こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】新潟2歳ステークス 2019 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 6 | ウーマンズハート | 牝2 | 54 | 藤岡康太 | 1.35.0 | 07-07 | 32.8 | 1 | (栗)西浦勝一 | |
2 | 7 | 13 | ペールエール | 牡2 | 54 | M.デム | 1.35.1 | 1/2 | 05-04 | 33.1 | 3 | (栗)安田隆行 |
3 | 4 | 7 | ビッククインバイオ | 牝2 | 54 | 大野拓弥 | 1.35.4 | 1 3/4 | 02-02 | 33.9 | 8 | *(美)牧光二 |
4 | 1 | 2 | クリアサウンド | 牝2 | 54 | 松山弘平 | 1.35.6 | 1 1/4 | 04-04 | 33.6 | 7 | (栗)杉山晴紀 |
5 | 1 | 1 | エレナアヴァンティ | 牝2 | 54 | 内田博幸 | 1.36.2 | 3 1/2 | 01-01 | 34.8 | 5 | (美)宗像義忠 |
6 | 8 | 15 | シコウ | 牡2 | 54 | 木幡巧也 | 1.36.2 | ハナ | 07-09 | 33.9 | 12 | *(美)牧光二 |
7 | 6 | 12 | ウインカーネリアン | 牡2 | 54 | 松岡正海 | 1.36.4 | 1 1/2 | 11-10 | 33.9 | 6 | *(美)鹿戸雄一 |
8 | 6 | 11 | モーベット | 牝2 | 54 | 福永祐一 | 1.36.4 | クビ | 11-15 | 33.6 | 2 | (美)藤沢和雄 |
9 | 4 | 8 | トロワマルス | 牝2 | 54 | 木幡初也 | 1.36.4 | ハナ | 03-03 | 34.7 | 13 | (美)杉浦宏昭 |
10 | 8 | 16 | サナチャン | 牝2 | 54 | 武士沢友 | 1.36.4 | ハナ | 11-10 | 34.0 | 11 | (美)武藤善則 |
11 | 3 | 5 | トライフォーリアル | 牡2 | 54 | 丸山元気 | 1.36.5 | クビ | 11-10 | 34.1 | 9 | (美)萩原清 |
12 | 7 | 14 | カイアワセ | 牝2 | 54 | 川又賢治 | 1.36.9 | 2 1/2 | 05-06 | 34.8 | 16 | (美)星野忍 |
13 | 5 | 9 | タイムマシン | 牡2 | 54 | 石橋脩 | 1.37.3 | 2 1/2 | 07-10 | 34.9 | 4 | (美)手塚貴久 |
14 | 2 | 4 | セツメンノトビウオ | 牡2 | 54 | 北村宏司 | 1.37.4 | 1/2 | 15-10 | 35.0 | 14 | (栗)牧田和弥 |
15 | 5 | 10 | グライユル | 牝2 | 54 | 横山典弘 | 1.37.5 | 3/4 | 16-16 | 34.4 | 15 | *(美)鹿戸雄一 |
16 | 2 | 3 | グランチェイサー | 牡2 | 54 | 田辺裕信 | 1.38.9 | 8 | 07-07 | 36.7 | 10 | (美)矢野英一 |
レース前の段階で公開していた「新潟2歳ステークス 2019【予想/データ】」を読んでくださった方はいるだろうか。
その中で、レース攻略のためのポイントを、データの裏付けとともにご紹介させていただいた。
確認の意味で、該当部分を転載してみようと思う。
最大のポイントは前走の出走頭数にあり!
皆様は、こういった言葉を聞いたことがないだろうか。
「十回の調教よりも一回の実戦」
要するに、実戦でしか経験できないことがある、ということだろう。
では、実戦でしか経験できないこととは?それは
ということだ。
調教は、どんなに多くても3頭併せまで。だが実戦ではそうはいかない。
だからこそ!
私たちは新馬戦や未勝利戦で、少しでも多くの馬に揉まれ、尚且つ勝利を収めている馬を無条件で高く評価!それは走力だけではなく、精神的な強さの証明だからだ!
逆に少頭数で勝ち上がってきた馬は、いざ多頭数に揉まれた時、戸惑って力を出しきれない危険性があると考える。
過去の新潟2歳ステークスはどうだった?
では、実際のところどうなのだろう?
ということで、直近10年の【新潟2歳ステークス】における「前走の出走頭数別成績」を調べてみた。
新潟2歳S 前走の出走頭数別成績(2009年以降)
前走頭数 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
6頭立 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
7頭立 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
8頭立 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
9頭立 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
10頭立 | 1- 1- 0- 11/ 13 | 7.7% | 15.4% | 15.4% |
11頭立 | 1- 0- 1- 12/ 14 | 7.1% | 7.1% | 14.3% |
12頭立 | 2- 4- 2- 14/ 22 | 9.1% | 27.3% | 36.4% |
13頭立 | 1- 1- 0- 11/ 13 | 7.7% | 15.4% | 15.4% |
14頭立 | 1- 1- 0- 11/ 13 | 7.7% | 15.4% | 15.4% |
15頭立 | 0- 1- 3- 15/ 19 | 0.0% | 5.3% | 21.1% |
16頭立 | 1- 1- 3- 14/ 19 | 5.3% | 10.5% | 26.3% |
17頭立 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
18頭立 | 3- 1- 1- 25/ 30 | 10.0% | 13.3% | 16.7% |
最高勝率は、前走18頭立てで「10.0%」!
第2位も前走12頭立てで「9.1%」!
一方、前走6頭立て~9頭立て、つまり「前走一桁組」は
勝率から複勝率まですべて「0%」!
これにより、前走で多頭数に揉まれることの重要性が証明できたと思う。
では、今回の出走メンバーたちはどうだったか?
1番人気ウーマンズハートは新馬戦16頭立てだから文句なし!そして優勝した。
一方、2番人気モーベットが、新馬戦「7頭立て」だったのだ。
私たちの感覚からすれば「まず来ない」馬。
もちろん、素材は確かだと思うのだが、、、やはり8着に惨敗した。
経験不足がモロに出た
実際にレースをご覧になっていた方ならご存知だとは思うが、実は向こう正面でごちゃつく場面があった。モーベットもその中にいた。
タラレバにはなるが、もしも新馬戦で揉まれる経験をしていれば、例えごちゃついても底力で好位置を確保できたかもしれない。
だが、明らかに戸惑ったようで、位置取りを下げた。
これこそが
2歳重賞では多頭数を経験していない馬を狙えない
という考え方を象徴しているシーンとなった。
そのシーンなどレースを見逃した方はコチラでチェック
【みんなのKEIBA 次回9月1日(日)午後3時】
超出世レース「新潟2歳S・GⅢ」は⑥ウーマンズハートが人気に応え勝利
切れ味抜群の末脚で同世代のライバルたちを一蹴
藤岡康太騎手はエルムS以来となる重賞制覇
2着は3番人気⑬ペールエール、3着は8番人気⑦ビッククインバイオ
3連単は1万2250円の払い戻し pic.twitter.com/0Xhz9ozbNA— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) August 25, 2019
歴史は簡単には変わらない
もちろん、私たちは自分が馬券を購入している馬であろうとなかろうと、全ての競走馬たちに敬意を持っている。
モーベットにとっては厳しい戦いになるだろうと思いつつも、頭の片隅には
もしも彼女が歴史を変えるような激走をしてくれたら
という思いもあった。
それほどの馬が登場すれば、それは競馬界全体にとって価値のあることだからだ。
だが、競馬はそんなに甘くはない、ということかもしれない。
必ず覚えておいてほしい
ここまで長々と書いてきたが、誤解していただきたくないのは「自分たちの考え方が素晴らしいだろ」などと自慢したい訳ではない!
2歳重賞=前走で多頭数を経験
の考え方は【新潟2歳ステークス】に限らず使えるもの。
ちなみに、今週は【小倉2歳ステークス】があるね。
きっとどこかで皆様のお役に立つはずだから、共有したかったのだ。
ぜひ、覚えておいてほしい。
最後に、勝ち馬はモノが違う
最後に、優勝したウーマンズハートについて一言だけ。
簡単に言うと
モノが違う
のではないかと思う。
結果的には2着のペールエールと半馬身差だったが、私の目にはかなり余力が残っているように見えた。
これで新馬戦に続いて、2戦続けて上がり3ハロン「32秒台」での差し切りだ。
ちなみに、お父さんのハーツクライは、現役時代、一度も上がり32秒台をマークしていない。(もちろん、上がりタイムはレース展開による部分が大きいことは承知しているが)
良い意味で、お父さんとは違うタイプの名牝候補!
やや精神的に若い面がありそうだが、それを克服すれば、クラシックも夢ではない。
非常に楽しみだ!
次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!
4着・クリアサウンド
直線半ばまでは
「ひょっとしたら」
と思わずにはいられないような手応えだった。
その割に、ラストで伸びきれなかったのは
・馬場の悪い内側を走ったことで消耗したか
・距離が長いか
のどちらか(あるいは両方)だろう。
いずれにしても決して力負けではないとみる。
今後、牝馬限定の重賞なら上位を賑わしてくれる可能性も高そうだ。注目していきたい。
【新潟2歳ステークス 2019】のレース後の関係者のコメント
1着 ウーマンズハート(藤岡康太騎手
「強かったですね。新馬戦のレースぶりを見て、いい脚を持っていることはわかっていたので、いかにスムーズに行けるかということを気をつけました。フラフラしているところはありましたが、それでも差すのだから能力は相当なものです。このあと気性面も成長していけばさらに楽しみです」
(西浦勝一調教師)
「どっしりとして落ち着いてきました。直線でフラフラするのは引き続き課題ですね。それにしても現段階でこれだけ走れているのはすごいです。この先どこまで成長して、どのくらいの距離まで持つのか未知数ですが、とても楽しみです」
2着 ペールエール(M.デムーロ騎手)
「勝った馬が強すぎます。この馬もまだ子どもですが、よく頑張っています。スタートが良く、最後もいい脚でした。仕方ありません」
3着 ビッククインバイオ(大野拓弥騎手)
「番手でスムーズに運べて、しっかり反応できていました。上位2頭は強かったですが、この馬自身も力があります」
4着 クリアサウンド(松山弘平騎手)
「外差し傾向の馬場で内枠でしたから厳しかったです。しかも内にもたれる面がありました。それで4着まで来ていますから力があります。もう少し落ち着いて、気負わずに走れるようになるといいですね」
7着 ウインカーネリアン(松岡正海騎手)
「前につけたかったのですが、出遅れてしまいました。上のクラスまでいける実力のある馬なので、気持ちがコントロールできるようになれるといいと思います」
8着 モーベット(福永祐一騎手)
「スムーズなレースができませんでした。スタートは五分でしたが、3コーナー手前でごちゃついてしまい、馬にかわいそうなことをしてしまいました。今日はこの馬の力を発揮させられませんでした」
9着 トロワマルス(木幡初也騎手)
「レースは上手に走っていました。距離が1ハロン延びて、ペースも落ち着いたので、最初に噛んだ分、脚が上がってしまいました」
(via ラジオNIKKEI )
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