こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】サウジアラビアRC 2019 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 3 | サリオス | 牡2 | 55 | 石橋脩 | 1.32.7 | 03-03 | 33.1 | 1 | (美)堀宣行 | |
2 | 6 | 6 | クラヴァシュドール | 牝2 | 54 | 藤岡佑介 | 1.32.9 | 1 1/4 | 05-05 | 33.1 | 2 | (栗)中内田充 |
3 | 8 | 8 | アブソルティスモ | 牡2 | 55 | 戸崎圭太 | 1.33.5 | 3 1/2 | 01-01 | 34.3 | 3 | (美)藤沢和雄 |
4 | 2 | 2 | ジェラペッシュ | 牝2 | 54 | 吉田豊 | 1.33.9 | 2 1/2 | 05-05 | 34.1 | 6 | (美)尾関知人 |
5 | 8 | 9 | エンジェルサークル | 牝2 | 54 | M.デム | 1.33.9 | クビ | 09-08 | 33.7 | 5 | (美)中川公成 |
6 | 7 | 7 | シコウ | 牡2 | 55 | 木幡巧也 | 1.34.2 | 2 | 02-02 | 34.9 | 7 | (美)牧光二 |
7 | 4 | 4 | カップッチョ | 牡2 | 55 | 江田照男 | 1.34.4 | 1 1/4 | 07-07 | 34.4 | 9 | (美)高市圭二 |
8 | 5 | 5 | ロードエクスプレス | 牡2 | 55 | 三浦皇成 | 1.34.5 | 1/2 | 07-08 | 34.4 | 4 | (栗)坂口智康 |
9 | 1 | 1 | イロゴトシ | 牡2 | 55 | 小崎綾也 | 1.34.5 | クビ | 03-03 | 35.0 | 8 | (栗)牧田和弥 |
2歳重賞を予想するのは、本当に難しく、また面白いと感じる。
それは、馬それぞれ、成長曲線が違うからだ。
新馬戦や2戦目あたりで物凄い勝ち方をした馬が、既にその時点で完成しており、その後伸びずに終わったというケースがある一方、新馬戦で見どころがなかった馬が大きく成長するケースも。
前者に関しては、数え切れないほどいるから例を挙げるまでもない。
一方、後者の代表格といえば、2014年のダービー馬・ワンアンドオンリー。
新馬戦は10番人気の12着だった。
そこから、大きく進化を遂げて、世代の頂点にまで到達したのだから、橋口元調教師をはじめとした関係者は感慨深かったに違いない。
予想家としては、難しさもある分、ワンアンドオンリーのような馬をいち早く見つけることこそ、醍醐味のひとつであり面白いと感じる。
怪物候補・サリオス登場
なぜこういった話をしたかといえば!
今回の【サウジアラビアRC】には、新馬戦を圧倒的な内容で快勝し
早くも「怪物候補」と噂されるサリオスが出走したからだ。
新馬戦では、素質馬たちを相手に、ノーステッキで上がり3ハロン33秒1をマーク!2着馬で、今回も戦うことになったアブソルティスモに2馬身差をつけての勝利だった。
もちろん、今回のレースでキングスポーツは軸馬に指名した。
実際に会員様にご紹介した解説文の中では
という書き方をした。
この新馬戦の内容から感じたのは
「2歳戦の段階では圧倒的な力を見せることは間違いない(だから今回軸にした)が、それ以降に関してはもう少し様子を見る必要がある」
という思い。冒頭でも記したような「完成したのが他馬より速かっただけ」というケースがないとも言えないからだ。
結論➡本物!文句なし!
結論から言ってしまえば、文句なしの本物!
ノーザンファームの吉田勝己代表が
ダービーは決まったな!
と冗談めかして語ったそうだが、それも納得。
ラスト300メートル付近で、2着馬と馬体を合わせると、一気に加速!
あっさり、1馬身1/4もの差をつけて快勝。
確かにこの内容にはインパクトがあったが、私が本物と確信できる最大の理由は
3着馬アブソルティスモとの着差
にある。
新馬戦の時に2馬身だった両馬の差は、展開など細かい違いはあったにせよ、今回は5馬身近くに広がった。
これは、サリオスが新馬戦よりも進化を遂げている証!
あれほど強かった新馬戦は完成形どころか、まだタップリのノビシロを残してものであったことをハッキリと証明した。
今回のレースでもまだ余裕がありそうに見えたし、この先もっと良くなるかもしれない。
2着馬クラヴァシュドールのレース運び、末脚の伸びにもかなりの素質を感じるだけに、いずれ、今回の【サウジアラビアRC】が
伝説の2歳重賞
と呼ばれることになるかもしれない。
楽しみだ。

次走こそ狙え!この馬が未来の主役だ!
5着・エンジェルサークル
率直に言って、上位3頭(特に2頭)とその他の馬との間には、現時点では大きな力の差があるように思う。
だが、彼らの存在を敢えて忘れて、その他の馬だけを冷静に、客観的に見れば、エンジェルサークルの動きが光っていたのではないか。
では、どこが光っていたか?
これに関しては極めてシンプルで、メンバー中3番目となる33秒7の末脚を使ったという点。
特に2歳戦において、私は以前から次のような考え方をしている。
「着順に関しては“ハマったことにより上位でゴール”というケースもあるが、上がり3ハロンの数字に関しては、ほぼその馬の力を反映するもの」
レース後に鞍上が語っていた通り、まだまだ心身ともに子供だが、それでいて今回のような脚を使えるのは素晴らしい。
順調に経験を積むことができれば!今は遠い上位3頭の背中も、近くに見えてくるかも!楽しみにしたい。
【サウジアラビアRC 2019】のレース後の関係者のコメント
1着 サリオス(石橋脩騎手)
「力を出せて良かったです。ゲートは上手に出てくれると思っていましたが、内目の枠で、後ろからにならないように気をつけてポジションを取りに行きました。2着の馬もかなりの脚を使っていると思いますが、乗り負けてないですし、能力の高い馬だと思います」
2着 クラヴァシュドール(藤岡佑介騎手)
「勝ち馬の位置を取りたかったのですが、主張されて1列後ろの位置になりました。最後もよく走っていますが勝ち馬に迫っていくと勝ち馬はそこからまた伸びました。馬はとても良いコンディションでした」
3着 アブソルティスモ(戸崎圭太騎手)
「自分のリズムで良い感じに進めることができました。長く良い脚を使うタイプだと思います。力はありますがまだ気性が若いです」
4着 ジェラペッシュ(吉田豊騎手)
「もう1列前で運びたかったのですが、それでも道中はリズムよくいけましたし、最後も反応して脚を使っています。今後はテンションに課題でしょうか」
5着 エンジェルサークル(M.デムーロ騎手)
「まだ子供です。スタートもあまり上手ではありませんし、ラストも伸びていません。まだ成長しているところで、これからよくなる馬です」
(via ラジオNIKKEI )
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