こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】ユニコーンステークス 2021 における勝負の明暗
【11R】 第26回ユニコーンS
3歳・オープン・G3(別定) (国際)(指定) ダート 1600m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 2 | スマッシャー | 牡3 | 56 | 坂井瑠星 | 1.34.4 | 09-08 | 35.4 | 7 | 13.4 | 468 | -2 | (栗)吉岡辰弥 | |
2 | 8 | 15 | サヴァ | 牡3 | 56 | 石川裕紀 | 1.34.5 | 1 | 03-02 | 36.2 | 14 | 79.0 | 520 | +2 | (栗)上村洋行 |
3 | B4 | 7 | ケイアイロベージ | セ3 | 56 | 三浦皇成 | 1.34.7 | 1 | 11-10 | 35.5 | 3 | 5.4 | 476 | 0 | (栗)野中賢二 |
4 | B8 | 16 | ルーチェドーロ | 牡3 | 56 | 戸崎圭太 | 1.35.1 | 2 1/2 | 05-07 | 36.2 | 2 | 4.7 | 500 | +6 | (美)高橋裕 |
5 | 3 | 6 | クリーンスレイト | 牡3 | 56 | 田辺裕信 | 1.35.3 | 1 | 13-13 | 35.7 | 4 | 7.6 | 476 | -8 | (美)久保田貴 |
6 | 4 | 8 | サンライズウルス | 牡3 | 56 | 藤井勘一 | 1.35.3 | クビ | 14-15 | 35.4 | 6 | 13.0 | 478 | -6 | (栗)安田翔伍 |
7 | 2 | 3 | ティアップリオン | 牡3 | 56 | 内田博幸 | 1.35.5 | 1 | 05-05 | 36.8 | 9 | 20.2 | 470 | -2 | (美)奥平雅士 |
8 | 5 | 10 | プロバーティオ | 牡3 | 56 | M.デム | 1.35.9 | 2 1/2 | 01-01 | 37.9 | 10 | 20.8 | 496 | 0 | (美)田中剛 |
9 | 6 | 11 | ヴィゴーレ | 牡3 | 56 | 丸山元気 | 1.35.9 | ハナ | 11-10 | 36.7 | 16 | 94.8 | 464 | 0 | (栗)松永幹夫 |
10 | 5 | 9 | ブラックアーメット | 牡3 | 56 | 津村明秀 | 1.36.2 | 1 3/4 | 09-12 | 36.9 | 12 | 41.1 | 508 | 0 | (栗)角田晃一 |
11 | 1 | 1 | ゲンパチフォルツァ | 牡3 | 56 | 木幡巧也 | 1.36.3 | クビ | 03-02 | 38.0 | 5 | 10.3 | 508 | +8 | (美)堀井雅広 |
12 | 3 | 5 | イグナイター | 牡3 | 56 | 武藤雅 | 1.36.3 | 頭 | 14-14 | 36.6 | 15 | 94.5 | 520 | +6 | [地]福永敏 |
13 | B2 | 4 | ラペルーズ | 牡3 | 56 | ルメール | 1.36.5 | 1 1/2 | 08-08 | 37.4 | 1 | 4.5 | 518 | -2 | (美)藤沢和雄 |
14 | 6 | 12 | ローウェル | 牡3 | 56 | 団野大成 | 1.36.6 | 1/2 | 05-05 | 38.0 | 13 | 47.6 | 548 | +14 | (栗)斉藤崇史 |
15 | 7 | 14 | カレンロマチェンコ | 牡3 | 56 | 松若風馬 | 1.36.8 | 3/4 | 02-02 | 38.6 | 8 | 18.8 | 462 | +2 | (栗)高柳大輔 |
止 | 7 | 13 | ピンクカメハメハ | 牡3 | 56 | 北村宏司 | 11 | 31.4 | 466 | (栗)森秀行 |
言わずと知れた、ダート界最大の出世レース。
以下の通り、多くの後の活躍馬を輩出してきた。
◆近年の主な活躍馬
2020年1着カフェファラオ➡後にG1【フェブラリーS】制覇
2018年1着ルヴァンスレーヴ➡後にG1【チャンピオンズC】制覇
2017年1着サンライズノヴァ➡後に交流G1【南部杯】優勝
2016年1着ゴールドドリーム➡後にダートG1・5勝
これだけの出世レースでありながら、どうしても3歳ダート路線というのは(少なくともここまでは)露出の少ない馬が多い。
芝路線は、G1の前哨戦からガンガン取り上げられるが、ダート路線はそうはいかない。
今回のレースが終了した今でも
「あんな馬がいたのか」
といったような印象をお持ちの方も少なくないだろう。
楽しみな3頭を一挙に紹介
通常、レース回顧は、勝ち馬を中心に「レースの全体像」を振り返ることが多い。
全体像を振り返ることで、明日の夢馬券へと繋がりそうなポイントを私たちなりに探り出していくのだ。
だが、敢えて今回の【ユニコーンS】はいつもと違う方向でいきたい。
今回の着順の優劣を問わずに、シンプルに、これからが楽しみだと思えた3頭を紹介してみることにした。
ぜひ、ご覧いただきたい。
1着スマッシャー⇒鞍上も絶賛!
まずはもちろん、優勝したスマッシャーから。重賞初制覇おめでとう!
レース後の坂井瑠星騎手のコメントが非常に印象的。ご紹介してみよう。
馬に対する期待、自信がこれでもかと伝わってくるコメント。
坂井騎手は名門・矢作厩舎の所属らしく、常に冷静沈着に馬を見ている騎手だなと感じる。
レース後のコメントも、非常に理に適っているし、予想に役立たせてもらっている。
そういった騎手が、これだけ力強く前向きに語っているのだ。
その将来性がおわかりいただけるだろう。
ただの末脚自慢ではなかった
そんなスマッシャーといえば!
前走【端午S】(3着)を含め、前走まで3戦連続で上がり最速をマークしてきた末脚自慢。
もちろん今回も上がり最速の脚で4角8番手から差し切っている。
だが、私がレース前にイメージしていたよりも、末脚一辺倒の馬ではなかった。印象的だったのは
道中でのフットワークが非常に軽快で落ち着いていた点
もちろん末脚は凄いが、その伏線は明らかに道中での質の高い走りにある。
余計なスタミナロスがないから、当然のように直線は伸びる。
この分だと、距離もあと1ハロン延長くらいはこなすだろう。
文句なしで、新ダート王候補の誕生だ!
3着ケイアイロベージ⇒大物感は勝ち馬に匹敵
早速、レース後の三浦騎手のコメントをご紹介したい。
2着に3馬身もの差を軽くつけた前走の1勝クラス勝ち、さらに最近の調教での鋭い動きから
大物感のある馬だな
とは感じていたが、それでもまだ幼く、そして緩かったとは。笑
ますます今後が楽しみになってくるじゃないか!
4コーナー10番手から非常に良い手応えで直線に入りながら、結果的に0.3秒差の3着で終わってしまったのは、まさに幼さの部分だろう。
スタートでのわずかな立ち遅れや、ややスムーズを欠いた部分があった。
この先順当に成長すれば、勝ち馬と同じようなレベルに到達する可能性は十分!
未来の主役に指名しておきたい。
たかがデータ、されどデータ
ここで余談をひとつ。
レース前の段階で公開した「ユニコーンSの狙い」をご覧下さった方もいるだろう。
その中で、次のデータを記した。
圧倒的な活躍を見せてきたのは前走1800M組
そして結果は皆様もご存知の通り!
前走1800M組「3頭」のうち、2着馬サヴァ&上でご紹介した3着馬ケイアイロベージの「2頭」が馬券圏内に!
そんなことを改めて感じさせられた。
5着クリーンスレイト⇒大一番向きかも
最後に田辺騎手とコンビを組んだクリーンスレイト。
こちらも、レース後の鞍上のコメントをご紹介してみたい。
まさに田辺騎手が語る通り。
直線でもなかなか良い脚で伸びていたし、もったいないレースだった。
ただそれ以上に魅力を感じたのは、スタートでの不利に動じることなく、この馬なりに、最後まで集中してレースに入り込めているように見えた点。(だから5着にまとめられた)
経験の浅い3歳馬は、こうしたわずかなロスにより集中力を欠くケースが少なくない。
その点この馬は、極めて大人びた、そして成熟した精神力の持ち主!
状況なりに力を出し切れる馬というのは、私の長年の経験からも「大一番向き」
今日の借りを大舞台で返す日は、意外に遠くはないかもしれないぞ!
レースを見逃した方はコチラ
【みんなのKEIBA次回6月27日(日)午後3時】
6年連続でGⅠ馬を輩出している
ダートの出世レース「ユニコーンS・GⅢ」
直線で一気に脚を伸ばした7番人気②スマッシャーが
鮮やかに差し切り重賞初制覇を飾りました!2着は14番人気⑮サヴァ
3着は3番人気⑦ケイアイロベージ
3連単は79万3400円の払い戻し pic.twitter.com/qp5PUxVTc2— フジテレビ競馬 (@fujitvkeiba) June 20, 2021
【ユニコーンステークス 2021】のレース後の関係者のコメント
1着 スマッシャー(坂井瑠星騎手)
「レースではスムーズで直線で進路ができた時には届くだろうと思いました。最後は良い脚でした。1400mで勝ってきて初めての1600mでしたが、終いの脚はしっかりとしていて1600mは合うと思っていました。未勝利戦を勝った時からこのレースを目標にしていました。自信はあり、ここで勝ち負けできると思っていました。素晴らしい走りをしてくれました。速い時計が出るとは思っていましたが、レースレコードで勝ち、1600mをこなしてくれました。まだまだ伸びしろはある馬です」
(吉岡辰弥調教師)
「すごく具合が良く、自信をもって坂井騎手が乗っていました。坂井騎手が言っていたように、距離が1600mに延びて良い方向に出ると考えていました。重賞初制覇となりましたが、そうなるという自信はありました。1歳の頃は馬が細くてダートで走るとは思えずデビューは芝のレースでした。オーナーと相談してゆったりとしたローテーションにしたことが良かったと思います。今後は馬の状態を見て、オーナーと相談して決めます。さらに上を目指していきたいと思います」
2着 サヴァ(石川裕紀人騎手)
「あそこまで行ったら勝ちたかったです。今日は全然人気がありませんでしたが、こんなに人気がない馬ではないです。速い時計も持っていますし、枠も良くリズム良く行けました。あと少しでしたが、最後は勝ち馬の決め手にやられました」
3着 ケイアイロベージ(三浦皇成騎手)
「まだ幼いですし、体にも緩さがありますが、背中は良いバネをしていますし今回ワンターンにも対応してくれました。この先が楽しみです」
4着 ルーチェドーロ(戸崎圭太騎手)
「馬の出来は良かったのですが、レースへ行って不器用なところがあるので、1400mの方がこの馬の持ち味を活かせるのではないかと思います」
5着 クリーンスレイト(田辺裕信騎手)
「スタートで寄られてしまい行き脚がつかなかったのですが、その割に後半盛り返していたのでスタートでの不利が痛かったです。もう少し流れに乗れるポジションだったらもっとやれたかもしれません」
6着 サンライズウルス(藤井勘一郎騎手)
「道中は置かれてしまいましたが、最後はしっかり走り切ってくれました。今日は前々の馬の展開で難しい展開でしたが、よく頑張ってくれました」
13着 ラペルーズ(C.ルメール騎手)
「良いポジションを取れましたが、早目に疲れてしまいました。気性的に乗り難しいですね」
(via ラジオNIKKEI )
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