーは、エンターテイナーだ。

恐らく「ファンの盛り上がり」という側面を考えての【札幌記念】参戦という部分もあるだろう。

【函館記念】次第で参戦というプランは描いていたと思う。

 

一方で、彼らは「競馬に対して誰よりも厳しく、精通し、また実績を残してきた競馬人のひとり」でもある。

いくら盛り上がりが予想されても

勝算ゼロなら参戦はさせない

と私は思うのだ。

 

ひょっとしたら、再びの重賞好走の場面も

きっと、今回のレースぶりを見て

「条件に恵まれたとはいえ、十分に力をつけている」

と考えたのだと推測する。

そこでご紹介しておきたいのは、レース後の浜中騎手のコメントだ。

返し馬から調子の良さを感じたので、枠も内でしたし、積極的にポジションを取って競馬をしたいと思っていました。手応えはずっと良く、3コーナーから外に誘導して、さらに手応えが良くなったので、良い感じだなと思っていました。先頭に立ってからも渋太く頑張ってくれて、2着馬が迫ってきてからももうひと頑張りしてくれました。

ご覧いただければおわかりのように、道悪云々の話は出てこない。

恐らく歴戦の名手は、暗に「道悪だからというだけで勝った訳ではないよ」ということが言いたかったのではないだろうか。

国枝師に、金子氏に、浜中騎手にそこまで思わせるハヤヤッコ、素直に適性を超える実力を備えるのだと信じるべきだろう。

ひょっとしたら、近い内に再び重賞で激走する場面もあるかも?要注目だ!

 

最後にもう1頭だけ

ここまで長々と勝ち馬を中心に書いてきたが最後に1頭だけ、今後の活躍に期待したい馬がいた。

ご紹介させてほしい。

4着ウインイクシード→ベテラン健在

3走前、ハイレベルな馬が集まっていた今年2月の【中山記念】の5着などから、8歳馬ながら能力に衰えがないことを感じていたが、それを改めて実感。

鞍上の藤岡雄介騎手から「雨馬場は合わないと聞いていた。返し馬でもそうだった」というコメントが出るなど、今回は楽な条件ではなかったはずだが、そういった雰囲気は全く見られなかった。

終始フットワークは軽いし、ベテランらしく鞍上の指示にも忠実。

結果的には上位勢とは適性の差が出たかもしれないが、レース内容はほぼ完璧だったと感じる。

今回の競馬の再現は容易ではないかもしれないが、G2、G3ならまだまだやれそうだ!

大ベテランを承知で、敢えて最後に「未来の主役」に指名してみたい!

 

【函館記念 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 ハヤヤッコ(浜中俊騎手)
「返し馬から調子の良さを感じたので、枠も内でしたし、積極的にポジションを取って競馬をしたいと思っていました。手応えはずっと良く、3コーナーから外に誘導して、さらに手応えが良くなったので、良い感じだなと思っていました。先頭に立ってからも渋太く頑張ってくれて、2着馬が迫ってきてからももうひと頑張りしてくれました。白毛の活躍馬ということで、今後もまた注目して頂ければと思います」

2着 マイネルウィルトス(M.デムーロ騎手)
「一番はスムーズな競馬がしたかったんです。ただスタートが速くなくてトビが大きいので、小回りは難しかったです。それでも3コーナーでの手応えは抜群で、伸びるかと思いましたが、追い出すとジリジリとした伸びでした。それでも脚は使ってくれました。よく頑張っています」

3着 スカーフェイス(岩田康誠騎手)
「勝負どころは3コーナー手前だったでしょうか。あそこで内に入れば、勝ち馬のラインに行けたかもしれません。この馬自身頑張ってくれましたが、1着と3着は違います。勝ちに行ったのですが、悔しい結果になってしまいました」

4着 ウインイクシード(藤岡佑介騎手)
「雨馬場は合わないと聞いていて、返し馬でもそうでした。スタートを出てから、抱えられる位置で運ぼうと思いましたが、ブリンカーが利いていて、じっくり乗ると良い手応えでした。4コーナーでは勝てるかと思うくらいでした。こういう競馬をしていけばチャンスがありそうです」

5着 サンレイポケット(鮫島克駿騎手)
「タフな競馬でした。それは時計からも感じます。勝ちに行きましたが……。ブリンカーと洋芝は合っていましたが、最後は力尽きました。ここ数戦は出し切っていない感じでしたが、今日は出し切った結果でした。レース後は息が上がっていました。それだけタフな競馬だったのだと思います」

6着 アラタ(横山武史騎手)
「馬場がイレギュラーすぎました。この馬にはかわいそうでした」

(via ラジオNIKKEI

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