こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】デイリー杯2歳ステークス 2018 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 3 | アドマイヤマーズ | 牡2 | 55 | M.デム | 1.35.4 | 01-02 | 33.9 | 1 | 1.8 | |
2 | 7 | 7 | メイショウショウブ | 牝2 | 54 | 池添謙一 | 1.35.5 | 3/4 | 02-01 | 34.0 | 6 | 33.1 |
3 | 8 | 9 | ハッピーアワー | 牡2 | 55 | 秋山真一 | 1.35.9 | 2 1/2 | 09-08 | 33.6 | 5 | 16.4 |
4 | 8 | 8 | ダノンジャスティス | 牡2 | 55 | 川田将雅 | 1.36.2 | 1 3/4 | 03-03 | 34.5 | 2 | 3.9 |
5 | 4 | 4 | ドナウデルタ | 牝2 | 54 | モレイラ | 1.36.2 | ハナ | 06-08 | 34.0 | 3 | 5.4 |
6 | 1 | 1 | ヤマニンマヒア | 牡2 | 55 | 武豊 | 1.36.2 | 頭 | 06-06 | 34.2 | 4 | 14.9 |
7 | 6 | 6 | スズカカナロア | 牡2 | 55 | 岩田康誠 | 1.36.7 | 3 | 05-03 | 34.9 | 7 | 81.6 |
8 | 5 | 5 | マイネルフラップ | 牡2 | 55 | 和田竜二 | 1.36.7 | ハナ | 06-06 | 34.7 | 9 | 184.2 |
9 | 2 | 2 | アズマヘリテージ | 牝2 | 54 | C.デム | 1.38.0 | 8 | 03-03 | 36.3 | 8 | 83.9 |
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回顧に入る前に、改めて【デイリー杯2歳ステークス】がどういったレースなのかを確認しておきたい。
詳しくは「デイリー杯2歳ステークスの狙い」に記したが、要するに「未来の名マイラー」を見つけるべきレースなのだ。
以下「狙い」から一部抜粋したい。
「近年の主な上位入線馬とその後」の表をご覧頂けば、傾向がわかってくる。実は、2015年の勝ち馬エアスピネルを筆頭に、彼らはいずれも
後にマイル路線で活躍
することになる面々。サングレーザーも先日の【天皇賞秋】で2着に入ったが、それまではマイル路線で激走を続けていた。
デイリー杯2歳ステークス 近年の主な上位入線馬とその後
実施年 | 優勝馬 | 後の活躍 |
2017年 | ケイアイノーテック(3着) | 2018年 NHKマイルC 1着 |
2016年 | サングレーザー(3着) | 2018年 天皇賞秋 2着 |
2015年 | エアスピネル(1着) | 2017年 マイルCS 2着 |
恐らく「クラシック路線を目指したい」と陣営が本気で思っている馬は「コースがタフか、もしくは距離が長い」レース、この時期でいえば、例えば【東スポ杯2歳ステークス】(ちなみにダービー馬ワグネリアンは昨年のこのレースを勝っている)のようなところを使うのだろう。
つまり、今年の勝ち馬も
将来の名マイラーはどの馬なのか?
というイメージで予想をすれば勝負しやすいだろう。
というレースなのだが、まさに未来の名マイラー候補として、競馬ファンの注目を一身に集めたのが、単勝1.8倍の1番人気アドマイヤマーズだった。
だが、私たちキングスポーツはアドマイヤを軸にはしなかった。
確かに素質のある馬だが・・・
そもちろん、まともならここでの勝ち負けの可能性が高いことはわかっていた。だが、未来の名マイラーとしてはどうだろうか。
新馬戦&前走【中京2歳ステークス】という、いずれも中京が舞台だった2連勝は素晴らしいが、私たちの目には「中京の重い芝に助けられた面があったかな」というように見えた。
もちろん世代ではトップクラスを狙えるだけの素質を備えているが、名マイラーを予感できるほど飛び抜けた馬とは思えない。そんな馬が1.8倍では、ハイリスクローリターンではないだろうかと、軸にしない決断をしたのだ。
決してレベルは高くない
結果は優勝したのだから素直に拍手を送りたい。おめでとう!
だが、やはり「飛び抜けた馬とは思えない」という予感は当たっていたと確信できる。2着に6番人気の牝馬が突っ込んでくること自体、レース全体のレベルが高くなかった証拠であり、だからこその勝利という面は否めないだろう。
【デイリー杯2歳ステークス】はG2だが、レースの格を鵜呑みにしてはいけないと、現段階では思う。
それでも2歳馬はわからない
だが、それでも2歳馬はわからない!ということも確かだ。
2歳馬の段階では目立たなかった馬が、3歳、古馬になって大活躍した例などはいくらでもある!
だからこそ、今回【デイリー杯2歳ステークス】に出走した馬たちには、是非とも、私の「レース全体のレベルが高くなかった」という考えが間違っていた!私に猛省させるくらいの成長を見せてほしい。彼らのこれからの注目していきたい。
次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!
今回の「未来の主役」としてご紹介するのは
3着ハッピーアワー
以前も申し上げたことがあったと思うが、データの少ない2歳馬を評価する上で重要なポイントのひとつに「速い上がりを使えるか」という点があると考えている。
勝ち負け、ということに関しては、展開の向き不向きもあるから、それで全てを評価することはできないが、展開云々にかかわらず、速い上がりは力がなければ出せない、というのが、長年の予想家生活の中で掴んだ答えだ。
今回は3着に敗れたが、メンバー中最速の33秒6の脚が、いつか必ず威力を発揮するだろう。
【デイリー杯2歳ステークス 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【デイリー杯2歳ステークス 2018】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 アドマイヤマーズ(M・デムーロ騎手)
「いい馬です。スタートも上手です。いつももう少し後ろからですが、ペースも遅かったので逃げました。新馬の時から思っていましたが、もう一つ上のギアがあるので距離はもう少し延びてもと思います。能力も高く頭のいい馬。体もプラス12キロと成長していました。性格もよく、他の馬が並んできても負けません。楽しみです」
2着 メイショウショウブ(池添謙一騎手)
「レースでは馬が落ち着いて、このペースでも折り合って脚を使いました。直線でアタマくらい前に出たのですが、最後は勝ち馬の地力で差をつけられました。でも、このメンバーでやれるところを見せられました」
3着 ハッピーアワー(秋山真一郎騎手)
「道中の折り合い次第で距離はもつように思います。もともと良い馬ですし、良い方向へ行っているので楽しみです」
4着 ダノンジャスティス(川田将雅騎手)
「まだ下りを上手に走れるバランスが足りないので、そこで離されてしまったので、徐々に成長してくれたらと思います」
5着 ドナウデルタ(J・モレイラ騎手)
「直線でつまるところもありましたが、最後まで一所懸命走っています。まだ今日で3戦目。この馬には経験が必要で、今日の経験は先につながると思います」
6着 ヤマニンマヒア(武豊騎手)
「折り合い重視で運びましたが、上がりの競馬になって展開的にも厳しくなりました。でも収穫のあるレースでした」
7着 スズカカナロア(岩田康誠騎手)
「以前より馬は上手に走っていました。直線に向いた時に離されたのがひびきましたが、距離は全く問題ありません」
8着 マイネルフラップ(和田竜二騎手)
「少し怖がりな面がありますが、能力の高い馬です。もっとレース慣れしてくればと思います」
(via ラジオNIKKEI )
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