こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
マイルCS 2024 の回顧&未来の主役
2024年11月17日(日) 6回京都6日 天候 : 曇 馬場状態 : 良
【11R】 第41回マイルチャンピオンシップ
3歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・外 1600m 17頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 13 | ソウルラッシュ | 牡6 | 58 | 団野大成 | 1.32.0 | 10-10 | 33.6 | 4 | (栗)池江泰寿 | |
2 | B8 | 17 | エルトンバローズ | 牡4 | 58 | 西村淳也 | 1.32.4 | 2 1/2 | 08-08 | 34.2 | 7 | (栗)杉山晴紀 |
3 | B7 | 14 | ウインマーベル | 牡5 | 58 | 松山弘平 | 1.32.4 | クビ | 04-02 | 34.5 | 10 | (美)深山雅史 |
4 | 1 | 2 | ブレイディヴェーグ | 牝4 | 56 | ルメール | 1.32.4 | ハナ | 09-10 | 34.1 | 1 | (美)宮田敬介 |
5 | 6 | 11 | チャリン | 牡4 | 58 | ムーア | 1.32.4 | クビ | 14-15 | 33.6 | 3 | [外]ヴェリア |
6 | 8 | 15 | セリフォス | 牡5 | 58 | 川田将雅 | 1.32.6 | 1 1/4 | 10-08 | 34.3 | 6 | (栗)中内田充 |
7 | 8 | 16 | タイムトゥヘヴン | 牡6 | 58 | 柴田善臣 | 1.32.6 | ハナ | 17-17 | 33.5 | 13 | (美)戸田博文 |
8 | 5 | 9 | ニホンピロキーフ | 牡4 | 58 | 田口貫太 | 1.32.7 | 頭 | 02-02 | 35.0 | 16 | (栗)大橋勇樹 |
9 | 4 | 8 | フィアスプライド | 牝6 | 56 | シュタル | 1.32.7 | ハナ | 06-06 | 34.6 | 11 | (美)国枝栄 |
10 | 3 | 5 | ジュンブロッサム | 牡5 | 58 | 戸崎圭太 | 1.32.7 | 頭 | 16-13 | 34.0 | 5 | (栗)友道康夫 |
11 | 6 | 12 | アルナシーム | 牡5 | 58 | 藤岡佑介 | 1.32.9 | 1 1/4 | 14-13 | 34.2 | 12 | (栗)橋口慎介 |
12 | 3 | 6 | オオバンブルマイ | 牡4 | 58 | 武豊 | 1.32.9 | クビ | 10-12 | 34.5 | 8 | (栗)吉村圭司 |
13 | 2 | 3 | バルサムノート | 牡4 | 58 | 北村友一 | 1.33.4 | 3 | 01-01 | 35.9 | 15 | *(栗)高野友和 |
14 | 4 | 7 | マテンロウスカイ | セ5 | 58 | 横山典弘 | 1.33.4 | ハナ | 13-15 | 34.8 | 9 | (栗)松永幹夫 |
15 | 1 | 1 | コムストックロード | 牝5 | 56 | 幸英明 | 1.33.7 | 1 3/4 | 04-02 | 35.9 | 17 | (美)宗像義忠 |
16 | 5 | 10 | レイベリング | 牡4 | 58 | 津村明秀 | 1.34.2 | 3 | 02-05 | 36.5 | 14 | (美)鹿戸雄一 |
17 | 2 | 4 | ナミュール | 牝5 | 56 | C.デム | 1.37.8 | 大差 | 06-06 | 39.7 | 2 | *(栗)高野友和 |
これもまた競馬
レースの回顧の前に、まずは、まさかの大差での最下位からレース後に下馬となったナミュールについてお話させてほしい。
結論から言えば、命に別状はなかったようで本当に良かった。
レース後、Cデムーロ騎手が「4角でトモがしっかり入ってこなくて、、、おかしいと思ってやめた」と語っていたが、仮に少しでも追うのをやめるタイミングが遅れていたら大ごとになっていたかもしれない。
鞍上のファインプレーだと思う。
もちろん、大勝利を収めた昨年(当時は5番人気)に続いて信頼の中心視をしていた立場としては、連覇をしてほしかったし、応援してくださったご会員様に対しては申し訳ない気持ちもある。
一方で、これもまた競馬。
ナミュールは決して力負けをしてはいないし、何より無事でいてくれたことがわかった今、ある意味で非常に切り替えやすい状況にある。
冷静にこのあとの回顧を記し、全力で【ジャパンカップ】での勝利にチャレンジするつもりだ。
上位は「条件にハマル馬たち」
ナミュールが下がっていく一方、直線で先頭に立ち、2着馬に2馬身半もの大きな差をつける形で悲願のG1制覇を達成したのがナミュールだ!
6歳にして、これが悲願のG1初制覇になる。本当におめでとう!
私たちはソウルラッシュを相手1番手に指名していただけに、ナミュールが失速した以上、この馬が勝ったのは当然だろうと納得している。
だが、それ以上に強調させてほしいのは
対して、例えば2番ブレイディヴェーグ(1番人気→4着)や、5番ジュンブロッサム(5番人気→10着)などは、3連単3着のヒモで加えたのみ!
しっかり見極めた上でエルトンもウインを高く評価していたことがおわかりいただけるだろう。
ああ、ナミュールが普通に走っていれば、、、いやそれはやめよう。苦笑
大事なのは、どうしてエルトンやウインといった伏兵を相手上位にもってこられたか、という部分。
「条件」の時代
実は非常にシンプル。レースの全体像を正確に見極められた、ということ。
実は、ご会員様への解説文で、次のように書かせてもらった。
先週の競馬を見ていると「時計は速いのに馬場はボコボコしている箇所が多い」という印象。
今回もメンバーを見る限り、凄くハイペースになることはない。上がりも速く、瞬発力勝負になる。同時に、タフな馬場をものともしないパワー。この2点を高いレベルで兼備した馬こそが、穴の主役の資格を持つのだ!
ソウルラッシュがタフな馬場を非常に得意としていることは間違いないが、エルトンバローズも、道悪は不得手ながら、良馬場の荒れ馬場は十分にこなす馬。
ウインマーベルに関しては洋芝コースの重賞で好走歴があるほどのタフさの持ち主でいながら、2走前の東京芝1400Mの【京王杯SC】で上がり33秒2の脚を繰り出して優勝しているほどだ。
幸い、彼らはいずれも仕上がりも良かったこともあり、案の定の好走となった。
このところ、何度も申し上げていることではあるが、今の日本競馬界はかつてないほど能力拮抗の時代に入っている。
ましてやG1ともなると皆強いから、単純な能力比較では絶対に結論はでない。つまり勝負をわけるのは「条件」
それが「展開」なのか「馬場」なのか、あるいはその他の要素なのか、これはレースにもよるが、どの部分がポイントになるのかも含めて、正確にレースを読み切ること。
これができなければ、絶対に勝利は掴めない。
今回、結果は残念だったが、改めて見極め正確性のレベルの高さを再確認できた。結果は、今週の【ジャパンC】で出そうじゃないか!
参考→ジャパンカップ 2024 レースの狙い
団野騎手はどこが素晴らしい?
そして、今回ソウルラッシュを優勝に導いたのが、黄金世代(7年目)の一人、団野大成騎手。
ちょっとガッツポーズを頑張りすぎてお叱りがあったようだが(笑)騎乗そのものは完璧と言って良い。
仕掛けるタイミング、馬場の選択などなど、全くミスがない。
世界のトップジョッキーらを相手にする中、よくぞここまで冷静に乗るものだなと感心させられた。
だが、この冷静さは、決して一過性のものではない。
実は昨年、団野騎手を特集するコラムを書かせてもらったが、そこで「団野騎手のどこが素晴らしいのか?」という私見をご紹介した。
参考→以前ご紹介した団野騎手特集
以下、該当部分を抜粋。よろしければご覧いただきたい。
なお、今ご覧頂いている、私たちなりの団野騎手に関する「特徴」を頭に入れておいて下さい。
それを元に分かり易く掘り下げていきます。
ぜひ、最後までお付き合い頂き、お役立てください!
団野騎手を評価した理由とは?目標の武豊騎手のように!
上でも記した通り、団野騎手のコラムを公開したのは3月の終わり。つまり【高松宮記念】でG1初勝利を挙げた直後でした。
それだけに「G1ウイナーになった途端に、、、ミーハーだな」と思われた皆様、決してそうではありません!準備をしていたら、G1を勝ってくれたんです(笑)
では、なぜ団野騎手を評価しているのか?
それは、彼が目標にしている武豊騎手の若い頃のような雰囲気を感じる場面が少なくないからです。
以前公開した岩田望騎手の特集の中で
「若い頃から、逃げ・先行と 差しの勝率が変わらない騎手はレベルが高い」
という私たちの持論を ご紹介しましたが、岩田騎手ほどではないものの、団野騎手も比較的 それに近い数字を出しています。
もちろん、それは武豊騎手もそうでしたし、武豊騎手のように、じっくりと仕掛けどころを見極められる冷静さがあるからこそ、若手にありがちな早仕掛けが少なく、バランスの良い脚質別の成績になっているのだと思います。
もっともっと飛躍する!
そう、彼は若い時期から、決して勝ち急がなかった。
上でも記した通り、どんなレースでも、彼なりに仕掛けどころを見極めているように見えた。
それは、自分の馬だけではなく、レース全体を見渡せていることの証であり、若い頃からの鍛錬の成果が、どんどん実になってきているのではないだろうか。
だから、彼にとっては、世界のトップクラスが相手にいようが、誰が相手だろうが関係ないのだ。
当然、この先もどんどん数字を伸ばしていくだろう。
近い将来、彼は全国リーディングを争う存在になれると思う!ここで予言しておこう。
【高松宮記念】を勝って【マイルCS】を勝って、次はいよいよ王道の中距離路線のG1勝ちへ!
楽しみをもって、今回は彼を未来の主役に指名したい。ガッツポーズだけは気をつけてね。笑
東京スポーツ杯2歳S 2024 の回顧&未来の主役
2024年11月16日(土) 5回東京5日 天候 : 曇 馬場状態 : 良
【11R】 第29回東京スポーツ杯2歳S
2歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝 1800m 9頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 4 | クロワデュノール | 牡2 | 56 | 北村友一 | 1.46.8 | 03-03-02 | 33.3 | 1 | (栗)斉藤崇史 | |
2 | 8 | 9 | サトノシャイニング | 牡2 | 56 | 松山弘平 | 1.46.9 | 3/4 | 01-01-01 | 33.5 | 3 | (栗)杉山晴紀 |
3 | 7 | 7 | レッドキングリー | 牡2 | 56 | ルメール | 1.47.1 | 1 1/2 | 02-02-03 | 33.5 | 2 | (美)木村哲也 |
4 | 3 | 3 | ファイアンクランツ | 牡2 | 56 | 菅原明良 | 1.47.2 | クビ | 06-05-05 | 33.4 | 4 | (美)堀宣行 |
5 | 5 | 5 | デルアヴァー | 牡2 | 56 | 三浦皇成 | 1.47.3 | 1/2 | 08-07-07 | 33.3 | 5 | (栗)松永幹夫 |
6 | 2 | 2 | ジーティーマン | 牡2 | 56 | 西村淳也 | 1.47.7 | 2 1/2 | 03-03-05 | 33.9 | 6 | (栗)小栗実 |
7 | 6 | 6 | プレシャスデイ | 牡2 | 56 | 横山武史 | 1.47.7 | 頭 | 06-07-07 | 33.7 | 7 | (美)伊坂重信 |
8 | 1 | 1 | ニシノタンギー | 牡2 | 56 | 武藤雅 | 1.48.0 | 1 1/2 | 09-09-09 | 33.8 | 9 | (美)水野貴広 |
9 | 8 | 8 | ニシノイストワール | 牡2 | 56 | 田辺裕信 | 1.48.4 | 2 1/2 | 03-05-03 | 34.7 | 8 | (美)鹿戸雄一 |
いつも申し上げることだが
2歳戦の回顧をする度に申し上げることだが、大事なことなので何度でも。
上で記した【マイルCS】とは違い、ここは経験の浅い2歳馬のレース。
素質の有り無しにかかわらず、訳もわからないままにレースを終えた馬も少なくないだろう。
だから、あまり展開がどうだったということを振り返っても意味がないと思う。
それよりも、シンプルに「勝ちっぷり」に注目すれば良いと思う。
ましてや、あのイクイノックス、さらにコントレイルらを輩出してきた、最強の出世レース【東スポ杯2歳S】だ。
ここで良い勝ち方をすれば、間違いなく未来の栄光が視野に入ってくる。
勝ち馬は文句なし!
そういった点から言えば、勝ち馬・クロワデュヌールは文句なし!
前半1000Mの通過は60秒9で、2歳戦ということを考慮しても、スローの流れといってよい。
そんな中でも非常に落ち着いて好位を追走できたし、それも馬体重の24キロからもわかるように、先を見据えての仕上げに思えたが、追い出されると、余裕をもって前にいたサトノシャイニングをとらえた。
(ちなみにレース以外では気性の若さを見せることもあるようだ。それだけに実戦向きというか、勝負強さを感じる)
そこからつけた差は3/4馬身ながら、率直に言って、それ以上の余裕を感じた。
父キタサンブラックはイクイノックスを同じ。当然、距離はもっといけるだろう。
そのイクイノックスクラスの馬になれるかと言われたら、そうなったら「世界一の馬」ということだから、簡単には言えない。苦笑
だが、G1勝ちを狙える可能性は極めて高い。引き続き注目していこう。
だが実は2着馬も
今日の時点では勝ち馬に強さを見せられたが、実は2着馬も相当な素材だと思う。
もちろん、東スポ杯ほどの出世レースで2着という結果を得られたこと自体が、並の馬ではないことの証だが、それだけではない。
強調したい評価理由は2つ。
まず一つ目は「落鉄」があったという事実。松山騎手曰く、3完歩目で起こったらしい。経験の浅い2歳馬だけに、不測の事態は致命的になりかねないが、見事だ。
そしてもう一つは、直線で簡単に屈しなかったこと。レースの流れとしては、完全に勝ち馬が余裕をもって差しにきたが、そこからもうひと粘りをしようとしてした。
この2点から何がわかるかといえば、相当に精神的に骨太な馬だということ。
今後、大一番になればなるほど、精神力が求められる場面が増えてくる。その強さを2歳の秋にして早くも見せつけたことが何より頼もしい。
その精神力を武器に、来年のビッグレースで躍動する姿が目に浮かぶのだが、、、未来の主役に!
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