こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】AJCC 2020 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 11 | ブラストワンピース | 牡5 | 57 | 川田将雅 | 2.15.0 | 04-04-05-03 | 36.1 | 1 | 3.0 | 546 | (美)大竹正博 | ||
2 | 7 | 10 | ステイフーリッシュ | 牡5 | 56 | ルメール | 2.15.2 | 1 1/4 | 02-02-03-02 | 36.5 | 5 | 8.0 | 458 | -2 | (栗)矢作芳人 |
3 | 2 | 2 | ラストドラフト | 牡4 | 55 | マーフィ | 2.15.5 | 1 3/4 | 07-08-07-08 | 36.3 | 4 | 6.8 | 464 | +6 | (美)戸田博文 |
4 | 3 | 3 | ミッキースワロー | 牡6 | 56 | 横山典弘 | 2.15.6 | 3/4 | 05-05-07-05 | 36.5 | 2 | 3.8 | 482 | +6 | (美)菊沢隆徳 |
5 | 8 | 12 | サトノクロニクル | 牡6 | 56 | 大野拓弥 | 2.16.0 | 2 1/2 | 07-09-09-08 | 36.7 | 8 | 29.2 | 464 | +2 | (栗)池江泰寿 |
6 | 7 | 9 | ニシノデイジー | 牡4 | 55 | 田辺裕信 | 2.16.1 | 1/2 | 07-07-05-03 | 37.2 | 6 | 8.2 | 494 | +2 | *(美)高木登 |
7 | 1 | 1 | ウラヌスチャーム | 牝5 | 54 | ミナリク | 2.16.4 | 1 3/4 | 12-12-10-05 | 36.7 | 7 | 18.5 | 514 | +14 | (美)斎藤誠 |
8 | 5 | 5 | スティッフェリオ | 牡6 | 57 | 丸山元気 | 2.16.4 | ハナ | 01-01-01-01 | 38.1 | 3 | 6.6 | 454 | -2 | (栗)音無秀孝 |
9 | 6 | 7 | ルミナスウォリアー | 牡9 | 56 | 柴山雄一 | 2.16.7 | 2 | 11-11-10-08 | 37.1 | 11 | 251.1 | 482 | +6 | (美)和田正一 |
10 | 5 | 6 | クロスケ | 牡5 | 56 | 北村宏司 | 2.16.7 | ハナ | 10-10-12-08 | 36.9 | 10 | 205.5 | 460 | +10 | (美)水野貴広 |
11 | 6 | 8 | グローブシアター | 牡6 | 56 | 石橋脩 | 2.18.6 | 大差 | 03-03-04-05 | 39.8 | 9 | 54.1 | 458 | +14 | (栗)角居勝彦 |
止 | B4 | 4 | マイネルフロスト | 牡9 | 56 | 松岡正海 | 05-05-02-12 | 12 | 286.7 | 496 | +2 | *(美)高木登 |
まずは、昨年10月の【凱旋門賞】以来の復帰戦を堂々を飾ったブラストワンピース、そして関係者の皆様に対して、心からの祝福を送りたい。
率直に言って、実績を思えば
勝って当たり前の馬
だが、そういった評価を受ける馬たちが簡単に負けるのが競馬の世界の難しさ。
ましてや、海外帰りということで、調整も簡単ではなかったはずだ。
それでも勝つのだから、やはり国内トップホースなのだ。
ちなみに、鞍上の川田騎手は、レース後、以下のように語っていた。
まさに同感だ。
今後の方向性に関してはまだわからないが、国内に専念するなら、G1を含め、出走する全てのレースで上位争いをすることになるだろう。
注目したい。
他馬の中にも魅力的な馬が
さて、このコラムは勝ち馬を称えることが目的ではない。
あくまでも、今後の馬券生活の糧とするための「回顧」だ。
つまり、今回の結果に限らず、強いことがわかりきっているブラストワンピースについては、さほど書くことがない。
それよりも、他の面々だろう。
やはり魅力を感じるのは、3着だったラストドラフトだ。
大器が目覚めたか!?
ラストドラフトといえば、昨年1月の【京成杯】を快勝。
当時記したレース回顧においても、高く評価させていただいた。
その後は順調さを欠いたこともあり、やや出世は遅れてしまったが、今回、致命的な不利を受ける場面がありながらも、一線級の馬たちを相手に3着に。(故障し、安楽死の処分がとられたマイネルフロストに関しては本当に残念であり寂しい)
タラレバは禁物とはいえ、スムーズならば2着まではきていた可能性も十分にある。
だから当然、今後への期待は大きくなるが、期待したくなる理由は着順だけではない。
今回の舞台が「中山芝2200M」だったという部分も大きな理由だ!
中山コースは非常にタフ!
皆様にご紹介しておきたいのは
中山コースはとにかくタフ!高低差が凄い!
ということだ。
高低差5.3メートルは、JRA全競馬場の中で最大!
いかにタフであるか、私の下手な文章よりも、JRA公式サイトの紹介文を引用するのが正解だろう。
5.3mという数字はJRA全10場の中でも最大の数字(ちなみに次位は京都競馬場・外回りの4.3m)。馬たちはコースを1周する間に、2階建ての建物に相当するほどの高低差を上り下りしている計算になる。
(中略)
そしてゴール前では、中山名物の急坂が馬たちを待ち構えている。残り180m~残り70m地点にかけて設けられている上り坂の高低差は2.2m、最大勾配は2.24%と日本一のキツさを誇る。快調に飛ばしてきた馬の脚色が急坂で鈍り、ゴール前の逆転劇に繋がるケースもしばしば見受けられ、馬たちにとっては文字通り最後に待ち受ける“難所”となっている。
中でも、直前を2回走る形になる、外回り2200Mは、最も厳しい舞台だと思う。
中山芝2200Mでは、大一番にモロに直結するような重賞が少ないため、ここを走った馬で大きく出世した馬は少ないかもしれないが、間違いなく
本当に力のある馬でなければ好走は難しい
そこで結果を出した、ラストドラフト。
今年の中長距離路線における「台風の目」になるかもしれないぞ!
レースを見逃した方はコチラから
【みんなのKEIBA 次回2月2日(日)午後3時】
アメリカジョッキークラブC・GⅡを制したのは
おととしのグランプリホース⑪ブラストワンピース
凱旋門賞からの復帰戦、人気に応えて見事快勝!
2着は5番人気⑩ステイフーリッシュ、3着は4番人気②ラストドラフト
3連単は1万540円の払い戻し pic.twitter.com/HOR02uPmVA— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) January 26, 2020
6着・ニシノデイジー
道中、良い手応えでまくり気味に上位に進出、不利を受ける場面もあったが、それにしても手応えほどは伸びず、いきなり失速した印象。
実際に、鞍上の田辺騎手も
と語っている。
この手の失速の場合、原因の多くは「距離」ではないだろうか。
同世代との戦いでは、適性の違いを底力でカバーできるケースもあるが、古馬相手ではそうはいかない。本質的な部分が出るもの。
ニシノデイジーの本質は1800M~2000Mがベストだと推測!
次走の「距離」に注目したい。
【AJCC 2020】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 ブラストワンピース(川田将雅騎手)
「最後は何とか届いてくれて良かったです。今日は馬の雰囲気も良く、良いリズムで運べました。4コーナーでは故障馬の影響を受けましたが、それでも勝つことができて、能力の違いを見せることができました。残念な結果に終わった凱旋門賞から帰って、これだけの内容と結果を残すことができて良かったです。今年のブラストワンピースは、ここから始まっていきますので、期待して応援してください」
(大竹正博調教師)
「前走は競馬に参加できませんでしたが、それが実力ではない事を証明できたと思います。年明け初戦、結果を残すことができてホッとしています。この後、上半期の目標も未定です」
2着 ステイフーリッシュ(C.ルメール騎手)
「逃げ馬の後ろにつけられ良いレースができました。勝負どころでの手応えが良くて一生懸命走ってくれました。勝ち馬はさすがGIホースという感じでした」
3着 ラストドラフト(O.マーフィー騎手)
「競走中止した馬の影響により、4コーナーでブレーキをかけなくてはならなくて、その後追い上げましたが不利が大きすぎました。状態が良かっただけに残念です」
4着 ミッキースワロー(菊沢隆徳調教師)
「馬の雰囲気は良くて期待していました。良い感じで運べましたが、大事なところでアクシデントがあり残念でした」
6着 ニシノデイジー(田辺裕信騎手)
「道中は感じ良く行けて、有力馬を前に見ながら自分から動ける位置でレースを進めました。勝負どころでのアクシデントがあったにせよ、最後は止まっていて、「あれ?」っという感じです。上手くいった割には物足りなかったです」
7着 ウラヌスチャーム(F.ミナリク騎手)
「良いスタートを切れず後方からになりました。道中、それから直線も良い走りをしていましたが、馬場が向きませんでした」
8着 スティッフェリオ(丸山元気騎手)
「自分のペースで行けましたが、馬場が特殊でした。この馬はラチに頼りながら走るので、内を通らざるを得ず、今日の馬場では厳しかったです」
(via ラジオNIKKEI )
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