こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】小倉2歳ステークス 2018 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 6 | ファンタジスト | 牡2 | 54 | 武豊 | 1.08.9 | 03-02 | 35.4 | 3 | 5.2 | |
2 | 6 | 9 | アズマヘリテージ | 牝2 | 54 | 荻野極 | 1.09.2 | 1 3/4 | 09-07 | 35.3 | 13 | 114.5 |
3 | 5 | 8 | ミヤジシルフィード | 牡2 | 54 | 和田竜二 | 1.09.2 | クビ | 09-10 | 35.3 | 9 | 29.3 |
4 | 6 | 10 | アーデントリー | 牡2 | 54 | 太宰啓介 | 1.09.3 | クビ | 13-11 | 35.2 | 12 | 112.7 |
5 | 1 | 1 | チュウワフライヤー | 牝2 | 54 | 川又賢治 | 1.09.3 | クビ | 01-01 | 35.9 | 7 | 18.7 |
6 | 4 | 5 | シングルアップ | 牡2 | 54 | 松山弘平 | 1.09.3 | ハナ | 04-04 | 35.6 | 1 | 3.9 |
7 | 8 | 13 | タガノジェロディ | 牡2 | 54 | 鮫島克駿 | 1.09.4 | クビ | 12-11 | 35.4 | 10 | 51.9 |
8 | 3 | 3 | ルチアーナミノル | 牝2 | 54 | 浜中俊 | 1.09.6 | 1 | 04-05 | 35.9 | 2 | 4.9 |
9 | 7 | 12 | ブルベアオーロ | 牡2 | 54 | 幸英明 | 1.09.6 | クビ | 09-11 | 35.8 | 6 | 14.3 |
10 | 8 | 14 | ジャカランダシティ | 牡2 | 54 | アヴドゥ | 1.09.9 | 1 3/4 | 13-14 | 35.8 | 5 | 9.9 |
11 | 2 | 2 | エイシンノホシ | 牝2 | 54 | 酒井学 | 1.10.1 | 1 1/2 | 02-02 | 36.7 | 8 | 25.2 |
12 | 7 | 11 | タムロドリーム | 牝2 | 54 | 川須栄彦 | 1.10.4 | 1 1/2 | 04-07 | 36.7 | 11 | 65.6 |
13 | 5 | 7 | カシノティーダ | 牝2 | 54 | 高倉稜 | 1.11.2 | 5 | 04-05 | 37.5 | 14 | 179.0 |
14 | 3 | 4 | セプタリアン | 牡2 | 54 | 北村友一 | 1.11.3 | 3/4 | 04-07 | 37.7 | 4 | 5.3 |
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2歳重賞というのは「早熟な馬」が活躍できる舞台だ。それ故、好走しても、翌年になればサッパリという馬も数多く見てきた。
そんな中、小倉2歳ステークスというのは、比較的、後の活躍馬が多い出世レースだと思う。
かつてはG1馬【フェブラリーステークス】や勝ったメイショウボーラーや【スプリンターズステークス】を制したアストンマーチャン、また近年も【桜花賞】優勝&G1【マイルチャンピオンシップ】で牡馬の強豪を相手に4着に激走したレーヌミノルなど、枚挙に暇がない。
コース形態が重要
その理由はどこにあるのだろうと考えてみたが「ハイペースになりがちなコースである」という点にポイントがあると思う。
小倉芝コース、小高い丘のようになっている個所もあるのだが、実は芝1200Mだけは、前半は下り中心で、直線はフラット。つまり全く上ることなくゴールまでいける形状になっている。走りやすいコースだ。当然スピードが出やすく、実際に、1分6秒5のJRAレコードは、ここ小倉コースで出されたものだ。
走りやすいコースということは、前に行った馬達は簡単には止まらない。だから、皆が前に行こうとする。(結果、ハイペースになりやすく、時には前が総崩れのケースもあるが)
それはともかく、同じように2歳戦だって厳しい流れになる。好位での厳しいスピード比べを制して、勝利を掴むためには、単なる早熟ではダメ。走力、精神力、そして将来性などを含めた、総合的な意味での一級品にしか歓喜の瞬間は訪れない!だから【小倉2歳ステークス】勝ち馬の将来が明るいのは当然と言えるだろう。
そういえば、上で挙げた3頭は、いずれも前半から前々で勝負をした面々でもある。
勝ち馬の将来も明るい!
そして、今年のレースを制したのは、武豊騎乗のファンタジストだ。鞍上が、レース後に「完勝だった」というコメント残しているが同感。本当に強かった。
前半から好位2~3番手を追走していたが、無理にいった訳ではなく、スピードの違いで結果的に前に出てしまったあたりに、モノの違いを感じる。だから余裕たっぷり。3角あたりでこの馬の勝利を確信した人は多かったのではないだろうか。
前半から前にいきながら、上がり3ハロンの時計は、最速の馬から0.2秒しか遅くないのだから、直線でもしっかりと脚を伸ばしていたということ。小倉1200Mという舞台をいとも簡単に攻略したあたりに、まさに、かつてのG1馬達を思わせる「総合力」を感じずにはいられない。
鞍上は「距離が延びても大丈夫」と語っていた。とすると、目標とするところは、牡牝の違いこそあれど、一昨年の勝ち馬レーヌミノルのような、マイルG1でも戦える馬、ということになるだろう。レーヌミノルに近づける可能性は十分にあると思う。
前人未到の通算4000勝まであと5勝と迫った天才に、頼もしいパートナーの誕生だ!
次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!
今回の「未来の主役」としてご紹介するのは
14着のセプタリアン
実は今回、キングスポーツはセプタリアンに対して、大きな期待を抱いていた。勝利する可能性まで十分にあると。
だが、結果は皆さまもご存知の通り。ゲート内でテンションが上がりすぎてしまい外枠発走に。これでは成すすべがない。
もちろん、精神力も含めての競走馬。だから、今日の時点では私たちの見立てが甘かったことを認めざるをえない。
それを大前提の上で、やはり前走の未勝利戦でみせた、2着馬を3馬身半突き放した走りは、並の2歳馬に成し得る芸当ではない。精神面の成長を待って、是非、もう一度指名させてもらいたい。
【小倉2歳ステークス 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【みんなのKEIBA 次回9月9日(日) 】
小倉2歳ステークス・GⅢは3番人気⑥ファンタジストが勝利。
武豊騎手は前人未到のJRA通算4000勝達成まであと5勝となりました。
2着は13番人気の⑨アズマヘリテージ、3着は9番人気の⑧ミヤジシルフィード。3連単は62万7690円の払い戻し。 pic.twitter.com/gfOIOfcNLp— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) September 2, 2018
【小倉2歳ステークス 2018】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 ファンタジスト(武豊騎手)
「今日は完勝でした。スタートは出ないのではと思っていましたが、思ったより出てくれました。それと周りもあまり行かずスムーズに先行できました。初戦より馬も良くなっています。まだ2戦目ながらも強いレースを見せてくれました。距離は延びても大丈夫そうです」
2着 アズマヘリテージ(荻野極騎手)
「スタートは少し後ろからになりました。それでじっくり脚をためるレースに切りかえました。内でロスなく進めましたし、足場が悪い中、良い伸びを見せてくれました。2戦目でガラッと変わってくれて良かったです。センスを感じます」
3着 ミヤジシルフィード(和田竜二騎手)
「3コーナーの入りが悪すぎました。スタートが良いので、番手に行きたかったのですが、控える競馬でもよく来ていました。スローペースだったので、位置を取りに行っても良かったです。トビが大きいので距離はあってもいいと思います。馬は良くなっていました。収穫がありましたが、残念でした」
4着 アーデントリー(太宰啓介騎手)
「最初もたつくような形になりながら、道中は馬込みも気にするところはありませんでした。馬場の悪い中、いい走りを見せてくれました」
5着 チュウワフライヤー(川又賢治騎手)
「逃げるつもりはなかったのですが、他が牽制しあって逃げる形になりました。後ろから誰も来なかったので、楽でしたが、後ろでためる競馬をすれば良かったです」
6着 シングルアップ(松山弘平騎手)
「ゲートで待たされたので、少しで負けする形になりました。それでも押し上げてくれましたが、じりっぽいところがある馬なので、前々でスムーズな競馬が理想です。トビが大きいですし、広いコースのほうがレースをしやすいと思います」
7着 タガノジェロディ(鮫島克駿騎手)
「外枠だったので、内の馬が横並びになり、外を回る形になりました。1200mも上手く対応してくれました。距離が短い方が良さが出そうです。上手く乗れませんでした。申し訳ありません」
8着 ルチアーナミノル(浜中俊騎手)
「勝ち馬の後ろを行く形でしたが、脚がなくなってしまいました。これまで控える競馬をしていなかったので、戸惑いがありました。経験を積んでくれば、さらに良くなると思います」
10着 ジャカランダシティ(B・アヴドゥラ 騎手)
「終始外を回るしかありませんでした。枠の差で負けた感じです。道中は他にフラフラする馬がいて、後ろからになりました。子供っぽいところがあるので、差す競馬は苦しいです」
14着 セプタリアン(北村友一騎手)
「ずっと落ち着いていましたが、ゲートに入ってからテンションが上がってしまいました。その分、集中力を欠いてしまった形になりました」
(via ラジオNIKKEI )
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