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ホーム勝負の明暗セントライト記念 2021【回顧】「内容」を評価すべき馬とは?3頭をピックアップ!

セントライト記念 2021【回顧】「内容」を評価すべき馬とは?3頭をピックアップ!

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】セントライト記念 2021 における勝負の明暗

2021年 9月20日(祝) 4回中山5日 天候 : 晴  馬場状態 : 良
【11R】 第75回朝日杯セントライト記念
3歳・オープン・G2(馬齢) (国際)(指定) 芝 2200m 14頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
2 2 アサマノイタズラ 牡3 56 田辺裕信 2.12.3   11-11-11-11 34.6 9 42.7 498 -4 (美)手塚貴久
7 12 ソーヴァリアント 牡3 56 戸崎圭太 2.12.4 クビ 05-06-06-03 35.1 2 3.5 510 +4 (美)大竹正博
6 10 オーソクレース 牡3 56 ルメール 2.12.7 1 3/4 05-06-08-08 35.3 5 9.8 476 -4 (美)久保田貴
6 9 カレンルシェルブル 牡3 56 横山和生 2.12.9 1 08-08-06-05 35.6 11 53.1 506 +2 (栗)安田翔伍
3 3 ヴィクティファルス 牡3 56 池添謙一 2.12.9 08-09-08-08 35.4 7 18.9 474 0 (栗)池添学
B1 1 ベルウッドエオ 牡3 56 吉田豊 2.12.9 ハナ 12-12-13-11 35.1 14 303.7 460 0 (美)高橋文雅
7 11 ルペルカーリア 牡3 56 福永祐一 2.13.0  3/4 05-01-02-02 36.0 4 7.9 502 0 (栗)友道康夫
5 8 レッドヴェロシティ 牡3 56 M.デム 2.13.0 クビ 13-13-11-11 35.3 6 14.1 532 +2 (美)岩戸孝樹
8 13 グラティアス 牡3 56 松山弘平 2.13.3 1 3/4 04-03-03-03 36.2 3 6.4 500 +4 (美)加藤征弘
10 4 5 ノースブリッジ 牡3 56 岩田康誠 2.13.4 クビ 02-05-04-05 36.2 8 26.4 492 -2 (美)奥村武
11 8 14 ワールドリバイバル 牡3 56 津村明秀 2.13.4 クビ 01-02-01-01 36.5 13 99.5 506 +4 (栗)牧田和弥
12 4 6 レインフロムヘヴン 牡3 56 石橋脩 2.13.5 クビ 14-13-14-14 35.5 12 94.3 452 +2 (美)堀宣行
13 5 7 タイトルホルダー 牡3 56 横山武史 2.13.6  3/4 02-03-04-05 36.4 1 2.9 466 +2 (美)栗田徹
14 3 4 タイムトゥヘヴン 牡3 56 柴田善臣 2.13.8 1 1/2 08-09-08-08 36.4 10 45.7 474 +2 (美)戸田博文

 

皆が本気だからこそ

2015年の優勝馬キタサンブラックなど、数多くの名馬を輩出してきた出世レース。

そんなレースらしく、昨年までの直近5年の3連単平均配当は「2万馬券台」

出世レースと同時に「堅いレース」でもあったのだ。

だが!今年は衝撃の大荒れの決着に!

優勝したのは単勝9番人気のアサマノイタズラ。また3連単は30万馬券台の高配当だ。

レース全体を見渡すと、上がり最速だったアサマノイタズラのタイムが「34秒6」だったように、なかなかタフな競馬になった。

また、ごちゃつく場面もあり、それ故にスムーズさを欠いた馬もいたようだ。

だが!タフな流れになったのも、ごちゃついたのも

皆が本気で勝ちにいった(菊花賞の権利を取りにいった)ことの裏返し

だと私は思う。

見応えのある【セントライト記念】だったと言えるのではないだろうか。

 

美味しい穴馬を見つけたい

優勝したアサマノイタズラ

さて、このコラムは「レース回顧」だ。

それだけに、各馬の着順は当然大事だが、それ以上に「内容」を見る必要があるだとう。

例えば、上位入線であっても、流れが向いた馬がいるかもしれない。

逆に下位でも、流れが向かなかったり、致命的な不利を受けた馬がいるかもしれない。

昨今の競馬は、馬券の売れ方の傾向として「前走の着順」が重視されがちな傾向がある。

それだけに!

「下位だったけど、次は狙えそう」

という馬は「美味しい穴馬」として、馬券で貢献してくれるかもしれない。

 

レースの流れが後ろ向きだったことは間違いない

では、レースの流れがどうだったのか?

基本的に「後ろの馬向き」の流れだったことは間違いない。

そのあたりは、14番人気の低評価をものともせずに、6着に好走したベルウッドエオの鞍上・吉田豊騎手のコメントにハッキリと表れている。

以下の通りだ。

「メンバーが強かったので後ろからになると思っていました。まだ体が緩くて前半は行けないのですが今日は展開も向きましたね。上手くいきました

ベルウッドエオは、4コーナー通過は11番手ながら、上がり3ハロンでは2番目のタイムをマークする形で追い込んだ。

その流れを、吉田豊騎手は「展開が向いた」と表現したのだ。

 

勝ち馬はもちろん素晴らしいが

そういった点では、4角11番手通過から追い込んだ、優勝馬アサマノイタズラも「流れが向いた馬」という見方になるだろう。
(重賞勝ちの結果が素晴らしいことは大前提)

もちろん、アサマノイタズラの場合は、根本的な能力が高い。

春の段階で、重賞【スプリングS】で2着に好走しているのだから。

今回の、上がり最速の脚を繰り出しての勝利は、展開だけでは片付けられないことは言うまでもない。

それでも!

より「強さ」を感じたのは、終始中団より前でレースを運び、3角から4角にかけては、自らまくり気味に上位に進出するシーンも見られた

2着のソーヴァリアント(戸崎)

ということになるのではないか。

 

2着ソーヴァリアント⇒文句なしの大物候補

この夏に、1勝クラス&2勝クラスを連勝。

勢いそのままに、ここ【セントライト記念】へと出走してきた。

連勝中のレース内容は抜群だったから、ここでも好走する可能性は十分にあるとみていたが、レース内容を見る限り、その強さは私がイメージしていた以上かもしれない。

実はレース後、鞍上の戸崎騎手が次のように語っている。

「1、2コーナーでゴチャついてしまい、気が入ってハミを取ってしまいました。その後はリズム良く運べて、4コーナーをいい感じに回って来られて、押し切れるかと思ったのですが、最後は切れ味のある馬に負けてしまいました」

コメントの通り、決してスムーズなレースではなかった。

しかも展開も向かず。それでいてあの粘り!本当に強い。

また、確かに気が入ってしまっている部分はあったようだが、軽快なフットワーク自体は、1頭だけ年長馬が混じっているのではないかと思えるほどの質の高さを感じた。

本番の【菊花賞】は、皆が経験のない3000M戦。それだけに慎重にレースが進むだろうから、今回のようなタフな流れはないはず。

ならば、今度こそ自慢の好位抜け出しが炸裂するかも!

敢えて未来の主役にはしないが、菊花賞、そしてこの先が本当に楽しみな馬として注目していきたい!

 

5着ヴィクティファルス⇒戻ってきた迫力

では、ソーヴァリアント以外に2頭、この先に期待したい馬のご紹介。

ということで、5着だったヴィクティファルスから。

この馬の場合は、4角8番手通過だから、流れ自体は可もなく不可もなく。

追い出しの際にスムーズさを欠いた面がはかなりもったいなかったが(恐らくスムーズなら3着争いはあった)それ以上に強調したいのは

この馬自体の走りの迫力が蘇った

という部分なのだ。

蘇った!

ご存知の通り、3月の重賞【スプリングS】を快勝!(この時の2着がアサマノイタズラ)
4角9番手からの鮮やかな差し切りは、今も印象に残っている。

だが、鮮やかすぎたがゆえに、ましてやタフな重馬場だったから、ダメージも残ったのだろう。

その分、春のクラシックG1は苦しんだが、今回のレースで見せた迫力のある動きは【スプリングS】を思わせる(あるいはそれ以上)

今後のローテーションはわからないが、どこに出るにせよ、注意しておきたい!

 

10着ノースブリッジ⇒もったいなさすぎた

この馬の場合は、本当にもったいなかった。

直線で行き場がなく、殆どまともに追える場面がなかった。

もちろん、不利も含めて競馬の要素のひとつ。今回の結果としては、どうしようもないが「先」を考えるなら、着順だけで評価を下げてはいけない。

レース後、管理する奥村武調教師が

「ワールドリバイバルが行ってくれたので控える競馬をしました。最後まで余力があったしスペースがあったら弾けていた

と語っていたが、全くの同感だ。

そんな中でも、これまでは逃げてこそだった馬が、道中では多少若さを見せつつも、4~5番手あたりで我慢しながら、余力を残せていた。

完全に脚質も幅も広がったと見て良いだろう。

1800Mから2200Mで早くもう一度見てみたい!
「弾けていた」ことを結果で証明してほしい。

未来の主役に指名した上で、引き続き注目したい。

 

【セントライト記念 2021】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 アサマノイタズラ(田辺裕信騎手)
「能力の高さに驚かされました。調教に乗せてもらい、嶋田騎手とも色々話をして情報を集め、ここでどうやって権利を取るか、賞金を加算しようか考えていたので勝ち切ってくれるとはびっくりしました。スタートは良かったのですが、ポジション取りで行きたい馬が多く、そこに参加するにはこの馬がムキになると思い、マイペースを保ってリラックスさせてリズムを守りました。今の中山の馬場はとても良いので、前半のペースはとても速いとは思いませんでしたが、先行集団が団子状態になって消耗が激しかったです。ゴーサインを出してからすごく反応が良く、正直なところ余裕残しの状態だったので、良い形で本番に行けます。ずっと一線級と戦ってきた馬ですし、どこかで勝つチャンスがあると思っていましたが、もう一つ大きいところを狙って行きたいです」

(手塚貴久調教師)
「これまでは位置を取ろう取ろうとしていたのがリズムを崩した原因なのかもしれません。控える競馬で、これだったら距離が持ちますし、道中も不安がありません。良馬場でもやれるんだと思いましたし、びっくりしました。(勝つとは)想像もしていませんでした。良い誕生日プレゼントをもらうことができました」

2着 ソーヴァリアント(戸崎圭太騎手)
「1、2コーナーでゴチャついてしまい、気が入ってハミを取ってしまいました。その後はリズム良く運べて、4コーナーをいい感じに回って来られて、押し切れるかと思ったのですが、最後は切れ味のある馬に負けてしまいました」

3着 オーソクレース(C.ルメール騎手)
「休み明けでしたが、良い競馬をしてくれました。少し反応が遅れてしまったのは、9ヶ月ぶりの分だと思います。これから状態も上がってくると思いますし、その中で良いレースをしてくれました」

4着 カレンルシェルブル(横山和生騎手)
「良い内容でした。距離も持ちましたし操縦性も良くて、今日のこのメンバーで4着に来られるのですから大したものです。本当にこの先が楽しみです」

5着 ヴィクティファルス(池添謙一騎手)
「折り合いもつきましたし、内々でじっと我慢できました。少し追い出しを待たされましたが、(前が)開いてからはスッと反応してくれました。もう少し自由に運べていたら、(結果も)変わったと思います」

6着 ベルウッドエオ(吉田豊騎手)
「メンバーが強かったので後ろからになると思っていました。まだ体が緩くて前半は行けないのですが今日は展開も向きましたね。上手くいきました」

7着 ルペルカーリア(福永祐一騎手)
「途中で2番手まで押し上げてそこで馬は落ち着いてくれました。ここからというところでいつもの感じではありませんでした。いつもならあそこで踏ん張ってくれるのですが・・・」

13着 タイトルホルダー(横山武史騎手)
「マークされる立場で厳しい展開になってしまいました。直線も進路がありませんでした。上手く導いてあげられませんでした」

(via ラジオNIKKEI 

 

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