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日経賞 2022【回顧】タイトルホルダーに対する率直な印象は!?

こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

勝負の明暗 はここだった!

【回顧】日経賞 2022 における勝負の明暗

2022年 3月26日(土) 3回中山1日 天候 : 曇  馬場状態 : 稍重
【11R】 第70回日経賞
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 2500m 15頭立

馬 名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 通過順位 上3F 単勝 体重 ± 調教師
6 11 タイトルホルダー 牡4 57 横山和生 2.35.4   01-01-01-01 34.7 1 1.6 476 0 (美)栗田徹
4 6 ボッケリーニ 牡6 56 浜中俊 2.35.5 クビ 02-03-03-04 34.6 4 12.2 466 +2 (栗)池江泰寿
4 7 ヒートオンビート 牡5 56 池添謙一 2.35.5 クビ 04-03-03-02 34.6 2 6.3 480 0 (栗)友道康夫
5 8 クレッシェンドラヴ 牡8 56 内田博幸 2.35.7  3/4 02-02-02-02 34.9 8 48.7 506 +2 (美)林徹
B2 2 ハヤヤッコ 牡6 56 大野拓弥 2.35.8  3/4 05-05-06-07 34.6 13 103.6 484 -14 (美)国枝栄
3 5 ワイドエンペラー 牡4 55 津村明秀 2.35.9 クビ 11-09-03-04 35.0 7 29.6 486 -8 (栗)藤岡健一
B8 15 スマイル 牡6 56 石橋脩 2.36.2 2 05-06-06-06 35.1 9 52.8 540 0 (美)堀宣行
7 12 アサマノイタズラ 牡4 56 横山武史 2.36.3  3/4 12-12-09-09 34.9 3 8.1 502 +8 (美)手塚貴久
7 13 ラストドラフト 牡6 56 三浦皇成 2.36.3 14-14-13-13 34.7 11 76.0 470 0 (美)戸田博文
10 2 3 エフェクトオン 牡6 56 菅原明良 2.36.4 クビ 07-07-09-09 35.0 10 56.3 450 +2 (美)久保田貴
11 1 1 ディバインフォース 牡6 57 田辺裕信 2.36.6 1 1/2 13-12-13-13 35.0 6 16.8 464 0 (栗)寺島良
12 8 14 ウインキートス 牝5 55 丹内祐次 2.36.6 ハナ 15-14-15-15 34.7 5 12.4 470 -10 (美)宗像義忠
13 6 10 トラストケンシン 牡7 56 和田竜二 2.36.8 1 09-09-06-07 35.7 14 224.3 474 0 (美)高橋文雅
14 5 9 ランフォザローゼス セ6 56 田中勝春 2.37.0 1 1/2 08-07-09-12 35.7 12 96.1 508 +6 (美)蛯名正義
15 B3 4 サクラアリュール 牡7 56 丸山元気 2.38.7 10 09-09-09-09 37.3 15 241.4 488 +18 (栗)村山明

 

今、長距離路線が熱い

近年、日本競馬界において長距離路線の価値低下が叫ばれていることは、皆様もご存知の通り。

理由は極めて単純。馬主側の事情だ。

馬主は、自分の馬に少しでも早く勝ち上がってほしい、賞金を稼いでほしい。

そして、2歳や3歳の早い時期に行われる新馬戦や未勝利戦は、比較的短い距離のレースが多い。

必然的に、競走馬に、そしてそれを生み出す種牡馬に求められる能力が「スタミナ」よりも「スピード」や「早熟性」になってきている。

それだけに、長距離G1で勝っても種牡馬としての評価が上がりにくく、大物と言われる馬ほど、中距離路線を主戦場にする。

だから致し方ない部分もあるが、やはり長距離戦は単純に面白い。

距離が長い分、馬の能力だけではなく、騎手の駆け引きも楽しめるからだ。

それだけに「再び長距離路線が盛り上がってほしい」などと願っていたが、、、

実は今、長距離路線が本当に熱いのだ!

 

ディープボンドだけじゃない!

最大の功労馬は、やはりディープボンドだろう。

ご存知の通り、昨年はフランスで芝2400Mの重賞【フォワ賞】を勝ち、また【有馬記念】では同じくフランス遠征をしたクロノジェネシスを退ける形で2着。

エフフォーリアは別格にしても、この実績から

「中距離路線でも現役屈指の一頭」

と言っても差し支えあるまい。

長距離路線を牽引するディープボンド

それほどの馬が、昨年に続いて今春も長距離路線を狙っているのだから、否が応でも競馬ファンは長距離路線に注目することになる。先日の【阪神大賞典】の勝ち方も素晴らしかった。

もちろん【ダイヤモンドステークス】を完勝したテーオーロイヤルも相当な逸材だろう。

そこに【日経賞】上位組が絡んでいくとなれば、5月1日の【天皇賞春】では、極めて熱い戦いが見られそうだ!

さあ皆様、ぜひ一緒に長距離路線を楽しんで、そして勝とうじゃないか!

 

おめでとう!タイトルホルダー

そして、そんな【日経賞】を制したのがタイトルホルダーだ。

まずは単勝1.6倍の圧倒的な人気に応えての勝利、おめでとう!

ご存知の通り、昨年の【菊花賞】馬であり【有馬記念】の5着馬。

ここでは明らかに抜けた実績の持ち主だけに、勝利自体はある意味では当然かもしれない。

人気に応えた!タイトルホルダー

だが、圧倒的な人気を集めれば、当然ライバルたちからのマークも集中する。

また、レース後のインタビューで、鞍上の横山和騎手が何度も

「次があるので」

という旨の話をしていた。つまり、ここはあくまでも、仕上がり途上の叩き台だったということ。

決して楽ではない条件下の中で、順当に結果を出したことは、まず素晴らしいと思う。

 

意外な僅差をどう考える?

ただ、その一方で次のような考え方をする人もいるだろう。

「勝利は素晴らしいと思うけど、思ったよりも後続と僅差だった点が気になる」

確かに、上でも記した通り、決して楽な条件ではなかったにせよ、実績が抜けていたことも確か。

その中で、2着ボッケリーニにクビ差だけに「僅差」という見方もできるのかもしれない。

だが、私たちの率直な考え方を申し上げると

「想像していた以上にタイトルホルダーの潜在能力は凄い!」

ということになる。

 

完全に差される展開だと思ったが、、、

改めてレースを振り返ってみるが、今回のタイトルホルダーは、直線に入る前あたりから、既にバテているような雰囲気を感じた。

やはり叩き台の完全な仕上がり途上だったのだろう。

ましてや直線では、内からも外からも追われるという厳しい流れ。

長年の経験上、相手のレベルどうこうにかかわらず、今回のタイトルホルダーのような状況におかれた馬の殆どが差し切られている。

ハッキリ言って、絶体絶命の状況だった。
そこをタイトルホルダーはしのいだのだ!

タイトルホルダーの場合、例えば昨年の【菊花賞】では5馬身差の完勝を収めている。確かに、この時のように相手を突き放す勝ち方にはインパクトがある。

だが、個人的には

「差されそうでも差されない」

こうした姿にこそ、真の底力と凄みを感じるのだ。

 

2着馬と共に

これで、文句なしに本番【天皇賞春】での主役候補と言えるだろう。

【弥生賞】快勝などのこれまでの戦績を見る限り、生粋の長距離馬というよりは、本質的には

「長距離も楽にこなす中距離馬」

というイメージ。

それだけに、ディープボンドにタフな流れを演出されると簡単ではないかもしれないが、そのあたりは「次」を強烈に意識している鞍上も考えて乗るだろう。

尚、その他の馬たちのローテーションはまだわからないが、例えば2着ボッケリーニが【天皇賞春】に出走なら意外と面白いかもしれない。

ボッケリーニも長距離で面白そう

レースセンス抜群で、走りにロスがない。余計なスタミナ消費がないはずだから、長距離戦に向くと思う。血統的には、母父がダンスインザダークだ。

初G1挑戦にはなるが、穴で一考が必要だろう。

いずれにしても、本番まで残り一ヶ月少々。

私たちも何としても勝利を目指して勝負に挑むつもりだから、楽しみにしていてほしい!

 

【日経賞 2022】のレース後の関係者のコメント

レース後のコメント
1着 タイトルホルダー(横山和生騎手)
「ホッとしています。次があるので、有馬記念で乗った時のイメージを大切にしようと思っていました。この馬のリズム、雰囲気を感じながら直線に向きました。次の大一番があるので、この馬を信じて、人間も思い切って乗らないといけないと思いました。ラップがどうこうではなくて、どういうリズムでどういう走りをするのかが大事な焦点でした。道中はまだ課題のある走りだったので厳しいかと思いましたが、タイトルホルダーの底力に助けられました。次が本番なので、これに満足せず、タイトルホルダーと良い絆をつないで、次に向かえれば良いですね」

1着 タイトルホルダー(栗田徹調教師)
「気持ちで動くタイプで、最終追い切りでは手前を替えなかったり、芯が無い感じの動きだったりしました。このメンバーなら何とかしてくれると思いましたが、馬がよく仕事をして、地力で粘ってくれました。良い時は芯が入ってアクションが良いのですが、まだブレがある感じです。今日は休み明けもありますし、更に状態が上がっていって欲しいです」

2着 ボッケリーニ(浜中俊騎手)
「タイトルホルダーがハナに行くと思っていたので、その後ろのポジションを取りに行きました。取りたいポジションでレースが出来ました。最後も渋太く脚を使っていて、もう少しでした」

3着 ヒートオンビート(池添謙一騎手)
「ポジションをしっかり取ってレースをしようと思っていました。イメージはハナに行った馬の後ろだったのですが、ボッケリーニがいたので、あの位置になりました。直線では一瞬前に出かけたかという感じでしたが、勝ち馬に差し返されるようになって、同じ脚色になってしまいました。もうひと押しで重賞タイトルが取れるところまで来ていると思います」

4着 クレッシェンドラヴ(内田博幸騎手)
「最近はズブくなってきているので、今日は位置を取りに行きました。こういう競馬が出来たのは良かったです。渋った馬場も合っていたと思います」

5着 ハヤヤッコ(大野拓弥騎手)
「久々の芝のレースでしたが、頑張りました。良いポジションを取れました。こういう馬場も苦にしなかったですし、具合も良かったのだと思います」

6着 ワイドエンペラー(津村明秀騎手)
「格上挑戦でも頑張りました。ゲートが遅くて後ろからになりましたが、このままだと勝負圏外だと思って位置を上げました。コーナーでの加速が遅い分、離されましたが、直線差を詰めてきましたし、良い内容だったと思います」

8着 アサマノイタズラ(横山武史騎手)
「今日は掛かるところがなかったどころか、最初のスタンド前や1、2コーナーから右に張っていました。見せ場らしい見せ場もなかったです」

11着 ディバインフォース(田辺裕信騎手)
「ペースが思っていた以上に遅くなってしまいました。動ける脚質ではないので、誰かに動いてほしかったのですが、思い通りのレースになりませんでした」

(via ラジオNIKKEI

 

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