こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】ラジオNIKKEI賞 2018 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | B2 | 2 | メイショウテッコン | 牡3 | 56 | 松山弘平 | 1.46.1 | 04-03-03-03 | 34.8 | 2 | |
2 | 5 | 6 | フィエールマン | 牡3 | 54 | 石橋脩 | 1.46.2 | 1/2 | 09-10-10-13 | 34.4 | 1 |
3 | 5 | 7 | キボウノダイチ | 牡3 | 53 | 戸崎圭太 | 1.46.3 | 3/4 | 01-01-01-01 | 35.3 | 9 |
4 | 4 | 4 | マイハートビート | 牡3 | 54 | 石川裕紀 | 1.46.5 | 1 1/4 | 11-11-11-06 | 34.6 | 11 |
5 | 6 | 8 | エイムアンドエンド | 牡3 | 53 | 大野拓弥 | 1.46.5 | ハナ | 05-05-05-04 | 35.0 | 6 |
6 | 4 | 5 | ケイティクレバー | 牡3 | 56 | 小林徹弥 | 1.46.7 | 1 1/2 | 09-08-07-08 | 35.0 | 7 |
7 | 1 | 1 | ロードアクシス | 牡3 | 54 | 酒井学 | 1.46.8 | クビ | 06-06-07-05 | 35.1 | 8 |
8 | 6 | 9 | マルターズルーメン | 牝3 | 49 | 武藤雅 | 1.46.8 | クビ | 13-13-11-08 | 34.8 | 13 |
9 | 8 | 13 | グレンガリー | 牡3 | 54 | 津村明秀 | 1.46.9 | クビ | 12-12-11-12 | 35.0 | 5 |
10 | 3 | 3 | キューグレーダー | 牡3 | 53 | 田辺裕信 | 1.47.0 | 1/2 | 06-06-05-06 | 35.5 | 4 |
11 | 7 | 10 | イェッツト | 牡3 | 54 | 蛯名正義 | 1.47.1 | 3/4 | 08-08-07-08 | 35.4 | 3 |
12 | 7 | 11 | シセイヒテン | 牡3 | 52 | 伊藤工真 | 1.47.1 | クビ | 02-02-02-02 | 36.0 | 10 |
13 | 8 | 12 | ロードライト | 牝3 | 51 | 嶋田純次 | 1.48.6 | 9 | 03-04-03-08 | 37.3 | 12 |
最近の【ラジオNIKKEI賞】は、毎年のように「後の活躍馬」を輩出している。
例えば、直近3年の勝ち馬、アンビシャス、ゼーヴィント、セダブリランテスは、いずれも後に重賞勝ちを経験している。
直近3年の優勝馬と後の活躍
開催年 | 優勝馬 | 後の重賞勝ち |
17年 | セダブリランテス(2人気) | 翌年【中山金杯】 |
16年 | セーヴィント(1人気) | 翌年【七夕賞】 |
15年 | アンビシャス(1人気) | 翌年【大阪杯】 |
また、少し前の話だと、2006年の2着馬ソングオブウインドは、同年の【菊花賞】勝ち馬になっているし、翌2007年の2着馬スクリーンヒーローなどは、翌年秋の【ジャパンカップ】を制し、今や誰もが認める大種牡馬になっている(産駒に“世界の”モーリス、有馬記念ウイナーのゴールドアクターなど)
好走馬の多くに、輝かしい未来が待っている。間違いなく「出世レース」だ!
それだけに「第2のスクリーンヒーローやアンビシャスはいるのかいないのか?いるとしたら誰なんだ?」という目でレースをチェックした。
上位2頭はG1でも台風の目になる!
結論から言えば、魅力を感じたのは上位2頭。優勝馬でキングスポーツの軸馬でもあったメイショウテッコン&2着のフィエールマンだ!
まずはメイショウテッコン。どういった考えの元、指名したのか?実際の解説文をご覧頂きたい。
━━━━━━━━━━ 秋に繋がる走りを! 2番メイショウテッコン ━━━━━━━━━━ 古馬との対決こそ未経験だが、率直に戦ってきた相手が違う。1月の【梅花賞】では後に【ダービー】で4着好走のエタリオウ、そして【フローラS】を勝ったサトノワルキューレを相手に逃げ切り勝ち!さらに前走の【白百合ステークス】でも圧巻の逃げ切りを披露! 土曜日の福島競馬は、逃げ&先行決着が多かったように、やはり開幕週で前にいく馬が断然有利で、ハナに立ってこその同馬はまさに狙い目! さらに状態も良し!!栗東坂路では51.3⇒11.7秒をマークして古馬1000万の馬に先着したように、絶好の仕上がりをアピールしている。トップハンデ56キロが嫌われてなのか、それほど評価は高くないが、500キロ近い力強い馬体でもあり、陣営は全く気にしていない。さあ、秋が楽しみになる逃走劇を見せてくれ!
このように、能力面や状態面もさることながら、脚質面が現在の福島の馬場状態に嵌ると考えていたのだ。
一方で気になる面もあった。馬場状態は逃げ・先行馬に合うが、福島競馬場自体が、意外と細かなアップダウンが多くスタミナを問われるため、前半から先行している馬が、ラストで急にスタミナ切れを起こすことが少なくない。(特に高条件のレベルが高いレースの場合)
実際に近年の【ラジオNIKKEI賞】勝ち馬でも、2013年のケイアイチョウサンは4角14番手から、2015年のアンビシャスは4角6番手から、上がり3ハロン最速の脚で、好位組をまとめて差し切っている。
だが、心配は無用だった。4角を3番手で通過した後も、全く危なげなく先頭でゴール。父マンハッタンカフェ譲りの圧倒的なスタミナがそうさせたのかもしれない。
難しいと思われたコース形態をもあっさり克服したのだから「本物」と見て間違いないだろう。高橋調教師は「菊花賞を目指す(父に続いての制覇を目指すということになる)」と語っていた。もちろん春のクラシック組の壁は厚いだろうが、それでも「スタミナ勝負」という点なら、台風の目に成りえるとみた!
もちろん、メイショウテッコンを評価している以上、上がり3ハロン最速の末脚で、勝ち馬を半馬身差のところまで追い込んだ2着フィエールマンにも注目していく必要があるだろう。
父ディープインパクト、母親が2004年の【ジャパンC】にも出走(7着)したフランス馬・リュヌドールという良血だが、追い込んだ脚は、期待に違わぬ破壊力といったところだろう。
冒頭でも記した通り【ラジオNIKKEI賞】は、実は出世レースなのだが、開催場所のせいもあるのか、地味に見られがちで、秋には今日のことを忘れている人も多いかもしれない。
だが少なくとも上位2頭のことはだけは、頭に入れておいてほしい。きっとどこかで、また激走する!
【ラジオNIKKEI賞 2018】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【みんなのKEIBA 次回7月8日(日) 午後3時】
福島で行われた「ラジオNIKKEI賞・GⅢ」は2番人気トップハンデ②メイショウテッコンが重賞初制覇を飾りました!松山弘平騎手は今年重賞2勝目。2着は1番人気⑥フィエールマン。3着は9番人気⑦キボウノダイチ。3連単は2万1500円の払い戻し、 pic.twitter.com/TbEZm5phDR— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) July 1, 2018
【ラジオNIKKEI賞 2018】のレース後の関係者のコメント
~レース後のコメント~
1着 メイショウテッコン(松山弘平騎手)
「前走も勝ってくれて、自信を持って乗ることができました。2番枠でしたので、行けたら行こうと思っていました。長く脚が使えるので、つつまれてヨーイドンのレースになるよりは自分から動いて行く方が良いと思っていました。よく馬の後ろで我慢をしてくれました。外へ出してから抜け出せればと思っていて、少し強引でしたが、3コーナーで外へ出してから手応えが良かったです。粘り強さが持ち味です」
1着 メイショウテッコン(高橋義忠調教師)
「長い距離を走れそうなイメージがありますので、この後2ヶ月ほど休ませて、秋は菊花賞を目指します。だいぶ大人になってきていますが、まだ大人になりきれていません。もう少し精神的に大人になってくれればと思います」
3着 キボウノダイチ(戸崎圭太騎手)
「トップスタートを切って、道中もスムーズでハナに行くことができました。この馬の持ち味を生かせました。まだまだこれから良くなる馬です」
6着 ケイティクレバー(小林徹弥騎手)
「残念でした。最後はきていますが、位置を取りに行くのに距離が足りませんでした」
7着 ロードアクシス(酒井学騎手)
「いつもは1コーナーでかんでくる所があるのですが、今日は終始スムーズに追走してくれました。4コーナーの反応も良かったのですが、なかなか伸びなかったです」
9着 グレンガリー(津村明秀騎手)
「大外枠で、競馬がしづらかったです。最後は伸びていますが、これから良くなる馬だと思います」
10着 キューグレーダー(田辺裕信騎手)
「スタートはそれなりに出てくれました。向正面での脚も良かったのですが、もう一度上がってくることができませんでした」
11着 イェッツト(蛯名正義騎手)
「終始、手応えがありませんでした。追走に余裕がありませんでした」
(via ラジオNIKKEI )
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