こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、私たちなりの視点で、レース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
シンザン記念 2025 の回顧&未来の主役
2025年 1月13日(祝) 1回中京5日 天候 : 晴 馬場状態 : 良
【11R】 第59回日刊スポーツ賞シンザン記念
3歳・オープン・G3(馬齢) (国際)(特指) 芝 1600m 15頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 4 | リラエンブレム | 牡3 | 57 | 浜中俊 | 1.34.6 | 04-08-09 | 35.1 | 3 | (栗)武幸四郎 | |
2 | 5 | 8 | アルテヴェローチェ | 牡3 | 57 | 川田将雅 | 1.35.0 | 2 1/2 | 07-07-06 | 35.7 | 1 | (栗)須貝尚介 |
3 | 8 | 15 | ウォーターガーベラ | 牝3 | 55 | 団野大成 | 1.35.2 | 1 1/2 | 12-13-13 | 35.3 | 14 | (栗)河内洋 |
4 | 1 | 1 | マイネルチケット | 牡3 | 57 | 戸崎圭太 | 1.35.2 | ハナ | 09-11-10 | 35.5 | 2 | (栗)宮徹 |
5 | 2 | 2 | タイセイカレント | 牡3 | 57 | 武豊 | 1.35.4 | 1 1/4 | 02-04-03 | 36.3 | 4 | *(栗)矢作芳人 |
6 | 3 | 5 | ジーティーマン | 牡3 | 57 | 藤岡佑介 | 1.35.8 | 2 1/2 | 09-11-10 | 36.1 | 5 | (栗)小栗実 |
7 | 2 | 3 | アクルクス | 牡3 | 57 | 幸英明 | 1.35.9 | 1/2 | 07-08-06 | 36.6 | 15 | (栗)池添学 |
8 | 7 | 12 | ラージギャラリー | 牝3 | 55 | 坂井瑠星 | 1.36.1 | 1 | 04-02-02 | 37.3 | 10 | (栗)高橋亮 |
9 | 4 | 7 | オンザムーブ | 牡3 | 57 | M.デム | 1.36.1 | クビ | 13-10-10 | 36.5 | 12 | *(栗)矢作芳人 |
10 | 5 | 9 | リカントロポ | 牡3 | 57 | 菱田裕二 | 1.36.2 | 1 | 09-13-14 | 36.1 | 11 | (栗)梅田智之 |
11 | 6 | 10 | ゴールデンカイト | 牡3 | 57 | ルメート | 1.36.3 | 1/2 | 02-04-06 | 37.0 | 9 | (栗)中内田充 |
12 | 7 | 13 | レーヴブリリアント | 牡3 | 57 | 松山弘平 | 1.36.6 | 1 3/4 | 13-01-01 | 37.8 | 6 | (美)田中博康 |
13 | 4 | 6 | カラヴァジェスティ | 牡3 | 57 | 池添謙一 | 1.36.8 | 1 1/4 | 13-15-14 | 36.8 | 7 | (美)奥村武 |
14 | 6 | 11 | メイショウツヨキ | 牡3 | 57 | 北村友一 | 1.38.1 | 8 | 04-04-05 | 38.9 | 13 | (栗)飯田祐史 |
15 | 8 | 14 | アーリントンロウ | 牡3 | 57 | 西村淳也 | 1.38.2 | 3/4 | 01-03-03 | 39.1 | 8 | (栗)松下武士 |
なぜ、先に繋がるの?
後ほどご紹介する【フェアリーS】と共に、今週の2つの重賞は、いずれも3歳限定戦だった。
開催は1月の前半。それだけに、多くの馬が実戦経験も少ない中での戦い。
新馬、あるいは未勝利勝ち直後の1勝馬が、抽選を突破した勢いをそのままに優勝!そんなケースも少なくない。というより今年もそうだった。
先に繋がるような、繋がらないような、、、
誤解を恐れずに言えば、馬券を買うファンの側にとっても「わかりにくい重賞」だったりするのだ。
ただ、それにもかかわらず!
意外にも後のトップホースが何頭も出ている。もちろん、わかりやすいところでいえば【シンザン記念】ならアーモンドアイ、【フェアリーS】ならスターズオンアースなど。
一体、なぜなんだろう?
その理由は「経験の浅い馬たち同士だからこそガチ勝負になるから」
「本当の底力」が問われやすい
予想をする側は、各馬の数少ないレース経験を見て、一応、先行馬だったり差し馬だったりの脚質を想定。そして、それを展開予想に用いるのだ。
もちろん、ジョッキーたちも、同様の感覚でレースをイメージする。
だが、冷静に考えてみれば、たった1戦や2戦しか経験していない馬の脚質が、その時点で定まっていることなどありえないのだ!
初戦は先行して勝ったけど、後から振り返れば差し・追い込み馬だった(もちろんその逆も然り)なんてケースはいくらでもある。
したがって、周囲の想定とは異なるレースになりがち。鞍上も戸惑う。
ごちゃごちゃした状況になった時、最後に問われるのは「底力」なのだ。
それゆえ、先に繋がらないようにみえて、結果的に繋がることになる。そんな仕組みだ。
2頭ずつ、両重賞で合計4頭をピックアップ
だからこそ、今回の2つの重賞では、敢えて全体像を振り返ろうとは思わない。
ここまで書いてきた内容からもおわかりの通り、あってないような脚質の馬たちの戦いだけに、振り返ったところで、今後の予想に活かせそうな部分が少ないように感じるからだ。
それよりも!
展開どうこうを抜きに、シンプルに「走りっぷりに大物感を漂わせていた馬」
即ち、本当の底力を感じさせてくれた馬を各重賞、2頭ずつピックアップしようと思う。
この先のG1において、彼らが輝く姿に大きな期待を込めて!ではいってみようか。
3着ウォーターガーベラ⇒河内師、ラスト重賞勝ちの好機
勝ったリラエンブレムは明らかに逸材だから、敢えてここでは書かない。
それよりも、まずは3着のウォーターガーベラだ。
レース中は、どうしても自分の注目馬や上位人気馬を中心に見てしまうため、14番人気だったこの馬のことはあまり気づかなかったが、レース終了後、改めてレースをしっかり見直し、一頭ずつチェックしてみたが、この馬の末脚は相当にレベルが高い。
決して、フロックの激走ではない。
未勝利を挙げた舞台ということで、コース相性の良さもあるのかもしれないが、序盤から、文句のつけようがないレースぶり。
追われてからの反応、息の長い末脚共に、まるで古馬の一線級を見ていた。
これほどの馬が、どうして前走の1勝クラスで7着に負けているのだろうかと不思議で仕方がないが、単純に距離(1400M)が合っていなかったということなのだろう。
レース後、またがっていた団野騎手のコメントも聞いたが、将来性も含め非常に高く評価していたが、それも納得。
マイル路線にこだわれば、重賞勝ちのチャンスは十分にある!
できれば、間もなく定年を迎える、河内厩舎のラスト重賞勝ちのチャンスということで、来月の【クイーンC】あたりに出走だと面白そうだが、、、楽しみにしよう。
4着マイネルチケット⇒思った以上に
こちらに関しては、2番人気での4着だから、着順だけをみれば「人気を裏切った馬」ということになるかもしれない。
ただ、個人的には、マイルもこなせないことはないが(重賞の3着もある)、ベストは1400Mの馬だと評価していた。
どうしても気性の若さがあるし、そのせいか、マイル戦では手応えの割にラストでは伸びないからだ。
そして今回、懸念材料の気性の若さが出た。
道中で噛んでいたことは、レースをご覧の皆様ならおわかりだろう。
ましてやタフな中京マイルが舞台だけにどうなることかと思ったが、私の中では「それでも4着にまとめた」
潜在能力の高さは相当なものだ。
まだ彼は3歳馬。1年後、2年後のことはわからないが、少なくとも現状は1400Mを中心に使ってほしいし、そうすれば、いずれ、重賞タイトルを狙えると思う。
勝ち馬&2着馬はもちろんだが「今年のシンザン記念のレベルは相当高かった」近い将来、そう感じる競馬ファンが続出するとみた!
フェアリーS 2025 の回顧&未来の主役
2025年 1月12日(日) 1回中山4日 天候 : 曇 馬場状態 : 良
【11R】 第41回フェアリーS
3歳・オープン・G3(馬齢) (牝)(国際)(特指) 芝 1600m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 12 | エリカエクスプレス | 牝3 | 55 | 戸崎圭太 | 1.32.8 | 02-03-03 | 35.1 | 2 | (栗)杉山晴紀 | |
2 | 7 | 13 | ティラトーレ | 牝3 | 55 | 木幡巧也 | 1.33.3 | 3 | 02-02-01 | 35.9 | 4 | (美)牧光二 |
3 | 6 | 11 | エストゥペンダ | 牝3 | 55 | 三浦皇成 | 1.33.4 | クビ | 12-12-11 | 34.6 | 9 | (美)高柳瑞樹 |
4 | 1 | 1 | マイスターヴェルク | 牝3 | 55 | マーカン | 1.33.4 | ハナ | 07-07-07 | 35.0 | 5 | (美)勢司和浩 |
5 | 1 | 2 | キタノクニカラ | 牝3 | 55 | 丸田恭介 | 1.33.9 | 3 | 11-10-09 | 35.3 | 13 | (美)小島茂之 |
6 | 8 | 16 | レモンバーム | 牝3 | 55 | 団野大成 | 1.33.9 | ハナ | 16-13-11 | 35.0 | 14 | (美)嘉藤貴行 |
7 | 3 | 5 | ハードワーカー | 牝3 | 55 | 佐々木大 | 1.34.3 | 2 | 04-04-04 | 36.3 | 15 | (美)竹内正洋 |
8 | 8 | 15 | ミラーダカリエンテ | 牝3 | 55 | 石川裕紀 | 1.34.4 | 3/4 | 12-16-14 | 35.1 | 16 | (美)相沢郁 |
9 | 4 | 8 | レイユール | 牝3 | 55 | 嶋田純次 | 1.34.5 | 1/2 | 07-10-11 | 35.9 | 1 | (美)手塚貴久 |
10 | 4 | 7 | ホウオウガイア | 牝3 | 55 | 田辺裕信 | 1.34.6 | クビ | 07-07-08 | 36.3 | 3 | (美)大竹正博 |
11 | 2 | 3 | ジャルディニエ | 牝3 | 55 | 斎藤新 | 1.34.7 | 3/4 | 12-13-14 | 35.7 | 7 | (栗)奥村豊 |
12 | 5 | 9 | モルティフレーバー | 牝3 | 55 | 北村宏司 | 1.35.2 | 3 | 06-05-05 | 37.1 | 8 | (栗)清水久詞 |
13 | B2 | 4 | ネーブルオレンジ | 牝3 | 55 | 丹内祐次 | 1.35.3 | 3/4 | 04-05-05 | 37.2 | 12 | (栗)杉山佳明 |
14 | 3 | 6 | ミーントゥビー | 牝3 | 55 | 松岡正海 | 1.35.4 | クビ | 15-15-14 | 36.3 | 6 | (美)堀内岳志 |
15 | 5 | 10 | ルージュミレネール | 牝3 | 55 | 横山和生 | 1.36.5 | 7 | 07-07-09 | 38.2 | 10 | (美)斎藤誠 |
16 | 7 | 14 | ニシノラヴァンダ | 牝3 | 55 | 菅原明良 | 1.36.7 | 1 | 01-01-02 | 39.4 | 11 | (美)奥平雅士 |
こちらも2頭をピックアップ
今回の回顧における考え方は、上のシンザン記念の解説の際に記した通りだ。
全体像は抜きにして、将来的に輝けそうな大物感を漂わせる2頭をピックアップ、皆様の「明日の馬券の勝利」につなげていただけると幸いだ。
ただし、一点だけお断り。
改めて私が解説するまでもなく、優勝したエリカエクスプレスが明確に一枚上の馬だったことは明白。
それに彼女に関しては、各所で様々な方が取り上げている。
だから、彼女を「ここでは別格」と敬意を表した上で、それに続く2頭のご紹介ということにさせてほしい。
では、まずはこの馬から!
2着ティラトーレ⇒急成長中
前走の1勝クラス【ひいらぎ賞】(今回と同じ中山マイル)では、レコード決着&牡馬相手の中で4着にまとめている。
それだけに、前走時の状態でも、重賞とはいえ牝馬限定のここなら、それなりに走っていただろう。
だが!前走から中3週というわずかな期間の中で、急激に馬が良くなり、調教においてもの凄い動きを見せていた。
そこで、私たちは「イチオシ好調教馬」に指名。以下の通り、有料会員様には解説させていただいた。
動きだけならもっともっと上を目指せそうな馬に思えるし、大仕事の可能性は十分にある!
序盤から行きっぷりもよく、巧みに回ってきたと思えば、直線でもよく粘った。
恐らく、例年のレベルの【フェアリーS】なら勝っていたはずだ。
経験の浅い馬だからこそ、能力は調教に表れやすい。
だからこそ、私たちが感じた「動きだけならもっともっと上を目指せそうな馬に思える」という感覚に間違いはないだろう。
徐々に気性も良くなっているから2000Mくらいまではいけると思う。【オークス】はわからないが【桜花賞】や【秋華賞】では侮れない存在になるぞ!
4着マイスターヴェルク⇒もう少し短い距離でも
ジョッキーも認めていたが、レース前の段階でかなり入れ込んでいた。
それによって、随分スタミナも消耗していたようだ。
だが、レースにいくと、この馬なりに、そして気性の若さなりに集中する。
非常に良い手応えで道中を進んでいたように見えたし、その割にラストであとひと伸びが利かなかったのは、レース前の消耗の分かもしれない。
ただ、気性面に関しては、年齢を重ねればある程度は改善されるケースもあるし、距離を短くして対応することもできる。(個人的には1400Mが合う気がする)
一方で、それよりも評価したいのは
「レース前と、レース中で全く違う顔をもっている」という部分だ。いわゆる実戦向きの馬。
予想家として数多くの馬を見てきた経験上、この部分だけは教えてどうにかなるものではないと思う。それだけに、飛躍へ向けて、既に大きなアドバンテージを備えているということ。
本当に楽しみじゃないか!注目してほしい。
勝負の明暗バックナンバーは下記をクリック