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ホーム勝負の明暗【先週の重賞回顧】キーンランドC&新潟2歳S 2024 ⇒「明確に抜けた馬」&「将来に期待できる馬」をそれぞれ解説!

【先週の重賞回顧】キーンランドC&新潟2歳S 2024 ⇒「明確に抜けた馬」&「将来に期待できる馬」をそれぞれ解説!

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

キーンランドC 2024 の回顧&未来の主役

2024年 8月25日(日) 2回札幌6日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第19回キーンランドカップ
3歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) 芝 1200m 16頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
5 10 サトノレーヴ 牡5 57 レーン 1.07.9      04-03 34.0 2 (美)堀宣行
3 6 エイシンスポッター 牡5 57 モレイラ 1.08.2 1 1/2    08-08 33.9 8 *(栗)吉村圭司
1 1 オオバンブルマイ 牡4 57 武豊 1.08.2 ハナ    14-16 33.2 7 *(栗)吉村圭司
2 4 モリノドリーム 牝5 55 ルメール 1.08.2 クビ    11-11 33.8 4 (美)鹿戸雄一
1 2 ナムラクレア 牝5 55 浜中俊 1.08.3 クビ    05-05 34.2 1 (栗)長谷川浩
6 12 ビッグシーザー 牡4 57 坂井瑠星 1.08.3 クビ    02-03 34.5 5 (栗)西園正都
7 14 ダノンマッキンリー 牡3 55 戸崎圭太 1.08.5 1    08-08 34.2 9 (栗)藤原英昭
6 11 シュバルツカイザー セ6 57 大野拓弥 1.08.5    14-13 33.6 15 (美)大竹正博
7 13 ジュビリーヘッド 牡7 57 ホー 1.08.6 クビ    12-13 33.9 16 (栗)西園翔太
10 2 3 プルパレイ セ5 57 佐々木大 1.08.6 クビ    07-07 34.4 11 (栗)須貝尚介
11 5 9 エトヴプレ 牝3 53 藤岡佑介 1.08.7 クビ    02-01 35.0 3 (栗)藤岡健一
12 4 8 ゾンニッヒ 牡6 57 川田将雅 1.08.9 1 1/4    12-11 34.3 6 (栗)池江泰寿
13 4 7 マテンロウオリオン 牡5 57 横山典弘 1.08.9 クビ    14-13 34.0 14 (栗)昆貢
14 B8 16 セッション 牡4 57 ティータ 1.09.0  1/2    01-02 35.4 10 (栗)斉藤崇史
15 8 15 オタルエバー 牡5 57 松山弘平 1.09.3 2    05-05 35.2 13 (栗)中竹和也
16 3 5 シナモンスティック 牝5 55 丹内祐次 1.10.0 4    08-08 35.7 12 (美)宗像義忠

明確に抜けていた

レースを振り返ってみると、もちろん今後の活躍に大きな活躍が持てそうな馬は複数いた。

その内の一頭を「未来の主役」として後ほどご紹介するが、とはいえ、優勝したサトノレーヴの勝ちっぷりは、明確に一枚抜けていた。

もちろん、スプリント重賞で、2着に1馬身半もの差をつけたのだから、数字だけをみても決定的な勝利だが、それ以上に「中身」が際立っていた。

序盤の行きっぷりの良さ、好位での落ち着き、追われてからの反応の速さ。

などなど、あらゆる点においてスキが感じられなかった。

 

実は、こんなデータがあった。

それは【函館スプリントS】の優勝馬が不振であること。

過去10年において【函館スプリント】を勝ってここに挑んできた5頭の成績は【0.0.1.4】。

つまり連対馬すら出せていない。

同じ洋芝だが、函館はアップダウンが大きく、札幌以上にタフ。そこで勝った、つまり走りきった
という事は、それから少々間が開いているとはいえ、ダメージも残りやすいのかもしれないという推測ができる。

だが、そうしてデータ云々で括れないほどのレベルの馬であることをハッキリと証明してくれた。

 

まだまだノビシロがたっぷり

さて【キーンランドカップ】で活躍した以上、期待されるのは本番となる、来月末のG1【スプリンターズS】での活躍だ。

サトノレーヴは、2走前【春雷S】を中山芝1200Mの舞台で完勝!それも1分7秒1の好時計を出しているだけに、コース適性の高さも間違いない。

とはいえ、ここはG3だ。

「さすがにG1はさらに相手のレベルが高くなるし、そう簡単ではないのでは?」と思われる方もいるだろう。

 

だが、サトノレーヴには「ノビシロ」がある。

この馬、5歳馬だから、一見ベテラン風なのだが、実は4歳だった昨年はたった「一度」しか実戦を走れていないように、体質に弱い面があり、休みながら使われてきた。

無理して育ててきていないからノビシロもある

その分、馬体減りをしていないので、毎回、レースをこなした後には大きな成長が見られる。

きっと今回もそうだろう。その進化が、強力ライバルとの差を縮める、あるいは追い越す要素になるだろう。

もちろん現時点ではハッキリとは言えないが(まだ他の前哨戦もあるから)有力な軸候補の1頭であることはハッキリお伝えしておきたい。

 

未来の主役に指名するなら!

このように、サトノへの期待は大きい。

だが、今後の活躍を期待する「未来の主役」を選ぶのであれば、年齢的にさらに若い馬、要するに、この先、より多くのレースで私たちを楽しませてくれそうな馬を抜擢したい。

そこで今回は、3着だったオオバンブルマイを指名する!

ご存知「世界のオオバンブルマイ」だ。

世界のオオバンブルマイ

3歳だった昨年、春のG1【NHKマイルC】で3着に好走したあと、秋には海外挑戦。見事に、豪州のレースで勝利を収め、とんでもない賞金を獲得したことはご存知の通り。

本当に力のある馬ながら、1200Mは今回が初挑戦。その分「6番人気」という微妙な評価にとどまったのだろう。

 

だが、実はこの馬、本来は「スピード豊かな血統」

2歳の頃には芝1400mながら、スピードが求められる重賞【京王杯2歳S】を優勝!

それもそのはずで、母ピンクガーベラの弟には短距離重賞を3勝したビアンフェがいる。むしろ、スプリント戦への挑戦は遅いくらいだった。ここで結果が出たのは、ある意味では必然と言えるのかもしれない。

 

3着までなら

さて、仮にG1【スプリンターズS】への出走が叶うとしたらどうだろう!?

今回もそうだったが、スプリント経験の違いから、なかなかスピードに乗って好位から戦う、というようなことは難しいだろう。

恐らく、最後方に近い位置からの戦いになるはずだ。

だが、飛び抜けた主役が不在の現在のスプリント路線、出走馬には、完全にノーチャンスというような馬はいないだろうし、皆が一発を狙って本気で勝ちにいくに違いない。かなりタイトな勝負になるはず。

それが、この馬には理想的。血統に裏付けされたスピードを、マイルまでこなせるスタミナがサポートすれば「直線一気にズドン」

今回披露した上がり最速の末脚(なんと、上がり2位の馬には0.4秒もの大きな差)の再現は十分にある!簡単に勝ち負けとまではいかなくても、3着までなら!

 

それにしても、オオバンブルマイの弾けるような末脚、その末脚を引き出す武豊騎手の心地よさそうな雰囲気は、武豊騎手が、かつてサンデーサイレンスの産駒の乗っていた頃を思わせるものだった。

武豊騎手も、乗っていて楽しいのではないだろうか?

それだけに、できることなら引退までこのコンビは継続してほしい。どこかで、大きな花を咲かせるはずだ!

 

新潟2歳S 2024 の回顧&未来の主役

2024年 8月25日(日) 3回新潟6日 天候 : 曇  馬場状態 : 良
【11R】 第44回新潟2歳S
2歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(特指) 芝・外 1600m 11頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 調教師
7 9 トータルクラリティ 牡2 55 北村友一 1.34.2      03-04 34.0 6 (栗)池添学
6 6 コートアリシアン 牝2 55 菅原明良 1.34.3  1/2    05-05 33.9 1 (美)伊藤大士
8 10 プロクレイア 牝2 55 津村明秀 1.34.8 3    10-10 34.0 5 (栗)小林真也
7 8 マジカルフェアリー 牝2 55 和田竜二 1.34.8 クビ    08-08 34.1 7 (栗)寺島良
1 1 ジョリーレーヌ 牝2 55 石川裕紀 1.35.0  3/4    08-08 34.4 4 (美)大竹正博
3 3 スターウェーブ 牡2 55 三浦皇成 1.35.3 1 3/4    05-05 35.0 3 (美)武井亮
2 2 スリールミニョン 牝2 55 永島まな 1.35.4  1/2    03-03 35.3 10 (栗)高橋康之
8 11 キタノクニカラ 牝2 55 杉原誠人 1.35.5  3/4    11-10 34.7 9 (美)小島茂之
4 4 シンフォーエバー 牡2 55 岩田康誠 1.35.5 クビ    01-01 35.8 2 (栗)森秀行
10 6 7 ケイテンアイジン 牡2 55 丸山元気 1.35.5 クビ    02-02 35.5 8 (栗)谷潔
11 5 5 モジャーリオ 牡2 55 斎藤新 1.35.7  3/4    05-05 35.4 11 (美)斎藤誠

無事に開催されて良かった

既にご存知かとは思うが、【新潟2歳S】終了からおよそ40分後となる、16時半に開催予定だった最終12レースが異例の「中止」となった。

「落雷の可能性がある」ことがその理由。天気だけはどうにもできないから、仕方ない。

当然、天気の動きがほんの少しずれていれば【新潟2歳S】も中止になっていた可能性があったということだ。

こうした現実を受けて今率直に思うのは、最終レースに登録していた各馬、そして関係者の皆様には申し訳ないが「出世レースが無事に開催されて良かった」ということ。

それだけ、上位の馬たちは、今後に期待が持てそうな質の高い走りを見せてくれた。

 

将来性だけじゃない!

振り返ってみると【新潟2歳S】は、本当に多くの「後の活躍馬」を出している。

その象徴とも言えるのが、昨年の優勝馬であり、後のG1馬でもあるアスコリピチェーノ。

この春の2つのG1でも存在感を見せてくれたし、順調にいけば、秋には古馬相手でも活躍してくれるだろう。

ただ、予想する上で誤解してはいけない点がひとつある。

それは、出世レースだからといって「将来性にばかり注目してはいけない」ということ。

新潟マイルは、3コーナーから4コーナーにかけて下り坂がある。つまりスピードに乗った状態(つまり脚に負担がかかる状態)で直線を迎え、尚且つ長い直線をしっかりと走りきらなくてはいけない。

相当に「タフなコース」なのだ。

当然、わずかなスタミナロスが致命傷になる。だからこそ、競馬の上手さ、つまり「完成度の高さ」を意識しなくてはいけない。

 

例えばアスコリピチェーノも、当時は気性的な若さもあったが、それでも競馬は非常に上手かった。

昨今の日本競馬界は「能力拮抗の時代」だと言われる(イクイノックスのような超スーパーホースは例外)

だからこそ、結局のところ、新潟2歳Sの延長線上に、3歳戦、そして古馬のレースもあると思うのだ。今の時点で競馬が上手い馬は、アスコリピチェーノのように、その後の大きな活躍も約束されたようなものだ。

 

素直に勝ち馬が素晴らしい

そういった点からいえば、勝ち馬トータルクラリティを素直に高く評価すべきだと思うのだ。

実はこの馬、テンションの高い馬でもある。今回は返し馬で、そういった部分が見られた。

その点は、鞍上の北村友騎手も認めており、随分気にしていたようだ。

だが、いざ実戦にいくとしっかりと折り合う。

「若さはあるけど、レースに対して真摯で、そして鞍上に対して素直」

お見事!トータルクラリティ

当然、位置取りも自由自在だからスタミナロスも少なく、追われてからの反応も良いから、必然的にライバルたちに対してアドバンテージをとれる。

結果がついてくるのは当然だと思うし、この先、年齢や経験を重ねることで、テンションの高さが解消されるようなら、相当なレベルの馬になるかもしれない。

 

尚、上でも名前が出た北村友騎手は、近年、怪我もありなかなか結果が出せずに苦しんでいた。

そうした中でも諦めずに鍛錬を続けてきたこそ、今春の【ファルコンS】での約3年ぶりの重賞勝ち、そして今回の勝利と、数字が戻ってきたのだと思う。

クロノジェネシスと共に2度グランプリを制した名手が、久々に来年は3歳路線で輝く気がしてならない。

「人馬共に」未来の主役に指名し、引き続き注目したい。

 

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