こちらのコラムでは「キングスポーツの予想結果」とは別に、客観的な視点でのレース回顧をお届けしています。それこそが「明日の夢馬券獲得」の糧となると考えています。
もちろん、会員の皆様も、回顧を読んで頂く中で競馬の引き出しをドンドン増やして頂きたい。間違いなく、今後の競馬ライフは充実したものになりますのでご活用ください!
勝負の明暗 はここだった!
【回顧】マイラーズカップ 2020 における勝負の明暗
着 | 枠 | 馬 | 馬 名 | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 通過順位 | 上3F | 人 | 単勝 | 体重 | ± | 調教師 |
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1 | 1 | 1 | インディチャンプ | 牡5 | 58 | 福永祐一 | 1.32.4 | 04-03 | 33.0 | 1 | 1.6 | 476 | -2 | (栗)音無秀孝 | |
2 | 5 | 5 | ベステンダンク | 牡8 | 56 | 藤岡佑介 | 1.32.7 | 2 | 02-02 | 34.1 | 7 | 57.3 | 518 | +10 | (栗)安達昭夫 |
3 | 6 | 7 | ヴァンドギャルド | 牡4 | 56 | 岩田望来 | 1.32.9 | 1 1/2 | 10-10 | 32.7 | 2 | 3.9 | 474 | -2 | (栗)藤原英昭 |
4 | 5 | 6 | ロードクエスト | 牡7 | 56 | 松若風馬 | 1.33.0 | 1/2 | 08-08 | 33.0 | 8 | 96.7 | 472 | -6 | (美)小島茂之 |
5 | 7 | 10 | ヴァルディゼール | 牡4 | 56 | 北村友一 | 1.33.2 | 1 1/4 | 06-07 | 33.4 | 3 | 5.9 | 462 | 0 | (栗)渡辺薫彦 |
6 | 8 | 12 | レッドヴェイロン | 牡5 | 56 | 浜中俊 | 1.33.2 | ハナ | 08-08 | 33.2 | 4 | 8.6 | 492 | -2 | (栗)石坂正 |
7 | 2 | 2 | ランスオブプラーナ | 牡4 | 56 | 太宰啓介 | 1.33.3 | 1/2 | 01-01 | 34.7 | 6 | 52.5 | 472 | +4 | (栗)本田優 |
8 | 4 | 4 | ブラックムーン | 牡8 | 56 | 武豊 | 1.33.3 | クビ | 10-10 | 33.0 | 5 | 43.3 | 512 | +14 | (栗)西浦勝一 |
9 | 7 | 9 | リコーワルサー | 牡5 | 56 | 真島大輔 | 1.33.4 | クビ | 05-05 | 33.9 | 11 | 205.6 | 494 | -4 | [地]荒山勝徳 |
10 | 6 | 8 | カルヴァリオ | セ7 | 56 | 幸英明 | 1.33.8 | 2 1/2 | 03-03 | 34.5 | 10 | 176.4 | 470 | -6 | (美)大竹正博 |
11 | 3 | 3 | タイムトリップ | 牡6 | 56 | 藤岡康太 | 1.34.0 | 1 1/4 | 06-06 | 34.3 | 9 | 161.0 | 496 | +4 | (美)菊川正達 |
返 | 8 | 11 | フィアーノロマーノ | 牡6 | 56 | 川田将雅 | 560 | +4 | (栗)高野友和 |
正直に言って、あまり回顧することのないレースではないだろうか。
誰が見てもインディチャンプの強さばかりが目立ったレースだからね(笑)
改めて申し上げるまでもなく、昨年の国内マイル王。
そんな馬が、前走【中山記念】を一度叩かれての2戦目。
ましてや、G1勝ちのある得意の舞台ともなれば、勝って当然だったのかもしれない。
そんなインディチャンプの「今後」にとって、最も大きかったのは
最大のライバルだと思われたヴァンドギャルドの出遅れではないか
「最高の調教」になったはず
恐らく、ヴァンドギャルドが普通にゲートを出ていても、インディチャンプが勝ったとは思う。
それでも、直線で競り合うことにはなっただろう。
だが実際には、ほぼ完全に
持ったままの状態でゴールまで駆け抜けた
要するに、全くダメージを残すことなく「実戦」という名の「最高の調教」を行うことができたのだ。
ご存知の方も多いだろうが、競馬の世界には昔から
というような格言がある。それだけ、競走馬にとって実戦を走れることは大きいのだ。
今回のレースを経て、インディチャンプは更にぐっと状態を上げるだろう。
そういった中で大一番【安田記念】を迎えられるのだから
連覇の可能性は十分にある
と見て良さそうだ。
鞍上の福永騎手も、先週【皐月賞】の手綱さばきからもわかる通り、この春は流れが良い。
新型コロナ問題による無観客競馬が続く競馬界、難しい状況にあるからこそ、競馬界を代表するスターでもある福永騎手に、頑張ってもらおうじゃないか。
京都コースはスタミナが大事なんだ
冒頭でも記した通り、あまり回顧することのないレースではあるが、最後にひとつだけ!
伏兵ベステンダンクが2着に残れた理由について、私たちなりの考えをお伝えしたい。
もちろん、ひとつは3番手を走っていたインディチャンプが直線持ったままだったため、前を走っていたベステンダンクが楽をできたこと。
これを大前提として、、、
ベステンダンクが長い距離のレースを使い続けられてきたこと
が大きかったと見ている。(前走まで6戦続けて1800M以上を走っている)
ここで、京都コースの断面図をご覧いただきたい。
ご存知の方も多いと思うが、京都コースは3コーナー付近から下り坂が始まる。途中で傾斜は楽になるが、下りながら直線に入る形となっている。
要するに、競走馬にとって、一番の勝負どころであり、一番苦しい直線を
トップスピードの中で迎えなくてはいけない
ということ。
これが、いかにスタミナを求められるか?想像するに難くないはずだ。
そういった舞台だからこそ、長い距離で揉まれてスタミナが鍛えられたベステンダンクにチャンスが訪れたとみている。
これから、皆様が京都のレースを予想される際は、是非、各馬のスタミナを意識してほしい。
5着・ヴァルディゼール
前半から、あまり行きっぷりが良くないように見えた。
元々、開幕週のような時計の速い馬場状態は向いていないと言われるが、それに当てはまってしまったのだろう。
だが「その割には」ということにはなるが
思った以上に直線では渋太く脚を伸ばしていた
しかも、左前趺の蹄鉄が外れていたという。
そういった点を考慮すれば、やはり底力を感じるのだ。
もう少し開催が進んだ中でのレースに出走ができるようなら、面白い。
【マイラーズカップ 2020】のレース後の関係者のコメント
1着 インディチャンプ(福永祐一騎手)
「イメージ通りの競馬や走りができたのではないかと思います。中山記念を使われていた効果があってか、返し馬から動ける感じでした。体調は万全だったと思います。スタートだけは気を付けないといけないポイントでしたが、ゲート練習を熱心にやっていましたし、落ち着いて待っていました。とてもいいスタートが切れて、行くと思っていた2頭の後ろのいい位置でプレッシャーもなく追走できました。以前は抜け出してやめるところがありましたし、気を付けていました。マイルのチャンピオンですからね。ふさわしい走りができたと思います。安田記念にいい形で向かえるのではないでしょうか」
2着 ベステンダンク(藤岡佑介騎手)
「この馬にとっていい条件のレースを使ってもらえました。先行して良く走ってくれました。この馬の競馬ができましたね」
3着 ヴァンドギャルド(岩田望来騎手)
「ゲートが開く直前に後ろにもたれてしまいました。最後は良い脚で追い込んできましたので、良いポジションにつけられるようになればもっとやれます」
4着 ロードクエスト(松若風馬騎手)
「この馬のレースをVTRでみていて、直前まで我慢させようと思っていました。その通り我慢がきいて直線でも反応があり、この馬らしいレースができました。まだやれる力はあります」
5着 ヴァルディゼール(北村友一騎手)
「馬場も良く今日は開幕週で流れも速く、追走が忙しかったです。直線で左前の蹄鉄が飛ぶのが見えました。それがもったいなかったです」
6着 レッドヴェイロン(浜中俊騎手)
「硬い馬場は好きではないようです。走りが小さく感じました。特に下りが突っ張ってしまいます。強くうながせばトモがバラバラっとなってしまいます。直線は立て直して、じわじわと伸びています。やわらかい馬場の方がいいと思います。それに今日は枠も厳しかったですね」
8着 ブラックムーン(武豊騎手)
「ちょっと向正面でごちゃついて、中途半端なレースになってしまいました」
(via ラジオNIKKEI )
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