こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】AJCC 2018 における勝負の明暗
2018年 1月21日(日) 1回中山7日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第59回アメリカジョッキーCC
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)[指定] 芝 2200m 11頭立
馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 上3F | 人 | 単勝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
7 | ダンビュライト | 牡4 | 55 | M.デム | 2.13.3 | 35.4 | 2 | 3.9 | |
3 | ミッキースワロー | 牡4 | 56 | 横山典弘 | 2.13.6 | 2 | 34.8 | 1 | 2.1 |
9 | マイネルミラノ | 牡8 | 56 | 柴田大知 | 2.13.7 | 1/2 | 36.4 | 8 | 77.7 |
6 | ディサイファ | 牡9 | 56 | 蛯名正義 | 2.13.8 | 3/4 | 35.0 | 9 | 86.8 |
11 | トーセンビクトリー | 牝6 | 54 | 田辺裕信 | 2.14.0 | 1 1/2 | 34.8 | 6 | 23.6 |
8 | ショウナンバッハ | 牡7 | 56 | 戸崎圭太 | 2.14.1 | クビ | 35.3 | 5 | 12.9 |
1 | レジェンドセラー | 牡4 | 55 | ルメール | 2.14.5 | 2 1/2 | 35.2 | 4 | 7.0 |
2 | トミケンスラーヴァ | 牡8 | 56 | 江田照男 | 2.14.9 | 2 1/2 | 36.1 | 7 | 68.1 |
4 | シホウ | 牡7 | 56 | 吉田隼人 | 2.15.2 | 1 3/4 | 35.7 | 10 | 110.9 |
10 | マイネルディーン | 牡9 | 56 | 三浦皇成 | 2.15.9 | 4 | 36.4 | 11 | 351.6 |
5 | ゴールドアクター | 牡7 | 57 | 武豊 | 2.16.0 | 3/4 | 36.9 | 3 | 4.3 |
AJCCといえば、キングスポーツにとっては、2014年に射止めた特大29万馬券に象徴されるように、非常に相性の良いレースだが、そういった部分を抜きに、客観的にレースを見れば「出世レース」。
例えば、2011年の優勝馬・トーセンジョーダンが、勢いに乗ってその年の【天皇賞秋】を制するなど、魅力的な馬を次々と輩出してきた。
では、今年の出走馬の中に、今後に日本競馬界を背負って立てるような馬はいたのか?
振り返っていこう。
?1着ダンビュライト・・・近いうちに東京か京都で見てみたい
まずは優勝したダンビュライトから。
同期のライバルでもある1番人気ミッキースワローに2馬身差をつけたという事実に対しては素直に敬意を表したいし、素晴らしいと思う。
とはいえ、ダンビュライトにとって、最高に条件の向いたレースであったことも確か。
まずは、何といっても「父ルーラーシップ」の血統だ。
極悪馬場の昨年【菊花賞】を制したキセキに代表されるように、ルーラーシップ産駒は力の要る馬場を苦にしないタイプが多い。
ちなみに、菊花賞では、この馬自身も距離が合わなかったにもかかわらず5着にまとめているし、そもそもデビューの新馬戦を不良馬場の中京芝マイルで勝っているのだ。
この時期の中山の芝は、荒れ馬場になるケースが殆どであるため、ルーラーシップ産駒にとっては最高だぞ!
加えて展開だ。
前にいきたい馬がマイネルミラノくらいしかいなかったことで、スムーズに好位が確保できた。当然、楽な手ごたえで直線に入れたのだから、後は僅か310Mを粘るだけ。理想的の一言に尽きる。
果たして、キレが求められる京都だったり、直線の長い東京ならどうだろう。そのいずれかのコースで活躍したら、文句なしで「日本競馬界の主役候補」だと断言したい。
?2着ミッキースワロー・・・買い時が難しいか
見る人によっては「乗り方ひとつで勝てたのではないか?」という意見が出てくるだろう。確かに、前半は決して速くないペースの中で後方待機しながら、突然、捲り気味にあがってくる乗り方は、少々チグハグにも見えた。
だが、恐らく鞍上は、全てを承知した上で、今回の乗り方ばベストだと判断したのではないだろう。相手や展開にかかわらず、今回のようなスタイルを貫くことこそ、ミッキースワローが一番力を出せると。
横山典弘騎手というのは、確かに突然逃げてみたり、極端な後方待機を試みたりと、見ている側に疑問を抱かせることも少なくはないが、完全に手の内に入れているお手馬に関しては、シンプルに「馬優先」で乗る騎手だというのが、私の見方。
だから、きっと今後も今回のような乗り方が続くだろう。
それで勝てるかどうかは、状況ひとつ。強いが、買い時が難しい馬なのかもしれない。
?6着ショウナンバッハ・・・鞍上の言う通りだろう
今回、1週前から予告の穴馬に指名した☆ショウナンバッハは、無念の6着。まずは実際の解説文から。
蘇った大器・・・8番☆ショウナンバッハ
意外と知らない方が多いと思うのだが、実はこの馬、4歳だった2015年のG1【ジャパンC】において、上がり3ハロン最速タイムをマークしていた程の大器!4角通過が最後方だったこともあり、勝ち馬で同じショウナン軍団のショウナンパンドラから0.5秒差まで追い込むのがやっとだったが「この脚があれば、どこかで必ず花開く」と確信したことを今でもハッキリと覚えている。
それほどの馬だけに2016年、そして2017年前半までの長きに渡る不調は本当に苦しかっただろうが、何事も諦めなければよいことがある!管理する上原厩舎の関係者、そしてショウナンバッハ自身の執念が実ったようで、ここにきて、3戦連続で重賞での掲示板を確保!それも、単に着順が良いというだけではなく、自慢の末脚のキレが素晴らしく、完全に本来のデキを取り戻したようだ。ここは相手も強いが、今のショウナンバッハならチャンス十分!もう勝利からは2年以上遠ざかっているが、久々の歓喜の瞬間は、もう目前だ!!
明らかに、久々の分だけ仕上がっていなかったゴールドアクターなどとは違い、昨年12月の【中日新聞杯】(4着)を走るなど、ローテーションも良かっただけに、率直に言って、今回の敗戦はショックが大きい。
だが、結論を探すなら、やはり鞍上・戸崎の「スタートして今日は行きっぷりがよくグングンといってしまいました。今日の感じだと距離は詰めたほうが良いかもしれません」というコメントが全てだろう。
昨秋のレースぶりからも、能力の高さは確かだろう。是非もう一度、1800M~2000Mのレースで注目してみたい。それでもダメなら、そこまでの馬だったと割り切るしかなさそうだ。
【AJCC 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【AJCC 2018】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
~レース後のコメント~
~レース後のコメント~
1着 ダンビュライト(M.デムーロ騎手)
「いい状態でした。マイネルミラノは前に行く馬ですが、この馬もVTRを見ると前にいけることはわかっていましたが、フワッとする面があるという印象を持っていました。今日はスタートが良くてちゃんと2番手で我慢できました。道中は良かったです。最後はいい脚を使ってくれました。いい勝ち方で能力が高いです。期待しています。」
(音無秀孝調教師)
「嬉しいです。レースの前には『好きなように乗ってほしい』と騎手に声をかけました。緩いペースで行ってくれて外から来られても速くなりませんでした。いい感じでいけました。3コーナーを過ぎてから単走になっても息が入っていて最後に脚を残していました。休み明けの前走を勝って力をつけているのかなと思いましたが、さらに強くなっていました。来週にも放牧へ出します。出られるようなら大阪杯が合うかなと思いますが、オーナーと相談します」
3着 マイネルミラノ(柴田大知騎手)
「よく頑張っています。偉いです。今後もこういうレースができればチャンスがありそうです。まだ力は衰えていないですね。距離は長いほうが良いでしょう」
4着 ディサイファ(蛯名正義騎手)
「外に押し込まれてしまい切り替えた分、遅れてしまいました。スムーズならもっと上位にいけたと思います」
5着 トーセンビクトリー(田辺裕信騎手)
「先行することも考えていましたが、馬の気持ちを優先して走らせました。折り合いがついて最後も後ろからの馬には交わされていないので、よく頑張っています」
6着 ショウナンバッハ(戸崎圭太騎手)
「スタートして今日は行きっぷりがよくグングンといってしまいました。今日の感じだと距離は詰めたほうが良いかもしれません」
11着 ゴールドアクター(武豊騎手)
「初めて乗りましたが、返し馬の時から良い走りではありませんでした。レースもこの馬らしくない内容で前脚と後脚のバランスが良くなかったです」
(via ラジオNIKKEI )
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