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中山牝馬ステークス 2019【回顧】レースには「流れ」があるんだ

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】中山牝馬ステークス 2019 における勝負の明暗

馬 名 性齢 斤量 騎手 着差 通過順位 上3F 調教師
5 7 フロンテアクイーン 牝6 54 三浦皇成   08-08-06-05 35.0 5 (美)国枝栄
6 9 ウラヌスチャーム 牝4 53 ミナリク ハナ 13-13-13-08 34.6 3 (美)斎藤誠
3 4 アッフィラート 牝6 51 武藤雅 クビ 10-10-06-08 35.0 11 (栗)藤原英昭
6 10 デンコウアンジュ 牝6 54 蛯名正義  3/4 12-12-10-12 34.8 12 (栗)荒川義之
7 11 フローレスマジック 牝5 53 石橋脩 ハナ 05-07-03-02 35.3 7 (美)木村哲也
4 5 クロコスミア 牝6 55 岩田康誠 05-06-09-08 35.0 8 (栗)西浦勝一
2 2 ノームコア 牝4 55 田辺裕信 クビ 10-10-10-12 34.9 1 (美)萩原清
5 8 レイホーロマンス 牝6 51 内田博幸 ハナ 14-14-14-12 34.6 13 (栗)橋田満
7 12 ウインファビラス 牝6 52 松岡正海  1/2 05-04-06-05 35.3 14 (美)畠山吉宏
10 1 1 アドマイヤリード 牝6 56 横山典弘  1/2 09-08-10-08 35.2 4 (栗)須貝尚介
11 8 14 ワンブレスアウェイ 牝6 54 津村明秀 4 02-04-02-02 36.5 9 (美)古賀慎明
12 3 3 カワキタエンカ 牝5 54 池添謙一 1 1/2 01-01-01-01 36.8 10 (栗)浜田多実
13 4 6 ランドネ 牝4 53 戸崎圭太 クビ 02-02-03-05 36.5 6 (栗)角居勝彦
14 8 13 ミッキーチャーム 牝4 55 川田将雅 1 02-02-03-02 36.8 2 (栗)中内田充

 

実はレース前の段階で公開していた「中山牝馬ステークス 2019【予想】ミッキーチャームのスピードは通用するのか?」において

先行馬にとっては厳しいレースになる

と書かせていただいた。

 

何故、そう考えたのか?

理由について、事前のコラムに記した該当部分を転載しておきたい。

逃げ馬が、勝てるレースではない

まず、ご覧いただきたいのが、以下の「中山牝馬Sの直近5年のデータ」

注目すべきは、各馬の通過順、つまり「脚質」だ。

 

中山牝馬S 直近5年の上位入線馬 注目は「通過順」

日付 馬名S 性齢 騎手 斤量 人気 単勝オッズ 着順 通過順
180310 カワキタエンカ 牝4 池添謙一 53 6 8.2  01-01-01
180310 フロンテアクイーン 牝5 北村宏司 54 2 5.5  03-03-03
180310 レイホーロマンス 牝5 岩崎翼 52 9 18.8  13-13-11
170312 トーセンビクトリー 牝5 武豊 53 5 12.5  03-03-04
170312 マジックタイム 牝6 ルメール 56 1 2.9  11-11-09
170312 クインズミラーグロ 牝5 蛯名正義 52 7 14.4  05-05-06
160313 シュンドルボン 牝5 吉田豊 54 4 8.3  10-07-05
160313 ルージュバック 牝4 戸崎圭太 56 1 2.0  07-05-05
160313 メイショウスザンナ 牝7 大野拓弥 55 15 120.0  12-11-13
150315 バウンスシャッセ 牝4 田辺裕信 54 3 5.2  11-10-08
150315 アイスフォーリス 牝6 三浦皇成 54 4 5.9  09-09-08
150315 パワースポット 牝7 大野拓弥 53 5 7.1  14-14-14
140316 フーラブライド 牝5 酒井学 53 1 4.5  10-10-07
140316 ケイアイエレガント 牝5 吉田豊 53 10 26.4  02-02-01
140316 キャトルフィーユ 牝5 後藤浩輝 52 4 8.0  05-04-05

 

ミッキーチャームのように、明らかに「逃げ(あるいはそれに近い位置)」でレースを進めていたのは、昨年の勝ち馬カワキタエンカと、2014年の2着馬ケイアイエレガントのわずか2頭。

しかも、両馬の単勝人気が「6番人気」「10番人気」だった。つまり!

「人気薄のノーマークだったから逃げられた」

という可能性を見逃す訳にはいかない。

 

では、どうして【中山牝馬ステークス】は逃げ切れないのか?

 

逃げ切れない理由を解説

その理由は

中山芝1800Mが逃げ切りやすいコースだから

「逃げ切りやすいコースなのに、逃げ切れないって、なに訳のわからないことを言ってるんだ!?」とお叱りをうけそうだが。笑

とりあえず、最後まで解説させてほしい。

 

中山芝1800Mは逃げ馬、あるいは先行には有利なコースとされている。

それは以下のデータ「中山コースのみの芝1800Mの脚質別成績」と「JRA全コースの芝1800Mにおける脚質別成績」の「逃げ馬の勝率等の比較」からも一目瞭然(いずれも2016年からの約3年)

中山 芝1800Mの脚質別成績(2016年以降)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率
平地・逃げ 15- 16- 16- 73/ 120 12.5% 25.8% 39.2%
平地・先行 62- 55- 40- 251/ 408 15.2% 28.7% 38.5%
平地・中団 33- 34- 43- 421/ 531 6.2% 12.6% 20.7%
平地・後方 2- 7- 13- 434/ 456 0.4% 2.0% 4.8%
平地・マクリ 3- 3- 4- 14/ 24 12.5% 25.0% 41.7%

 

JRA全会場 芝1800Mの脚質別成績(2016年以降)

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率
平地・逃げ 123- 97- 111- 712/ 1043 11.8% 21.1% 31.7%
平地・先行 430- 419- 360- 2259/ 3468 12.4% 24.5% 34.9%
平地・中団 334- 357- 365- 3661/ 4717 7.1% 14.6% 22.4%
平地・後方 91- 107- 145- 3503/ 3846 2.4% 5.1% 8.9%
平地・マクリ 18- 16- 16- 79/ 129 14.0% 26.4% 38.8%

 

逃げやすいコース。

だが、重要なのは

「それはジョッキーも知っている事実」

だということ。

 

条件戦なら、無理はさせないけど

逃げ馬が有利だとわかっていても、それが条件戦だったら騎手は無理しない。
「条件戦に出ている馬=これからの馬」に、脚質を崩してまで無理はさせない。

だが、重賞はそうではない!
勝つか負けるか、天と地ほどの差がある舞台なのだ!

そんなレースでは、鞍上も黙ってはいない。もしもあなたがジョッキーなら

「逃げ馬が有利なら、早めに潰しにいくしかない」

と考えるだろう。それは、プロの騎手たちも同じ。

だから【中山牝馬ステークス】では、逃げ馬が目標にされ(ノーマークの伏兵は除く)好走がかなわないのだ。

 

そして!

結果は案の定!

昨年の勝ち馬カワキタエンカや、昨年の【秋華賞】2着馬ミッキーチャームといった前半から前にいった面々は、軒並み崩れた。

 

ひとつ前のレースにヒントがあった

実は、ひとつ前の中山10レース【サンシャインS】(準オープン)にもヒントがあったように思う。

距離こそ2500Mだったが、同じように川田騎手の上位人気馬・バリンジェネシスが前半から逃げる展開。結局、後続の面々は積極的に潰しにいくこともなく、川田騎手の馬は逃げ切りを決めた。

「随分楽にいかせるんだな」と思ったのと同時に

ジョッキーたちは、条件戦だから無理をしなかったか、あるいは、川田騎手を油断させるために無理しなかったか

という考えも頭に浮かんだ。

 

もちろんジョッキーたちの真意はわからないが、続く【中山牝馬ステークス】において、ミッキーチャーム&川田騎手が簡単に潰れたシーンを見れば、あながち間違ってはいないだろう。

 

レースは単体で考えるものではない。

流れがあるんだ!

改めて勉強になった。

 

いずれにしても、勝ち馬は強かった

もっとも、展開云々の話を別にしても、勝ったフロンテアクイーンは強かった。

メイショウサムソン産駒らしいパワーが、ややタフなこの日の中山の芝に向いた面もあったのだろうが、それにしてもよく伸びた。

昨年のこのレースの2着馬だが、6歳という高齢の域に入りながら、更に力を伸ばしている印象さえ受ける。

今後のローテーションはわからないが、怪我さえなければ、秋には【エリザベス女王杯】あたりでワンチャンスあるかもしれない。(昨年は7着)

ここで700勝を達成するなど、最近好調の三浦と共に追いかけていきたい。

 

今回こそ敗退するも未来で期待が持てる穴馬は必ず埋もれている!!近い将来に高確率で爆走するだろう穴馬をお知らせしています。

次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!

今回の「未来の主役」としてご紹介するのは

2着のウラヌスチャーム

今後、大仕事を達成する場面も訪れるのではないか?それくらい、直線での伸び脚にはインパクトがあった。

優勝したフロンテアクイーンとは同タイムのハナ差。上がり3ハロンではコチラが最速タイムだから、もう一列前に位置取りができれば、結果はどうだったか。

フロンテアクイーンよりも1キロハンデが軽かったとはいえ、経験の浅い4歳馬がこれだけの走りをしたとなれば、今後に期待せずにはいられない。

イメージ的には、ルーラーシップに多い、タフな馬場向きの印象だけに、阪神コースや中京コースでの戦いなら、より一層期待が持てるだろう。

 

【中山牝馬ステークス 2019】のレース後の関係者のコメント

~レース後のコメント~
1着 フロンテアクイーン(三浦皇成騎手)
「区切りの700勝が近づいていたので朝からずっと勝ちたい気持ちでした。ペースが速いのは想定内でした。うまく走ってくれて追い出しを我慢することができました。その我慢が勝ちにつながったのだと思います。牝馬の上位の馬とはそれほど大きな力の差はないと思います。GIでもいいレースができる馬だと思います」

2着 ウラヌスチャーム(F.ミナリク騎手)
「この距離とクラスで流れについていけるのかということは頭にありました。陣営からは『終いは脚を使えるので、自信を持ってほしい』と言われていました。ペースが速くなって終いの脚は見せられました。結果以外は完璧でした。いい内容の2着だったと思います」

3着 アッフィラート(武藤雅騎手)
「調教師からは『先行する4頭の後ろで行ってほしい』と言われていましたが、ゲートを出てハミが抜けてしまいました。そこからは切り替えてレースを進めました。外が伸びるレースになったので、結果としては良かったのかなと思います。51kgの斤量もあって終いは伸びてくれました」

5着 フローレスマジック(石橋脩騎手)
「チークピーシーズは返し馬に行ってダメなら外そうという話をしていました。いい雰囲気でゲートも何とか出てくれました。思った位置を取れました。我が強い性格で動き出しが遅れてきているのをチークピーシーズで補っていました。今日は3コーナーから出していけて、タイミングとしては少し早かったかもしれませんが、いい雰囲気で走ってくれました。体の使い方が上手です」

7着 ノームコア(田辺裕信騎手)
「動くに動けない感じでした。もう少し前で運びたかったです」

14着 ミッキーチャーム(川田将雅騎手)
「性格が難しい馬です。輸送が大きく影響したのかなと思います」

(via ラジオNIKKEI 

 

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