こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】エルムステークス 2018 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 8 | ハイランドピーク | 牡4 | 56 | 横山和生 | 1.42.0 | 03-03-02-02 | 36.7 | 2 | |
2 | B2 | 2 | ドリームキラリ | 牡6 | 56 | 藤岡佑介 | 1.42.2 | 1 1/4 | 01-01-01-01 | 36.9 | 3 |
3 | B3 | 3 | ミツバ | 牡6 | 57 | 松山弘平 | 1.42.5 | 2 | 14-13-13-10 | 35.8 | 1 |
4 | 6 | 9 | ロンドンタウン | 牡5 | 57 | 蛯名正義 | 1.42.5 | ハナ | 06-06-04-04 | 36.9 | 5 |
5 | 3 | 4 | アンジュデジール | 牝4 | 55 | 横山典弘 | 1.42.8 | 1 1/2 | 04-04-04-04 | 37.2 | 7 |
6 | 1 | 1 | リッカルド | セ7 | 56 | ルメール | 1.43.1 | 2 | 08-07-07-07 | 37.2 | 4 |
7 | B7 | 12 | ブラゾンドゥリス | 牡6 | 56 | 丹内祐次 | 1.43.2 | 1/2 | 02-02-02-03 | 37.9 | 11 |
8 | B7 | 11 | ディアデルレイ | 牡7 | 56 | 勝浦正樹 | 1.43.5 | 1 3/4 | 04-04-04-06 | 37.9 | 8 |
9 | 8 | 13 | モルトベーネ | 牡6 | 56 | 秋山真一 | 1.43.5 | クビ | 06-07-07-09 | 37.6 | 10 |
10 | 4 | 5 | ノーブルサターン | 牡4 | 56 | 池添謙一 | 1.43.6 | クビ | 11-11-07-07 | 37.7 | 9 |
11 | 6 | 10 | メイショウスミトモ | 牡7 | 58 | 古川吉洋 | 1.43.6 | ハナ | 10-10-10-11 | 37.2 | 14 |
12 | B5 | 7 | アルタイル | 牡6 | 56 | 小崎綾也 | 1.43.6 | クビ | 13-14-13-13 | 37.0 | 12 |
13 | 4 | 6 | リーゼントロック | 牡7 | 56 | 松岡正海 | 1.44.5 | 5 | 11-11-11-11 | 38.0 | 6 |
14 | 8 | 14 | モンドクラッセ | 牡7 | 56 | 柴山雄一 | 1.47.6 | 大差 | 09-09-11-14 | 41.1 | 13 |
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まずは、優勝したハイランドピーク陣営に、心からの「おめでとう」を申し上げたい。
昨年の6月、函館で500万条件を勝った時の内容の素晴らしさから「大器」と言われた。それから1年少々、念願の初重賞制覇となった。
エルムステークスの勝ち馬の中には、後の名馬が数多く含まれている。
例えば2003年の優勝馬アドマイヤドンは、ここを勝った後【南部杯マイルCS】&【JBCクラシック】という両G1を2連勝した。更に翌年の優勝馬パーソナルラッシュも、次走の交流G1【ダービーグランプリ】を制している。
近年だと、2012年の優勝馬ローマンレジェンドも、同年末の【東京大賞典】を制している。(ちなみにローマンレジェンドは2014年の勝ち馬でもある)
芝のレースとは違い、夏の時期にはこれといった重賞が少ない。それなりに力のある馬が、皆ここに集うのだ。そんな中で勝利を収めたハイランドピーク。当然、過去の馬達と同様に、輝かしい秋が待っているだろう。
強かった勝ち馬!但し条件次第では2着馬も差はない
もちろん、単に勝利したというだけではなく、内容も良かった。
重馬場を活かした「行った行った」で、前有利の流れであったことは確か。それでも、落ち着いた雰囲気での2番手追走からは、精神面の充実を感じた。
走力そのものは、早い段階から高く評価されていた一方、以前は、若さ故に掛かったり(それでも力があるから常に上位争いをしてきたが)出遅れたりといったケースも見られたが、今後はそういったケースも減少するに違いない。
競走馬としての完成が近づいてきており、これからが楽しみだ。鞍上の横山和生も8年目での念願の重賞初制覇!「横山典弘の息子」という肩書は重すぎたと思うが、そんな父を倒しての重賞勝ちだけに胸をはってほしいし、自信になっただろう。競馬に限った話ではないだろうが「キッカケ」というのは本当に大事。今後、急成長中を遂げるかもしれないから注目だ。
一方、2着に敗れたドリームキラリも、能力的には全く差はないという考えてよいだろう。ゴールでついた1馬身1/4の差は、単純に距離適性の差だと考える。
ドリームキラリにとってのベストレース、【フェブラリーステークス】4着のサンライズノヴァを倒した今年5月【欅ステークス】の舞台は、東京ダート1400Mだった。一方、ハイランドピークは、デビュー以来1600M~1800Mだけを使われてきた馬。
今回の札幌ダート1700Mという舞台設定が、どちらに有利だったか、改めて語るまでもないだろう。1400Mとは言わないまでも、マイルで両者がぶつかったらどちらが勝つか?想像するだけでワクワクするじゃないか。
また鞍上の藤岡佑介騎手も、枠順や自分の馬の持ち味を完全に把握した内容だけに、G1を勝って、ひと皮むけたことを改めて感じさせてくれた。ドリームキラリに限らず、秋G1でも力のある馬とコンビを組みそうだし、楽しみだ。
次走こそ狙え!未来の主役がここにいた!
率直に言って、上で挙げた2頭の能力が、今回のレースでは抜けていたように思う。3着のミツバあたりも後方から良い脚を使っていたが、そもそも「前に行けない」というのも、実力のうちだからだ。
その点、脚質に関しても好位でのレース運びが可能だし、能力的にも今後もっとよくなりそうなのが、5着だったアンジュデジールだ!
昨年6月の【関東オークス】以来、前走まで7戦連続で地方交流重賞を走ってきた。当然、今日のような中央競馬の速い流れはひさしぶりだった。にもかかわらず、牡馬相手に見せ場ありの5着。それも休み明けの仕上がり途上だったのだから、驚かずにはいられない。
叩かれての状態の良化、また4歳馬ということで能力的な上積みもあるだろう。それだけに、牝馬同士のダート戦ならば、無双になれそうだし、場合によっては、暮れのG1【チャンピオンズC】も射程圏に入れておいて良い実力馬と期待する。
今後「回顧」のコラムでは、アンジュデジールのような「未来の主役」をご紹介していくので、必ずお読み頂きたい。
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【みんなのKEIBA 次回8月12日(日) 午後3時】
真夏の3歳ダート重賞!「レパードS・GⅢ」は
5番人気⑥グリムが逃げ切って重賞初制覇
2着は10番人気⑮ヒラボクラターシュ3着は⑪ビックスモーキーで
3連単は67万1670円の高配当となりました。 pic.twitter.com/0ek31Hf7um— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) August 5, 2018
【エルムステークス 2018】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 ハイランドピーク(横山和生騎手)
「スタートを決めて自分と馬のリズムを崩さずレースを進めました。今日は馬に勝たせてもらった感じです。いい時に乗せてもらいました。ゲートなど課題が多い中で結果を出してくれました。将来が楽しみです。自分の初重賞勝ちは時間がかかりましたが、これからも馬に感謝しつつ頑張りたいと思います」
2着 ドリームキラリ(藤岡佑介騎手)
「上手く先手を取れてイメージ通りのレースが出来ました。最後は勝ち馬にねじ伏せられた形ですが、差し返す脚も使いましたし、今、充実している感じです」
3着 ミツバ(松山弘平騎手)
「札幌のコースは大丈夫だったのですが、今日は枠順が悪かったです。内の枠がこたえました。今日は枠順が全てでした」
4着 ロンドンタウン(蛯名正義騎手)
「少しずつ状態が良くなっています。函館からの輸送で絞れるかと思っていましたが、まだ体に余裕がありました。今後に向けてキッカケが掴める内容のレースでした」
(via ラジオNIKKEI )
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