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ホーム勝負の明暗【先週の重賞回顧】中京記念 2024 ⇒圧倒的な存在感を見せた名手&中央ラスト・小牧騎手への思い

【先週の重賞回顧】中京記念 2024 ⇒圧倒的な存在感を見せた名手&中央ラスト・小牧騎手への思い

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

中京記念 2024 の回顧&未来の主役

2024年 7月21日(日) 3回小倉8日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第72回中京記念
3歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 1800m 14頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
2 2 アルナシーム 牡5 57 横山典弘 1.47.2   07-07-07-04 36.4 5 (栗)橋口慎介
4 6 エピファニー 牡5 58 杉原誠人 1.47.2 クビ 09-09-10-09 36.2 2 (美)宮田敬介
B5 7 エルトンバローズ 牡4 59 西村淳也 1.47.3  1/2 06-06-06-03 36.8 1 *(栗)杉山晴紀
8 14 ロングラン セ6 57 松山弘平 1.47.4  3/4 13-14-14-12 35.9 6 (美)和田勇介
8 13 ニホンピロキーフ 牡4 56.5 田口貫太 1.47.5  1/2 11-12-13-09 36.2 3 (栗)大橋勇樹
6 9 ボーデン セ6 54 団野大成 1.48.2 4 11-11-12-12 37.0 8 (美)上原佑紀
4 5 カテドラル 牡8 58 幸英明 1.48.4 1 1/2 13-13-11-09 37.3 11 (栗)池添学
5 8 タガノパッション 牝6 53 M.デム 1.48.4 ハナ 10-10-07-04 37.6 10 (栗)武幸四郎
6 10 ソレイユヴィータ 牝4 50 吉村誠之 1.48.5 クビ 04-04-05-04 38.2 12 *(栗)杉山晴紀
10 7 11 アナゴサン 牡6 56 松若風馬 1.48.9 2 1/2 07-07-07-04 38.1 9 *(栗)牧田和弥
11 3 4 ワールドリバイバル 牡6 55 小牧太 1.49.2 1 3/4 03-03-02-04 39.0 14 *(栗)牧田和弥
12 3 3 セルバーグ 牡5 57 和田竜二 1.49.3  1/2 02-02-01-02 39.4 7 (栗)鈴木孝志
13 7 12 セオ 牡4 57 岩田康誠 1.49.4  1/2 04-04-02-01 39.3 4 (栗)上村洋行
14 1 1 テーオーシリウス 牡6 55 西塚洸二 1.49.6 1 1/4 01-01-02-12 39.4 13 (栗)奥村豊

良い意味で「らしくないレース」

中京記念といえば「荒れる重賞」

何と言っても、直近5年の3連単平均配当は70万馬券超え!

能力の拮抗した馬が集まりやすい夏の重賞、ましてやハンデ戦。今年も「大波乱の瞬間」を期待した競馬ファンは多かっただろう。

だが、結果的には、3連単は2万馬券台の決着。

この先に待っていたのは、、、まさかの堅い決着

掲示板圏内(5着以内)にまで視点を広げても、4番人気セオを除いた面々が、しっかりと占めている。

良い意味で「らしくないレース」になったことで、私たちのような穴党にとっては少々物足りない面もあったが(笑)

その分、レースの中身は非常に濃かったように思う。

上位人気の馬というのは、必然的にマークが集中しやすい。そうした中で順当に結果を出せるのは、ライバル馬たちとの間に明確な力の差があればこそ。

上位勢、中でも上位3頭は、秋以降の活躍にも十分な期待が持てると考える。

その上で、今回のレースは、優勝馬アルナシームの横山典弘ジョッキーの手綱捌きが素晴らしすぎた!これに尽きるのではないだろうか。

 

寄り添って勝てた一戦

いきなりだが、レースの横山典弘騎手のコメントを御紹介させてほしい。

「三走前から競馬に乗るようになって、調教から関わって、調教師さんや厩務員さんと3人で意見を出し合いながら、アルナシームに寄り添って勝てた一戦ですので、とても嬉しいです。このままいい状態で秋競馬を迎えられればと思います」

ゴール板を通過したあと、ガッツポーズを見せた横山典弘騎手。

今年のダービージョッキーであることはもちろん、日本競馬史上でも武豊騎手に次ぐほどの実績を残してきた名手だ。

外野の立場からすると、G3あたりの重賞は、彼にとってそれほど大きなウェイトを占めないような気がしてしまう。

だが、上のコメントの通り「寄り添って勝てた」という背景があり、それがガッツポーズに繋がったのだ。

恐らく、横山騎手ほど、馬を極限まで理解しようとし、馬に寄り添える騎手は他にいない。

 

喜びが伝わってきた

振り返れば、ダービー馬・ダノンデサイルも、わずかな異変を見抜いた横山騎手が皐月賞の直前回避を進言。結果的に無理をさせなかったことが、その後の栄光へと繋がったことは周知の事実。

若いファンの方には、単騎大逃げや後方ポツンなど、個性的な騎乗をするジョッキーというイメージもあるかもしれないが、その本質は、全く違うところにあることが、昨今の活躍から改めて広まるだろう。

岡部騎手から横山騎手へと続く、美浦のトップジョッキーの馬優先主義。

この素晴らしき伝統が、次はどの騎手へと受け継がれていくのか?楽しみじゃないか。(すでに、息子さん2人はその片鱗あり)

 

エルトンバローズは「やはり強い」

尚、アルナシームに関しては、管理する橋口調教師からも

「重賞を勝たせなければいけない馬だと思っていた」

という趣旨のコメントも出ている。若い頃から素質を評価されていた馬が、名手との出会いもあり落ち着いて走れるようになったのだから、これからも楽しみ。

だが、そんなアルナシームに徹底マークを受けたことはもちろん、59キロのトップハンデ、8割の仕上がりという極めて難解な条件を乗り越えて3着でゴールしたのがエルトンバローズ。

実績からも、能力No1であることは誰もが認めていたところだが、改めて、底力を実感せずにはいられない。

序盤から想像以上に動きが軽快で、好位を確保。重ハンデを意識したのか、3コーナー手前で早くも動き出し、直線に入った段階で先頭に立つという強気の競馬にチャレンジ。

結果的に後続2頭に差されたが、これは仕上がり途上の分。(対して、ライバルは、ほとんどが陣営が万全の仕上げで挑んできた)

普通の状態であれば、押し切っていた可能性が非常に高いとみる。

 

マイルCSへ向けて

鞍上の西村淳騎手はレース後

「早く抜け出し過ぎました。失敗しました」

と語っているが、これは半分は本音で、半分は「馬をかばって」ということではないだろうか。

秋が楽しみなエルトンバローズ

騎手自身も、こういう結果になる可能性があることを承知で「大一番の秋へ向けて」果敢且つタフな競馬にチャレンジしたのだと思う。

そしてレースを見る限り、一番良かった頃、つまり昨年の夏~秋にかけてのこの馬の走りが蘇ったように感じた。

恐らくだが、秋の最大目標は【マイルCS】になってくるだろう。

【安田記念】の結果からもわかるように、今の日本競馬界に飛び抜けたマイラーはいない。そんなこともあり、順調にいけば十分に勝ち負けになる!

必ず押さえるべき馬として、未来の主役に指名しておきたい。

 

小牧騎手に、労いと激励を!

さて、この日の小倉競馬が、中央競馬のラスト騎乗になった小牧騎手についてもお話しておきたい。

既に皆様もご承知の通り、かつて「圧倒的なトップジョッキー」として君臨した古巣の園田競馬へ、来月1日付けで復帰することになった。

この日のラスト騎乗となった最終レースをドラマチックに勝利で飾ったあと、復帰に関して、こんなことを言っていた。

地方競馬移籍の決め手についてここ5、6年で騎乗もなかなか回ってこなくて、悔しい思いばっかりしていました。なんとか現役を続けていくためにはどのようなことをしていいか色々考えて、最後にちょっとふと気が付いて、また園田に戻って、園田だったら乗せてくれるんじゃないかなと思いました。体も元気で、まだまだ自分ではやれると思っていたので、第二の人生というか、新たな道ができて本当に良かったです

もしかしたら、この復帰に良い印象を持たない人もいるかもしれない。

「中央でダメになったからって、自分の名前が通じる古巣へ戻るなんて」といったようなSNSでの書き込みを見たこともある。

もちろん、人の考え方は十人十色だから、そうした考えを否定するつもりはない。

だが、個人的には,すごく正直で、そして貪欲でいいなと。

騎手である以上、馬に乗りたいし、乗らなくては生きてはいけないのだ。だとしたら、少しでもチャンスが増える選択をし、チャンスを広げようとすることに、何か問題があるだろうか。

 

競馬には「人知を超えたドラマがある」

同時に、自信がなければ、絶対に移籍を決断していないと思う。

小牧騎手は、間違いなく「園田のレジェンド」中央でいうところの武豊騎手のような存在だった時代が確かにあった。

それだけに「移籍しました。ダメでした」という形は本人としても絶対にしてはいけないと考えたと思うし「そうはならない」という自信があるからこそ、決断したのではないだろうか。

小牧騎手といえばレジネッタ

実際に、同じ学年(1967年度の生まれ)の横山典弘騎手が、自信の中央ラスト重賞を勝ってくれたのだ。

「俺だってやれる」改めて自信になっただろうし、その自信が、最終レースの勝利を引き寄せたのかもしれない。

そんな小牧騎手に、心からの労いと激励を!!

 

それにしても、この日の3会場のメーンでいずれも「50代」が躍動。札幌と小倉を武豊騎手と横山典弘騎手が勝ち、福島メーンも柴田善臣騎手が2着(ついでに1着の吉田豊も49歳)

彼らも、この日が同世代で共に戦ってきた仲間の中央ラストであることはわかっていたはずだ。

当然「労いと激励の勝利(好走)を!」という思いは心のどこかにはあっただろうが、、、

ここまで揃って結果を出せたのは、馬が強かったとか、騎乗が良かったということだけでは説明できないのではないだろうか。

「競馬には人知を超えたドラマがある」だから、私たちは競馬を愛してやまないのだ。

 

とはいえ、ドラマは、ただ見ているだけでは物足りない。

「次は何としても勝つ!」

この誓いを、今回のコラムの締めの言葉とさせてほしい。

 

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