こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
ヴィクトリアマイル 2023 の回顧&未来の主役
2023年 5月14日(日) 2回東京8日 天候 : 小雨 馬場状態 : 良
【11R】 第18回ヴィクトリアマイル
4歳以上・オープン・G1(定量) (牝)(国際)(指定) 芝 1600m 16頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 6 | ソングライン | 牝5 | 56 | 戸崎圭太 | 1.32.2 | 08-06 | 33.2 | 4 | (美)林徹 | |
2 | 8 | 16 | ソダシ | 牝5 | 56 | レーン | 1.32.2 | 頭 | 02-02 | 33.6 | 3 | (栗)須貝尚介 |
3 | 1 | 2 | スターズオンアース | 牝4 | 56 | ルメール | 1.32.3 | 3/4 | 05-03 | 33.6 | 1 | (美)高柳瑞樹 |
4 | 7 | 13 | ディヴィーナ | 牝5 | 56 | M.デム | 1.32.4 | 1 | 13-09 | 33.1 | 15 | (栗)友道康夫 |
5 | 2 | 3 | サウンドビバーチェ | 牝4 | 56 | 松山弘平 | 1.32.7 | 1 3/4 | 03-05 | 33.8 | 8 | (栗)高柳大輔 |
6 | 1 | 1 | ロータスランド | 牝6 | 56 | 横山典弘 | 1.32.8 | 3/4 | 01-01 | 34.3 | 12 | (栗)辻野泰之 |
7 | 6 | 11 | ナミュール | 牝4 | 56 | 横山武史 | 1.32.8 | 頭 | 10-09 | 33.5 | 2 | *(栗)高野友和 |
8 | 6 | 12 | ナムラクレア | 牝4 | 56 | 浜中俊 | 1.32.9 | クビ | 05-06 | 33.9 | 5 | (栗)長谷川浩 |
9 | 7 | 14 | ステラリア | 牝5 | 56 | 団野大成 | 1.32.9 | クビ | 13-13 | 33.4 | 14 | *(栗)斉藤崇史 |
10 | 8 | 15 | ルージュスティリア | 牝4 | 56 | 川田将雅 | 1.32.9 | 頭 | 03-03 | 34.2 | 9 | *(栗)藤原英昭 |
11 | 2 | 4 | アンドヴァラナウト | 牝5 | 56 | 吉田隼人 | 1.33.0 | クビ | 11-13 | 33.5 | 13 | (栗)池添学 |
12 | 3 | 5 | スタニングローズ | 牝4 | 56 | 坂井瑠星 | 1.33.0 | ハナ | 15-15 | 33.4 | 7 | *(栗)高野友和 |
13 | 5 | 10 | サブライムアンセム | 牝4 | 56 | 三浦皇成 | 1.33.0 | 頭 | 15-16 | 33.3 | 11 | *(栗)藤原英昭 |
14 | 4 | 8 | ララクリスティーヌ | 牝5 | 56 | 菅原明良 | 1.33.0 | 頭 | 05-08 | 33.9 | 6 | *(栗)斉藤崇史 |
15 | 4 | 7 | イズジョーノキセキ | 牝6 | 56 | 岩田康誠 | 1.33.5 | 3 | 11-09 | 34.2 | 10 | (栗)石坂公一 |
16 | 5 | 9 | クリノプレミアム | 牝6 | 56 | 松岡正海 | 1.33.5 | 頭 | 08-09 | 34.2 | 16 | (美)伊藤伸一 |
やはり、この2頭
レース史上でも稀に見る好メンバーが揃った【ヴィクトリアマイル】。
そうした中でも、単勝上位に挙げられたのは、4歳馬の2頭、スターズオンアースとナミュールだった。
やはり、現代の競馬は「直前のレースの結果」がもろに売り上げに反映する。
前走で牡馬相手のG1【大阪杯】や【東京新聞杯】でそれぞれ2着に好走している両馬の実績が魅力的に見えるのは当然だ。(それも、今年に入ってからの好走だ)
しかしながら、優勝したのは4番人気のソングライン、そして2着が3番人気のソダシだった。
ご存じの通り、両馬は、ここ東京マイルでのG1勝ち経験馬だ!
今週も「東京マイル適性」が決め手に
そして、ここで思い出していただきたいのが、先週の大一番【NHKマイルカップ】。
内田博幸騎手が、久々のG1勝ちをシャンパンカラー(9番人気)と共に収めたのは記憶に新しいところ。
そして、シャンパンカラーが混戦を制することができた要因の一つが「東京マイル適性の高さ(2戦2勝の実績」だったことは間違いない。
単に結果を出していただけではなく、コーナリングなど含め、非常にレースぶりがスムーズだった。
「混戦の時にはコース適性が勝負を分ける」
競馬の基本ではあるが、改めてそんなことを勉強させられたのが先週だった。
そして私たちも【ヴィクトリアマイル】も同様だと考えた。もちろん、実績のある馬は多いが、とはいえ、例えばグランアレグリアやアーモンドアイといったような桁違いの存在はいない。
そこで、私たちは、軸馬の1頭に【東京新聞杯】のレース内容が素晴らしかったナミュールを指名したのだ。
引き続き、自信を持って
だが、そのナミュールは、皆様もご存じの通り、レース序盤のソダシの斜行(レーン騎手に過怠金5万円)の影響を受けてしまった。
レース後、横山武史騎手が怒りを露わにするほどの不利で、7着に終わった。
もちろん、横山武史騎手は本当に悔しいだろうし、馬券を買った私たちとしても無念だが、結果が変わらない以上、引きずっても仕方がない。
それより、結果としてソングラインとソダシが上位に来たことで
「コース適性を重視」
という私たちの見解自体は正しい方向だったことが証明された点は、見逃したくはないし、自信にしたい。
(ちなみに、スターズオンアースなどは、明らかにマイラーという雰囲気の走りではない。競走馬としてのポテンシャルだけで3着を確保したような雰囲気だ)
【オークス】【ダービー】【安田記念】と大一番が続くが、見えている事実をしっかりと結果に結びつけていくつもりだから、楽しみにしていてほしい。
未来の主役は?
では、今後に期待したい未来の主役はどうしようか?
もちろん、上位3頭は強いが、今さらプッシュしたところで仕方がない。
その他の馬、しかも伏兵の立場ながら、魅力溢れる走りをしていた馬として
5着サウンドビバーチェ(8番人気)
を挙げておきたい。
前走で阪神マイルの【阪神牝馬ステークス】を勝っているし、多くのレースでマイルを使われてきているが、今回のレースを見る限り、個人的には、あまりマイラーという感じはしない。
恐らく1800M〜2000Mが適性距離ではないだろうか。
そう感じた最大の理由は、レース後の松山騎手のコメントにある。
中距離路線で弾けてくれ!
松山騎手が言う通り、良いスタートだった。
それにもかかわらず、レースが進むにつれ(特に4角あたりで)位置どりが微妙に下がってきたので、当初「この乗り方の意図はなんだろう?」と疑問に思っていた。
だが、その位置どりが、リズムよく運んだ結果のものだったとしたなら、どうやらサウンドビバーチェの本質は、スピードを活かして積極的にいくような、短距離からマイラーといったタイプではないのかも。(これまでマイルを走ったレースは、同レベルか、力が下の馬と戦うことが多かったため、根本的なスピードの違いで前にいっていただけなのでは、と推測)
そして、直線では、息の長い脚を使い、最後までこの馬なりによく伸びていた。
馬のタイプなど細かい部分に違いはあるが、マイルもこなすが、本質は中距離馬という点で言えば、同じ世代のスターズオンアースに近いと言えそうだ。
個人的には【エプソムカップ】や【府中牝馬ステークス】あたりに出走だと、かなり面白いと思うが、どうだろう。もちろん、できればその先に、もう少し距離が延びる【エリ女】まで、、、
未来の主役に指名して、注目したい!
京王杯スプリングカップ 2023 の未来の主役
2023年 5月13日(土) 2回東京7日 天候 : 小雨 馬場状態 : 良
【11R】 第68回京王杯スプリングカップ
4歳以上・オープン・G2(別定) (国際)(指定) 芝 1400m 18頭立
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 12 | レッドモンレーヴ | 牡4 | 57 | 横山和生 | 1.20.3 | 12-10 | 32.6 | 2 | (美)蛯名正義 | |
2 | B5 | 10 | ウインマーベル | 牡4 | 57 | 松山弘平 | 1.20.4 | 1/2 | 05-05 | 33.2 | 7 | (美)深山雅史 |
3 | 7 | 15 | ダディーズビビッド | 牡5 | 57 | 浜中俊 | 1.20.5 | クビ | 03-03 | 33.5 | 6 | (栗)千田輝彦 |
4 | 8 | 16 | アヴェラーレ | 牝5 | 55 | ルメール | 1.20.5 | クビ | 14-13 | 32.5 | 4 | (美)木村哲也 |
5 | 7 | 13 | レイモンドバローズ | 牡5 | 57 | 横山武史 | 1.20.6 | クビ | 09-09 | 33.0 | 11 | (栗)上村洋行 |
6 | 2 | 4 | ゾンニッヒ | 牡5 | 57 | レーン | 1.20.6 | クビ | 07-08 | 33.2 | 3 | (栗)池江泰寿 |
7 | 7 | 14 | ラウダシオン | 牡6 | 58 | 岩田康誠 | 1.20.7 | クビ | 02-02 | 33.9 | 9 | (栗)斉藤崇史 |
8 | 5 | 9 | ピクシーナイト | 牡5 | 58 | 戸崎圭太 | 1.20.7 | クビ | 05-05 | 33.5 | 5 | (栗)音無秀孝 |
9 | B3 | 6 | ホープフルサイン | 牡7 | 57 | 北村宏司 | 1.20.7 | クビ | 12-13 | 32.7 | 18 | (美)本間忍 |
10 | 6 | 11 | ミッキーブリランテ | 牡7 | 57 | 菅原明良 | 1.20.8 | クビ | 11-10 | 33.1 | 15 | (栗)矢作芳人 |
11 | 1 | 1 | ダノンスコーピオン | 牡4 | 58 | 川田将雅 | 1.20.8 | クビ | 07-05 | 33.5 | 1 | (栗)安田隆行 |
12 | 4 | 8 | トゥラヴェスーラ | 牡8 | 57 | 丹内祐次 | 1.20.9 | クビ | 09-10 | 33.2 | 8 | (栗)高橋康之 |
13 | 8 | 18 | グラスミヤラビ | 牝4 | 55 | 柴田善臣 | 1.21.0 | 3/4 | 16-15 | 32.8 | 16 | (美)杉浦宏昭 |
14 | B3 | 5 | ベレヌス | 牡6 | 57 | 西村淳也 | 1.21.1 | 3/4 | 01-01 | 34.5 | 10 | (栗)杉山晴紀 |
15 | 1 | 2 | ロードマックス | 牡5 | 57 | 団野大成 | 1.21.3 | 1 1/4 | 14-15 | 33.1 | 14 | (栗)藤原英昭 |
16 | B4 | 7 | カルリーノ | 牡7 | 57 | 田辺裕信 | 1.21.6 | 1 3/4 | 18-17 | 33.1 | 13 | (美)高橋裕 |
17 | 8 | 17 | タイムトゥヘヴン | 牡5 | 57 | 大野拓弥 | 1.21.6 | 頭 | 16-17 | 33.1 | 12 | (美)戸田博文 |
18 | B2 | 3 | ヴィクティファルス | セ5 | 57 | 石川裕紀 | 1.21.9 | 1 3/4 | 03-03 | 35.0 | 17 | (栗)池添学 |
おめでとう!蛯名正義厩舎
まずは、調教師2年目にして、待望の重賞初勝利を成し遂げた蛯名正義調教師(レッドモンレーヴ)に対して、心からの祝福を申し上げたい。
数えきれないほどの重賞勝ちを収めてきたトップジョッキーだっただけに、当時とのギャップに苦しんだことも少なくなかったと思う。
実際にレース後
という旨のコメントも残している。
ただ、結果として重賞勝ちには時間がかかった(あくまでも騎手時代と比べればという意味だが)が、さすがは開業前に、名将・藤沢和雄元調教師の元で修行しただけに、キメの細かい調教には早くも評価が集まっているようだ。
今回は師匠から引き継いだレッドモンレーヴでの勝利だったが、この勝利をキッカケに、仕事ぶりに注目が集まれば、ますます良質な馬も集まってくるだろう。
それだけに、さほど遠くはない未来において、騎手時代のような栄光を掴みそうな予感がして仕方がない。
これまで以上に、私たちも蛯名厩舎には期待(あるいは警戒)していこうと思う。
未来の主役はもちろん2着馬
一方、今回のレースにおける未来の主役には、私たちの軸馬だった2着馬(7番人気)ウインマーベルを推したい。(勝利馬券をお届けてくれたこと、心から感謝している)
参考→5/13.14の成績
もちろん、勝たせてもらったから評価している訳ではない。
レースをご覧の方ならおわかりの通り、一度直線で脚が止まりかけており、普通なら、そこからズルズルいってもおかしくはない。
だが、そこからもう一度巻き返す。結果、勝ち馬から半馬身差の2着だから本当に驚いた。
さて、ウインマーベルは、昨年秋のG1【スプリンターズステークス】で2着しているように「1400Mもこなすスプリンター」という部分が本質だろう。
そういった馬にとって、タフな東京芝1400Mという舞台は決して楽ではないだろうし(だからこそ、上でも記したように苦しくなったのかもしれないが)、それだけに、そこから巻き返せるた背景には「並のスプリンターを超越した底力」を確信せずにはいられない。
近走は、枠だったり、スムーズさを欠いたりと、明確な理由があって苦戦が続いていた。そのため、今回は7番人気にとどまった。
だが!苦しい着順の陰で「馬自体は順調に力をつけていた」というのが正解だろう。
ひょっとしたら今年の【スプリンターズステークス】では、とんでもない走りを披露してくれるのではないだろうか?未来の主役に指名し、心から楽しみにしたい!
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