こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】オーシャンステークス 2020 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
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1 | 1 | 2 | ダノンスマッシュ | 牡5 | 56 | 川田将雅 | 1.07.4 | 04-04 | 34.0 | 1 | 2.0 | 478 | +4 | (栗)安田隆行 | |
2 | 5 | 10 | ナックビーナス | 牝7 | 54 | 横山典弘 | 1.07.6 | 1 1/2 | 02-02 | 34.4 | 3 | 5.4 | 534 | +4 | (美)杉浦宏昭 |
3 | 1 | 1 | タワーオブロンドン | 牡5 | 58 | ルメール | 1.08.1 | 3 | 09-06 | 34.4 | 2 | 2.5 | 520 | +6 | *(美)藤沢和雄 |
4 | 3 | 5 | グランドボヌール | 牡6 | 56 | 城戸義政 | 1.08.1 | ハナ | 06-06 | 34.5 | 11 | 177.6 | 488 | -4 | (栗)鈴木孝志 |
5 | B3 | 6 | キングハート | 牡7 | 56 | 北村宏司 | 1.08.4 | 1 3/4 | 10-09 | 34.6 | 6 | 39.0 | 506 | +2 | (美)星野忍 |
6 | 6 | 11 | カッパツハッチ | 牝5 | 54 | 丸山元気 | 1.08.4 | クビ | 02-03 | 35.1 | 8 | 43.6 | 482 | +10 | *(美)矢野英一 |
7 | 4 | 8 | ダイメイプリンセス | 牝7 | 54 | 秋山真一 | 1.08.4 | 頭 | 12-11 | 34.4 | 5 | 31.8 | 490 | -12 | *(栗)森田直行 |
8 | 7 | 14 | レジーナフォルテ | 牝6 | 54 | 杉原誠人 | 1.08.5 | クビ | 04-04 | 35.1 | 7 | 40.2 | 506 | +2 | (美)佐藤吉勝 |
9 | 2 | 4 | ティーハーフ | 牡10 | 56 | 国分優作 | 1.08.7 | 1 1/2 | 15-14 | 34.2 | 12 | 216.5 | 464 | -6 | (栗)西浦勝一 |
10 | B5 | 9 | ハウメア | 牝6 | 54 | ヒューイ | 1.08.7 | ハナ | 06-06 | 35.1 | 4 | 29.3 | 490 | +8 | *(美)藤沢和雄 |
11 | 7 | 13 | エスターテ | 牝5 | 54 | 丸田恭介 | 1.08.8 | クビ | 13-13 | 34.6 | 13 | 244.7 | 426 | 0 | (美)伊藤伸一 |
12 | 4 | 7 | エンゲルヘン | 牝6 | 54 | 石川裕紀 | 1.09.0 | 1 1/4 | 01-01 | 35.9 | 10 | 141.6 | 466 | -6 | (栗)五十嵐忠 |
13 | 6 | 12 | ラブカンプー | 牝5 | 54 | ミナリク | 1.09.0 | クビ | 10-11 | 35.2 | 14 | 270.3 | 438 | -4 | *(栗)森田直行 |
14 | 2 | 3 | ナインテイルズ | 牡9 | 56 | 野中悠太 | 1.09.1 | クビ | 06-09 | 35.5 | 16 | 476.6 | 488 | +4 | (栗)長谷川浩 |
15 | 8 | 15 | ナリタスターワン | 牡8 | 56 | 笹川翼 | 1.09.9 | 5 | 15-16 | 35.4 | 15 | 403.7 | 482 | -1 | [地]須田和伸 |
16 | B8 | 16 | クールティアラ | 牝4 | 54 | 津村明秀 | 1.10.2 | 1 3/4 | 13-14 | 36.0 | 9 | 109.0 | 482 | +16 | *(美)矢野英一 |
勝ち馬の話の前に、まずは
同一重賞で4年連続2着
という驚異的な記録を達成したナックビーナスを讃えさせてほしい。
今回の結果は、彼女が丸3年に渡り、トップクラスの能力を維持し続けたことの証。
確かに、彼女にとって、中山芝1200Mという条件はベストだ。
それでも、能力拮抗の現代の日本競馬界において、結果を出し続けることの難しさは、改めて語るまでのないだろう。
彼女自身の頑張りはもちろん、陣営の手腕もお見事の一言に尽きる。
7歳という年齢を考慮すれば、今後の現役生活は決して長くはないだろう。
とはいえ、能力的な衰えは全く感じない。
彼女が現役でいる限り、マークしていく必要がありそうだ!
お見事!ダノンスマッシュ
さあ、ここからは勝ち馬について。
1番人気馬ダノンスマッシュが見事に期待に応えた。
2着馬ナックビーナスに1馬身半の差は凄いが、最大のライバルだったタワーオブロンドンに、そこから更に3馬身もの差をつけたのだから完勝と言って良いだろう。
ご存知の通り、昨年9月のG1【スプリンターズS】ではタワーオブロンドンが完勝!
ダノンスマッシュは3着に敗れている。
今振り返ってもタワーオブロンドンの強さが際立っていた。
ではどうして今回、それほどの強敵を倒すことができたのか?
大前提として、タワーオブロンドンと比べれば、ダノンスマッシュに条件が向いていたことは確か。
・斤量が2キロ軽かった
・前走からの間隔も2ヶ月ほど短かった
だから「勝って当然」という見方もできるかもしれない。
だが!
決してそれだけではない!
完成度の高い馬だと思っていたが
ダノンスマッシュは、3歳だった一昨年の後半から短距離重賞を勝ち始めた。
そして昨年、G1こそ勝てなかったが、短距離路線の中心の一頭として、激走を続けた。
確実に好位を確保できるスピードと、直線での渋太さを兼備。
そんな彼の安定したレースぶりをみる度に
完成度の高い馬だな
と感じていた。
もっとわかりやすく言うと
だが、そうではなかった。
急激な進化にビックリ
この中間、実はダノンスマッシュは素晴らしい動きを連発していた。
その動きを調教だけで終わらせることなく、実戦での激走に結びつけたのだから
急激且つ大きな進化を遂げた
と考えてよいだろう。
そのあたりについて、レース後、管理する安田隆調教師が以下の通り語っていた。
完成度の高い馬が、そこから更に進化を遂げたのだから鬼に金棒だ!
本番はどうなるか?
もちろん、タワーオブロンドンは本番で巻き返してくるだろう。
ルメール騎手も
と語るなど、仕上がり途上だったことを認めている。
それでも!
今日のダノンのレースぶりなら、本番もどうなるかはわからない。楽しみだ。
くれぐれも「条件が良かったからダノンは勝てた」という考えだけは持たないでほしい。
ちなみに、本番の日は、川田騎手がドバイ遠征するチュウワウィザードに騎乗するため、三浦騎手が騎乗するそうだ。
今頃、三浦騎手はガッツポーズをしているかもしれないね。笑
率直に言って、上位3頭と、その他の馬の間の能力には、少々開きがあるように思う。
だから、彼らに迫る可能性のある未来の主役というよりは
彼らを除いた中での主役候補
になってしまうことをお断りしておきたい。
ということで指名するのは
6着・カッパツハッチ
約4ヶ月半ぶりの実戦で、馬体重も10キロ増。
難しいレースになるかと思ったが、それでも直線に入るまでは堂々好位でレースを進めたし「ひょっとしたら」と感じた瞬間もあった。
良い手応えにもかかわらず失速したのは、単に仕上がり不足が原因。
一度叩かれたことで、大幅に良くなりそうな予感!
超一線級のいないG2,G3なら、十分に主役を狙える一頭だ!
【オーシャンステークス 2020】のレース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 ダノンスマッシュ(川田将雅騎手)
「前回出遅れていたので気をつけていたのですが、ゲートの中で少し悪さをして、良いスタートを切ることができませんでした。その辺りが課題として残りましたが、その後はリズム良く運べました。前哨戦として良い状態で臨めましたし、ここからさらに良くなってくると思うので、次が楽しみになりました」
(安田隆行調教師)
「ゲートの中でモゴモゴして半馬身ほど遅れましたが、二の脚で良いポジションがとれました。4コーナーまで楽で直線も上手く開いたので、いけると思いました。香港遠征を境に、この中間で馬がすごく逞しくなりました。先週今週と坂路で49秒台が出たのもそれだけ馬が逞しくなったからだと思います。この後は高松宮記念に向かいます」
2着 ナックビーナス(杉浦宏昭調教師)
「勝ち馬は確かに強いですが、前に馬を置いて2番手からよく頑張っています」
3着 タワーオブロンドン(C.ルメール騎手)
「休み明けで重かったです。直線での反応が遅く、トップコンディションだったらもっと速い瞬発力が使えたと思います。58キロもありました。次ですね」
4着 グランドボヌール(城戸義政騎手)
「馬の具合がかなり良かったですし、上手く立ち回ることができました」
5着 キングハート(北村宏司騎手)
「ブリンカーが利いていました。最後もよくファイトして脚を使ってくれました」
6着 カッパツハッチ(丸山元気騎手)
「久々にコーナーのある競馬でしたが、思った以上に上手に走ってくれました。1200mまでなら頑張れます」
7着 ダイメイプリンセス(秋山真一郎騎手)
「暖かくなればもっと良くなると思います。そのなかでよく頑張っています」
(via ラジオNIKKEI )
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