こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
セントライト記念 2023 の回顧&未来の主役
2023年 9月18日(祝) 4回中山5日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第77回朝日杯セントライト記念
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝 2200m 15頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 4 | レーベンスティール | 牡3 | 56 | モレイラ | 2.11.4 | 06-06-07-07 | 33.9 | 2 | (美)田中博康 | |
2 | 8 | 14 | ソールオリエンス | 牡3 | 56 | 横山武史 | 2.11.7 | 1 3/4 | 10-10-09-09 | 34.0 | 1 | *(美)手塚貴久 |
3 | 4 | 6 | シャザーン | 牡3 | 56 | 岩田望来 | 2.11.9 | 1 1/4 | 06-06-04-04 | 34.6 | 3 | (栗)友道康夫 |
4 | 2 | 2 | セブンマジシャン | 牡3 | 56 | 西村淳也 | 2.12.0 | 1 | 08-08-09-09 | 34.3 | 7 | (栗)高野友和 |
5 | 1 | 1 | キングズレイン | 牡3 | 56 | ルメール | 2.12.1 | 1/2 | 15-15-11-07 | 34.1 | 4 | *(美)手塚貴久 |
6 | 7 | 13 | ウインオーディン | 牡3 | 56 | 三浦皇成 | 2.12.3 | 1 1/4 | 12-12-11-12 | 34.3 | 10 | (美)鹿戸雄一 |
7 | 4 | 7 | シルトホルン | 牡3 | 56 | 大野拓弥 | 2.12.4 | 1/2 | 05-04-04-04 | 35.1 | 8 | (美)新開幸一 |
8 | 3 | 5 | ドゥラエレーデ | 牡3 | 56 | 坂井瑠星 | 2.12.5 | 3/4 | 01-01-01-01 | 35.5 | 5 | (栗)池添学 |
9 | 5 | 9 | アームブランシュ | 牡3 | 56 | 吉田豊 | 2.12.9 | 2 1/2 | 13-13-15-15 | 34.8 | 11 | (美)竹内正洋 |
10 | 6 | 10 | ウィズユアドリーム | 牡3 | 56 | 松山弘平 | 2.12.9 | 頭 | 02-02-02-02 | 35.9 | 6 | (栗)吉岡辰弥 |
11 | 6 | 11 | シルバープリペット | 牡3 | 56 | 嶋田純次 | 2.13.1 | 1 1/4 | 10-10-11-12 | 35.2 | 14 | (美)松山将樹 |
12 | 2 | 3 | コレオグラファー | 牡3 | 56 | 菅原明良 | 2.13.2 | 3/4 | 03-04-04-04 | 35.9 | 13 | (栗)高柳大輔 |
13 | 5 | 8 | ウイニングライブ | 牡3 | 56 | 丸山元気 | 2.13.4 | 1 1/4 | 13-13-11-12 | 35.4 | 15 | (美)金成貴史 |
14 | 8 | 15 | グリューネグリーン | 牡3 | 56 | 田辺裕信 | 2.13.6 | 1 | 03-03-02-02 | 36.5 | 12 | (美)相沢郁 |
15 | 7 | 12 | コスモサガルマータ | 牡3 | 56 | 松岡正海 | 2.14.3 | 4 | 08-08-07-09 | 36.8 | 9 | (栗)梅田智之 |
まさか!?上位人気3頭で決着
今や種牡馬としても圧倒的な存在感を放つキタサンブラックなど、数多くの名馬を輩出してきた出世重賞【セントライト記念】。
当然、世代でもトップクラスの素材が集まってくる。
さらに、舞台となる中山芝2200Mが非常にタフであることも含め、真の実力を備えていなければ結果を出すことは難しい。
だから今回、上位人気3頭でスンナリ決着したことも、普通に考えれば「アリ」なのだが、、、
今年に関してだけは、正直に言って「意外」だった。
というのも、今年の3歳世代は、牝馬のリバティアイランドを除けば、早い段階から「混戦」と呼ばれてきたからだ。
実際に、今年1月【シンザン記念】から、【セントライト記念】前日の【ローズステークス】まで、今年の3歳重賞は(芝・ダート合わせて)29レース行われてきたが、そのうち、上位人気3頭で決まったのは、たった1レースしかなかった。
それは3月に行われた【弥生賞】。
今回の【セントライト記念】がようやく2例目となる。
弥生賞とセントライト記念の共通点とは?
参考までに【弥生賞】の上位3頭を振り返ってみよう。
2023 弥生賞 上位3頭
日付 | レース名 | 馬名S | 性齢 | 騎手 | 斤量 | 人気 | 着順 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
230305 | 弥生賞G2 | タスティエーラ | 牡3 | 松山弘平 | 56 | 3 | 1 | (美)堀宣行 |
230305 | 弥生賞G2 | トップナイフ | 牡3 | 横山典弘 | 56 | 1 | 2 | (栗)昆貢 |
230305 | 弥生賞G2 | ワンダイレクト | 牡3 | ルメール | 56 | 2 | 3 | (栗)藤岡健一 |
奇しくもというべきか!?
その【弥生賞】と今回の【セントライト記念】の上位3頭に、大きな共通点を見つけてしまった!
それは「共にクラシックウイナーが名前を連ねている」ということ。
改めて申し上げるまでもないが、タスティエーラ(ダービー馬)とソールオリエンス(皐月賞馬)だ。
さらにいえば【弥生賞】2着のトップナイフも忘れてはいけないl。
この夏の【札幌記念】において、ジャックドール、ダノンベルーガなど、超一線級の古馬に先着する形で堂々の2着!
要するに、世代最強クラスの名前がズラリと並んでいるということだ。
人気に応えられる馬は「本物」だ
当たり前のことを言うようだが、各レースにおいて、人気に推される馬というのは、ライバルたちのマークを一身に集めるにことになる。
マークをされれば、自分のリズムで走ることは容易ではない。
本来備えている力をフルに出し切ることは難しいだろう。
それでも尚結果を出すためには、ライバルたちよりも、数段上の実力が必要になってくる。
ただでさえ、ハイレベルな馬が集まる重賞において「数段上の実力」を備えているとなれば、必然的に、世代トップクラスの力の持ち主になるということ。
【弥生賞】の面々もそうだし、今回の面々もそう。
特にレーベンスティールだ。
「まずはここを勝つ」ということを目標に、かなり仕上げていただけに「先が目標の叩き台」だったソールオリエンスに対して、状態面でのアドバンテージがあったことは確か。
それでも、前走以前に感じられた「若さ」はみられず、ジョッキーの巧みな手綱捌きに導かれ、全くスキが感じられなかった。
父リアルスティールの血統背景からも【菊花賞】に出走した場合、どうなのかという声もあるが、確かに本質的な長距離型という感じはないものの、少しずつ精神的に成長している面も感じられるだけに、体調さえ整えられたら、面白いのではないだろうか!?
出走は厳しいかもしれないが
さて、ここまで記した通り、基本的には上位3頭を高く評価したい。
その上で【菊花賞】向きという点で考えれば、賞金的に非常に微妙だとは思うが、穴なら6着のウインオーディンが面白いと思う。
今年の【菊花賞】には、恐らく本質的なステイヤータイプは少ない。
つまり、皆、できるだけ無理をせずに淡々と乗りたい。レースに大きな変動がある可能性は少ないと思う。
まさにその流れにドンピシャでハマり、スタミナをためにため、ゴールまでなだれ込む。そんなイメージが浮かぶのは私だけだろうか。
もちろん、上がり33秒台の脚を使ったこともあるように、決して侮れない末脚も備えている。
もしも出走がかなえば!必ずヒモには押さえるつもりだ。ぜひ、意識しておいてほしい!
ローズステークス 2023 の回顧&未来の主役
2023年 9月17日(日) 4回阪神4日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第41回関西テレビ放送賞ローズS
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝・外 1800m 17頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 12 | マスクトディーヴァ | 牝3 | 54 | 岩田望来 | 1.43.0 | 09-07 | 33.2 | 7 | (栗)辻野泰之 | |
2 | 3 | 5 | ブレイディヴェーグ | 牝3 | 54 | ルメール | 1.43.2 | 1 1/2 | 13-13 | 32.9 | 1 | (美)宮田敬介 |
3 | 5 | 10 | マラキナイア | 牝3 | 54 | 川田将雅 | 1.43.5 | 1 3/4 | 12-11 | 33.4 | 5 | *(栗)吉岡辰弥 |
4 | 5 | 9 | アンリーロード | 牝3 | 54 | 吉田隼人 | 1.43.6 | クビ | 16-13 | 33.3 | 10 | (栗)茶木太樹 |
5 | 6 | 11 | ココナッツブラウン | 牝3 | 54 | 横山武史 | 1.43.7 | 3/4 | 05-06 | 34.0 | 8 | (栗)上村洋行 |
6 | 1 | 1 | フォーチュンコード | 牝3 | 54 | 秋山真一 | 1.43.8 | 3/4 | 09-11 | 33.7 | 14 | (栗)小林真也 |
7 | 3 | 6 | ラファドゥラ | 牝3 | 54 | 木幡巧也 | 1.43.9 | クビ | 09-10 | 33.9 | 9 | (美)小島茂之 |
8 | 1 | 2 | ソーダズリング | 牝3 | 54 | 武豊 | 1.44.1 | 1 | 05-04 | 34.6 | 3 | (栗)音無秀孝 |
9 | 8 | 17 | セーヌドゥレーヴ | 牝3 | 54 | 松山弘平 | 1.44.1 | 頭 | 02-03 | 34.8 | 12 | *(栗)吉岡辰弥 |
10 | 7 | 13 | リサリサ | 牝3 | 54 | 浜中俊 | 1.44.2 | 1/2 | 02-02 | 35.0 | 11 | (美)田村康仁 |
11 | 2 | 3 | レミージュ | 牝3 | 54 | 和田竜二 | 1.44.2 | クビ | 07-07 | 34.4 | 15 | (栗)松永幹夫 |
12 | B7 | 14 | コンクシェル | 牝3 | 54 | モレイラ | 1.44.2 | 頭 | 04-04 | 34.7 | 4 | (栗)清水久詞 |
13 | 2 | 4 | アリスヴェリテ | 牝3 | 54 | 藤岡康太 | 1.44.5 | 1 3/4 | 13-13 | 34.2 | 13 | (栗)中竹和也 |
14 | 4 | 7 | ラヴェル | 牝3 | 54 | 坂井瑠星 | 1.44.5 | ハナ | 07-07 | 34.7 | 2 | (栗)矢作芳人 |
15 | 8 | 15 | ブライトジュエリー | 牝3 | 54 | 鮫島克駿 | 1.44.6 | クビ | 13-13 | 34.4 | 6 | (栗)橋口慎介 |
16 | 8 | 16 | トリオンファルマン | 牝3 | 54 | 池添謙一 | 1.44.9 | 1 3/4 | 17-17 | 34.3 | 17 | (栗)笹田和秀 |
17 | 4 | 8 | ユリーシャ | 牝3 | 54 | 菱田裕二 | 1.45.1 | 1 1/2 | 01-01 | 36.1 | 16 | (栗)中村直也 |
驚きの一戦!
今回のレースを観戦しての感想を一言で表すなら
「驚いた」
ということになるだろうか。
もちろん、レコード決着は凄いが、これは馬場状態によるところも大きいだろうから、どうでも良い。(むしろ、高速決着による次走へのダメージが各馬心配だったりする)
それよりも、レース前の段階から「混戦」「能力拮抗」と言われてきたメンバー構成だったにもかかわらず
2着馬に1馬身半もの大きな差をつけられる馬がいたこと
この事実こそ、強調すべき点ではないだろうか。
文句なし!本物の大器
ということで、7番人気の評価を覆して優勝を収めたマスクトディーヴァ、岩田望騎手、さらには関係者の皆様に、心からの「おめでとう」を言わせてほしい。
阪神カラーの勝負服(社台)が、タイガース優勝直後の阪神競馬馬を鮮やかに彩っていたね。笑
それはともかく、祖母(母の母)が、現役時代に重賞を3つ勝った名牝・ビハインドザマスクという血統背景もあり、デビュー前から期待の大きかった素材。
一方で、6月以来の久々の実戦だったこと、また4月のオープン【忘れな草賞】で7着に敗れていたことから「重賞では厳しいのでは」という声もあったようだ。
だが、終わってみれば、上でも記したように完勝!7番人気の伏兵といった雰囲気は微塵も感じさせなかった。
「人気薄だったしハマったのか?フロックなのか?」結論としては、全くそんなことはない。
ここで、レース後の岩田望騎手のコメントをご紹介したい。
そこに驚きはない
コメントをご覧いただければおわかりの通り、岩田望騎手は、今回のコメントを喜んではいるが、決して「想定外」だとは思っていなかったようだ。
つまり、関係者だけが知る、ひと夏を越しての大幅な「進化」があったということ。間違いなく「本物」なのだ。
そんな馬に、現在急上昇中!今や最も頼れる若手ジョッキーが跨り、完璧な手綱さばき、仕掛けをしたのだから、結果が出て当然だったのかもしれない。
そして、今回2着だったブレイディヴェーグと共に、リバティアイランドを除いた春組と比較しても、私たちの感覚としては、互角以上の印象を受けた。
当然【秋華賞】を想定する必要が出てくるだろ。
爆発的な末脚は、外回り向きをイメージさせるが、一方で道中のロスのない動きには器用さも感じられた。内回りでも対応は可能だと思う。
これさえ克服できれば、上位争いは濃厚だと思う。
調教チェックにこだわり続ける私たちがどういった判断を下すのか?そのあたりも含めて、本番を楽しみにしていてほしい。
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