こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
中山記念 2024 の回顧&未来の主役
2024年 2月25日(日) 2回中山2日 天候 : 小雨 馬場状態 : 稍重
【11R】 第98回中山記念
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1800m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 8 | マテンロウスカイ | セ5 | 57 | 横山典弘 | 1.48.1 | 03-03-03-02 | 37.2 | 7 | (栗)松永幹夫 | |
2 | 4 | 7 | ドーブネ | 牡5 | 57 | 吉田隼人 | 1.48.4 | 2 | 01-01-01-01 | 37.9 | 10 | (栗)武幸四郎 |
3 | 2 | 4 | ジオグリフ | 牡5 | 58 | 戸崎圭太 | 1.48.5 | クビ | 04-05-06-04 | 37.3 | 4 | (美)木村哲也 |
4 | 2 | 3 | ソールオリエンス | 牡4 | 58 | 田辺裕信 | 1.48.6 | 1/2 | 11-12-13-12 | 36.4 | 1 | (美)手塚貴久 |
5 | 7 | 13 | マイネルクリソーラ | 牡5 | 57 | 津村明秀 | 1.48.8 | 1 1/2 | 14-14-13-14 | 36.6 | 13 | (美)中野栄治 |
6 | 6 | 11 | タイムトゥヘヴン | 牡6 | 57 | 大野拓弥 | 1.48.9 | 1/2 | 14-14-13-12 | 36.7 | 15 | (美)戸田博文 |
7 | 5 | 9 | エルトンバローズ | 牡4 | 57 | 西村淳也 | 1.49.0 | クビ | 06-05-04-04 | 38.0 | 2 | (栗)杉山晴紀 |
8 | 8 | 16 | ホウオウリアリティ | 牡6 | 57 | 菅原明良 | 1.49.2 | 1 1/4 | 10-10-11-09 | 37.3 | 16 | (美)高木登 |
9 | 5 | 10 | ラーグルフ | 牡5 | 57 | 三浦皇成 | 1.49.3 | 1/2 | 11-12-11-09 | 37.4 | 12 | (美)宗像義忠 |
10 | 6 | 12 | ボーンディスウェイ | 牡5 | 57 | 木幡巧也 | 1.49.4 | 1 | 08-07-06-06 | 38.2 | 11 | (美)牧光二 |
11 | 3 | 5 | ヒシイグアス | 牡8 | 58 | キング | 1.49.4 | ハナ | 06-07-08-09 | 37.9 | 3 | (美)堀宣行 |
12 | 1 | 2 | ソーヴァリアント | 牡6 | 57 | 武豊 | 1.49.4 | 頭 | 11-10-09-06 | 37.8 | 5 | (美)大竹正博 |
13 | 7 | 14 | エエヤン | 牡4 | 57 | M.デム | 1.49.5 | クビ | 02-02-02-02 | 38.8 | 9 | (美)伊藤大士 |
14 | 8 | 15 | テーオーシリウス | 牡6 | 57 | 永野猛蔵 | 1.50.2 | 4 | 04-03-04-06 | 39.2 | 14 | (栗)奥村豊 |
15 | 1 | 1 | レッドモンレーヴ | 牡5 | 58 | 横山和生 | 1.50.9 | 4 | 16-16-16-16 | 37.2 | 8 | (美)蛯名正義 |
16 | 3 | 6 | イルーシヴパンサー | 牡6 | 57 | 岩田望来 | 1.54.0 | 大差 | 08-09-09-14 | 42.3 | 6 | (美)久保田貴 |
風邪をひかないように
せっかくの、春の中山&阪神開幕週だったが、両会場共に、悪天候の影響により、道悪でのレースとなった。
現地は相当寒かったようだ。足を運ばれた皆様、今夜は温かくして、くれぐれも風邪をひかぬようにお気をつけいただきたい。
さて、そんな両会場のメーンで行われた【中山記念】と【阪急杯】だが、やはり馬場がレースに及ぼした影響は大きかったように思う。
ただ、それぞれ「及ぼし方の違い」はあった。
まず、ここでは【中山記念】を解説し、後ほど【阪急杯】のお話をさせてもらう。
最後までお付き合いをいただけると幸いだ。
適性の違いが出やすい道悪
さて、本来、この時期の中山は、悪天候が少ない。
【中山記念】は、昨年まで8年連続で良馬場で行われていたのだ。
それに対して今年は稍重だったこともあり、勝ち時計の1分48秒1は、当然、前の8年よりも遅い。
ただし!9年前&10年前が、今回と同じ「稍重発表」でのレースだった。
では、その時の走破時計はどうだったか?
そう、今回と比べると、大幅に時計がかかっていた。
つまり今回の馬場は、変な言い方になるかもしれないが「比較的、コンディションが悪くない道悪」だったことがわかる。
そして、経験上、こういった馬場の時に「適性の差が出やすい」
こんな週もある
競馬ファンのイメージは「極悪馬場になるほど、適性の差が出やすい」かもしれない。
だが、長年予想家として活動する中で感じるのは、コンディションの悪い重馬場、さらにそれ以上の不良馬場になってくると、適性うんぬんを超えて、どの馬にとってもタフで、辛い。
その結果、底力が問われるレースになるケースが多い。
後述する【阪急杯】は、まさにそんなレースだったと考えている。
対してこちらは、先ほど示した走破時計からもわかる通り、それほど悪くない稍重。
序盤から前につけた馬は、単にスピードがあるというよりも、馬場を味方にするかのように、スイスイ前に足が進んでいた。
当然、この馬場にしては、前半1000M通過が58秒台だから速いのだが、余計なスタミナロスもないから、最後まで脚が残る。
マテンロウスカイにせよ、ドーブネにせよ、重賞で勝利&好走したという事実に関しては、一切文句のつけようがないし、本当に素晴らしいことだと思う。
ただ、あくまでも私見にはなるが、今回の結果が先に繋がるものだと考えるのは、はたしてどうかなと感じる。
それを踏まえて、未来の主役
むしろ、未来の主役のとして期待したいのは、人気を裏切った形にはなるが、4着のソールオリエンス。
恐らく、馬券を買っていた人からすればこの結果は悔しいだろうし「行きっぷりが悪い」「反応が遅い」という見方になるかもしれない。
ただ、重馬場の【皐月賞】を勝っている分「道悪の鬼」のようなイメージもあるが、道中の動きなどを見る限り、特別に重巧者という感じは受けない。(皐月賞は世代限定戦でもあるし、底力でカバーした部分も大きいのだろう)
その割には、上がり最速をマークしていたように、しっかりと脚を使っていたと思う。
改めて「力があるな」と。
とはいえ、やはり1800Mはこの馬には短いかもしれない。
それと、息の長い脚を使うタイプではないから、やはり直線は短い方が良い。
そう考えると、狙いは大阪杯か宝塚記念か。特に前に粘りにくい【宝塚記念】は、この馬にはチャンスだと思うのだが、どうだろう?
ぜひ、ご注目いただきたい!
阪急杯 2024 の回顧&未来の主役
2024年 2月25日(日) 1回阪神2日 天候 : 小雨 馬場状態 : 重
【11R】 第68回阪急杯
4歳以上・オープン・G3(別定) (国際)(指定) 芝・内 1400m 18頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | B1 | 1 | ウインマーベル | 牡5 | 58 | 松山弘平 | 1.21.2 | 04-04 | 35.6 | 1 | (美)深山雅史 | |
2 | 8 | 16 | アサカラキング | 牡4 | 57 | 斎藤新 | 1.21.2 | ハナ | 01-01 | 35.9 | 3 | (美)斎藤誠 |
3 | 1 | 2 | サンライズロナウド | 牡5 | 57 | 古川吉洋 | 1.21.3 | クビ | 10-08 | 35.4 | 9 | (栗)安田隆行 |
4 | 5 | 9 | サトノレーヴ | 牡5 | 57 | 小崎綾也 | 1.21.6 | 2 | 02-03 | 36.1 | 4 | (美)堀宣行 |
5 | 6 | 11 | ボルザコフスキー | 牡5 | 57 | ムルザバ | 1.22.0 | 2 1/2 | 14-12 | 35.9 | 7 | (栗)清水久詞 |
6 | 2 | 4 | ルプリュフォール | セ8 | 57 | 岩田康誠 | 1.22.1 | 1/2 | 18-18 | 35.5 | 10 | (栗)松永幹夫 |
7 | B6 | 12 | ホープフルサイン | 牡8 | 57 | 原優介 | 1.22.2 | クビ | 15-15 | 36.0 | 15 | (美)本間忍 |
8 | 4 | 8 | カルロヴェローチェ | 牡4 | 57 | 酒井学 | 1.22.5 | 2 | 10-12 | 36.5 | 6 | *(栗)須貝尚介 |
9 | 7 | 15 | ダノンティンパニー | 牡6 | 57 | ルメート | 1.22.6 | 3/4 | 10-10 | 36.6 | 2 | (栗)中内田充 |
10 | 4 | 7 | スマートクラージュ | 牡7 | 57 | 池添謙一 | 1.22.6 | ハナ | 04-05 | 36.9 | 5 | (栗)池江泰寿 |
11 | 5 | 10 | デュガ | 牡5 | 57 | 松若風馬 | 1.22.7 | クビ | 17-16 | 36.3 | 16 | (栗)森秀行 |
12 | B7 | 13 | ワールドウインズ | セ7 | 57 | 角田大河 | 1.22.8 | 1/2 | 15-16 | 36.5 | 14 | (栗)笹田和秀 |
13 | 3 | 5 | メイショウチタン | 牡7 | 57 | 藤岡康太 | 1.22.9 | 3/4 | 02-02 | 37.5 | 12 | (栗)本田優 |
14 | 2 | 3 | サトノアイ | 牝6 | 55 | 田口貫太 | 1.23.0 | 1/2 | 10-10 | 37.1 | 17 | *(栗)須貝尚介 |
15 | 3 | 6 | タマモブラックタイ | 牡4 | 57 | 角田大和 | 1.23.4 | 2 1/2 | 08-05 | 37.6 | 8 | (栗)角田晃一 |
16 | 7 | 14 | エンペザー | 牡5 | 57 | 高倉稜 | 1.23.5 | 1/2 | 04-05 | 37.8 | 13 | (栗)田中克典 |
17 | 8 | 18 | メイショウホシアイ | 牝6 | 55 | 泉谷楓真 | 1.24.2 | 4 | 04-08 | 38.4 | 11 | (栗)高橋亮 |
18 | B8 | 17 | カリボール | 牡8 | 57 | 和田竜二 | 1.24.4 | 1 1/2 | 08-12 | 38.4 | 18 | (栗)西村真幸 |
発表以上にタフだったかも
さて、先ほどの中山記念の回顧の際、こんなことを記した。
競馬ファンのイメージは「極悪馬場になるほど、適性の差が出やすい」かもしれない。
だが、長年予想家として活動する中で感じるのは、コンディションの悪い重馬場、さらにそれ以上の不良馬場になってくると、適性うんぬんを超えて、どの馬にとってもタフで、辛い。
その結果、底力が問われるレースになるケースが多い。
後述する【阪急杯】は、まさにそんなレースだったと考えている。
【阪急杯】は、発表こそ「重」だったが、もちろん推測の部分にはなるが、実際のところはそれ以上だったのではないか。
実際、これまでの道悪のレースでは軽快な動きを見せていた面々の多くが、今回は「重く」感じられた。
そうなると、浮上してくるのは、必然的に底力上位の面々ということになる!
ウインマーベルは強くなっている
例えば優勝し、重賞2連勝を達成したウインマーベル。
この馬は、タフな良馬場を非常に得意としている。
対して、過去の道悪でのレース、例えば昨年夏の【キーンランドカップ】での苦戦(出遅れ&休み明けの分もあったが、16着に敗戦)などを振り返ると、決して道悪巧者ではない。
(実際に、松山騎手も、今回のレース後のインタビューで道悪が得意ではないという旨の話をしている)
だから、恐らく今回、もう少し雨が少なければ、違う結果になっていたような気もする。
だが、底力勝負となれば、例えメンバー中で唯一58キロを背負っていたとはいえ、この馬にかなう存在は見当たらない。
結果的には2着馬とはハナ差だった。
それでも、ここにきて力を伸ばし、気持ちよく進んでいたアサカラキングをキッチリととらえたあたり、やはり強い。
いや、鞍上に追われてからの反応の速さなどは、これまでとは一線を画するものだったし、ここにきてさらに力を伸ばしているという見方が正解かもしれない。
恐らく、本質的には1200Mよりも1400Mの馬だと思うので、【高松宮記念】を考えた時は、距離的にどうかという部分もあるが、それでも、まず上位争いに絡むだろう。楽しみだ!
もう一頭、魅力的な馬
そんなウインマーベルに近い評価をしたいのが、9番人気ながら3着に入ったサンライズロナウド。
失礼ながら、鞍上が、乗り替わり&初コンビとなる古川騎手だったこともあったのか評価が上がっていなかったが、実は、先月の重賞【シルクロードステークス】でも4着に好走するなど、勢いに乗っての参戦だった。
さて、サンライズロナウドの場合、若い頃から非常に競馬センスが高かった。
スピードを活かして前にいってもよいし、後方から差すこともできる。
例えば、未勝利戦を勝った際は 逃げ切りを決めたが、3勝クラスを勝ったレースでは、4角11番手から、上がり最速の脚で差し切りを決めている。
そんな馬だから、鞍上の交代など、何の問題もなかったわけだ。
また、5歳馬とはいえ、芝路線に転向してからは、今回がまだ10戦目。レースをこなす中で、確実に成長を続けてきた走力と、自慢の競馬センスがうまく噛み合った結果が、今回の好走だったのだ。
段階を踏んで強くなってきた馬だけに「骨太感」があるし、この先、もっと強い相手と戦うことがあっても、活躍が期待できるのではないだろうか。
唯一、デビュー以来、一度も「上がり3ハロンで33秒台をマークしたことがない」ので、その部分だけは成長に期待しつつ、未来の主役に指名したい。
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