こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
オークス 2024 の回顧&未来の主役
2024年 5月19日(日) 2回東京10日 天候 : 曇 馬場状態 : 良
【11R】 第85回優駿牝馬
3歳・オープン・G1(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝 2400m 18頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 12 | チェルヴィニア | 牝3 | 55 | ルメール | 2.24.0 | 12-09-09-10 | 34.0 | 2 | (美)木村哲也 | |
2 | 4 | 7 | ステレンボッシュ | 牝3 | 55 | 戸崎圭太 | 2.24.1 | 1/2 | 09-09-09-12 | 34.0 | 1 | (美)国枝栄 |
3 | 7 | 14 | ライトバック | 牝3 | 55 | 坂井瑠星 | 2.24.4 | 1 3/4 | 15-14-13-15 | 34.1 | 3 | (栗)茶木太樹 |
4 | 1 | 2 | クイーンズウォーク | 牝3 | 55 | 川田将雅 | 2.24.4 | クビ | 05-05-05-04 | 34.7 | 5 | (栗)中内田充 |
5 | 8 | 18 | ランスオブクイーン | 牝3 | 55 | 横山和生 | 2.24.4 | ハナ | 03-03-03-02 | 34.9 | 14 | (栗)奥村豊 |
6 | 7 | 13 | スウィープフィート | 牝3 | 55 | 武豊 | 2.24.6 | 1 1/2 | 18-18-16-12 | 34.5 | 4 | (栗)庄野靖志 |
7 | 3 | 6 | サンセットビュー | 牝3 | 55 | 三浦皇成 | 2.24.8 | 3/4 | 16-16-16-16 | 34.4 | 15 | *(栗)新谷功一 |
8 | 2 | 3 | エセルフリーダ | 牝3 | 55 | 武藤雅 | 2.24.9 | 1 1/4 | 13-14-16-16 | 34.5 | 11 | (美)武藤善則 |
9 | 5 | 10 | アドマイヤベル | 牝3 | 55 | 横山武史 | 2.25.0 | クビ | 07-07-06-06 | 35.1 | 8 | (美)加藤征弘 |
10 | 4 | 8 | ホーエリート | 牝3 | 55 | 原優介 | 2.25.0 | クビ | 17-16-12-06 | 35.2 | 13 | (美)田島俊明 |
11 | 5 | 9 | ラヴァンダ | 牝3 | 55 | 岩田望来 | 2.25.1 | クビ | 06-06-06-06 | 35.2 | 12 | (栗)中村直也 |
12 | 3 | 5 | コガネノソラ | 牝3 | 55 | 石川裕紀 | 2.25.2 | 3/4 | 13-13-13-12 | 35.0 | 7 | (美)菊沢隆徳 |
13 | 7 | 15 | サフィラ | 牝3 | 55 | 松山弘平 | 2.25.3 | 3/4 | 09-09-06-06 | 35.5 | 10 | (栗)池添学 |
14 | 1 | 1 | ミアネーロ | 牝3 | 55 | 津村明秀 | 2.25.3 | ハナ | 07-07-09-10 | 35.3 | 9 | (美)林徹 |
15 | 2 | 4 | パレハ | 牝3 | 55 | 田辺裕信 | 2.25.3 | 頭 | 09-12-13-16 | 34.9 | 17 | *(栗)新谷功一 |
16 | 8 | 17 | タガノエルピーダ | 牝3 | 55 | M.デム | 2.25.8 | 3 | 03-03-04-04 | 36.1 | 6 | (栗)斉藤崇史 |
17 | 8 | 16 | ショウナンマヌエラ | 牝3 | 55 | 岩田康誠 | 2.30.7 | 大差 | 01-02-02-02 | 41.3 | 18 | (栗)高野友和 |
18 | 6 | 11 | ヴィントシュティレ | 牝3 | 55 | 北村宏司 | 2.33.8 | 大差 | 02-01-01-01 | 44.9 | 16 | (美)古賀慎明 |
想像できなかった結果
「単勝3番人気までの3頭が、馬券圏内を独占」
要するに、今年の【オークス】は
「ガチガチの決着」
だったわけだが、率直に申し上げて、この結果は想像できなかった。
経験の浅い3歳牝馬にとって、ただでさえ未知の舞台となる東京芝2400Mでの大一番。
実績のありなしを問わずに、どの馬にとっても難しい条件での戦いなのだ。ましてや、上位人気馬はマークも集めることになるから、余計に力を発揮するのが容易ではない。
実際に、過去30年の【オークス】において、人気3頭で決まったけケースはたった2回しかない!
人気3頭が上位独占したオークス(過去30年で2回)
日付 | 馬名 | 騎手 | 人気 | 着順 |
---|---|---|---|---|
140525 | ヌーヴォレコルト | 岩田康誠 | 2 | 1 |
140525 | ハープスター | 川田将雅 | 1 | 2 |
140525 | バウンスシャッセ | 北村宏司 | 3 | 3 |
050522 | シーザリオ | 福永祐一 | 1 | 1 |
050522 | エアメサイア | 武豊 | 2 | 2 |
050522 | ディアデラノビア | デザーモ | 3 | 3 |
6頭のその後
極めて困難な「人気馬でのオークス上位独占」を達成した6頭(2005年&2014年)は、競馬史に残る面々と言っても過言ではない。
そして、彼女らは、当たり前のように、その後もしっかりと結果を残した。
ヌーヴォレコルト&ハープスター→牡馬相手の重賞勝ちを達成
バウンスシャッセ&ディアデラノビア→古馬になってからそれぞれ重賞を2勝
皆、間違いなく「本物」のトップホースだったのだ。
そしてもちろん、今年の3頭にも同様の未来が待っているだろう。
世代を超えて、今後の牝馬路線の「格」を担う存在になる可能性は非常に高い。
正直申し上げて、馬券的なことをいえば、私たちのような穴党にとっては、何ともいえないレースになってしまったが(苦笑)
日本競馬界にとっては、相当に価値ある【オークス】になったと言えるだろう。
参考データ:同じケースでダービーは?
このコーナーは、オークス回顧とは直接関係ないかもしれないので、あくまで参考に。
せっかくなので、来週【ダービー】で同じケース(過去30年/人気3頭が上位独占)がどれくらいあったのか?
調べてみたら「3回」だった。
人気3頭が上位独占したダービー(過去30年で3回)
日付 | 馬名S | 騎手 | 人気 | 着順 |
---|---|---|---|---|
170528 | レイデオロ | ルメール | 2 | 1 |
170528 | スワーヴリチャード | 四位洋文 | 3 | 2 |
170528 | アドミラブル | M.デム | 1 | 3 |
160529 | マカヒキ | 川田将雅 | 3 | 1 |
160529 | サトノダイヤモンド | ルメール | 2 | 2 |
160529 | ディーマジェスティ | 蛯名正義 | 1 | 3 |
990606 | アドマイヤベガ | 武豊 | 2 | 1 |
990606 | ナリタトップロード | 渡辺薫彦 | 1 | 2 |
990606 | テイエムオペラオー | 和田竜二 | 3 | 3 |
失礼ながら、牝馬と比べると、後に目立った活躍をした馬の数は少ないようだ。
その中で、ひとつ感じたのは、勝っている3人が、いずれも「その時点での超トップジョッキー」だということ。
ダービーは、全てのホースマンにとっての憧れの舞台。
決して他のレースで手を抜いているというような意味ではなく、やはり「神聖さ」があるのか、例年、皆がいつも以上に「キレイ」に乗っている気がする。
そうなると、シンプルな馬の力比べであり、騎手の技量比べになる。必然的に、人気馬&トップジョッキーは結果を出しやすいということだろうか。
そんなイメージを、今年の出走馬とリンクさせると、何か見えてくるものがあるかもしれない。
あくまでも参考まで。
ダービー 2024 「狙い」のコラム
未来の主役は誰だ!?
では、話をオークスに戻そう。
上でも記した内容からもおわかりの通り、今回の上位3頭は、まぎれもなく「本物」だ。
特に、陣営も明確に認める気性の若さがありながら、3着に食い込んだライトバックの潜在能力は、凄まじいかもしれない。
この馬がマイル〜2000Mくらいに特化してレースに出るようになったら、どれだけの結果を出すのか?
今後も追いかけていく必要がある。
ただし、そうした本物を、わざわざ未来の主役に指名したところで面白くもなんともないだろう。笑
あくまでも、上位3頭は(現時点では)別格とした上で、1頭ピックアップするのであれば
5着ランスオブクイーン
驚きの推進力
14番人気で5着に食い込んだのだから、もちろん素晴らしい。
一方で、伏兵の立場だけに、どうしても多くの競馬ファンが
「本物か?フロックか?」
という部分で迷うだろう。その点、私は迷わずに「本物」と言わせてほしい。
とにかく「4コーナー」での走りに目を奪われた。
「このまま突き抜けるんじゃないか?」と思えるほどの、物凄い推進力で回ってきたのだ!
実質先頭(前2頭はかなり飛ばしていたので)でのレースだけに、かなり難しい立ち位置であり、スタミナも消費していたはずだ。
そうした点を差し引いて、尚且つあの推進力が出せるというのは、並大抵のことではない。(しかも大外枠だ!)
結果的に、ラストでもうひとつ伸びきれなかったのは、今、上で記した部分が、ラストで影響してしまったのだと思う。それでも、この馬なりに渋太さを見せたし、鞍上がいうように、距離も問題なかったと思う。
今後「最強の3強」に食い込める存在がいるとしたら、この馬で決まり!楽しみだ!
平安S 2024 の回顧&未来の主役
2024年 5月18日(土) 3回京都9日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第31回平安S
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1900m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 2 | ミトノオー | 牡4 | 57 | 松山弘平 | 1.57.4 | 01-01-01-01 | 37.0 | 5 | (美)牧光二 | |
2 | 3 | 6 | ハピ | 牡5 | 57 | 菱田裕二 | 1.57.4 | クビ | 08-06-09-07 | 36.4 | 3 | *(栗)大久保龍 |
3 | 6 | 12 | メイショウフンジン | 牡6 | 57 | 酒井学 | 1.57.5 | 1/2 | 02-02-02-02 | 37.0 | 10 | (栗)西園正都 |
4 | 5 | 9 | カフジオクタゴン | 牡5 | 57 | 藤岡佑介 | 1.57.6 | クビ | 06-06-05-05 | 36.9 | 16 | *(栗)矢作芳人 |
5 | 2 | 3 | メイプルリッジ | 牡5 | 57 | 西村淳也 | 1.57.7 | 3/4 | 10-10-07-06 | 36.8 | 7 | (美)堀宣行 |
6 | 4 | 7 | ミッキーヌチバナ | 牡6 | 57 | 太宰啓介 | 1.57.9 | 1 1/2 | 13-13-13-12 | 36.4 | 4 | (栗)高橋亮 |
7 | 3 | 5 | ハギノアレグリアス | 牡7 | 57 | 岩田望来 | 1.58.0 | クビ | 10-10-10-10 | 36.8 | 2 | (栗)四位洋文 |
8 | B5 | 10 | グロリアムンディ | 牡6 | 57 | 幸英明 | 1.58.0 | クビ | 05-05-03-03 | 37.3 | 9 | *(栗)大久保龍 |
9 | 8 | 16 | バハルダール | 牡5 | 57 | 水口優也 | 1.58.2 | 1 1/2 | 12-12-10-10 | 37.0 | 11 | (栗)池江泰寿 |
10 | B4 | 8 | スレイマン | 牡6 | 57 | 斎藤新 | 1.58.4 | 1 | 03-03-03-03 | 37.7 | 1 | *(栗)池添学 |
11 | B7 | 14 | オーロイプラータ | 牡4 | 57 | 鮫島克駿 | 1.58.6 | 1 1/4 | 16-16-16-15 | 36.8 | 6 | (栗)宮本博 |
12 | 7 | 13 | クリノドラゴン | 牡6 | 57 | 武豊 | 1.58.6 | クビ | 15-14-14-15 | 37.0 | 14 | (栗)大橋勇樹 |
13 | 1 | 1 | テンカハル | 牡6 | 57 | 坂井瑠星 | 1.58.9 | 1 1/2 | 14-14-14-13 | 37.5 | 13 | *(栗)矢作芳人 |
14 | 6 | 11 | ゼットリアン | 牡4 | 57 | 和田竜二 | 1.58.9 | クビ | 06-06-10-13 | 37.6 | 12 | (栗)吉田直弘 |
15 | 8 | 15 | ヴィクティファルス | セ6 | 57 | 池添謙一 | 2.00.3 | 8 | 08-09-07-07 | 39.3 | 8 | *(栗)池添学 |
16 | B2 | 4 | サンデーファンデー | 牡4 | 57 | 松若風馬 | 2.00.3 | ハナ | 03-03-05-07 | 39.6 | 15 | (栗)音無秀孝 |
こちらも予想外
近年の【平安ステークス】といえば
「飛び抜けた馬の出走はないが、ハイレベル。ここで好走した馬が、その後飛躍していく」
そんな立ち位置のレースではないだろうか。
そういった意味では、優勝したミトノオーにかかる期待は大きくなる。
だが、先ほどの【オークス】に続いての予想外とでも言うべきだろうが、私たちのイメージとしては、
「強い馬ではあるが、展開面でかなり難しくなる」
と考えていた。
今回は、比較的前にいきたい馬が多いメンバー構成。ましてや、ミトノオーの場合、内側の2番枠をゲットしたこともあり、いくしかない。
それゆえ、厳しいペースになり、それに乗じて台頭してくる差し馬に飲み込まれる可能性が高いとみていたが、、、
率直に「凄い馬が現れた」
だが、結果的には終始先頭を走り、そのまま押し切り!
当初イメージしたほどのタイトな流れではなかったとはいえ、有力馬の目標にされる難しい条件をものともせず、
結果的にはクビ差ながら、レース後、鞍上の松山騎手が
「競ってはいたが、余裕はあった」
と語っていたが、確かに、着差以上の完勝の雰囲気を感じた。
厳しい条件を乗り越えただけではない。この馬は、まだ4歳馬だ。
芝とは違い、急に砂が飛んでくるなどの不確定要素が多いダートは、とにかく経験がモノをいうと言われる(だから高齢の活躍馬が多い)。
そうした馬が、これだけの勝ち方を重賞でしたのだから「凄い馬が現れたな」という感想以外には頭に浮かばない。
もちろん、逃げ馬というのはどうしても展開に左右されがちな面はある。だが、それを差し引いても、近い将来、相当なところまで上り詰めるのではないだろうか。
だから、ここは勝ち馬でも迷わず未来の主役に指名!追いかけよう。
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