こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】新潟大賞典 2021 における勝負の明暗
【11R】 第43回新潟大賞典
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝・外 2000m 14頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
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1 | 2 | 2 | サンレイポケット | 牡6 | 55 | 鮫島克駿 | 1.59.3 | 11-10 | 36.5 | 3 | 5.5 | 472 | -8 | (栗)高橋義忠 | |
2 | 6 | 10 | ポタジェ | 牡4 | 56 | 西村淳也 | 1.59.3 | クビ | 07-07 | 36.9 | 1 | 3.5 | 464 | 0 | (栗)友道康夫 |
3 | B8 | 14 | サトノソルタス | 牡6 | 55 | 秋山真一 | 1.59.3 | クビ | 03-03 | 37.2 | 7 | 19.0 | 506 | 0 | (美)堀宣行 |
4 | 3 | 4 | トーセンスーリヤ | 牡6 | 56 | 横山和生 | 1.59.4 | 1/2 | 03-03 | 37.4 | 9 | 20.3 | 482 | -2 | (美)小野次郎 |
5 | 1 | 1 | ボッケリーニ | 牡5 | 57 | 吉田隼人 | 1.59.6 | 1 1/4 | 05-05 | 37.4 | 2 | 4.3 | 472 | +4 | (栗)池江泰寿 |
6 | 7 | 11 | ダノンマジェスティ | 牡6 | 55 | 和田竜二 | 1.59.7 | クビ | 12-12 | 36.8 | 5 | 7.5 | 502 | +4 | (栗)音無秀孝 |
7 | 4 | 5 | ムイトオブリガード | 牡7 | 57 | 酒井学 | 1.59.7 | 頭 | 13-14 | 36.5 | 10 | 32.2 | 498 | -2 | (栗)角田晃一 |
8 | 3 | 3 | バスカヴィル | 牡7 | 53 | 斎藤新 | 1.59.9 | 1 1/2 | 02-02 | 38.0 | 14 | 345.7 | 486 | +2 | (美)加藤征弘 |
9 | 5 | 8 | バイオスパーク | 牡6 | 57 | 丸山元気 | 2.00.0 | クビ | 05-05 | 37.7 | 11 | 45.3 | 478 | +4 | (栗)浜田多実 |
10 | B6 | 9 | サトノエルドール | 牡5 | 54 | 菅原明良 | 2.00.0 | クビ | 07-07 | 37.5 | 6 | 18.6 | 476 | -2 | (美)国枝栄 |
11 | 4 | 6 | ヒュミドール | セ5 | 55 | 吉田豊 | 2.00.4 | 2 1/2 | 10-10 | 37.6 | 4 | 6.8 | 474 | +8 | (美)小手川準 |
12 | 7 | 12 | ニシノデイジー | 牡5 | 55 | 勝浦正樹 | 2.01.4 | 6 | 07-07 | 38.8 | 12 | 64.4 | 486 | -8 | (美)高木登 |
13 | 5 | 7 | ハッピーアワー | 牡5 | 54 | 鮫島良太 | 2.01.9 | 3 | 13-12 | 38.8 | 13 | 212.5 | 438 | -8 | (栗)杉山佳明 |
14 | 8 | 13 | マイスタイル | 牡7 | 57 | 横山典弘 | 2.02.8 | 5 | 01-01 | 41.1 | 8 | 20.2 | 466 | +8 | (栗)昆貢 |
いかにもハンデ重賞といったところではないだろうか。
1着~3着までは同タイム。4着馬もわずか0.1秒差。
ゴール前での激しい追い比べは、見応え充分だった。
幸い、私たちがイチオシ穴馬に指名した7番人気の伏兵、14番☆サトノソルタスが3着に頑張ってくれたことで馬券を射止めることができた。
だが、そういった点を差し引いても素晴らしいレースだったし、同時に
上位勢はこの先も期待が持てそう
そんなことをハッキリと感じさせられたレースでもあった。
基準になる馬がいた
このレースの出走馬のレベルを考える上で、基準になるのは2着馬ポタジェだ。
何と言っても前走の【金鯱賞】では3着に好走!
2着デアリングタクトには半馬身差で、何と海外G1も勝っているグローリーヴェイズ(4着)に先着している。
しかも、決して理想的なレースだった訳ではない。
レース後、当時の鞍上だった北村友騎手が
と語っている。
それでも現役トップクラスの強豪に挟まれての3着!
間違いなく、ポタジェの潜在能力はG1レベルだろう。
参考⇒金鯱賞 2021 回顧
シンプルな考え方で
それだけに、考え方は極めてシンプルだ。
ポタジェに先着する、あるいは迫る馬がいるのかいないのか?
(もちろん、ポタジェ自身の走りも再確認する必要があるが)
この点をチェックすれば出走馬のレベルはすぐにわかるはず。
そして、結論としては、冒頭でも記した通り
上位勢はこの先も期待が持てそう!
ということで、まずはポタジェ自身から振り返ってみよう。
2着ポタジェ⇒立場が変わっても
前走【金鯱賞】と今回、最も違ったのはポタジェの立場だろう。
前走時は10頭立ての6番人気だから、あくまでも伏兵の1頭だった。
しかし、今回は14頭立ての1番人気!当然、マークが集中することになる。
それ故に走りにくかったのか、レース前半の動きは前走時よりも重くみえた。
ひょっとして前走が出来すぎだったのか?
そんな思いが頭をよぎる中、直線では渋太く伸びた!
結果的に勝ち馬にはクビ差敗れたが、1キロの斤量差がある。
勝ちに等しい内容だったのではないだろうか。
本物の証を見た!
楽な手応えの時だったり、自らにとって理想的な条件のレースにおいて好走するのは、ある程度のレベルにいる競走馬にとっては当たり前。
むしろ苦しく、厳しい条件下での走りこそ、競走馬の真価を問うもの。
前走でG1馬にヒケをとらない走りをした馬が、今後は苦しい場面をしのいだ。
これなら胸を張ってG1戦線に挑めるだろう。
管理するのは、前日の【京都新聞杯】もレッドジェネシスで制した友道厩舎。
この秋は、友道厩舎が、各路線において、台風の目になるかもしれない!
参考⇒京都新聞杯 2021 回顧
1着サンレイポケット⇒6歳でも進化!
ポタジェほどの馬を制して優勝したのが6歳馬サンレイポケット!
例え1キロの斤量差があったにせよ、上がり最速の脚を繰り出して勝利した内容には強さを感じたし、価値がある。
何と言っても、ハイレベルだった昨秋【毎日王冠】の3着馬。
一方で、その後は苦しいレースもあったため「年齢的に衰えが出始めたのでは?」という考えを持つ人もいたようだが、衰えどころか、かつてないほどの迫力を感じた。
この馬の素晴らしいところは、内だろうが外だろうが、中団だろうが後方だろうが、進路や位置取りを問わずに安定して力を出し切れる競馬センス。
そこに、今回見せたような迫力ある動きが加わったとなれば!
G1での勝ち負けとまでは言えないかもしれないが中距離のG2なら十分に勝負になる!
そして、もうひとつ強調しておきたいのが、鞍上の鮫島駿騎手について。
鮫島駿騎手の手綱さばきに驚かされた
ぜひ、レース後の鞍上のコメントをご覧いただきたい。
コメントからもわかるように、とにかく冷静。
有力馬の多くが自身よりも前にいたため、つい追いかけたくなるところ、落ち着いて待った。
長年の経験から「若くても待てる騎手」というのは伸びていく可能性が高い!
最近では横山武騎手がまさしくこのタイプ。
今年27勝と勝ち星を伸ばしている一方、重賞勝ちは今回で通算2勝目。
だが、この先、大一番でも存在感を放つのではないだろうか?
楽しみに注目していきたい。
キングスポーツ流「次走へ向けての一言メモ」
ここからは「私の独り言」だととらえていただきたい。
今後へ向けて、気がついたことをメモ帳に走り書きしているようなイメージ。
せっかくなので、それを皆様と共有してみようかと考えた。
今回は、同タイムで上位を争った最後の1頭、3着馬サトノソルタスをご紹介。
3着サトノソルタス
レース後、鞍上の秋山騎手は次のような話をしている。
確かに7番人気ながらよく頑張ったと思う。
だが、結果以上に重要なのは
自分のリズムで押し上げられた
という内容だろう。
何と言っても3歳時には重賞【共同通信杯】で2着に入るなど、早い時期から結果を出していた好素材。それだけに、どうしても騎手たちは勝ちにいく!
その結果、最後で伸びきれずに失速。少々空回りしていたことが多かったように思う。
だが、この馬には自分のリズムで走ることが合っているのだろう。それがハッキリとしたことに、最大の価値があるように思う。
期待値も込めて、未来の主役に指名しておきたい!
【新潟大賞典 2021】のレース後の関係者のコメント
1着 サンレイポケット(鮫島克駿騎手)
「馬場を考えるとペースも流れていたと思いますし、深追いせずに自分達のリズムを意識して進めました。朝のレースから、皆意識は外に行っていましたが、この馬はパワーの要る馬場をこなせるので、内を選択しました。レース前から混戦だと思っていました。追い負けないように乗っていましたが、勝てて本当に嬉しかったです」
2着 ポタジェ(西村淳也騎手)
「良い位置で競馬ができましたし、直線も良い所を走れました。差が差だけに悔しいです」
3着 サトノソルタス(秋山真一郎騎手)
「頑張りました。自分のリズムで押し上げられましたし、外枠が良かったです」
4着 トーセンスーリヤ(横山和生騎手)
「緩い馬場に脚をとられながらでしたが、いくらか回復した分、頑張ってくれました。順調にいけば、チャンスはあると思います」
5着 ボッケリーニ(吉田隼人騎手)
「折り合いもつきましたし、そんなに差はないのですが、後ろにも交わされてしまいました。綺麗な馬場でやらせてあげたかったです」
7着 ムイトオブリガード(酒井学騎手)
「もう少し前でと思っていましたが、行けなかったので腹を括ってあの位置から行き、直線は思い切り外に出しました。外に出してからはよく伸びてくれましたし、ゴールまで気持ちを切らさず、しっかり走ってくれました」
11着 ヒュミドール(吉田豊騎手)
「今日はただ回ってきただけ、という感じになってしまいました。最後も一回も脚を使わず終わってしまいました」
(via ラジオNIKKEI )
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