こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
菊花賞 2023 の回顧&未来の主役
2023年10月22日(日) 2回京都7日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第84回菊花賞
3歳・オープン・G1(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定) 芝・外 3000m 17頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 17 | ドゥレッツァ | 牡3 | 57 | ルメール | 3.03.1 | 01-01-03-02 | 34.6 | 4 | (美)尾関知人 | |
2 | 4 | 7 | タスティエーラ | 牡3 | 57 | モレイラ | 3.03.7 | 3 1/2 | 09-11-09-08 | 34.8 | 2 | (美)堀宣行 |
3 | 7 | 14 | ソールオリエンス | 牡3 | 57 | 横山武史 | 3.04.0 | 1 1/2 | 11-12-12-08 | 35.1 | 1 | (美)手塚貴久 |
4 | 3 | 6 | リビアングラス | 牡3 | 57 | 坂井瑠星 | 3.04.1 | 3/4 | 03-03-01-01 | 35.9 | 9 | (栗)矢作芳人 |
5 | 4 | 8 | サヴォーナ | 牡3 | 57 | 池添謙一 | 3.04.1 | ハナ | 15-15-03-02 | 35.6 | 7 | (栗)中竹和也 |
6 | 6 | 12 | ハーツコンチェルト | 牡3 | 57 | 松山弘平 | 3.04.1 | クビ | 04-05-06-08 | 35.3 | 5 | (美)武井亮 |
7 | 5 | 10 | マイネルラウレア | 牡3 | 57 | 岩田望来 | 3.04.1 | ハナ | 15-15-12-12 | 35.1 | 11 | (栗)宮徹 |
8 | 7 | 13 | ナイトインロンドン | 牡3 | 57 | 和田竜二 | 3.04.2 | 頭 | 11-12-12-15 | 35.1 | 12 | (美)大竹正博 |
9 | 8 | 15 | ファントムシーフ | 牡3 | 57 | 武豊 | 3.04.3 | 1/2 | 06-06-06-05 | 35.5 | 6 | (栗)西村真幸 |
10 | 6 | 11 | サトノグランツ | 牡3 | 57 | 川田将雅 | 3.04.3 | ハナ | 11-12-16-12 | 35.1 | 3 | (栗)友道康夫 |
11 | 8 | 16 | ショウナンバシット | 牡3 | 57 | M.デム | 3.04.4 | 1/2 | 08-08-09-11 | 35.5 | 15 | (栗)須貝尚介 |
12 | 2 | 3 | シーズンリッチ | 牡3 | 57 | 角田大河 | 3.04.7 | 1 3/4 | 09-08-12-15 | 35.5 | 16 | *(美)久保田貴 |
13 | 1 | 2 | ウインオーディン | 牡3 | 57 | 三浦皇成 | 3.05.0 | 2 | 15-15-17-15 | 35.6 | 13 | (美)鹿戸雄一 |
14 | 1 | 1 | トップナイフ | 牡3 | 57 | 横山典弘 | 3.05.0 | 頭 | 11-08-03-05 | 36.4 | 8 | (栗)昆貢 |
15 | 5 | 9 | ノッキングポイント | 牡3 | 57 | 北村宏司 | 3.05.2 | 1 | 07-06-09-12 | 36.3 | 10 | (美)木村哲也 |
16 | 2 | 4 | ダノントルネード | 牡3 | 57 | 西村淳也 | 3.06.7 | 9 | 04-03-06-05 | 38.0 | 14 | (栗)中内田充 |
17 | 3 | 5 | パクスオトマニカ | 牡3 | 57 | 田辺裕信 | 3.07.8 | 7 | 02-02-02-02 | 39.5 | 17 | *(美)久保田貴 |
伝説の菊花賞!主役のドゥレッツァに感謝!
まずは何より、私たちの予告の軸馬☆ドゥレッツァの優勝に対して、心からの祝福、そして感謝を申し上げたい。
当然、勝つと思って指名しているのだが、私たちの想像を超えるレースぶりだった。
圧倒的な末脚の破壊力でライバルたちをねじ伏せてきた馬が、まさかの先行策。(ルメール騎手いわく、フライングスタート)
だが、戸惑うどころか、終始余裕を感じさせるレースぶりで、終わってみればダービー馬を相手に3馬身半差!
また、前に行きながら、上がり3ハロンでも最速タイムをマークした点も含め、菊花賞史上に残る大楽勝!
「伝説の【菊花賞】」の主役を1週前から予告できたことを誇りに思う。
改めて祝福と感謝だ!
参考⇒先週の成績速報
皆様と共有したい2つのこと
一方で、このコラムはあくまでも回顧。
結果云々とは別に、予想の過程やレースの中身を受けて「今後の糧にできる」と思えたことを皆様と共有するのが趣旨なのだ。
そこで今回は、ドゥレッツァを指名する上でも重視した「2つのこと」を皆様と共有しようと考えた。
もちろん【菊花賞】に限らず、今後皆様の予想ライフにおいて、きっと役立つ場面がある。
頭に入れておいていただけたら幸いだ。
※尚、有料会員様には、既に「解説文」という形でお伝えした内容ではあるが、人間は忘れやすい生き物だ。(私も最近物忘れが酷くて困っている。笑)復習ということで、お付き合いいただきたい。
1⇒上がり2位とのタイム差
私たちは、長年の予想家としての経験上、ドゥレッツァのような末脚自慢の馬の場合は、単純な上がり3ハロンのタイムよりも(もちろん、これも速いに越したことはないが)
「上がり2位の馬とのタイム差」
が重要だと考えている。ここにこそ、真の能力が表れるというのが私たちの信念だ。
実際、今回、有料会員様には、以下のような解説文をご提供した(該当部分を抜粋)
2走前【香港JCT】で見せた「上がり最速3ハロン32秒7」という数字上のインパクトはもちろん素晴らしいが、時計そのものは、馬場状態によるところもある。
私たちが重視するのは「上がり2位の馬とのタイム差」。ここに他馬との力の差は出る。
【香港JCT】は0.8秒差!
さらに前走【日本海S】は0.5秒差!
もちろん、諸条件が全く違うから、あくまで参考程度に見ていただきたいが、同じドゥラメンテ産駒でもある、リバティアイランドが、3冠レースで上がり2位の馬につけたタイム差は以下の通り。
━━━━━━━━━
【桜花賞】0.7秒差
【オークス】0.1秒差
【秋華賞】は上がり2位
━━━━━━━━━
この数字の比較からも、ドゥレッツァの上がりタイム差の凄さが際立つし、だから、届かないところからでも届く!そして、それを前走などは、古馬3勝クラスを相手にやっている点が凄い。
上でも記したように、末脚が持ち味の馬に関しての考え方ではあるが、この考え方で私たちは何度も勝利を掴んできた。皆様も、ぜひ使ってほしい。
2⇒ルメールの8枠はヤバい!
木曜の夕方、発表されたドゥレッツァの枠順は8枠17番。大外だ。
管理する尾関師も「コース形態から、有利とはいえない」という旨を語っていたが、恐らくドゥレッツァを応援されていた方の多くは、ガッカリされたのではないか。
だが、私たちは違う。もちろん、どこの枠に入ろうとも、必ずやってくれるという確信はあったが「8枠」に入ったことで、より「確信が増した」
以下、直近10年の重賞における、ルメール騎手の枠順別成績だ。
ルメール騎手、枠順別の成績(直近10年の重賞)
枠番 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 15- 8- 12- 34/ 69 | 21.7% | 33.3% | 50.7% |
2枠 | 8- 7- 5- 31/ 51 | 15.7% | 29.4% | 39.2% |
3枠 | 13- 7- 4- 41/ 65 | 20.0% | 30.8% | 36.9% |
4枠 | 12- 18- 7- 38/ 75 | 16.0% | 40.0% | 49.3% |
5枠 | 15- 7- 8- 36/ 66 | 22.7% | 33.3% | 45.5% |
6枠 | 25- 15- 8- 44/ 92 | 27.2% | 43.5% | 52.2% |
7枠 | 18- 9- 10- 35/ 72 | 25.0% | 37.5% | 51.4% |
8枠 | 23- 19- 8- 56/106 | 21.7% | 39.6% | 47.2% |
何と、2枠~4枠よりも勝率が良く、1枠とは勝率は同じながら連対率で上をいく!
ルメール騎手ほどの存在だと、どんな時でも周囲から厳しいマークを受ける。それだけに、かえって内側の枠はさばきにくく、揉まれない外枠の方が走りやすいという面があるのかもしれない。
この秋、殆どのレースにおいて、ルメール騎手は有力馬に乗るだろう。
仮に疑うなら(今日の騎乗を見せられると、疑うには勇気がいるが。笑)外よりも、むしろ揉まれそうな内に入った時にすると良い。
やはり大器!ソールオリエンス
以上2点を覚えていただくとして、、、
繰り返しになるが、菊花賞史に残るほどの大楽勝を見せた馬。追い出されてからの反応の良さなどを含め、今すぐに古馬と戦っても通用する素材だと思う。
次走はどうなるだろう。
できれば、同い年のリバティアイランドも参戦の可能性が高いという【ジャパンカップ】で見たいが、香港遠征だろうが【有馬記念】だろうが、必ず馬券に絡んでくるはずだ。
一方で、改めて強さを感じたのは3着のソールオリエンス。
【ダービー】を含めたこれまでのレースぶりを鑑みれば、3000Mという距離が明らかに「長すぎる」ことはわかりきっていた。
それでも、最終コーナーにかけて位置取りを挙げ、勝ちにいく競馬にチャレンジしたのは皐月賞馬のプライドだろうし、ラスト苦しい中でもそれなりに脚を伸ばしたのは、底力のなせる業だろう。
あえてソールオリエンスを未来の主役に指名し、距離的にベストだと思われる来年の【大阪杯】や【宝塚記念】に出走なら、ぜひ狙いたい!
富士ステークス 2023 の回顧&未来の主役
2023年10月21日(土) 4回東京6日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第26回富士S
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1600m 12頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 6 | ナミュール | 牝4 | 55 | モレイラ | 1.31.4 | 08-08 | 33.8 | 1 | (栗)高野友和 | |
2 | 7 | 9 | レッドモンレーヴ | 牡4 | 58 | 横山和生 | 1.31.6 | 1 1/4 | 10-10 | 33.7 | 4 | (美)蛯名正義 |
3 | 4 | 4 | ソーヴァリアント | 牡5 | 57 | 池添謙一 | 1.32.0 | 2 1/2 | 08-08 | 34.4 | 6 | (美)大竹正博 |
4 | 6 | 7 | イルーシヴパンサー | 牡5 | 57 | 岩田望来 | 1.32.1 | 3/4 | 04-04 | 34.9 | 3 | (美)久保田貴 |
5 | 2 | 2 | マテンロウオリオン | 牡4 | 57 | 田辺裕信 | 1.32.2 | 1/2 | 06-06 | 34.8 | 9 | (栗)昆貢 |
6 | 3 | 3 | エターナルタイム | 牝4 | 55 | ルメール | 1.32.2 | クビ | 04-04 | 35.0 | 2 | (美)中川公成 |
7 | 8 | 12 | ステラヴェローチェ | 牡5 | 57 | M.デム | 1.32.4 | 1 1/4 | 02-02 | 35.4 | 8 | (栗)須貝尚介 |
8 | B6 | 8 | タイムトゥヘヴン | 牡5 | 57 | 大野拓弥 | 1.32.5 | 1/2 | 10-10 | 34.6 | 12 | (美)戸田博文 |
9 | B1 | 1 | ユニコーンライオン | 牡7 | 57 | 坂井瑠星 | 1.32.7 | 1 1/4 | 02-02 | 35.7 | 11 | (栗)矢作芳人 |
10 | 5 | 5 | ジャスティンスカイ | 牡4 | 57 | 戸崎圭太 | 1.32.7 | クビ | 06-06 | 35.3 | 5 | (栗)友道康夫 |
11 | 8 | 11 | ダノンタッチダウン | 牡3 | 55 | 横山典弘 | 1.32.8 | 1/2 | 01-01 | 36.1 | 7 | (栗)安田隆行 |
12 | 7 | 10 | キラーアビリティ | 牡4 | 57 | 横山武史 | 1.33.1 | 2 | 12-12 | 34.3 | 10 | (栗)斉藤崇史 |
勲章は目の前に
これは、優勝したナミュールを管理する、高野友和調教師がレース後に残したコメントだ。
勲章というのは、もちろんG1勝ちのこと。決して簡単なことではない。
それでも、この日のナミュールのレースぶりを見れば
「決して、夢ではない。むしろ目の前にあるのではないか」
と感じずにはいられないのだ。
そういえば、世界のモレイラ騎手も、レース後には
と絶賛。確かに、全くスキを感じさせないレースぶりだった。
レースぶりに余裕が出た
ご存知の通り、昨年の【秋華賞】で2着に入ったり、世代(現在の4歳世代)屈指の潜在能力の持ち主と言われてきた大器。
一方で、やや気性に若さというか、牝馬らしい繊細な面があった。
それだけに、春のG1【ヴィクトリアマイル】と【安田記念】での、2戦続けての大きな不利を受けての敗戦は、ナミュールの競走意欲を削ぎかねないのではないかと心配していた。
だが!ひと夏を越したナミュールは、むしろ、レースぶりに余裕を感じさせるほどの、精神的な進化を見せてくれた。
モレイラ騎手は
「少しスローダウンしたところでも折り合っていました」
と語っていたが、本当に心地よさそうだったし、だからこそ、ラストも鋭く伸びたのだと思う。
素晴らしい潜在能力の持ち主が、苦しんだG1を乗り越えて、唯一の懸念材料を克服したとなれば、後は何を心配すればよいだろう?
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