こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
キングスポーツ編集長が見る「勝負の明暗」 はここだった!
【 天皇賞秋 2017 】における勝負の明暗( キングS 予想含む )
会員様のお伝えしたコメント抜粋は下記の通り。
復活へ! 最強を示す! 7番キタサンブラック まず、今年の【天皇賞・秋】において最大のポイントはキタサンの取り捨てについてだろう。 1番人気にはなりながらも、単勝は3倍台。やはり、前走の【宝塚記念】の敗退でもうピークは過ぎたという考えも多いのだろう。 しかし、私達キングスポーツは、まだこの馬は現役最強馬というのが結論だ! なお、【宝塚記念】の時は、キタサンの評価を下げていたが、小回りで、気持ちよく逃げたいキタサンにとってはキツイコースで力は出し切れないと読んでいた。 実際にルメール騎手やデムーロ騎手の手綱捌きにより、キタサンにとってはとても可哀想な結果となった。 しかし、広く直線の長い東京コースは、早仕掛けやマクる競馬をして勝てるほど甘くはないので、力の誤魔化しが一切通用しない。 G1・5勝の現役最強馬が、その最強たるゆえんを誇示するレースになる! 武豊曰く 「いつの時代にも最強馬と呼ばれる馬はいると思うけど、胸を張って言えます。いまは、この馬だと思います」 この言葉になんの疑いもない!!
上記の予想における感想などは【天声馬語】心が震えた( 天皇賞秋 週 2017 )においてキングスポーツ編集長自らが語っております。
キタサンブラック ⇒ 神様からの贈り物
スタートでのまさかの出遅れや、武豊騎手の完璧とも言うべきレース運び、コース取りなどレースの詳細については、各所で報じられているし皆様もご存知だろうから、改めて記すつもりはない。
それよりも、まずは私も思わずグッときた、北島三郎オーナーの会見での言葉を引用させて頂きたい。喜びと安堵と、様々な感情がこもった心に残る会見だった。
キタサンブラックはデビューしてからこんなに頑張ってくれて、素晴らしい成績を残してくれて、いっぱい夢をくださって、ファンの皆さんからもたくさん『おめでとう!』と言っていただけた。 自分の体調が本調子じゃないときにブラックがこんなに走ってくれて、まるで神様からの贈り物のようです。 (北島三郎オーナー)
「ファンからのたくさんのおめでとう」確かに、キタサンブラックは本当にファンの多い、愛されている馬だと思う。単に強いからではない。理由は、紆余曲折を乗り越えた生き様にあるのだろう。
デビューの新馬戦では3番人気の評価に留まり、ダービーでは14着に惨敗しているように、決してエリートホースという訳ではない。
そんな馬がコツコツと努力して力をつけ、日本一の名手と巡りあった。しかし、不動の日本のエースとなるも宝塚記念で9着に惨敗。そこから這い上がり、今回の天皇賞・秋で「伝説」を作った。
自分の思った通りに人生を歩める人間など、世の中に何人いるだろうか。
みんな、良い事も悪い事もありながら、明日の栄光を夢見て必死にもがいている。
競馬ファンは、そんな自分を、同じように紆余曲折の中にいるキタサンブラックに重ねる。だからキタサンが勝った時は自分の事のように喜ぶのだ。
そして「俺もやれるんだ!」と。
JRAヒーロー列伝のポスターの「そして、みんなの愛馬になった。」という文言が、本当によく似合う。
紆余曲折という意味では、競馬オーナーとしての北島三郎氏もそうだろう。演歌の帝王として歩む一方、長きに渡るオーナー生活の中でも、これといった名馬と出会えずに苦しんだ。
それでも諦めずにオーナーを続けた頑張りを、競馬の神様は見ていたに違いない。「贈り物」を送られるのに相応しい人物だと心から思うのだ。
但し!次も簡単に勝てるほどの絶対的な差はない。
本日の余韻に水を差すようで悪いが、この先に待つ ジャパンカップ 2017 や有馬記念 2017 でもキタサンブラックが勝てるかどうかと問われたならば、そんなに簡単な話ではないというのが私の結論。
例えば ジャパンカップ 2017 には3歳ダービー馬のレイデオロが満を持して出走してくる。キタサン自身、不良馬場の中を走り切ったダメージもあるだろう。
いかにスーパーホースといえども、決して特別扱いをするつもりはない。私たちの仕事は、あくまでも勝ち馬を見つけ、馬券を射止めること。
あらゆる条件を冷静に判断した上で、今回のように軸馬に据えるのか、高配当をダブル的中した宝塚記念 2017 の時のように評価を下げるのか。決断を下すつもりだ。そんなところも楽しみにしていて頂きたい。
【天皇賞秋 2017】次走への指針がここにある。
2着サトノクラウン・・・
負けて強しと言って良いだろう。父親が英国で活躍したマルジュということもあるのだろうが、いかにも欧州向きの重厚なタイプ。今回は、その重厚さにピッタリの馬場を活かして直線でも鋭く脚を伸ばすなど好内容だったが、キタサンブラックが強すぎた。致し方ない。
凱旋門賞に挑戦したサトノダイヤモンドも強い馬だが、サトノクラウンの方が欧州での挑戦が成功する可能性が高いとみる!
3着レインボーライン・・・
昨年の【菊花賞】でも☆穴馬として指名し2着に走ってくれたように、元々潜在能力の高さは理解していた馬。しかし、力の要る馬場がプラスになることを考慮しても、休み明けで勝ち負けまでする想像ができなかったことが悔やまれる。
同馬のイメージは、「ポップロック」近年で言えば「ウインバリアシオン」のようなタイプだろうか。G1で善戦するタイプなのだが…。しかし、どこかで化ける可能性は大いに秘めている馬ではないだろうか。
【天皇賞秋 2017】を見逃した方は下記からご覧下さい。
【みんなのKEIBA 次回11月5日(日) 午後3時】
これが現役最強馬だ!天皇賞秋を制したのは⑦キタサンブラック
興奮のレースをもう一度!!#みんなのKEIBA #天皇賞秋 #キタサンブラック #武豊 pic.twitter.com/n645nGjrwd— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) 2017年10月29日
【天皇賞秋 2017】レース後の関係者のコメント
レース後のコメント
1着 キタサンブラック(武豊騎手)
「すごく大きな1勝です。これだけの馬ですから、勝つことが出来てホッとしています。休み明けでしたが、今日は最高のデキでした。スタートでは前扉に突進してしまい遅れましたが、慌てずに状況に合わせて走りました。こういう馬場もこなしてくれると信じて、直線では内に入りました。早めに先頭に立ったことで最後詰め寄られましたが、押し切ってくれました。次走のジャパンカップでは、日本代表として彼らしい走りで連覇を目指します」
(清水久詞調教師)
「前走後は怪我もなかったので、夏場はゆっくり休ませました。調教ではメニューをしっかりこなしてくれて、状態もとても良かったです。武豊騎手にはレース前”いつも通りに”ということだけ伝えました。ゲートの中で悪さをしているのが見えたので、追い込むしかないなと感じました。本当によく頑張ってくれました」
(北島三郎オーナー)
「この馬については何も言うことがないです。武豊騎手には”驚かせてごめんなさい”と言われました。武豊騎手や調教師、厩務員のみなさんのおかげで勝つことが出来ました。格好良いままで、最後まで無事に走って欲しいです」
2着 サトノクラウン(M.デムーロ騎手)
「よく頑張りました。残念です。勝ち馬は強かったです。馬場は得意ではありませんが、よく盛り返してくれました」
3着 レインボーライン(岩田騎手)
「一瞬はグッと来たのですが…。内をうまく立ち回って、力は出せました。デキも良かったです」
4着 リアルスティール(シュミノー騎手)
「ゲートが良すぎて掛かっていました。こんな馬場でも伸びていますし、この馬は強いです。”負けて強し”です。こんな馬場でなければ…。いい動きをするのに前へ進みませんでした」
5着 マカヒキ(内田博騎手)
「頑張りました。大分良くなっています。(手綱を)抱え上げて走らせると最後まで伸びています。今日はリズム重視で乗りました」
6着 ソウルスターリング(ルメール騎手)
「レースがスムースではなかったです。1、2着馬は内を走っていましたが、こちらは外を回るロスがありました。よく頑張っています。馬場は大丈夫でした」
7着 ディサイファ(柴山騎手)
「この馬場は大丈夫でした。よく頑張っていましたが…」
8着 サクラアンプルール(蛯名騎手)
「よく頑張っています。馬場は上手という感じではないです。(手綱を)うまく抱えていないと躓いていました。せっかくの内枠を生かせない馬場でした」
9着 グレーターロンドン(田辺騎手)
「切れ味を生かしたかったのですが、この馬場では厳しいです。4コーナーではある程度の位置まで上がって行きたかったです。早めに動きましたが、直線は脚がありませんでした」
10着 ステファノス(戸崎騎手)
「スタートから馬場を気にしていました」
12着 ミッキーロケット(和田騎手)
「いいスタートを切れましたが、馬場を怖がってジャンプして走っていました」
15着 シャケトラ(C.デムーロ騎手)
「終始ノメっていました。3~4コーナーでは脚がなかったです」
18着 サトノアラジン(川田騎手)
「少し雨が降るだけでも厳しい馬ですし、これだけの馬場になってしまっては…」
(via ラジオNIKKEI )