こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
大阪杯 2024 の回顧&未来の主役
2024年 3月31日(日) 2回阪神4日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第68回大阪杯
4歳以上・オープン・G1(定量) (国際)(指定) 芝・内 2000m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 11 | ベラジオオペラ | 牡4 | 58 | 横山和生 | 1.58.2 | 02-02-02-02 | 34.9 | 2 | (栗)上村洋行 | |
2 | 1 | 2 | ローシャムパーク | 牡5 | 58 | 戸崎圭太 | 1.58.2 | クビ | 13-12-02-02 | 34.9 | 3 | (美)田中博康 |
3 | 7 | 13 | ルージュエヴァイユ | 牝5 | 56 | 菅原明良 | 1.58.2 | ハナ | 12-12-11-10 | 34.0 | 11 | (美)黒岩陽一 |
4 | 5 | 9 | ステラヴェローチェ | 牡6 | 58 | 酒井学 | 1.58.3 | 1/2 | 09-08-09-10 | 34.2 | 7 | (栗)須貝尚介 |
5 | 3 | 6 | ジオグリフ | 牡5 | 58 | 北村宏司 | 1.58.5 | 1 | 04-05-04-04 | 34.9 | 8 | (美)木村哲也 |
6 | 4 | 8 | プラダリア | 牡5 | 58 | 池添謙一 | 1.58.6 | 1 | 06-06-07-07 | 34.8 | 4 | *(栗)池添学 |
7 | B5 | 10 | ソールオリエンス | 牡4 | 58 | 横山武史 | 1.58.7 | クビ | 09-10-04-04 | 35.1 | 5 | (美)手塚貴久 |
8 | 3 | 5 | スタニングローズ | 牝5 | 56 | 西村淳也 | 1.58.7 | 頭 | 01-01-01-01 | 35.5 | 6 | (栗)高野友和 |
9 | 8 | 16 | カテドラル | 牡8 | 58 | 藤岡康太 | 1.58.9 | 1 1/4 | 14-14-16-15 | 34.2 | 16 | *(栗)池添学 |
10 | 7 | 14 | エピファニー | 牡5 | 58 | 杉原誠人 | 1.58.9 | クビ | 14-15-11-12 | 34.6 | 13 | (美)宮田敬介 |
11 | 2 | 3 | タスティエーラ | 牡4 | 58 | 松山弘平 | 1.58.9 | ハナ | 04-03-04-04 | 35.4 | 1 | (美)堀宣行 |
12 | B2 | 4 | ハヤヤッコ | 牡8 | 58 | 幸英明 | 1.59.0 | クビ | 16-16-14-14 | 34.6 | 15 | (美)国枝栄 |
13 | 4 | 7 | ハーパー | 牝4 | 56 | 岩田望来 | 1.59.5 | 3 | 06-06-09-09 | 35.5 | 9 | (栗)友道康夫 |
14 | 1 | 1 | ミッキーゴージャス | 牝4 | 56 | M.デム | 1.59.5 | 頭 | 09-10-14-15 | 34.9 | 10 | (栗)安田翔伍 |
15 | 6 | 12 | キラーアビリティ | 牡5 | 58 | 北村友一 | 2.00.2 | 4 | 08-08-11-12 | 36.0 | 14 | (栗)斉藤崇史 |
16 | 8 | 15 | リカンカブール | 牡5 | 58 | 津村明秀 | 2.00.5 | 2 | 03-03-07-08 | 36.7 | 12 | (栗)田中克典 |
当たり前だけど、改めて感じたこと
【大阪杯】が行われた半日近く前、今年もドバイワールドカップデーが行われた。
ご存じの通り、芝ならリバティアイランドやドウデュース、ダートならウシュバテソーロといった、国内最強級の面々が数多く参戦。
当然、いくつも歓喜の瞬間が見られると思っていたが、、、
待っていたのは意外な結果。
彼ら3頭が、いずれも1番人気の評価を裏切っただけではなく、勝利を収めたのは、外国馬の「人気薄の伏兵」
また、展開のアヤもあったかもしれないが、リバティアイランドは、前走【有馬記念】で5着に敗れていたシャフリヤールにまで先着を許している。
そんな結果を受けて、当たり前のことではあるが、改めて
ことを再認識させられた。私たち自身「穴のキングスポーツ」として、常に攻めの姿勢を意識しているが、その考え方の正しさも証明されたようで、今後の予想家生活のモチベーションになったことは間違いない。(もちろん、日本馬の敗戦は悔しいが)
そして、こうしたドバイの一連の結果は【大阪杯】における「1番人気馬タスティエーラの惨敗」を暗示するものだったのかもしれない。
まずは、タスティエーラについて
では【大阪杯】のお話にいこう。
今回の場合、恐らく多くの競馬ファンにとって最も衝撃的だった出来事はのは、タスティエーラの惨敗だろう。
もちろん、レース前の段階から「何が起こるかわからない」と言われていた混戦。
とはいえ【ダービー】ウイナーであり、ほとんどの場合、人気通りから、それ以上の競馬をしてきた安定感の持ち主だけに
「何が起こるかわからない中でも、タスティエーラが崩れる可能性は低い」
と評価された方が多かったに違いない。だから、1番人気に推されたのだ。
「それほどの馬がどうして惨敗したの?」
当然、私も何度もレースを見直し、じっくりと考えてみた。
何か決定的な敗因が見つかるかと思ったが、正直言って「最初から最後まで、普通に走っているように見えた」要するに、力を出し切っているように感じられた。
厳しいことを書いたが、、、甦れ!ダービー馬!
仕上がりに関してはどうだったか?
【有馬記念】以来だから万全ではなかったかもしれないが、それでも、ノーザンファームの馬らしく、それなりに仕上がっているうようには思えた。
だとすれば、、、
競走馬の可能性は無限であり、今後、どのように変化、進化するかは誰にもわからない。
だから、本来は「成長力」といった類の言葉は好きではないのだが、今回の走りだけを客観的に評価するならば、成長に翳りが見えたのかもしれない。
恐らく、今回の結果でタスティエーラは人気を落とすだろう。
「これが美味しい!買いだ!」となる方もいるかもしれないが、そこに飛びつくのはどうか?というのが正直な思いだ。
私が記した内容をあざわらうかのような復活があるか、注目したい!
最も期待を感じるのは?
苦戦したタスティエーラの一方、馬券に絡んだ上位3頭は「三者三様」といった感じで、それぞれ良い競馬をしていた。
(この3頭は、着差こそあったが、同タイムだけに、ほぼ同様の評価をして良いと思う)
優勝したベラジオオペラの、競馬センスを感じさせる巧みな競馬は当然お見事。
一方、ローシャムパークの、他馬をねじ伏せるかのような捲りの競馬も強烈。
3着ルージュエヴァイユの、上がり3ハロン最速タイムをマークしての追い込みも印象的。
だが「みんな素晴らしかったよ!」では、今後の馬券の参考にはならないと思うので(笑)
シンプルに、彼ら3頭の中でも「最も今後に期待を感じたのは?」ということで、ローシャムパークについて記しておきたい。
実は、今回のレースにおける、私たちの軸馬だった。
有料会員様向けの解説では、以下の通り記した。(一部抜粋)
今振り返っても、昨年9月【オールカマー】の衝撃は忘れられない。
その前のレースだった【函館記念】を快勝した際のレースぶりは確かに良かった。それでも、相手関係のレベルがさほどでもなかった分、少々軽く見ていた部分があったのかもしれない。
だが【オールカマー】では、あのタイトルホルダー(万全ではなかったにせよ)を子供扱いする、余裕たっぷりのレースぶり。しかも驚くべきは、それほどのレースをしながら、当時のローシャムパークは、まだガッツリとした稽古をしていなかったということ。
管理する田中博師のコメントをご紹介したい。
「フィジカルが成長したことで、体力面のベースが上がり、強い稽古に耐えられるようになってきた」
つまり、ローシャムパークは、ここからさらに階段を駆け上がっていく馬だということ!率直に言って、今回のメンバーにおいては、全く次元の違う素材だと見るべきだ!
だから、むしろ目指すべきはリバティアイランドやドウデュースを退けての「日本最強」の座!
ここは、そこへの通過点になる。
距離実績も含め、信頼度が非常に高い軸馬であることを強調したい。
ローシャムパークはもっといける!
上の解説文の中で、管理する田中博師の
「フィジカルが成長したことで、体力面のベースが上がり、強い稽古に耐えられるようになってきた」
という趣旨のコメントをご紹介した。
体力のベースが上がったということの証が、今回の「マクリ」ではないだろうか、。
レースの流れ云々に限らず、超トップホースが揃うG1において、マクリを敢行し、尚且つ、そのまま(ほぼ)押し切るようなタフなレースは、尋常ではない。
他馬との大きな能力差はもちろんだが、圧倒的な体力があって、初めて可能な芸当だ。
レース前の段階から、ここでは別格の素材だとは考えていたが、実際の力は、私たちの想像のさらに上をいっているかもしれない。
近い将来、本当の国内トップホースになってくれることを期待して、未来の主役に指名する!
ダービー卿CT 2024 の回顧&未来の主役
2024年 3月30日(土) 3回中山3日 天候 : 晴 馬場状態 : 稍重
【11R】 第56回ダービー卿チャレンジT
4歳以上・オープン・G3(ハンデ) (国際)(特指) 芝 1600m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 2 | パラレルヴィジョン | 牡5 | 57 | 戸崎圭太 | 1.32.9 | 02-02-02 | 34.0 | 2 | (美)国枝栄 | |
2 | 5 | 10 | エエヤン | 牡4 | 57 | M.デム | 1.33.0 | 3/4 | 02-01-01 | 35.2 | 8 | (美)伊藤大士 |
3 | 3 | 5 | アスクコンナモンダ | 牡5 | 57 | 岩田望来 | 1.33.3 | 1 1/2 | 12-09-07 | 33.9 | 5 | (栗)中内田充 |
4 | 6 | 11 | ニシノスーベニア | 牡5 | 56 | 大野拓弥 | 1.33.3 | クビ | 10-09-07 | 33.9 | 3 | (美)上原博之 |
5 | 1 | 1 | ダディーズビビッド | 牡6 | 57.5 | 三浦皇成 | 1.33.5 | 1 | 08-05-04 | 34.4 | 12 | (栗)千田輝彦 |
6 | 2 | 4 | タイムトゥヘヴン | 牡6 | 57 | 北村友一 | 1.33.5 | クビ | 16-13-12 | 33.6 | 11 | (美)戸田博文 |
7 | 5 | 9 | セッション | 牡4 | 57 | 横山武史 | 1.33.8 | 1 1/2 | 01-02-02 | 35.0 | 4 | (栗)斉藤崇史 |
8 | 8 | 15 | レイベリング | 牡4 | 55 | 丹内祐次 | 1.33.8 | 頭 | 08-11-10 | 34.1 | 10 | (美)鹿戸雄一 |
9 | 4 | 8 | アルナシーム | 牡5 | 57 | 横山和生 | 1.33.9 | 1/2 | 15-16-16 | 33.8 | 9 | (栗)橋口慎介 |
10 | 2 | 3 | ラインベック | セ7 | 57 | 石橋脩 | 1.34.0 | 1/2 | 04-04-04 | 35.0 | 13 | (栗)友道康夫 |
11 | 4 | 7 | ディオ | 牡5 | 57.5 | 北村宏司 | 1.34.0 | 頭 | 04-05-07 | 34.8 | 1 | (栗)辻野泰之 |
12 | 7 | 13 | クルゼイロドスル | 牡4 | 56 | 津村明秀 | 1.34.3 | 1 3/4 | 12-13-13 | 34.4 | 6 | (栗)高橋義忠 |
13 | 8 | 16 | ドルチェモア | 牡4 | 56 | 内田博幸 | 1.34.3 | クビ | 14-13-13 | 34.3 | 16 | (美)上原佑紀 |
14 | 3 | 6 | インダストリア | 牡5 | 58 | 石川裕紀 | 1.34.5 | 1 | 10-05-04 | 35.3 | 7 | (美)宮田敬介 |
15 | 6 | 12 | グランデマーレ | 牡7 | 57 | 田辺裕信 | 1.35.1 | 3 1/2 | 04-08-10 | 35.8 | 14 | (栗)藤岡健一 |
16 | 7 | 14 | キミワクイーン | 牝5 | 55.5 | 菅原明良 | 1.35.7 | 4 | 04-11-13 | 36.1 | 15 | (美)奥村武 |
大一番にはつながるのか?
【ダービー卿CT】を回顧するためには、このレースが「どういった立ち位置にあるのか」という部分をしっかりと認識しておく必要があるだろう。
恐らく、多くの競馬ファンの中では「マイル戦の重賞」という条件からも
2ヶ月後に行われるG1安田記念へのステップレース
という見方をしているのではないだろうか。
だが、実は決してそんなことはない。
ここで、近年の【ダービー卿CT】の勝ち馬の、安田記念における成績をご紹介しておきたい。
▼過去5年の優勝馬▼
19年フィアーノロマーノ⇒安田記念14着
20年クルーガー⇒安田記念14着
21年テルツェット⇒安田記念は出走せず
22年タイムトゥヘヴン⇒安田記念は出走せず
23年インダストリア⇒安田記念は出走せず
このように、見事なまでに繋がっていない。
「じゃあ、今年の勝ち馬・パラレルヴィジョンはどうなの?」
この部分を考えることが、今回のレース回顧には最も相応しいと判断した。
パラレルヴィジョンをどう考える?
私たちなりの結論を最初に申し上げると「安田記念に出走したら」という前提にはなるが
つまり、近年の勝ち馬とは一線を画するレベルにあるという見方だ。
理由は極めてシンプルで、ここにきて、大幅に「馬が変わってきた」という点にある。
ご存じの通り、パラレルヴィジョンは、早い時期からその素質を高く評価されていた。
デビュー3戦目で挑戦した重賞【神戸新聞杯】でも1番人気に指示されたほどだ。
その一方で、気性的に難しい面があるとも言われてきた。
それが、常に上位人気に推されながら、3勝クラスを突破するのに6戦もかかってしまった点に表れているように思う。
だが、今回のレース後、戸崎騎手は「すごく乗りやすい」とコメント。
管理する国枝調教師も「ここのところすっといけて、真面目に走っていて、理想的な競馬ができるよううになってきた」と絶賛。
少し前までのパラレルヴィジョンでは考えられないようなコメントは、馬の急激な進化、変化を証明するもの。
【大阪杯】や【ドバイデー】の結果からも、今の競馬は何が起きても驚けない。少々実績が劣る馬だって、十分にチャンスがある。
完全に本格化した、今の勢いにかけてみるのもよいのではないだろうか?
文句なしで未来の主役に指名して、6月を楽しみにしてみたい!
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