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ホーム勝負の明暗【先週の重賞回顧】オールカマー&神戸新聞杯 2025⇒「あの馬」の強さには本当に驚かされた&菊花賞に向けてのお話も

【先週の重賞回顧】オールカマー&神戸新聞杯 2025⇒「あの馬」の強さには本当に驚かされた&菊花賞に向けてのお話も

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

オールカマー 2025 の回顧&未来の主役

2025年 9月21日(日) 4回中山7日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第71回産経賞オールカマー
3歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 2200m 11頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
4 4 レガレイラ 牝4 57 戸崎圭太 2.10.2 08-08-06-06 34.0 1 (美)木村哲也
7 9 ドゥラドーレス 牡6 57 ルメール 2.10.4 1 1/4 09-09-03-03 34.4 2 (美)宮田敬介
6 7 ヨーホーレイク 牡7 58 岩田望来 2.10.7 2 09-09-09-08 34.2 4 (栗)友道康夫
8 10 フェアエールング 牝5 55 津村明秀 2.10.7 ハナ 06-06-01-01 35.0 8 (美)和田正一
5 5 ホーエリート 牝4 55 横山武史 2.10.8  3/4 03-03-06-06 34.6 3 (美)田島俊明
7 8 リカンカブール セ6 57 吉田隼人 2.11.0  3/4 04-04-09-09 34.5 10 (栗)田中克典
8 11 ワイドエンペラー 牡7 57 佐々木大 2.11.0 ハナ 11-11-11-11 34.1 11 (栗)藤岡健一
1 1 コスモキュランダ 牡4 57 丹内祐次 2.11.0 クビ 05-05-02-02 35.2 5 (美)加藤士津
6 6 シュバルツクーゲル 牡4 57 菅原明良 2.11.1  1/2 02-02-03-03 35.1 9 (美)鹿戸雄一
10 3 3 クロミナンス 牡8 57 モレイラ 2.11.1 07-06-08-09 34.7 6 (美)尾関知人
11 2 2 リビアングラス 牡5 57 鮫島克駿 2.12.1 6 01-01-03-03 36.1 7 (栗)矢作芳人

新しい歴史の誕生を素直に祝福

レース前の段階から各所で言われていたし、また私たちもYouTube動画などで言及させてもらったが、実は今回の【オールカマー】には

「1984年のグレード制導入以降では初めて!平地重賞における兄弟(兄妹)ワンツー

という歴史的な偉業がかかっていた。(障害では、2001年の中山大障害で達成されている)

もちろん、それに挑むのはドゥラドーレス&レガレイラの兄妹。

単勝で1&2番人気に推されていたように、能力的に上位であることは間違いない。

一方で、頭数は少ないながらも、粒ぞろいとなったメンバー構成。

人気を集めるということは、マークを集めるということでもあるだけに、どうなるかと見ていたが、、、

見事に新しい歴史を誕生させた。

どういったことであれ「日本競馬史上初」というのは並大抵の馬では成し遂げられない。

兄妹のスター性と能力、何より新しい歴史の誕生を心から称えたい。

 

驚かされたのは「あの馬」

まあ、正直にいうと、穴党的には辛い決着ではあったのだが、これもまた競馬。

また、これは後述する【神戸新聞杯】にも言えることだが「強い馬(人気馬)」が上位をしっかり占めるのは、ある意味では当然の部分もあるから、回顧のコラム的にも、ネタに困ってしまうところ(苦笑)

ただ、今回に関しては大丈夫。何故なら

「ドゥラドーレスの強さが想像を超えていて驚かされた」

からだ。

 

では、具体的にどのあたりに強さが表れていたか?

ということでご紹介したいのが、今回のレースにおける1ハロンごとのラップタイムだ。

12.5 – 10.7 – 11.9 – 12.1 – 12.7 – 12.6 – 11.5 – 11.7 – 11.6 – 11.4 – 11.5

ラストから6ハロン目と5ハロン目を比較すると1秒1もタイムが速くなり、そこからはすべて11秒台が続いている。

 

タフな位置でレースをすることに

あわせて、中山競馬場(芝・外回りコース)の断面図をご覧いただきたい。

断面図と先ほどのラップタイムを比較したもらうとわかるが、下り貴重で比較的スピードが出やすい、ラストから6ハロン(1200M~1000M)のところがゆっくりだったのに、ほぼ平地になったところで一気にペースが上がった。

そして、それがラストまで続くから、前でレースをしていた面々には、なかなかタフな展開になったのだ。

そして、そのゆっくりだったあたりでドゥラドーレスは一気に位置取りをあげた。

2コーナーで9番手あたりにいた馬が、3コーナーでは3番手あたりまで進出している。だが、上述の通り、そこからラストまでが前に位置した馬には苦しい流れに。だが!最後まで渋太く脚を伸ばし続け2着にまとめた。そこに強さを感じる。

 

その点「4着馬も」

逆に、優勝したレガレイラは、ドゥラドーレスら前にいる馬たちを目標にレースを運べば良かったというアドバンテージがあった。

もちろん、そもそも論の部分で、レガレイラは牡馬換算で59キロを背負っていたから条件が厳しかったという部分もある。

展開面のアドバンテージと斤量面の不利で差し引きはゼロ。

その上で、有馬記念ウイナーに対して1馬身1/4差なら、ドゥラドーレスのこれからは明るいのではないだろうか。6歳馬とはいえまだまだ現役を続けるはずだし、重賞初勝利は近いとみた。

 

また、先程の展開面の内容が同じように当てはまってくるのが4着のフェアエールング

こちらも2角6番手から3角で先頭に進出するというアグレッシブな競馬。上位2頭には離されたが、G1でも実績のあるヨーホーレイクにハナ差は、相当な強さを感じさせるものであり、価値は大きい。

5歳牝馬ながら、ここにきてぐんぐん良くなってきた印象を受ける。すでにG3は獲っているが、牝馬限定ならG2までは勝てる馬だと思う。

 

神戸新聞杯 2025 の回顧&未来の主役

2025年 9月21日(日) 4回阪神7日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第73回神戸新聞杯
3歳・オープン・G2(馬齢) (牡・牝)(国際)(指定) 芝・外 2400m 10頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
8 10 エリキング 牡3 57 川田将雅 2.26.4 07-07-07-07 32.3 2 (栗)中内田充
5 5 ショウヘイ 牡3 57 坂井瑠星 2.26.5 クビ 03-03-03-03 32.9 1 *(栗)友道康夫
2 2 ジョバンニ 牡3 57 松山弘平 2.26.8 1 3/4 04-03-03-03 33.1 3 (栗)杉山晴紀
8 9 デルアヴァー 牡3 57 荻野極 2.26.9  1/2 05-05-05-05 33.1 7 *(栗)松永幹夫
1 1 ライトトラック 牡3 57 和田竜二 2.26.9 クビ 06-05-05-06 33.0 4 *(栗)友道康夫
3 3 アルマデオロ 牡3 57 武豊 2.27.0 クビ 02-02-02-02 33.6 6 (栗)清水久詞
6 6 サンライズバブル 牡3 57 池添謙一 2.27.3 2 09-09-09-09 33.0 9 (栗)新谷功一
4 4 ジョイボーイ 牡3 57 藤岡佑介 2.27.3 クビ 10-10-09-10 32.8 5 (栗)四位洋文
7 8 パッションリッチ 牡3 57 西村淳也 2.27.4  1/2 08-08-07-08 33.2 10 (美)久保田貴
10 7 7 ボンドロア 牡3 57 横山典弘 2.28.0 3 1/2 01-01-01-01 34.7 8 *(栗)松永幹夫

 

改めて感じたこと

今回のレースを終えて、改めて強く感じたこと。それは

「狙ってきた時の川田は外さない」

ということだ。さすがすぎる(笑)

レース後の川田騎手のコメントをお聞きになっただろうか?

「菊花賞のための準備をしました。春よりもひとつ体が成長して、進みは出てきましたが、菊花賞のために、あえてゆっくりと、この馬のリズムを大事に、道中は組み立てました」

もちろん、このあとにまだコメントは続くのだが、文字に直すとたった2行の中に「菊花賞」という文字が2回も出てきている。

「何としても【菊花賞】で勝たせたい馬、だからこそ、そこに繋がるレース内容で結果を出す」

もちろん、こういった意気込みはレース前の段階からも感じ取れた。

それだけ本気で狙ってきた一戦。当然、私たちも「不動の軸」に据えさせてもらった。

昨今、10代~20代の頼もしい若手騎手が次々と出てきており、一時期ほど、何が何でもルメール・川田といった感じでもなくなりつつあるが、それでも「本気」の川田は、やはり桁違い。頼りになる。

 

衝撃の上がりタイム

先ほどの【オールカマー】の回顧際に「強い馬に強い競馬をされると、回顧のネタに困る」といったようなことを冗談半分で記したが、時には

「(仮に皆が気づいていることであったとしても)強い馬の強さを再確認する」

というのも良いだろう。

川田騎手のいうように、エリキングにとっては「菊のためのレース」

その【菊花賞】は、メンバーが確定していないため何とも言えないが、近年の日本競馬界には生粋のステイヤータイプが少ないため、基本的には

「ゆったりとした流れからの瞬発力」

になる可能性が高い。

 

そういった意味でいうと、今回マークした「上がり最速32.3」という驚異的なタイムの意味は大きい。スローペースの中で完璧に折り合えなければ、こういった時計が出るはずがないからだ。

ちなみにこの時計、1986年以降、芝2400M以上のレースにおける上がり3ハロンの「最速タイ」

 

先輩・菊花賞ウイナーも

今回が「4例目」になるのだが、実は「3例目」にあたるのが、2019年の【神戸新聞杯】で3着に入ったワールドプレミア

ワールドプレミアのその後がどうだったか?

このコラムをご覧くださる皆様は競馬に精通されているからご承知だろうが、堂々「菊花賞ウイナー」になっている。

かつての菊花賞ウイナー・ワールドプレミア

厳密にいえば、その年の【菊花賞】は、スローからの瞬発力勝負にはなっていない。とはいえ【神戸新聞杯】でしっかり折り合えたことで、当時の鞍上・武豊騎手は、大きな自信をもって本番に臨めたと思う。

鞍上の精神的余裕というアドバンテージが、結果に結びついたことは間違いないだろう。

 

そして今、当時の武豊騎手と同じ立ち位置にいるのが川田騎手なのだが、川田騎手自身には気になるデータも。

これだけのキャリアを誇るジョッキーでありながら【菊花賞】【天皇賞・春】の長距離G1は、デビュー以来一度しか勝っていない。それも2010年の【菊花賞】(ビッグウィーク)だから、かなり昔のことになる。

これを「めぐり合わせ」と受け取るか、技量の割に「長距離は不得手」と取るか。

本番での一番人気、少なくとも上位人気は確定したエリキングを取捨する上での最大のポイントは、ジョッキーの評価かもしれない。さあ、あなたならどうする!?1ヶ月間、お互いじっくり考えようぜ!

 

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