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ホーム勝負の明暗フローラステークス 2022【回顧】上位2頭に対しての「今後への期待」

フローラステークス 2022【回顧】上位2頭に対しての「今後への期待」

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】フローラステークス 2022 における勝負の明暗

2022年 4月24日(日) 2回東京2日 天候 : 雨  馬場状態 : 良
【11R】 第57回サンケイスポーツ賞フローラS
3歳・オープン・G2(馬齢) (牝)(国際)(指定) 芝 2000m 15頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
2 2 エリカヴィータ 牝3 54 田辺裕信 2.00.4  04-04-04 34.0 5 13.6 442 +4 (美)国枝栄
2 3 パーソナルハイ 牝3 54 吉田豊 2.00.5  3/4  01-01-01 34.9 4 7.0 456 -2 (栗)矢作芳人
8 14 シンシアウィッシュ 牝3 54 M.デム 2.00.5 ハナ  02-02-02 34.5 9 33.1 428 -4 (栗)吉村圭司
4 6 マイシンフォニー 牝3 54 武豊 2.00.8 1 3/4  06-06-06 34.2 6 14.5 460 -4 (栗)松永幹夫
1 1 ルージュエヴァイユ 牝3 54 戸崎圭太 2.00.8 クビ  12-11-11 33.6 3 4.5 444 -6 (美)黒岩陽一
5 9 ラスール 牝3 54 ルメール 2.00.9  1/2  07-06-07 34.2 2 3.8 474 +2 (美)宮田敬介
6 10 ホウオウバニラ 牝3 54 横山和生 2.01.2 2  11-11-11 34.0 7 21.1 416 -10 (栗)安田翔伍
5 8 キタサンシュガー 牝3 54 大野拓弥 2.01.3  1/2  08-08-08 34.4 8 28.1 448 +2 (栗)清水久詞
8 15 ヴァンルーラー 牝3 54 藤岡佑介 2.01.3 ハナ  10-08-08 34.4 12 66.5 440 -4 *(栗)吉岡辰弥
10 3 4 ストキャスティーク 牝3 54 石川裕紀 2.01.4  1/2  15-14-13 33.9 11 58.0 446 0 (美)大竹正博
11 3 5 エバーハンティング 牝3 54 内田博幸 2.01.5  1/2  12-13-13 34.0 13 111.9 410 -2 (美)小島茂之
12 4 7 ゴールデンアワー 牝3 54 横山武史 2.01.6  1/2  08-08-08 34.6 10 44.2 490 +4 (美)加藤士津
13 7 12 モチベーション 牝3 54 永野猛蔵 2.01.6 クビ  03-03-02 35.5 15 319.7 430 +2 (美)清水英克
14 6 11 トゥーサン 牝3 54 津村明秀 2.01.7  3/4  14-15-13 34.2 14 183.4 436 -6 *(栗)吉岡辰弥
15 7 13 ルージュスティリア 牝3 54 福永祐一 2.01.8  05-05-04 35.3 1 3.3 464 -10 (栗)藤原英昭

 

オークスを見据えて

【フローラステークス】は、単なるオークストライアルではない。

「【オークス】での活躍につながるトライアル」

と表現するのが正しいように思う。

実際に、ここをステップに飛躍した馬は少なくない。

近年で言えば、一昨年の優勝馬ウインマリリンが、本番でも2着に激走している。

やはり、同じ東京で、ましてや2000Mという距離で好走するには、それ相応の能力が必要だということなのだろう。

ましてや、今年の3歳牝馬勢は【桜花賞】が終了した現時点でも尚

「序列が決まっていない」

と言われるほどの大混戦なのだ。

それだけに、今年の出走馬の中にも、明日のヒロイン候補がいるはずだ!

 

「物差し」になれる馬がいた

そんな【フローラS】に、レースを見る側の私たちにとっては大変ありがたい「物差し」とも言えるような存在が出走してくれた。

【桜花賞】6着馬のパーソナルハイだ。

一昨年はウインマリリンが優勝

上でも記した通り、今年の3歳牝馬世代は混戦であり、まだ序列は決まっていない。

とはいえ!さすがに実力がなければ【桜花賞】で上位に来られるはずがない。

掲示板に載ったような馬は、本番でも上位候補になるだろう。(実際に出走するかは定かではないが)

そして、掲示板の馬の次に位置するのが、6着だったパーソナルハイになる。

それだけに、そんなパーソナルハイに先着できる馬がいるとすれば、必然的にその馬も

「桜花賞の掲示板組と同格の、オークス上位候補」

ということになる。

そして、そんなパーソナルハイに唯一先着したのが、優勝した5番人気の伏兵エリカヴィータだ!

 

見事な立て直し!さすがは名門

ということで、重賞初勝利おめでとう!

エリカヴィータといえば、新馬戦の素晴らしい勝ちっぷりから前走【フェアリーS】では2番人気に推されるも、10着に敗戦。

新馬勝ちの時点から高評価だったエリカヴィータ

スタートと4角で不利があったため、力を出しきれていないことは明白だった。

一方で、経験の浅い3歳馬が不利を受けると、競馬に対してのやる気を失ったり、臆病になったりすることもあると言われる。

素材は確かでも、精神的な部分だけがどうかと思っていたが、、、

さすがは、アーモンドアイなど、数々の名牝を管理してきた国枝厩舎。

ゲート練習を重ねたという効果なのかスタートはスムーズだったし、また少々窮屈になる場面もあったが、怯むことはなかった。

好素材が落ち着いて力を出したのだから、好走は当然なのかもしれない。

 

もちろん、オークスでも!

ちなみに、レース前の段階で、国枝調教師からは次のような話も出ていた。

前走は全くの参考外。メンバーは強くなるが、クラシックを狙うのだからレベルが高いのは当たり前。馬の雰囲気はいいよ。好レースができそうだね。もう勝ったようなもんだよ!

はっきり言って絶賛だ。

もちろん、サービス精神のある方だから、多少は盛り上げる意図もあってのことだろうが、それでも「勝ったようなもの」とは、それ相応の手応えがなければ出せない発言だろう。

そんな国枝師、レース後にはこう語っていた。

本番に向けて楽しみです。(2400mも)大丈夫だと思います。レースの後も雰囲気が良いです

一度、有言実行を果たした国枝厩舎だ。

もう一度、信じてみるのも一つの手かもしれない。

間違いなく、本番の主役候補の一頭として、引き続き注目してみようと思う!もちろん未来の主役!

 

こちらも距離延びてもOK

エリカヴィータには敗れたが、2着でゴールしたのが、前半でも名前を挙げたパーソナルハイ。

吉田豊騎手×矢作厩舎×逃げ馬

ということで、誰もが「世界のパンサラッサ」を思い浮かべたと思うが。笑

本当に、偉大な厩舎の先輩に勝るとも劣らない先行力とラストの粘りだった。

これでオークスへの出走権を獲得したが、、、

一方で「【桜花賞】からの中1週での参戦&中3週で【オークス】というローテーションはタイトすぎるのでは?本番で力を出せるの?」と心配する声もあるだろう。

だが、結論から言えば「もちろんタイトだが大丈夫」ということになるだろう。

そう言い切れる理由は「矢作調教師のコメント」にある。

 

あくまでも目標は「オークス」

矢作師はレース後、次のような話をしている。

「良い競馬をしてくれました。勝ったと思いましたが、(勝った馬が)強かったですね。メンバーと枠順で(ハナに)行こうと決めていました。元々出したかったのはオークスですし、本番までは中3週とれるのでここにしました。ここで権利を取れたのは良かったです」

「中3週とれる」というコメントの背景には「そこがギリギリ」という思いも込められていると思う。

はたから見ていても、まだ馬体もお完成していない3歳牝馬には、過酷なローテーションにも感じられる。

しかし

「それでもオークスに挑ませたい」

と、世界の矢作師に思わせるだけの素材、やはり並大抵ではないだろう。

もちろん、ここから仕上げ次第にはなってくるだろうが、エリカヴィータ同様、本番でも決して侮れない存在になると思う。皆様もぜひ、意識しておいてほしい!

 

レースを見逃した方はコチラ

 

【フローラステークス 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 エリカヴィータ(田辺裕信騎手)
「マイルをずっと使っていたので、普通にゲートを出られればポジションを取れるかなと思っていました。開幕週ですし、何もなければ好位を取りたいなと思っていました。調教師と打ち合わせをして、イメージ通りのポジションをキープできました。
前走は不利もありましたが、まだ弱いところもありました。精神的に気が立っていて、スタートの出遅れがあっての敗戦でした。その後はゲート練習をするなど、今日に向けて準備をしました。
きれいな走りをするので雨は気になりましたが、芝のコンディションが良いのはプラスだと思っていました。トライアルなので、勝てても権利を取れても良いので、積極的に行きました。マイルよりも距離があった方が良いパフォーマンスを出せます。1コーナーの入りや直線で狭いところがありましたが、ガッツのある走りで抜け出してくれました。更に強くなると思います」

(国枝栄調教師)
「内枠を引きましたし、前が止まらない馬場なので、ある程度のところにつけて、外に出してくれればと思っていました。スタートは良かったのですが、直線で外に出せなくて内に押し込められてしまった中勝てたのは、競馬で一番重要なものを持っていると思います。本番に向けて楽しみです。(2400mも)大丈夫だと思います。レースの後も雰囲気が良いです」

2着 パーソナルハイ(吉田豊騎手)
「枠順も良かったので、上手くゲートを出てハナに行けるようなら行ってみようと調教師と話していました。向正面でシンシアウィッシュが来ましたが、ペースを遅くする気はなく、後ろで牽制してくれればと思っていました。直線も後続を待たずにスパートして、自分の競馬はできたと思います。もうひと踏ん張りでした。中1週でよく走っています。馬に頭が下がる思いです」

(矢作芳人調教師)
「良い競馬をしてくれました。勝ったと思いましたが、(勝った馬が)強かったですね。メンバーと枠順で(ハナに)行こうと決めていました。元々出したかったのはオークスですし、本番までは中3週とれるのでここにしました。ここで権利を取れたのは良かったです」

3着 シンシアウィッシュ(M.デムーロ騎手)
「返し馬では落ち着いていたのですが、外枠でスタートから一気にハミを噛んでびっくりしました。すぐに折り合いはついたものの、逃げ馬を捕まえるのに脚を使ってしまい、その分届きませんでした。残念です」

4着 マイシンフォニー(武豊騎手)
「ポジションを取りにいったら、少し引っ掛かってしまいました。途中から我慢できました。勝ち馬の内から抜けそうなところはあったのですが、掛かったことが響いたかもしれません。力はあります」

5着 ルージュエヴァイユ(戸崎圭太騎手)
「テンションは変わらずに来ていました。ポジションは取れましたが、馬場の影響があるのか、前が残る競馬になりましたね。それでも1頭だけ追い込んできましたし、届きませんでしたが力のあるところを見せてくれました」

6着 ラスール(C.ルメール騎手)
「道中我慢してくれた分、直線は少し伸びてきましたが、坂を上がってから疲れてしまいました。この距離は長いかもしれません」

7着 ホウオウバニラ(横山和生騎手)
「調教師とも話をして、前回のレースで感じたイメージを踏まえ、今日は出たなりでリズムを大事にして乗りました。7着でしたが、最後の直線の動きは前回よりも良かったですし、この先に繋がる内容だったと思います」

8着 キタサンシュガー(大野拓弥騎手)
「気持ちが入りすぎてしまって、息が入るところがなかったです。気持ちのコントロールが利けば走れると思います」

14着 トゥーサン(津村明秀騎手)
「馬はよく頑張りました。路線を変えてダートのレースを使ってもいいかもしれません」

15着 ルージュスティリア(福永祐一騎手)
「理想的なポジションで競馬はできましたが、脚が溜まり切らなかったです。距離を含め、伸び切れなかった感じです。もう一度やり直しです」

(via ラジオNIKKEI

 

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