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ホームG1【回顧】2017 凱旋門賞 における勝負の明暗

【回顧】2017 凱旋門賞 における勝負の明暗

こちらのコラムでは「結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。

もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!

 

何が足りない?才能か?環境か?

 

 

”フランキー”デットーリ騎手がみせた技!!

今年の凱旋門賞は、スタートして200mで勝負ありましたね。5頭出しの包囲網でエネイブルを囲みに行った、オブライエン陣営ですら歯が立ちませんでした。それはなぜか?⇒デットーリ騎手が内枠から外へと行ったからです。枠順発表の際は誰しもこう思った筈です。

 

エネイブルが内枠じゃ、絶対有利じゃん!

 

しかし、事はそんな単純ではありませんでした。

考えても見て下さい。包囲網で潰しにかかる”チーム”が一番喜ぶことは何か?それは「内ラチ沿いで揉まれる」ことです。ある種、エネイブルにとって2番は死のナンバーだった筈です。スタートで後手を踏んだら、それでTHE ENDだった訳ですから。レースを見返せば明白ですが、実際にオブライエン厩舎は皆、内をポッカリと開けてなんとかエネイブルを誘い込もうと躍起でした。

 

しかし、そこは世界No.1ホースの心臓と、世界の頂きを知る男!!

 

流石はヴィクトリーロードを知っている、デットーリ騎手でした。どんなに外へ振られようとも、彼女のスタミナと力を信じ、とにかく内で囲まれないようにする。だからこそ、いつでも外へ出せるポジションを、わざわざ内枠から大外へと取りに行った。このシンプルかつ、スタートでの一瞬の集中力で、世界の頂点を射止めたのだと、私は思います。

 

見逃したか方は、是非YouTube動画を御覧下さい↓(日本語)

 

 

Q.なぜ、日本馬は勝てないんだ?!

旋門賞を終える度に、毎年脳裏を過ることです。敗因は、「馬場なのか?」「才能の差か?」それとも「チームワークの差か?」私はズバリ「環境」にあると思っています。私は決して、日本の一流ホースの力と才能が、世界で通じないとは思っていません。凱旋門賞においては、ディープインパクトの3着。エルコンドルパサー、オルフェーヴル、ナカヤマフェスタの2着など、勝負できる才能がいることは最早明らかです。

 

ですが、上記の結果=「日本のレベルが上った」とは、思っていません。

 

あえて強い言葉を使わせて頂ければ、日本厩舎の実力で、そして環境の変化だけで2着に成った訳ではないと私は思います。「たまたま、常識外れな才能が産まれただけで、たまたま“それ”が日本で産まれただけ。」私はそう考えています。

 

確かに、この数十年で日本の競走馬を取り巻く環境は、劇的に向上しました!!それが、ドバイワールドカップの優勝など、数々の海外G1での実績にも現れています。しかし!!「世界一には、近づけたか?」私にはまだまだ、10馬身以上の差があると感じています。

 

仮に、今年の凱旋門賞のメンバーで、ジャパンカップを走ったらどうなるか?結論から言えば、エネイブルの優勝は揺るがないと私は思います。サトノダイヤモンドの挽回や、2着以下の入れ違いは多少あるでしょう。しかしながら、舞台を東京コースに移したからと言って「世界一」になれる根拠はないと思っています。

 

その理由の1つは、以下のコラムでも記載した「環境」と牧場にあると思っています。



【凱旋門賞特集②】  この調教馬に注意せよ 

 

 

 

 

 

Q.では、どうやったら勝てる

からも、皆様に問いたい。読者である「あなた」には、どんな打開策が浮かびますか?仮にあなたが、サトノダイヤモンドのトレーナーだとして、凱旋門賞を勝つには「何を、どうすべき」だと思いますか?

 

私なりの結論を申し上げれば、「どんどん負けろ!!」と言いたいです。どういう意味か?⇒それは、どんどん世界へ挑戦して、負けてこい!!と言う事です。どんなスポーツも、「戦わずして得られる物はありません。」どんな仕事でも「挑戦せず、得られる物はありません。」

 

あのレジェンドボクサー、モハメド・アリ選手が、生前残した言葉の中で私の大好きな名言があります。

 

不可能とは、自らの力で世界を切り拓くことを放棄した臆病者の言葉だ。
不可能とは、現状に甘んじるための言い訳に過ぎない。
不可能とは、事実ですらなく、単なる先入観だ。
不可能とは、誰かに決め付けられることではない。
不可能なんてありえない。
何のリスクも取れない人間に、成し遂げられることなど、何一つ無いのです。

 

私も学生時代、1度海外で生活していた事があるので、肌で世界との差を痛感させられた経験があります。殻にこもった、いわゆる「守られた環境下」では、決して得られないモノが、外の世界には転がっているのだと思うのです。

 

しかし、競走馬と言う1つの命と付き合っていく上で、それはもの凄く覚悟のいる、重たい決断だと思います。けれど、「今のままでは、絶対に勝てない。」皆、口には出しませんが、先日の凱旋賞の結果を見れば、心の奥底ではわかっている現実だと思います。

 

1969年、スピードシンボリの初挑戦から始まり、早48年。一見、長きに渡り戦ってきたかのように感じますが、回数で言えばまだまだ14回。

 

これは凱旋門賞に限らず、ラニやエピカリスのアメリカ三冠挑戦。アルバートやカレンミロティックのオーストラリア挑戦などなど、どんどん、世界で戦って欲しい!!と言うのが、一競馬ファンとしての願いです。

 

世界を見る。

世界を感じる。

世界を知る。

 

 

それしか打開策はないと、私は思います。(作者:真田 幸太郎)


【関連】 9/30(土)10/1(日) の成績と獲得金額【2017】

【勝負の明暗】 2017 スプリンターズSなど

 

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