こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】オークス 2018 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 13 | アーモンドアイ | ルメール | 2.23.8 | 06-06-06-05 | 33.2 | 1 | |
2 | 1 | 1 | リリーノーブル | 川田将雅 | 2.24.1 | 2 | 03-03-03-03 | 33.9 | 4 |
3 | 1 | 2 | ラッキーライラック | 石橋脩 | 2.24.4 | 1 3/4 | 04-05-04-05 | 33.9 | 2 |
4 | 5 | 10 | レッドサクヤ | 福永祐一 | 2.24.7 | 1 3/4 | 06-07-07-07 | 33.9 | 11 |
5 | 2 | 3 | マウレア | 武豊 | 2.24.8 | 1/2 | 08-08-08-07 | 34.0 | 6 |
6 | 4 | 8 | サトノワルキューレ | M.デム | 2.25.1 | 1 3/4 | 09-08-08-07 | 34.3 | 3 |
7 | 6 | 11 | パイオニアバイオ | 北村宏司 | 2.25.1 | クビ | 11-11-10-10 | 34.1 | 9 |
8 | 7 | 15 | ウスベニノキミ | 三浦皇成 | 2.25.2 | 1/2 | 12-11-10-10 | 34.2 | 12 |
9 | 3 | 6 | オールフォーラヴ | 和田竜二 | 2.25.4 | 1 | 09-10-10-10 | 34.4 | 5 |
10 | 8 | 17 | ロサグラウカ | 戸崎圭太 | 2.25.5 | 1/2 | 14-14-14-14 | 34.2 | 8 |
11 | 7 | 14 | ランドネ | 内田博幸 | 2.25.7 | 1 1/2 | 02-02-02-02 | 36.1 | 10 |
12 | 5 | 9 | シスターフラッグ | 岩田康誠 | 2.25.9 | 1 1/4 | 12-13-13-13 | 34.7 | 16 |
13 | 3 | 5 | カンタービレ | 田辺裕信 | 2.25.9 | クビ | 04-04-04-04 | 35.5 | 7 |
14 | 4 | 7 | トーホウアルテミス | 松若風馬 | 2.26.1 | 1 1/4 | 15-15-15-15 | 34.6 | 13 |
15 | 8 | 16 | ウインラナキラ | 大野拓弥 | 2.26.3 | 1 1/4 | 16-16-16-15 | 34.7 | 17 |
16 | B6 | 12 | サヤカチャン | 松岡正海 | 2.26.5 | 1 1/2 | 01-01-01-01 | 37.6 | 14 |
17 | B8 | 18 | オハナ | 藤岡康太 | 2.26.7 | 1 1/2 | 17-17-17-17 | 34.8 | 15 |
返 | 2 | 4 | トーセンブレス | 柴田善臣 |
もしもオークスの感想を聞かれたら?
「とにかくアーモンドアイが強かった」
これ以外に答えようがない。
スタート直後から好位を確保(鞍上ルメールいわく「テンションが高かったからスタートして良いポジションをとった」そうだ)したかと思えば、血統背景からの距離不安はどこへやら!?楽な手応えで追走。そして直線で追われれば絵に描いたような鋭伸!
終わってみれば2着馬リリーノーブルに2馬身差!更に上がり3ハロン最速となる33秒2のタイムは、リリーノーブルら上がり2位の3頭に0.7秒もの大差をつける驚異的なものだ。
他馬との能力差は、見る側の私達が想像していたよりも、かなり大きかったと言わざるをえない。もちろん2着以下が弱いということではない。アーモンドアイの強さ故だ。
平成最後のオークスを飾るのに相応しい、本当に恐ろしく、そして魅力的な牝馬が出てきたものだ。
「特別な馬」だからこそ
レース後のインタビューで、ルメール騎手はアーモンドアイのことを「特別な馬」だと評した。これまで、数えきれないほど多くの名馬に跨ってきた彼から飛び出した「特別」という言葉は、私を含む、多くの予想家、評論家がどれほどの言葉を並べて彼女を賛美するよりも、はるかに重い。
振り返ってみると、2000年以降に【桜花賞&オークス】の2冠を達成したのはアーモンドアイで5頭目だ。過去の4頭は
2003年スティルインラヴ
2009年ブエナビスタ
2010年アパパネ
2012年ジェンティルドンナ
このうち、大本命の重圧を打ち破り、オークスを単勝1倍台で制したのは、ブエナビスタ(1.4倍)とアーモンドアイ(1.7倍)だけ!ブエナビスタのその後の活躍は、改めて語るまでもないだろう。まさに「特別の中の特別な馬」だが、アーモンドアイがそれに匹敵するかもしれないことは、データ上の裏付けもあるということだ。
だからこそ、とにかく怪我をすることなく順調に!何だかんだと言っても「無事これ名馬」なのだから。もちろん【シンザン記念】後に怪我を経験しているだけに陣営は慎重だろうが。国内にとどまらず、世界の舞台を目指してほしい。間違いなくやれる!
目立つのはやはり4着馬だろう
2着リリーノーブル、3着ラッキーライラックに関しては、勝ち馬は別格にせよ、十分に力は出していたと思う。
ただ、2頭の着順が桜花賞の時と逆転したのは、鞍上の精神力の差ではないだろうか。僅かな可能性を信じて勝ちに行こうという前向きな意思が見えたリリーノーブルの川田に対し、石橋はアーモンドアイを恐れすぎていたのか、大事に消極的に乗っているようにしか見えなかった。
桜花賞の時のように、相手どうこうよりも「俺の馬が最強なんだ!」と馬を信じ抜き、強きの騎乗を貫けば、勝ちまではなくても、2着はあっただろう。
とはいえ、これは経験の差なのかもしれない。この悔しさを石橋脩騎手が糧とできるのか?彼のこれからに注目していきたい。
その他の馬の中で、唯一今後に希望が持てそうなのは、4着のレッドサクヤだろうか。というのも、2着&3着馬と、同じ上がりのタイムを出せているからだ。(上がり3ハロン2位タイ)当然、位置取りひとつでもう少し違った結果もあっただろう。
速い上がりを出せるというのは、競走馬の能力をはかる上で、最も大事な要素のひとつだと私たちは考えている。
それだけに、秋以降の活躍も期待できそうだ。名前を覚えておいてほしい。
【オークス 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【みんなのKEIBA 次回5月27日(日) 午後2時40分】
3歳牝馬頂上決定戦 オークス・GⅠを制したのは、
1番人気⑬アーモンドアイ。史上14頭目の春の牝馬2冠達成!
鞍上のルメール騎手は、、昨年のソウルスターリングに続くオークス連覇!
また、本日は39歳の誕生日で見事なバースデーVとなりました。 pic.twitter.com/AoZKcJUPXN— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) May 20, 2018
【オークス 2018】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 アーモンドアイ(ルメール騎手)
「勝つ自信がありました。完璧なレースでしたね。今日はテンションが高かったので、スタートして良いポジションを取りました。それからはリラックスして走って、直線に向いてから加速してくれました。2400mも問題なかったです。秋は3冠がかかりますが、2000mでも大丈夫そうです。海外遠征の可能性については、ポテンシャルが高く、特別な馬なので海外でもいけると思います。(お誕生日おめでとうございます、言われて、メルシーと嬉しそうでした)」
(国枝栄調教師)
「最初にあの位置取りを見た時にはビックリしましたし、心配にもなりましたが、すぐに安心しました。レースは落ち着いて安心して見ていられましたが、とにかくホッとしました。この後は、秋に秋華賞で3冠を目指します。調教を積む中でこれはモノが違うと思いました。いい形でここまで来ていますから、この後も順調にいけるよう、やっていきたいと思います」
2着 リリーノーブル(川田騎手)
「レース前から話していた通り、今日は本当に馬の状態が良かったです。レースでは枠を生かしてスムースな競馬が出来ました。最後までよく伸びていますが、勝った馬が強かったです」
3着 ラッキーライラック(石橋脩騎手)
「スタートはいつも通りに出てくれたので、道中は折り合いだけ専念してうまく運べました。4コーナーで後ろを見た時にすぐ後ろに(勝ち馬アーモンドアイの)シャドーロールが見えたので、もうそこにいるのかという感じでした。直線では馬場のいいところに持っていってよく頑張りましたが、勝ち馬には敵いませんでした」
5着 マウレア(武豊騎手)
「前にアーモンドアイを見ながら、食らいついて行こうと思っていましたが、届きませんでした。最後まで頑張っていますが、距離が長いかもしれません」
6着 サトノワルキューレ(角居勝彦調教師)
「これまで強い相手と戦ってこなかったことが敗因かもしれません。時計が敗因ではないと思います。次走は休みを挟んでから考えます。凱旋門賞は使いません」
9着 オールフォーラヴ(和田騎手)
「初めての輸送ということもあり、イレ込んでいました。ある程度ポジションを取りに行きたかったのですが、取れませんでした。最後まで止まっていないので、距離は大丈夫だと思います」
13着 カンタービレ(田辺騎手)
「初めての大舞台でもテンションはそこまで上がらず、折り合いがついてリズム良く行けました。いい感じでは行けましたが、止まってしまったのは距離の影響かもしれません」
(via ラジオNIKKEI )
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