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京王杯スプリングカップ 2022【回顧】参戦目的の多様化により生じることとは?

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】京王杯スプリングカップ 2022 における勝負の明暗

2022年 5月14日(土) 2回東京7日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第67回京王杯スプリングカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1400m 12頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
8 12 メイケイエール 牝4 54 池添謙一 1.20.2      06-05 33.6 1 3.1 470 +2 (栗)武英智
4 4 スカイグルーヴ 牝5 54 ルメール 1.20.3  1/2    07-07 33.5 2 4.0 462 0 (美)木村哲也
7 9 タイムトゥヘヴン 牡4 56 大野拓弥 1.20.4  3/4    10-09 33.4 5 11.4 478 -10 (美)戸田博文
5 6 ワールドバローズ 牡4 56 和田竜二 1.20.4 クビ    11-11 33.2 8 16.4 456 +4 (栗)石坂公一
7 10 ラウダシオン 牡5 57 M.デム 1.20.5    02-02 34.4 7 13.8 518   (栗)斉藤崇史
6 7 リレーションシップ 牡5 56 戸崎圭太 1.20.5    09-09 33.5 9 21.9 504 0 (栗)須貝尚介
6 8 シャインガーネット 牝5 54 田辺裕信 1.20.5 クビ    05-05 33.9 3 6.4 480 -2 (美)栗田徹
2 2 リフレイム 牝4 54 野中悠太 1.20.7 1    01-01 34.9 4 8.3 512 -2 (美)黒岩陽一
3 3 ギルデッドミラー 牝5 54 レーン 1.20.7 クビ    11-11 33.5 6 11.9 486 +2 (栗)松永幹夫
10 8 11 ビオグラフィー 牝5 54 内田博幸 1.20.9 1 1/4    03-03 34.6 12 79.5 486 +6 (栗)藤岡健一
11 1 1 ミッキーブリランテ 牡6 56 三浦皇成 1.21.0  1/2    03-04 34.6 10 38.6 476 -4 (栗)矢作芳人
12 5 5 クリスティ 牝5 54 松若風馬 1.21.1 クビ    08-07 34.3 11 45.9 490 +2 (栗)杉山晴紀

 

競馬の常識が変わってきた昨今

昨今の競馬を見ていると

「これまでの常識が通用しない時代に入ってきたな」

と感じることが少なくない。

例えばクラシック路線におけるローテーション。

以前は、3歳になって一度叩いてから【皐月賞】や【桜花賞】という大一番へ臨むのが当たり前だった。だが、近年は2歳G1から直行というケースも増えている。

3冠馬コントレイルや、(日)【ヴィクトリアマイル】を制したソダシなどは、このパターンでクラシックウイナーになった。

また、まさにそのソダシが達成した「白毛馬初のクラシックウイナー」という実績も、これまでの常識を覆すものだったように思う。

そうした中で「レースの位置付け」という部分においても、常識の変化が見られるように思う。

 

以前は「安田記念への叩き台」一択だったが、、、

その象徴とも言えるのが【京王杯スプリングカップ】だと思う。

このレースといえば、以前は「来月行われるG1【安田記念】の叩き台」という考え方が当たり前だった。

だが、今回の出走馬たちを見る限り、それはまるで変わってきている。

メンバー中、明確に安田への叩き台といった雰囲気が伝わってきたのは、3着タイムトゥヘヴンくらいのものではないだろうか。

後は、勝ち馬メイケイエールを中心に目的は様々。

「勝ちにきた馬」もいれば「現状確認」や「チャレンジの馬」もいる。

現代は「多様性の時代」とも言われるが【京王杯スプリングカップ】参戦の目的も、本当に、多種多様といったところではないだろうか。

 

「狙い方」に違いが出てくる

さて、ここまで読んでくださった方の中には

「参戦目的が多様化してきたのはわかったが、それは馬券を買う我々の側には関係ないことなのでは?」

と思われる方が出てくるかもしれない。

それもわかるのだが、私が言いたいのは

「参戦目的が多様化すれば、馬券戦略(狙い方)にも変化が出てくる」

ということなのだ。

馬券戦略にも変化

例えば、以前のように「安田記念への叩き台が主流」だとしよう。

その場合、出走する多くの馬が「叩き台仕様(つまり皆が似たような仕上げ)」なので、各馬の能力を単純に比較すれば良い。

ある意味、非常に予想に向き合いやすいレースだったのかもしれない。

 

より一層「仕上げのチェック」が大事になる!

しかしながら、繰り返すようだが、参戦目的が多様化した。

となれば、出走馬毎に、仕上げに差が出てくるケースが多くなるのだ!

仕上げチェックは大事に

今後も含めて、決して、以前のような「シンプルな能力比較」で勝てるレースではない。

これまで以上に入念な仕上げのチェックが必須になるのだ!

当然、多くの競馬ファンにとっては難しい状況になるはず。

だが、そんな時のために存在するのが、私たちキングスポーツだ!

以前より、とにかく調教、仕上げにこだわりをもって勝負していることは皆様もご存知かと思うが、この点が、これまで以上に活かせるのだと確信!

尚、今回はたまたま【京王杯スプリングカップ】を例として取り上げたが、似たように「目的」が変わってきたレースは他にもある。

そういったレースが行われる度に逐一ご報告していくつもりだし、同時に

ここは任せていただいて結構です!

という意気込みも、これまで以上に強く発信していきたいと考えている。

 

メイケイエールについてだけ少々

唯一の困った点は(ということもないが)皆が様々な方向を向いてレースをしている分、今回の結果から、次の夢馬券に繋がるような何かを見つけるのが難しかったと、いうこと。

だが、それはそれ。現代競馬ならではのことかもしれない。

ということで、ここはシンプルに、優勝したメイケイエール(陣営)に対しての感想を述べてみたい。

まずは優勝おめでとう!

池添騎手はかなり苦労したと思うが、、、笑
細かい事を抜きにして、やはりG2では、力が違うという印象を受けた。

そんなメイケイエールの参戦目的は「距離延長へのチャレンジ」だった。

レース後、池添騎手がこんなことを語っている。

メイケイエールにとって今後を占う意味でも大事な1ハロン延長だと思っていましたが、1ハロン違うだけでここ2走よりもきつかったですが、何とかなだめながら進めました。僕自身、上手く乗れなかったところはありましたし、ちょっとしんどかったです。

結果としては、今回に関しては、底力の違いで勝利こそ掴んだものの、理想通りにはいかなかったということだろう。

 

決して背伸びをしない陣営に好感

だが、私個人の感覚としては

「どこかのタイミングで必ず距離延長に成功する馬」

だと思っている。

その理由は「陣営が決して馬に背伸びをさせず、順を追って成長を促している」という点にある。

実はレース後、管理する武英師が次のように話している。

他の馬とは違って、少しずつ勉強している感じの馬で、一生懸命走っています。ヴィクトリアマイルはどうかという声もありましたが、そんなに簡単な馬ではないので、慎重にここまで持って来られればと思っていました。

まだ41歳で当然G1は勝っていない。「早く獲りたい」という思いは当然あるだろうし、メイケイエールのポテンシャルなら「ハマれば」の思いを抱いても不思議ではない。

だが、非常に地に足が着いているし、それだけ調教師として、冷静で質の高い目があるということ。

この点は、奇しくも親戚の武幸四郎調教師と同じ匂いを感じる。さすがは競馬界の華麗なる一族(笑)

この師の元ならきっと成功すると思うし、仮にマイルを使う日がきたとすれば、それは絶対の自信を持っての参戦になるはず。

そんな日が来ることを楽しみにしたい!もちろん、未来の主役だ!

 

【京王杯スプリングカップ 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 メイケイエール(池添謙一騎手)
「手応え的には、直線に向いた時良い形でしたし、追い出したらしっかり反応して伸びてくれる馬。伸びてくれると信じて追い出しました。折り合いはきつかったですね。メイケイエールにとって今後を占う意味でも大事な1ハロン延長だと思っていましたが、1ハロン違うだけでここ2走よりもきつかったですが、何とかなだめながら進めました。僕自身、上手く乗れなかったところはありましたし、ちょっとしんどかったです。実績的にはGIを獲れるレベルだと思っていますし、順調に行ってほしいです。この馬には一生つきまとうテーマですが、(今後も)折り合いが大事になってくると思います」

1着 メイケイエール(武英智調教師)
「引っ掛かっていましたね。今日は装鞍所からじんわりと汗をかいて、気負っている感じがありました。返し馬は、前回は前々回より落ち着いていましたが、枠が外でしたし心配でした。その割にはジョッキーが何とか抑えてくれましたし、抑えられた部分も多少ありました。他の馬とは違って、少しずつ勉強している感じの馬で、一生懸命走っています。ヴィクトリアマイルはどうかという声もありましたが、そんなに簡単な馬ではないので、慎重にここまで持って来られればと思っていました。秋はセントウルS辺りで始動するイメージですが、今後は馬の様子を見て考えたいです」

2着 スカイグルーヴ(C.ルメール騎手)
「良い競馬をしました。ずっと勝った馬を目標にして、その後ろでレースをしました。よく頑張っていましたが……」

3着 タイムトゥヘヴン(大野拓弥騎手)
「少頭数でしたから、距離短縮でもリズム良く行けて、最後脚を使っていました。疲れを残さずに本番へ行けると良いと思います」

4着 ワールドバローズ(和田竜二騎手)
「休み明けで1400mでしたから、前半はついていけませんでしたが、直線は良い走りでした。もともとマイルの方が良い馬ですし、伸びしろはあるので、今後楽しみです」

5着 ラウダシオン(M.デムーロ騎手)
「スタートは出ましたが、直線に向いてからフワッとしました。勝った時と同じパターンのレースだったのですが……。GIを勝った時の力は出していません。気難しいです」

11着 ミッキーブリランテ(三浦皇成騎手)
「枠を活かして、良いポジションで競馬ができました。上がりも速く、馬場や展開に対応できませんでした。展開次第ではまだやれると思います」

(via ラジオNIKKEI

 

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