こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
函館スプリントステークス 2023 の回顧&未来の主役
2023年 6月11日(日) 1回函館2日 天候 : 曇 馬場状態 : 良
【11R】 第30回函館スプリントS
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1200m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 15 | キミワクイーン | 牝4 | 55 | 横山武史 | 1.08.2 | 12-10 | 34.4 | 3 | *(美)奥村武 | |
2 | B4 | 7 | ジュビリーヘッド | 牡6 | 57 | 西村淳也 | 1.08.3 | 3/4 | 05-03 | 35.0 | 5 | (栗)安田隆行 |
3 | 1 | 1 | トウシンマカオ | 牡4 | 58 | 鮫島克駿 | 1.08.5 | 1 1/4 | 05-06 | 35.2 | 1 | *(美)高柳瑞樹 |
4 | 2 | 4 | カイザーメランジェ | 牡8 | 57 | 吉田隼人 | 1.08.6 | クビ | 12-15 | 34.8 | 12 | (美)中野栄治 |
5 | 7 | 13 | ブトンドール | 牝3 | 52 | 池添謙一 | 1.08.6 | 頭 | 08-06 | 35.0 | 2 | (栗)池添学 |
6 | 5 | 9 | ディヴィナシオン | 牡6 | 57 | 松田大作 | 1.08.7 | クビ | 15-11 | 34.7 | 13 | *(栗)森秀行 |
7 | 7 | 14 | ヴァトレニ | セ5 | 57 | 幸英明 | 1.08.7 | クビ | 05-05 | 35.4 | 4 | (栗)長谷川浩 |
8 | 4 | 8 | リバーラ | 牝3 | 52 | M.デム | 1.08.8 | 3/4 | 01-01 | 35.8 | 8 | *(美)高柳瑞樹 |
9 | 6 | 12 | ムーンプローブ | 牝3 | 52 | 北村友一 | 1.08.9 | クビ | 08-08 | 35.3 | 9 | (栗)上村洋行 |
10 | 3 | 6 | ウォーターナビレラ | 牝4 | 55 | 武豊 | 1.08.9 | クビ | 12-11 | 35.1 | 7 | (栗)武幸四郎 |
11 | 2 | 3 | サトノアイ | 牝5 | 55 | 富田暁 | 1.09.0 | 3/4 | 16-16 | 34.8 | 16 | (栗)須貝尚介 |
12 | 8 | 16 | カルネアサーダ | 牝4 | 55 | 角田大和 | 1.09.1 | クビ | 03-03 | 36.0 | 14 | (栗)加用正 |
13 | 1 | 2 | レイハリア | 牝5 | 55 | 亀田温心 | 1.09.3 | 1 1/4 | 08-11 | 35.7 | 15 | (美)田島俊明 |
14 | 3 | 5 | ヴィズサクセス | 牡6 | 57 | 岩田康誠 | 1.09.4 | 1/2 | 08-11 | 35.7 | 11 | *(美)奥村武 |
15 | 5 | 10 | テイエムトッキュウ | 牡5 | 57 | 津村明秀 | 1.10.1 | 4 | 03-08 | 37.0 | 6 | (栗)木原一良 |
16 | 6 | 11 | ジャスパークローネ | 牡4 | 57 | 浜中俊 | 1.10.4 | 2 | 02-02 | 37.4 | 10 | *(栗)森秀行 |
どんなイメージを持っていた?
今年の【函館スプリントステークス】を制したのは、4歳牝馬のキミワクイーンだった。関係者の皆様に、心からの祝福を申し上げたい。
2着ジュビリーヘッドとの着差は3/4馬身差だが、レースをご覧になった全ての方が、恐らく
「文句なしの完勝」
という思いを抱かれたのではないだろうか。それくらい、鮮やかな末脚だった。
そんなキミワクイーンの今後への期待については後ほど書かせていただくとして、、、
実は今回のレースを予想する中で、私たち自身、改めて感じたというか、皆様にどうしてもお伝えすべきだと感じたことがあったので、ご紹介したい。
時間を【函館スプリントステークス】の前に戻してみよう。
皆様は、予想する上で、どういったレースだという印象を持たれただろう?
結果的には、比較的上位人気サイドの馬で決まることにはなったが、レース前の段階から「堅いレース」だと考えていた方は、恐らくほとんどいなかったはずだ。
古馬か?3歳馬か?
その理由はいくつかあると思う。
例えば、本来なら断然の人気になってもおかしくないトウシンマカオが、前走【高松宮記念】で15着に敗れ、尚且つ58キロを背負っていたこと。
そのほか、昨年2着のジュビリーヘッドの前走の凡走だったり、勢い溢れる3歳馬の「軽斤量」も競馬ファンを迷わせたと思う。
もちろん、その他にも様々なややこしいレースがあった。
それだけに、皆様は、恐らく「あれもこれも」と様々な材料を集め、学び、そして予想に挑まれただろう。
だが!!私たちの予想家としての長年の経験上、こうしたごちゃごちゃしたレースの時ほど、むしろ腹を括ってポイントを絞ることで、一気に道は開けてくる!
今回、私たちは「古馬VS3歳馬」が最も大事な部分だと考え、その上で「古馬優勢」だと確信!
実際に、有料会員様には、そのあたりについて次のように解説した(一部抜粋)
決して3歳馬を軽視する訳ではなく、シンプルに、「能力面、距離適性」において「一枚上」だと判断。例えばトウシンマカオはスプリント重賞を勝っているし、ジュビリーヘッドは昨年のこのレースの2着馬。シンプルに、能力と適性が勝負を分ける大きな要素になると判断。
結果こそ無念だったが
上の解説文に出た古馬2頭の組み合わせはもちろん馬連で勝っていたが2着&3着。
勝ち馬も古馬だった点も含め、見ていた方向は正しかったが、結果的には無念のレースになってしまった。
とはいえ、腹を括ってポイントを明確にしていたからこそ、余計な馬券(3歳馬絡みの厚め勝負)を買わずに済み、混戦とは思えないほど、シンプルな勝負ができた。
そして私たち自身、今後に向けての大きな手応えも感じることができたし、チャンスはすぐに訪れるだろう。
では、どうして、馬券を射止めてもいないのに(恥ずかしい、、、)こうした話を長々としたのか?
それは、この先の夏競馬において
要するに、今この時点で「ポイントを絞る」という部分を共有しておかなければ、皆様が夏に大きな苦労をすることになると思ったから。もちろん、自戒の意味を込めてという部分もある。
例えば、本格的な夏競馬が始まる前、今週の土日なども、ややこしそうなレースがズラリと並ぶ。
だからこそ、皆様もぜひ、ご自分なりに絞り込むチャレンジを初めてみてほしい。何か見えてくるものがあると思う。
もちろん、結論が出ない方は、キングスポーツに任せてほしい(笑)
勝ち馬は洋芝だけじゃない
最後に、冒頭でも名前を挙げた勝ち馬キミワクイーンについて。
これまでは、スピードを活かし、どちらかと言えば、中団より前でレースを運んできた馬が、後方待機(4角10番手)のレースを選択したことで、どうなるかと思ったが、何と上がり最速のタイムをマークするなど、末脚が爆発!余裕タップリに差し切りを決めた。
実は、レース後、管理する奥村武調教師が
「あんな脚を使うとは」
と驚きを隠さなかった。実は、このコメントは非常に「重い」と私はにらんでいる
奥村武師で忘れられないのは、一昨年の重賞【セントライト記念】。
管理馬のノースブリッジが、素晴らしい手応えで直線に入りながら、前が開かずにしっかり追えず、10着に終わった。
その際に「スムーズなら絶対に勝っていた」という旨を言い切ったのだが、その後のノースブリッジは?
師の言葉の正しさを証明するかのように、同じ舞台で行われた今年1月のG2【AJCC】を完勝している。それだけ奥村師は、正確に自分の馬の力を見抜ける目を持っているということ。
恐らくベストは今回のような平坦小回りの舞台だろうが、それでもかなりの大器であることは間違いないだけに、未来の主役に指名し、秋の大一番を楽しみにしている!
エプソムカップ 2023 の未来の主役
2023年 6月11日(日) 3回東京4日 天候 : 曇 馬場状態 : 稍重
【11R】 第40回エプソムカップ
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(特指) 芝 1800m 17頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 15 | ジャスティンカフェ | 牡5 | 57 | 横山和生 | 1.45.5 | 15-14-11 | 34.3 | 1 | (栗)安田翔伍 | |
2 | 8 | 17 | ルージュエヴァイユ | 牝4 | 55 | 石川裕紀 | 1.45.7 | 1 1/4 | 02-02-02 | 35.3 | 7 | (美)黒岩陽一 |
3 | 1 | 2 | マテンロウスカイ | セ4 | 57 | 横山典弘 | 1.45.7 | クビ | 02-03-03 | 35.1 | 4 | (栗)松永幹夫 |
4 | 7 | 14 | レクセランス | 牡6 | 57 | 木幡巧也 | 1.45.8 | クビ | 10-14-15 | 34.4 | 16 | *(栗)池添学 |
5 | 1 | 1 | エアロロノア | 牡6 | 57 | 田辺裕信 | 1.45.8 | クビ | 17-17-15 | 34.4 | 5 | (栗)笹田和秀 |
6 | 6 | 11 | ヤマニンサルバム | 牡4 | 57 | 三浦皇成 | 1.45.9 | 1/2 | 08-06-05 | 35.2 | 9 | (栗)中村直也 |
7 | 2 | 3 | インダストリア | 牡4 | 58 | ルメール | 1.46.0 | 1/2 | 05-06-07 | 35.2 | 2 | (美)宮田敬介 |
8 | 5 | 10 | ヤマニンサンパ | 牡5 | 57 | 杉原誠人 | 1.46.1 | 1/2 | 13-11-14 | 34.8 | 15 | (栗)斉藤崇史 |
9 | 4 | 8 | フィアスプライド | 牝5 | 55 | 菅原明良 | 1.46.1 | クビ | 02-05-05 | 35.4 | 10 | (美)国枝栄 |
10 | 5 | 9 | ガロアクリーク | 牡6 | 58 | 石橋脩 | 1.46.2 | クビ | 05-03-03 | 35.7 | 11 | (美)上原博之 |
11 | B6 | 12 | エアファンディタ | 牡6 | 57 | 戸崎圭太 | 1.46.2 | クビ | 15-16-15 | 34.8 | 6 | *(栗)池添学 |
12 | 3 | 5 | レインフロムヘヴン | 牡5 | 57 | レーン | 1.46.2 | クビ | 10-09-08 | 35.2 | 3 | (美)堀宣行 |
13 | 2 | 4 | カワキタレブリー | 牡4 | 57 | 松山弘平 | 1.46.3 | 3/4 | 08-09-10 | 35.2 | 8 | (栗)杉山佳明 |
14 | 8 | 16 | ラストドラフト | 牡7 | 57 | 松岡正海 | 1.46.4 | クビ | 10-11-11 | 35.2 | 14 | (美)戸田博文 |
15 | 3 | 6 | ショウナンマグマ | 牡4 | 57 | 吉田豊 | 1.46.7 | 2 | 01-01-01 | 36.4 | 12 | (美)尾関知人 |
16 | 4 | 7 | ピースワンパラディ | 牡7 | 57 | 大野拓弥 | 1.47.4 | 4 | 13-11-11 | 36.2 | 13 | (美)大竹正博 |
17 | B7 | 13 | トーラスジェミニ | 牡7 | 57 | 木幡育也 | 1.50.1 | 大差 | 05-06-08 | 39.2 | 17 | (美)小桧山悟 |
おめでとう横山兄弟!
既に皆様もご存知の通り【エプソムカップ】では競馬史に残る快挙が達成された。
優勝馬ジャスティンカフェの鞍上は横山和生騎手。そう、【函館SS】を制した横山武史騎手に続く、同日での兄弟重賞制覇を成し遂げたのだ!
これは、1997年3月2日の武豊・幸四郎兄弟以来、26年ぶり。
要するに、四半世紀に一度の偉業だということだ。
もっとも、1997年の場合は、武幸四郎騎手が「初勝利=初重賞制覇(オースミタイクーン・マイラーズC)」を成し遂げた日でもあっただけに、話題性は今回の比ではなかったように思う。
それでも、武兄弟がそうであったように、これから先、横山兄弟も、長きに渡って競馬界の話題の中心でい続けるんだろうなと、そんなことを予感せずにはいられない。
兎にも角にも、おめでとう!
驚きの2着馬ルージュエヴァイユ
横山和生騎手に導かれたジャスティンカフェは本当に強かった。格の違いを見せつけた印象だ。
とはいえ、この舞台で行われた昨秋【毎日王冠】で2着という実績のあるこの馬の強さは誰もがわかっていることだし、今さら称えたところで仕方がない。
それよりも、7番人気の伏兵評価を覆して2着に激走したルージュエヴァイユに注目。
ハッキリいって、7番人気の評価に落ち着くのが不思議な素材だ。
昨年の【オークス】は6着に好走、またここ東京芝1800Mでは3勝クラスを勝っているように、コース適性の高さも証明済みだ。
ただ、やはり「着順」がそのまま人気に反映されやすい昨今、前走【メイステークス】での10着敗戦(1番人気を裏切った)を気にされた方が多かったのだろう。
対して、ルージュエヴァイユをキッチリ評価された方は、冷静に前走の内容を見たのだろう。致命的といってよいレベルの不利があり、全く力を発揮できなかったことは明白だったのだ。私も同意見だった。
その上で、私にはルージュエヴァイユに対して「ある懸念材料」があった。
心身共に大器を確信
それはメンタル面だ。
どうしても、牝馬は、牡馬と比べると「繊細」だと言われる。私自身も長年の予想家としての経験上、そう感じることが多い。
ルージュエヴァイユの場合、前走で大きな不利を受けただけではなく、2走前【愛知杯】でも、不得手な重馬場をこなせず12着に惨敗していた。
2回続けて苦しんだことで「競馬が嫌になっていないか?持っている力を出し切れる精神状態にあるのか?」これが気になっていた。
だが、いざレースが始まると、行きっぷりの良さからと直線の動きまで、どこを切り取っても素晴らしく、心配した自分がバカバカしくなるほどだった。
重や不良(今回は稍重)までいかなければ、少なくとも牝馬限定のG2、G3ならいつでも勝ち負けになる!場合によってはG1での好走まで、、、
もう少しの成長は必要かもしれないが、いつか【エリザベス女王杯】あたりで好走する姿をイメージしながら、未来の主役に指名する!
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